- 日時: 平成20年12月5日(金) 10:00~12:00
- 場所: 内閣府5階特別会議室
(開催要領)
- 出席委員:
- 監視・影響調査専門調査会:
- 鹿嶋会長
- 大沢委員
- 勝又委員
- 神田委員
- 袖井委員
- 橘木委員
- 畠中委員
- 山口委員
- 生活困難を抱える男女に関する検討会:
- 小杉委員
- 桜井委員
- 白波瀬委員
- 湯澤委員
- ※生活困難を抱える男女に関する検討会と合同開催
- 議題
- (1) 生活困難を抱える男女に関する有識者ヒアリング
- 婦人保護施設 施設長
- 湯澤直美委員
- (2) 生活困難を抱える男女に関する検討会における検討状況について
- (1) 生活困難を抱える男女に関する有識者ヒアリング
- 議事要旨
■婦人保護施設施設長 意見聴取
- 対象を妊産婦に限定した全国で唯一の婦人保護施設である当施設の利用者に見られる女性の生活困難について聴取した。
- 利用者は中卒・高校中退が半分未満、DV、性虐待の経験者が多い。
- 近年の傾向として十代の母の増加がある。
- 十代母への支援、母子生活支援施設の弾力的利用や多機能化等の施策の必要性を指摘。
【発表を踏まえての意見交換】
- 入所者が寮を出たあとの状況はどうか。
→ 当施設のリピーターや、様々な施設をぐるぐる回っている人が存在する。支援を利用し子どもを育て上げ、それを喜びとして立ち直る人もいるが、育てきれず乳児院に子どもを預けてしまうと、性産業に戻ってしまったりもする。親子を分離することになったケースでは、その後の母親のケアがとても大切。
■湯澤委員発表
- 社会福祉領域から見た女性支援への視座について、特に学歴階層に着目し説明。
- 貧困の再生産を防ぐための手だてとして、子ども世代への進学支援の重要性を指摘。
- 高校進学を支える生活支援とはどのようなものか。また、卒業保証は能力に関わることなので難しいのではないか。
→ 一度発生した貧困の改善の難しさからも、再生産の防止には特に力を入れる必要がある。高校進学までは全ての子どもに保証するべき。卒業保証は難しいが、大学に特別枠を設ける等、大学進学を何らかの形で支援するべきと考える。 - 施設機能の再評価とはどのようなことか。
→ 母子支援に自立という言葉が使われ始めてから、母子生活支援施設などは早くの退所が良いと考える傾向がある。しかしまずは生活の仕方を学ばなければならない状況では、就業継続は難しい。就業すればゴールではなく、それが持続することが必要。人間にとっての自立とは何か考えるべき。 - 中卒者よりも、高校を中退する方が数は多く、その層も問題。
- 日本の高校の風土として、高校生の妊娠が発覚すると、学校は退学させ隠蔽する傾向があるが、彼女たちに学業を保証する事が必要。
- 学歴は社会階層の代理変数である。教育制度と雇用とのミスマッチの問題もあり、高校・大学の学歴が取得できればいいというものでもない。
- 母子世帯の母の勤労時間が非常に長い。ダブルワーカーが多く、子どもとの時間を犠牲にして働いている。
- 施設の入所期間が短い問題と、出た後のケアの問題が重要。
- 就労意欲のない者が支援施設に意図的に入所するという話を聞くが、そうしたモラルハザードについてはどう考えているか。また、その点はどの程度のウェイトで問題と考えるか。
→ 支援者の関わりの質と考える。実感としては、施設を出たいと考えている利用者が多いと感じている。 - 女性には、キャリアコースの見える職業領域が少ないことが問題。教育の重要性ももちろんだが、女性の職業との結びつきを増やしていくことも大切。
■事務局から「生活困難を抱える男女に関する検討会における検討状況について」を説明。
【説明を踏まえての意見交換】
- 民間で有効な活動をしている団体への有効投資が今後重要なため、民間のケースを入れたい。
- 職業訓練関係の団体がヒアリング先にあるといい。
(以上)