監視・影響調査専門調査会(第24回)議事要旨

  • 日時: 平成19年11月13日(火) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府5階特別会議室

(開催要領)

  1. 出席委員:
    • 鹿嶋会長
    • 植本委員
    • 勝又委員
    • 神野委員
    • 袖井委員
    • 畠中委員
    • 山口委員
  2. 議題
    • (1) 各府省ヒアリングの結果について
    • (2) 中間的な論点整理(案)について
    • (3) 検討会における検討状況について
  3. 議事要旨

■ 中間的な論点整理(案)について事務局から説明を行った。

【説明を踏まえての意見交換】

  • 主な論点として、(1)具体的な方向性がさらに出せるのか。(2)新しい視点が出せるのか、例えば現役時との関連、生涯未婚者増加の問題、高齢女性の貧困の問題、自立困難な子どもの問題等。(3)施策間連携等。男女の論点ではくくりきれない場合もあるが、以上三点を中心に議論をお願いしたい。
  • 参考資料1のデータ7ページの、白波瀬佐和子先生の相対的貧困率の表では、年を追うごとに高齢者世帯における不平等が逓減していると読み取れるが、この読み方でいいのか。
    →社会保障制度の整備によって所得の再配分が進むことで、経年的には相対的貧困率が低下して格差は縮まってきている側面はあるが、単身高齢者世帯の中でも男性では未婚、女性では死別、離別の場合に相対的貧困率が高いと違いがある。
  • 未婚者が増加している理由は何か。
    →調査結果等によると、結婚するメリットを感じないなど価値観の変化も大きい。また、結婚しない理由は、女性においては子育て負担や、仕事と家事の両立の困難が多く上がる。男性は、結婚による経済的負担に耐えられないことが大きな理由になる。
  • 高齢者虐待は非常に問題。未婚の息子から母親へのものが圧倒的に多い。
  • 介護人材不足の原因は、低賃金だけではない。過疎等の理由で、報酬を上げても人が集まらない地方もある。医療と同様に、非常に地域差があるということが知られていない。
  • 介護だけではなく高齢者医療の問題も指摘すべき。保険制度における負担の在り方や医療の担い手に関する問題もある。
  • 元気な高齢者、自立した高齢者が自己決定できる、社会の弱者としてではなく、自らが自分達の方向性を見いだしていくような在り方が望ましい。特に女性の場合、依存性が高く、自己決定する訓練もできていない。女性のエンパワーメントの実現について、高齢期においてそれまでの不足を補う視点も必要。
  • 参考資料1の統計データを見ると、男性に比べて女性の方が死亡率が高い疾患があまりに少ないが、実際はどうなのか。
    →例えば乳癌や子宮癌など女性特有のものを除いた悪性新生物についても、更年期前は明らかに男性において死亡率が高いが、更年期後に女性のホルモン分泌が減退すると女性においても罹患率が高まるとのこと。つまり性差も一律ではなく、加齢に伴って変化する。
  • 性差医療というのはどの程度進んでいるのか?
    →性差医療という名称ではないが、新健康フロンティア戦略でも、女性の問題は意識して取り上げられている。だが性差医療はまだまだこれからの課題である。今は、厚生労働科学研究で研究を行っているところ。体制、知識普及、研究等、まだまだ今後必要な状態である。
  • 高齢社会対策は、総括的にどのような社会を目指すかであると考える。スウェーデンには準婚姻法というものがあり、婚外子も社会的に認められる。そうした層も育てられるよう、施設整備が進んでいる。新しい家族の形や、家族に頼らなくても地域やそれ以外での人間関係があるなども考えられるが、どのような方向性を目指すのか
  • 都会の高齢者の孤立の問題について指摘が必要。声かけの体制等を含め、都市はインフラが未整備。
  • ある自治体では、清掃労働者が、独居老人の家の場合ドアをたたいて安否確認をするという活動を行っている。既存の事業を上手く利用している例であり、一見異なる施策でもマッチングしていくとより良い効果が生まれる。
  • そのような活動は、新聞販売店などでも可能かもしれない。
  • 男女共同参画の視点の主流化を、もっと強調してもいいのではないか。単発で主張していくのではなく、例えば各省において男女共同参画への取組の政策的な優先度を高めてもらうこと等を考えていきたい。
  • 各省において男女共同参画の考え方が主流化されないのは、日本の役所の縦割り構造がある。自分の担当業務に直接関わらない事には手を出さない。だから、男女の視点の反映が重要だ、というのは、男女共同参画局が常に言い続けていかないといけない。
  • 中間論点整理案の、一人暮らし女性が多く、緊急時の備えが必要というのは、具体的にどういうことか。
    →災害や病気など不慮の事態において困らないように、安否確認や緊急時の対応などに関する地域のネットワークを想定している。
  • 中間論点整理案には具体例がもう少し欲しいかもしれない。抽象度の高い表現については説明を補足して欲しい。
  • 男女共同参画の主流化のためには、高齢社会対策大綱の見直しへの働きかけなどをもっとやっていって欲しい。
  • 現在の中間論点整理案は、自立をとても強調している。スウェーデンでは、自立すればするほど連帯するという考え方がある。自立が孤立につながってはいけない。助け合いのメカニズムのニュアンスをもっと入れて欲しい。
    →自己決定やエンパワーメント、自立と連帯などの考え方を、別立てで整理したい。御意見を踏まえて修正した案は、また後程委員にお示しする。

■ 検討会における実態調査の検討状況について事務局から説明を行った。

【説明を踏まえての意見交換】

  • 国勢調査などは調査拒否が大変多くなっているので、調査方法はよく考えて工夫してほしい。

(以上)