監視・影響調査専門調査会(第22回)議事要旨

  • 日時: 平成19年9月19日(水) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府3階特別会議室

(開催要領)

  1. 出席委員:
    • 鹿嶋会長
    • 大沢委員
    • 勝又委員
    • 神田委員
    • 袖井委員
    • 畠中委員
    • 山口委員
  2. 議題
    • (1) 開会
    • (2) 「高齢者の自立した生活に対する支援」に関する各府省ヒアリング
      • 内閣府(政策統括官(共生社会政策担当))
      • 文部科学省
      • 農林水産省
      • 総務省
    • (3) その他
    • (4) 閉会
  3. 議事要旨

■ 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)担当参事官から高齢社会白書について説明高齢社会対策大綱の見直しについて、日本の高齢化の状況について、前例のない高齢社会に向けた対策・取組の方向性について説明を受けた。

【説明を踏まえての意見交換】

  • 前例のない高齢社会において、男女の違いは際立っていくのか、そのような場合、どのような施策が必要か。
    →増加する高齢者のみ世帯や高齢者の一人暮らし世帯を支えるには、政府の施策だけでは不十分。地域を活性化させる施策が重要である。
  • 男女の視点ではどうか。
    →男性は付き合いが苦手で、自分から地域に出て行かないという問題がある。こちらから家の中へ入っていくくらいの取組をしないといけない。そうするとマンパワーが足りないので、地域の力に期待するのが現実的。
  • 女性への対策は今までどおりでいいのか。
    →女性は体力が問題で、日常的な支えが必要。買い物や電球変えなどを、ちょっとしたお金を払うことでやってもらえるサービスなどを高齢者が行う取組があり、白書で紹介している。元気な高齢者がこうした活動で助けの必要な高齢者を助けて、生きがいを得、お金を溜めることができるという仕組みになっている。
  • フィンランドではITを活用し一人暮らし高齢者のコミュニケーション等に活かしていると聞くが、日本のIT戦略として、そういうことは長期的な計画としてあるのか。
    →ITを活用した活性化については余り存じあげない。ITも使いやすさの面でどんどん進歩しており、取り入れていくことは大事と思う。
  • 地域差をどう考えるか。
    →早く高齢化した田舎では、それなりの仕組みが出来上がっているが、これからは都市部が問題になる。田舎から出て都市部に流入した団塊世代が高齢化していく現在、高齢者が支える側に回る仕組みを早く作らなければならない。都市部は人が多いが、それは支え手が多いということでもある。ただ都会はコミュニケーションが不足しており、都市部においては大きな課題である。
  • 高齢社会対策大綱へ男女の視点をどう入れていくか。
    →男性が心の面で孤立しない、女性が体力面・日常的な面でいかに手助けを得られるか、そのために地域の力をいかに再生するかだと考える。

■ 内閣府政策統括官(共生社会政策担当)のヒアリング高齢社会対策大綱の推進、高齢社会に関する調査研究、国民に対する啓発等の所管施策について説明を受けた。

【説明を踏まえての意見交換】

  • エイジレス・ライフの実施とは、どういうものを事業の成果とするのか。
    →全国各地の元気にご活躍なさってる高齢者の活動を紹介することで波及的な効果を期待する。
  • 候補者に男性の方が多いようだが、県に候補者を選ばせるという方法に問題があるのではないか。婦人団体、女性団体に下ろすなど、民間団体を発掘しないと女性は増えないと思う。

■ 文部科学省のヒアリング団塊世代等社会参加促進のための調査研究、総合型地域スポーツクラブの育成・支援、地域スポーツ指導者育成推進事業等の所管事業について説明を受けた。

【説明を踏まえての意見交換】

  • 教育サポーター制度は、この発掘の仕方では、男性の方が多くならないか。
    →現在既存の人材バンクの登録数を調査している。その結果を見て女性の数が余り少なければ、掘り起こしについても考えていかなければと考えている。

■農林水産省のヒアリングJA食料・農業・農村サポート機能活性化促進事業、シニア能力開発促進事業、農業者年金制度等の所管事業について説明を受けた。

【説明を踏まえての意見交換】

  • 運用については男女の配慮があるのだが、男女別の把握が不足していないか。農林漁村の結婚難等への対策としても、男女別の状況を把握することで、何が問題なのか見極めることが大切ではないか。
    →統計データを分析して、数字上の状態を把握したり、これ以外に高齢者や女性の活動に対して調査を行ったりして、ニーズを把握する努力はしている。

■総務省のヒアリング介護貯金、財産形成年金定額貯金、簡易生命保険契約サービス等の所管事業について説明を受けた。

【説明を踏まえての意見交換】

  • 女性の方が加入率が高いようだが、一般の生命保険もこういう傾向なのか。
    →簡易保険は住宅に訪問販売する率が高いので女性の利用が多いのではないかと思う。民間の生命保険は、会社等から入るケースが多く男性の方が多いかもしれないが、民間のデータを持っていないのでわからない。

【本日の府省ヒアリング全体についての意見交換】

  • 男女別のデータ把握は、この監視・影響調査専門調査会の大きなテーマだが、実施されていない施策もまだかなりある。また、男女別にデータを取ってはいるものの、取組には反映されていない。データを取るだけではなく、男女の老後の生活様式の違いなどに着目した運用が大切で、そのためには男女共同参画の視点を各省に持っていただくことが必要である。大綱には是非、男女共同参画の視点を入れてもらいたい。
  • 従来型の女性のライフスタイルの把握では補完しきれないようなものもあるのではないか。
  • 府省間の施策の連携や地方自治体・関連団体等との連携が必要。
  • 柱になるようなものを提示していかなくてはいけない。男女の視点を具体的に施策で入れるとしたらどういう形をとるのかということが問われてくると思う。
  • 現在の高齢者の生きてきた時代の社会構造と、高齢者の現状との関連も必要。
  • 地域社会の活性化が大切。ボランティアが自然体になっていく社会を目指していきたい。職業生活についた時から、社会に貢献するのは当たり前だと言う意識を作り直し、職業生活とボランティアが一緒になっていれば、定年になっても困ることもない。
  • 最初に白書の中で、男性は孤立、女性は自立、といった指摘があったが、そうした認識が各省の間で共有されるといいと思う。

■長谷川総務課長から、第2次基本計画の防災分野のフォローアップ状況について、新潟県の中越沖地震での男女共同参画対策の実施状況等を報告した。

(以上)