監視・影響調査専門調査会(第14回)議事要旨

  • 日時: 平成18年10月2日(月) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府5階特別会議室

(開催要領)

  1. 出席委員:
    • 鹿嶋会長
    • 勝又委員
    • 神田委員
    • 佐藤委員
    • 神野委員
    • 袖井委員
    • 林委員
    • 古川委員
    • 山口委員
  2. 議題
    • (1) 開会
    • (2) 女性の能力開発に関する有識者ヒアリング及び質疑応答
      • 「農村女性をめぐる現状と課題―特に能力開発を中心にー」
         川手 督也 氏(日本大学生物資源科学部食品経済学科助教授)
    • (3) 多様な選択を可能にする能力開発・生涯学習に関する影響調査
      • -女性の多様な選択をめぐる現状と課題(統計データ分析)-
    • (4) 閉会
  3. 議事概要

【川手督也氏ヒアリング】

  • 農村女性は、結婚を機に就農し、子育てが一段落した30代後半から本格的に農業に従事するパターンが多い。現在の50代以上は子育て期にも農業をしていたので、現在はM字型が深化してきている。
  • 農業を職業としている人口の半数以上が女性である。
  • 農業経営において多角化が進んでおり、加工販売など付加価値の高い部分は、性別役割分担を背景にしている面もあるが、女性が中心となっているケースが多い。
  • 農業は職住が一体となっているため、家庭生活と仕事の両立が可能であったり、家事・育児・介護などの経済的な評価が既に行われている場合もある。
  • 家族経営協定の締結は平成18年3末現在で3万4521件であり、十分とはいえないが、ある程度進んでいる状況である。
  • 責任を持って担当している仕事のある農村女性は70.6%と、女性が活躍できる範囲が大幅に広がってきている一方、労働報酬や土地の保有などは少ない状況である。
  • 農村女性の能力向上の機会、有益な情報へのアクセス、経営者としての位置づけなどはまだ不十分である。また家事・育児・介護等の負担も大きい。
  • 認定農業者制度の運用が平成16年に改正され、認定の共同申請が認められるようになったこともあり、女性の認定農業者が増えてきているが、まだ少ない。
  • 農業委員会や農協の理事等への女性の参画も増えてきているが少ない状況である。
  • 農政に関わらず、人材育成には非常に時間がかかるということへの認識が不十分ではないか。また、その評価手法も未形成なのではないか。

【質疑応答】

  • 人材育成と家族経営協定は関係があるのか。
    →深く関わると思う。農業は家族経営の中で人材育成がなされるものであり、家族経営協定は家族農業経営を一つの組織と見て、組織マネジメントしていくものである。
  • 女性の地域リーダーの輩出基盤はどのようになっているか。
    →現在の女性のリーダー的な農業者は、基本的に農業改良普及センターのような公的な機関の働きかけによって輩出されてきている。行財政改革とも絡む問題だが、普及センターに代わる人材育成の場が必要ではないか。
  • 農村女性は、起業しても小遣いを稼げる程度に留まっている。経営に関する教育や実践的な研修が必要ではないか。
    →経営者教育、地域経営の視点が必要だと思う。

【統計データ分析】

  • 事務局より、女性の就労の現状と希望について、非正規雇用、子育て期、管理職、業種・職種分野、起業、学歴の面から、またボランティア・地域活動における女性の現状と希望の状況について、及び女性の能力開発の現状と希望についての統計データを説明。

【質疑応答】

  • 地域活動というのは、ボランティア活動だけではないのではないか。
  • 大規模企業の人ほど結婚や育児による転職が多いとのことだが、一時辞めても暮らせるという見通しが立ったり、その後転職できるという考え方もあるのではないか。小規模企業の場合、辞めたくても辞めることができないという状況があるのではないか。
  • 女性に多い職業として、保育士、看護師、教師をあげているが、介護福祉士などケアワーカーについても入れた方が良いのではないか。また女性研究者は研究費が少ないという調査もあったと思うので、入れた方が良いのではないか。

(以上)