監視・影響調査専門調査会(第32回)議事録

  • 日時: 平成20年12月5日(金) 10:00~12:01
  • 場所: 内閣府5階特別会議室
  1. 出席委員:
    • 監視・影響調査専門調査会:
    • 鹿嶋会長
    • 大沢委員
    • 勝又委員
    • 神田委員
    • 袖井委員
    • 橘木委員
    • 畠中委員
    • 山口委員
    • 生活困難を抱える男女に関する検討会:
    • 小杉委員
    • 桜井委員
    • 白波瀬委員
    • 湯澤委員
    • ※生活困難を抱える男女に関する検討会と合同開催
  2. 議題
    • (1) 生活困難を抱える男女に関する有識者ヒアリング
      • 婦人保護施設 施設長
      • 湯澤直美委員
    • (2) 生活困難を抱える男女に関する検討会における検討状況について
  3. 議事録
分析官
それでは、時間になりましたので始めさせていただきたいと思います。まず、資料の方でございますが、今ちょうどお配りしておりますものが、本日の議題のうち、湯澤先生から資料2ということで追加資料でいただいたものでございますので、それも併せて本日の資料ということでお取り扱いいただきたいと思います。では、どうぞよろしくお願いいたします。
鹿嶋会長
おはようございます。ただいまから、男女共同参画会議 監視・影響調査専門調査会の第32回の会合を開催いたします。今回は、第4回生活困難を抱える男女に関する検討会の合同開催となっておりますが、年内の合同開催は今日が最後です。24日は検討会だけになりましたから。両会議の委員の皆様におかれましては、お忙しい中御参加いただきましてありがとうございます。
 それでは、本日の審議を進めます。まず、婦人保護施設の施設長と湯澤委員に、生活困難を抱える男女というテーマについてお話をしていただき、その後、それぞれ質疑応答を実施したいと思います。更に、その後、生活困難を抱える男女に関する検討会における検討状況について意見交換を予定しております。
 まずは、施設長、どうぞよろしくお願いいたします。
施設長
婦人保護施設の施設長をしております。よろしくお願いいたします。今日は、生活困難を抱える女性たちの現状ということで、当施設を利用される方たちのお話をさせていただきます。
 初めに、私どもの施設につきまして少しだけお話をさせていただきます。本題ではございませんので、どんなことをしているかというようなことでは、お手元にお配りいたしましたリーフレット、資料などをごらんいただきまして、何か御質問があれば後でお出しいただくということにいたしまして、簡単に説明させていただきます。
 当施設は、妊産婦で産前産後の生活や育児の支援を必要としている女性と、その女性が出産された新生児、乳児を対象とした婦人保護施設ということになっております。定員は母子で40人です。
 婦人保護施設と申しますのは、売春防止法による、本来は単身女性を対象にした施設でございますので、対象を妊産婦に限定している婦人保護施設は全国でも当施設だけでございます。全国的には、婦人保護施設は数が大変少のうございまして、全くない県もありますし、県に1つというところが多いので、そういう中では実際に行き場のない妊婦さんやお子さんを連れた方などを受け入れているところもありますが、それは一つの施設の中で単身女性を中心に妊婦さんもお子さんもというような形でお受け入れしているところが幾つかあるということです。東京の場合は東京都内に5つ婦人保護施設がございますので、そういったある意味では住み分けが可能だったということもありまして、これは1960年代の後半あたりに、特に歌舞伎町を抱えております新宿の婦人相談員さんたちが、性売買の場から離れて生活再建をしようとする女性たちで、特に妊娠している人たちが子どもと一緒に生活再建をしていける場が必要だということで、どうしてもそういう場合にお母さんを単身の女性の施設に、お子さんは乳児院にというふうにせざるを得なかったということがありまして、やはり出産をして母子で再スタートが切れるような施設がどうしても必要だというふうに働きかけられて、そういう中で婦人保護施設の中では異例な形ということで、当施設が専ら妊産婦を対象とした施設になったという経緯がございます。
 入所に至る状況で多く見られるものといたしましては、まず妊婦さんの場合は同居していた男性、多くは子の父ですけれども、子どもの父親が妊娠を知って失踪をしてしまったと。男性が借りていたアパートだけれども、家賃滞納でアパートを立ち退きになってしまう、どうしたらいいかというようなことで福祉に相談に及びまして入所につながるということとか、あるいは、友人宅などを転々としてということもありますし、中にはたまたま学歴もあって派遣労働で働いてきて、結婚しようと思っていた人の子を妊娠したのだけれども、相手の男性からDVを受けて、ウィークリーマンションを転々と避難する中で、住まいもお金も尽きてしまって、仕事も派遣なので続けられなくなって、それで福祉に援助を求められるというようなこともございます。
 それから、産婦さん、産後にお子さんと入所される方の場合はネットカフェや友人宅を転々としているうちに陣痛が始まってしまって、周りの方などが救急車を呼んでくれて、救急搬送で出産されたけれども、病院が事情を聞いてみると、どうやら出産後行く場所がないらしいということで福祉につながって、出産後病院から直接こちらにお入りになる方が多いです。時には転々とした生活や路上の生活の中で、公園のトイレですとか、サウナのトイレですとか、そういうところで出産して、周りが気がついてくれて、救急搬送で生まれたお子さんと一緒に病院に保護されたりというようなこともございます。
 よく報道などで自宅出産してしまって、どうしようと思っている間に赤ちゃんが冷たくなってしまって、お母さんが逮捕されるというような事件を耳にしますと、そのお子さんを産んでしまってどうしようというときに119番さえしてくれていれば、当施設につながった方だったかもしれないのにと思うのです。特にそういう方が、同居の男性がいるとか、同居の男性に性産業で働かされていたとか、あるいは10代であったというような報道を聞きますと、本当に怒りでいっぱいになります。本来でしたら保護されなければいけない方たちが、お子さんを殺したということで犯罪者として扱われなければならないというこの現状は、本当に女性たちが究極のところで置かれている現状を表していると思います。トイレで出産した、自宅で出産したという方たちも、年間何ケースか必ずいらっしゃいますし、救急車を呼んだけれども、間に合わないで救急車の中で生まれてしまったとか、あるいは陣痛が起こるその日まで性産業でひものような人に働かされていて、お客をとっている最中に破水して救急搬送されたとか、話を聞くと胸が痛くなるような状況で出産に及んでいる方たちもいます。
 こうした方々と赤ちゃんが当施設を利用されるわけですが、利用期間は1ヶ月から3ヶ月くらいの方が多く、長くて6ヶ月くらいまでです。大体年間70人前後の方が退所していかれるという状況でございます。
 退所先につきましては、お子さんを産んだスタートのところからの母子家庭でございますので、育児の支援が得られるということがとても大切でございまして、そういう意味では母子生活支援施設に入れるとよいのですが、なかなか母子生活支援施設に入れないという実情がございます。数が足りないところもあります。それから、東京都の場合は、23区は自区内の母子生活支援施設しか入れないという事情がございますので、ほかの母子生活支援施設はたくさん空いていて困っているところもあるくらいなのに、その方の区の母子生活支援施設が空いていないばかりに入れないということもあります。
 そうしますと、次善の策として、生活保護法の宿所提供施設や宿泊所などの、育児の支援を得られないところに退所せざるを得ない。中には保健婦さんとか、子育て支援というような地域支援をつけて見守っていくという形でアパートでの生活をはじめる方もいらっしゃいます。
 また、お母様はお子さまを育てたいという気持ちを持ちながらも、様々な条件からそれが難しい時は、当施設を出る時点で母子分離となって、お子さんは乳児院に、お母様は単身女性のための施設にというような形で、お子様のところに通っていただきながらお母さんの役割を果たして頂くというようなことを提案させていただいて、そういった形になることもあります。
 そんなようなことで、当施設での3か月前後の生活をして、次の生活再建の場につなげていくということが私どもの仕事でございます。
 さて、本題に入りまして、当施設の利用者の状況でございます。
 生育歴に多く見られる傾向といたしましては、両親の離婚など、家庭機能、家族の機能が不全な状態になった中で育った方、特にこのごろ目立ちますのは、DVの家庭で育って、親世代の暴力を見て育った若い方たちが増えています。DV家庭で親と一緒に転々としながら育った、だから学校も行けないことが多くて、学力的にも難しくなって、結果的には母子の生活になってからも学校についていけなくて不登校になってしまったという方もいらっしゃいますし、小さいときから暴力を見て育っていますので、暴力に対する無力感ですとか、精神的に乖離症状がある場合もあります。そういった複雑性PTSDというような状態が、お子さんを育てる上では、お子さんの状態の変化に気づきにくいなどのハンディを抱えていくという形にもなります。いろいろな形での身体症状、あまりにつらかったので体が代弁するしかなかったのだろうというような身体症状を抱えている方も多いのです。
 それから、大変多いのは御自身が被虐待児であったという方たちです。ずっと虐待を受けながら育った。そういう中で、ある意味ではパワーのあるお子さんは家を飛び出すというようなことも繰り返してきた。特に、実の父親からの性虐待を受けてきた方、それからお母さんが離婚して再婚されて、あるいは内夫、同居する男性ができて、そういう義理の父親のような方から性虐待を受けて育った方、こういう方たちの非常に重い課題にいつも私たちは本当に立ちすくむような思いです。
 また、虐待されてきた若年の方たちの中には、親に対する強い愛着や期待を持ちながら、家出をしたり、また戻ったり、今度はお母さんは自分の方を向いてくれるのではないかと思っていろいろな問題行動を起こしてきたという方もおり、その中での妊娠ということもあります。いわゆる非行という形になる方の中には虐待歴のある方が大変多いです。
 それから、母子家庭や生活保護家庭で育った方たちも多くなっております。保護家庭で頑張って育ってきた方が高校を卒業して、高校の間から一生懸命アルバイトをしてお金をためて、就職と同時にアパートを借りて独立する。でもまだ高校を出たばかりですから、職場でうまくいかないとか、いろいろな困難に直面したときに、貯えもない。親元にはまだ弟妹がいるので親に頼ることもできない。そういったときのセーフティーネットが本当にないのです。お金に困って性産業にということもあります。
 それから、乳児院とか、いわゆる児童養護施設、児童自立支援施設、自立援助ホームなど、児童関係の施設を経験された利用者の方は大変多くて、多い年は5人に1人ぐらいというような年もあります。特に、児童養護施設は高校に行っている場合は高校を卒業できるまでいられるのですが、不登校になってしまったり、高校を中退してしまったり、児童養護の先生も一生懸命専門学校はどうかとか、いろいろ御苦労してくださるのだと思います。けれどもどうしても学校が続かなくなると施設を出ざるを得ないわけです。そうすると、16歳、17歳という年齢で社会に出ていく。住み込み就労していくということになりまして、特に住み込み就労の場合は、不登校をしていたような状態ですぐに職場になじめるわけでもありませんので、長くは続かないこともあり、住み込み就労で職を失うということは住まいも同時に失うことですから、そういうときに行くところがない。では、どうしようか、キャバクラだったら寮に入れると水商売に結びつきます。あるいは、ちょっと仲がよかった男の子のところに住み着いたとか、児童施設を離れた後の、とても寄る辺ない状態が望まない妊娠に繋がっていくわけです。本当にこのような10代の人たちのセーフティーネットのない状態というのがとても大きな問題だというふうに思っております。
 そういう意味で自立援助ホームはまだまだ数が少ないですけれども大切な施設です。しかし自立援助ホームの利用期間も長くはないので仕事を見つけて、働く習慣をつけて退所し、でもその後がうまくいかなくなる。児童施設を中卒、高校中退で出た方が介護の3級を持っているとか、調理師の資格を持っているということを聞きますと、確かに施設でも一生懸命何とかこの子が生きていけるようにということを考えてくださってはいたんだなと思うんですが、その資格が使える状態ではないといいますか、資格の一つや二つあっても、まずその方自身が安定した気持ちで朝起きて仕事に行けるという状態でなくなっている。私どものところに来るときには本当にぼろぼろになっていて、とても通常の健康的な生活ができる状態ではない。そういう状態のところから出産し、親子で出発しなければいけない。本当にどこも頼ることができない状態で、どんなに頑張ってきたんだろうかと思うことも多うございます。
 当施設を使われる方は、学歴も中卒、あるいは高校中退という方が大体いつも50%前後です。そういう意味では、これからお子さんを育てながら就労していくといっても、どんなに就労先が限られてしまうであろうか、また得られる賃金が低いであろうかということも予測されて、とてもつらい気持ちになってしまいます。
 それから、性産業にいた利用者の状況は、妊娠、出産ということがあったためにたまたま当施設に結びついて、それで性産業にいる女性たちの氷山の一角が見えるということだというふうに思っていて、この人たちの後ろには本当に多くの女性たちの苦しい状態があるんだと私はいつも思います。性産業に結びついた方たちの状況としまして、非常に多いのは小さいときから性虐待の被害者であった方たちです。
 性虐待、特に生育家庭で性虐待を受けてきた方たちというのは、本来ですと、保護されるべき大人、父親なり、義理の父親なりから性虐待を受けるわけです。そうしますと、親密さと性行動というのがとてもゆがんだ結びつきをしてしまうわけですね。ですから、とても大事にされたいというときに、性を提供しなければ大事にしてもらえないのではないかという気持ちが生じてしまうといわれています。親元を離れて私がされていたことはおかしかったんだということを気がついたときのショックというのはなかったということを語られる方もいますし、性虐待から逃れるために家出を繰り返した。家出したら援助交際でお金をかせぐしかなかったという人もいます。
 それから、知的な障害とか、いわゆる発達障害を抱えていて、あるいはボーダーラインの状態であって、知的障害者の施設とか、特別支援学級というような、障害をもつ方のための支援や教育に結びついてこなかった方たちが暴力団等に狙われて性産業に入ったと思われるケースも少なくありません。これは私どもだけではなくて、単身の女性たちを見ている婦人保護施設でもこういう方たちが大変多いわけです。
 また、寄る辺ない寂しい状態の方たちがホストクラブに行って、こんなに楽しく親切にされたことはなかったと。それは本当に悲しいことなんですけれども、ずっと虐待を受け続けて、親、兄弟も頼ることができなかった人たちにとって、ホストが優しいということはとてもうれしいことなのだと思います。そういう中で、最初はクーポン券でも、2回、3回と行くうちに、すぐ10万、50万、100万というツケがたまってしまう。そうすると、お決まりの仕組まれたルートで、「稼げるお店を紹介してあげるよ」と。それで、性産業に、それも本番産業と言われているところに結びついていく方たちは大変多いわけです。
 ただ、私どもは女性の側からいつも見ますので、逆の立場ということは余りわからないんですけれども、ホストも格差社会の中で職を失い、生きていく場を失って、借金もあり、ほかに生きていくところがなくてホストになっている人たちも多いと聞いています。そういう男性たちが必死に女性たちから収奪していくというような構造になっているのだと思います。
 性産業にいる方たちも、中には選んで性産業で短期間稼ぐんだという方もいるかもしれませんけれども、それは本当に一握りの一握りでありまして、むしろ管理売春の中で収奪され尽くして、その上妊娠をして居所もなくなり、というのが当施設に入所される性産業にいた方の状況です。
 そういうような状態の中で、今、当施設で一番大きな問題で何とかしなければと思っているのは、10代のお母さんたちが増えているということです。今までお話ししましたような、小さいときから親世帯から切り離されてという方たちはもともと多いんですけれども、特にここのところ目につきますのは、親世帯が抱えきれない状態、これが多分現在の貧困の状態と結びついているんだろうと思いますが、親がいるんだけれども、とても抱えきれない状況というのが増加しております。10代の母親自身がまだ児童福祉法の対象であり、また被虐待児で、親世帯の支援は望めないという状況も深刻なことです。10代ですので、養育困難、生活スキルの未熟さというものは本当に深刻なものがあり、数ヶ月で母子家庭として次の生活の場に送り出していくのは非常に心もとないものがあるわけです。退所先で養育が困難となり、母子分離になっていくという方たちも少なくはありません。
 こういう10代のお母さんとお子さんを支援する場がもっと必要です。様々な形を考える必要があるでしょう。母子で10代のお母さんと赤ちゃんとセットで見てもらえるようなところがもっと増えなければいけないのではないか。里親さんで10代の母子を親子で見てくださるような形もできないかと思います。母子生活支援施設は今2年ぐらいで出なければならない状況になっていますので、とても10代の母子には不十分です。乳児院で母子統合の準備をするためにマザーリングルームを導入されているところがありますが、それに近い機能を持つ母子生活支援施設がますます必要になっていると思います。
 それから、児童養護施設を出られた方で、児童養護施設は嫌いという方もいますが、大変関係のよい方もいます。妊娠したときに最初に相談に行ったのが児童養護施設という方もいますから、そういう方たちは児童養護施設にグループホームのようなものがあれば、そういったところが母子で利用できないだろうかと思うこともあります。
 婦人保護施設を若年母子が活用できないかということも考えることがあります。当施設もステップアップの機能を強化してということを今考えています。
 保育所も年度途中だとほとんど入れませんので、4月に保育園に入れるまでこの人はどうしたらいいだろうかというようなこともあります。そういうハイリスクな家庭を優先にして入所させる。そのためにそれぞれの施設の強化、職員配置基準の充実などを考えていただきたいと思っています。
 それから、性暴力被害者の支援センターが必要だと思っています。これは婦人保護の東京の5施設で東京都の方にも政策提言をさせていただいているところですが、性暴力被害を受けた方たちは、潜在化して様々な生活困難を抱えたという状態でいます。そういう方たちをどういうふうに支援していったらいいかという実態の把握、それから支援方法の共有化、特に性暴力被害者の支援、性虐待を受けてきた方たちの支援という視点からいろいろな支援を見直していくということが必要ではないかと思っておりまして、そのための情報を収集していくセンターが必要だと思っています。
 それから、児童養護施設などを退所した方たちへの支援ももっと考えていただきたいということも先ほど申し上げたとおりです。また、母子家庭や生活保護家庭の子どもたちというところに焦点を当てた支援も必要だと思います。とかく、母子家庭や生活保護家庭といいますと、その世帯主の就労イコール自立ということで、就労支援というところに焦点が当たりやすいんですが、結果的には、生活保護は切れたけれども、お母さんは昼も夜も働きづめで、いつも家庭にお母さんがいない、そういう状態で子どもたちだけでカップラーメンをつくって食べるというような中で、子ども達が育っていくという現状をもっと考えて、子どもたちが省みられなければならない。それを含めて、家庭の自立ということは考えられなければいけないことだと思っています。
 それから、中卒、高校中退の方で、また高校に再チャレンジしていきたいと思う方たちはたくさんいるんですが、母子家庭であるということは働いていかなければいけないわけですね。お母さんである、育児をする、働く、その上高校にもう一遍行く、この3つを同時にするということがどれほど困難であるかと思います。こういう方たちはどういうふうにしたら再チャレンジしていけるかということも大きな課題だと思っています。
 そして、障害者のための福祉的就労の場所というのはあるんですけれども、女性であるということによるリスクがたくさんあったり、女性であるということによって通常の就労が困難な状態がたくさんあるんだけれども、愛の手帳もない、精神障害手帳もない。そうすると、福祉的就労というのはできないんですね。私は、生活障害を抱えた女性のための女性であるということによって、福祉的就労が可能な場所というのが必要だと思っています。
 また、多くのことを通じまして、男女の対等な関係に基づいた性教育ということが本当に必要だと思っています。当施設でも、短い間に自分の体のこと、自分を守ること、これを学んでいってほしいということで性教育の場を一生懸命つくっているんですが、本当に皆さん知らない。知らないで自分を守ることができないで、こういうリスキーな状態に置かれてきたということを考えますと、そういったことが今必要だというふうに思っております。
 大変時間を超過いたしまして、申し訳ございません。どうもありがとうございました。
鹿嶋会長
ありがとうございました。婦人保護施設に入所した女性たちの生育歴をリアルに語っていただきました。暴力の連鎖とか、貧困の連鎖が断ち切れないまま成長し、そういう中で暴力団、ホストを媒介として性産業に一部入っていく、更にまたそこで苦しみがあるんだと思うんですが、一つお聞きしたいんですけれども、最長で半年ぐらいですね。あるいは、1か月から3か月ぐらい入所した女性たちのその後といっても、こういう生育歴の中で、仮に施設を経過しても難しいと思うんですが、どうなんでしょうか。
施設長
実は私どもがリピーターと呼んでいる方たちがいます。母子生活支援施設などを利用しながら何とかお子さんを育てていける方たち、この中でもいろいろな虐待の連鎖の問題とか、いろいろなことを抱えていくとは思いますが、そういうお子さんを育て続けられる方たちには何らかの形での支援というものが届き、母子での生活を続けていくことができる方も多いです。お子さんの成長を喜びにして、お子さんが生まれたことによって人生を大きく変えて、ターニングポイントになっている方たちがいらっしゃるということは私たちにとっては本当に大きな励みです。しかし一方でお子さんを手放さざるを得ない、養育困難でお子さんを途中で乳児院に預けたり、児童養護施設に預けたという後、とても空虚な気持ちになって性産業に戻っていくという方たちもいます。
 性産業に戻った方はまたその中で妊娠して、また当施設を利用するということがあります。
 単身女性の施設としては婦人保護施設と生活保護法の更生施設という施設があります。それから、法務省管轄の更生保護施設というのがあります。こういうところをぐるぐると回って長い年月過ごしていかれる。その中で、途中で精神病院に入ったり、また出てきて性産業で恐い思いをして、助けを求めて、また施設に入ってと、そういう施設間を渡り歩きながら生きていかざるを得ない女性たちもいるわけです。ほかの単身の施設、更生施設の方などから、私どもの施設で昔お子さんを産んだという人は本当に多いと言われます。そういうこともありまして、特にお子さんと母子分離になったときの母親への支援というのは非常に大事だと思っています。
鹿嶋会長
余り時間がないので十分な質疑応答は時間がないと思うんですが、これだけは聞いておきたいという方はおられますか。次に進んでよろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
施設長
本当に拙いお話を聞いていただきまして、ありがとうございました。また、今後ともよろしくお願いいたします。
鹿嶋会長
続きまして、湯澤委員の方から話をしていただきたいと思います。発表時間は大体30分程度です。どうぞよろしくお願いします。
湯澤委員
よろしくお願いいたします。用意しました資料が煩雑になってしまいまして申し訳ございません。まず、ホチキスでとめたレジュメの形になっているものを主に見ていただきます。また,資料としまして、福祉事務所が発行しているお便りがあります。福祉事務所では様々な自立支援プログラムの施策ができておりますが、そのなかで考えるのによい素材になるものを持ってきております。それから、時間的に制約がありますので、補足的に3点ほど、『貧困と学力』、『ワークフェアー排除から包摂へ?』、『フェミニスト福祉政策言論』という本に執筆した3点の論文をつけさせていただいております。
 最初にレジュメに沿ってお話しさせていただきます。さきほど、婦人保護施設のお話を詳しく伺ったわけですが、社会福祉の領域で女性への支援ということはどのように扱われてきたのか、といった点について最初に簡単にふれたいと思います。
 いわゆる、古典的には「婦人福祉」という領域がありましたが、当時の辞典では「婦人のもつ日常生活上のあらゆる障害が除去されて、経済的にも文化的にも充足した家庭生活及び社会生活が保障されることを究極の目標とする制度と活動の総称(五味百合子)」(現代社会福祉事典・全国社会福祉協議会・1982年)と定義されています。現在では、「女性福祉」という言葉を使っている研究者も現場の方々もいますが、女性福祉という用語を使っている自治体はあまりありません。韓国に訪問した際には、「女性福祉」という言葉をよく耳にしました。「婦人」という言葉は旧態依然とした言葉になっておりますし、現代的な文脈のなかでどのように扱っていくのかといった点では、ある時期、女性福祉法をつくろうという動きもみられました。現在の社会福祉の体系では,高齢者、児童、障害者など、分野別の領域で構成される体系になっているわけです。しかし、そのような縦系列による分類がもう時代のニーズには即さない、谷間のニーズを生んでしまっている、ということが女性支援の領域だけでなく指摘されてきています。領域を横断するような支援といったものがどう構築できるのか、といった視点が求められています。そういった意味では,女性支援ということを明確にしなければならない段階にある、といえるかと思います。
 レジュメ1ページの下の方では、煩雑なまとめではありますが、細金さんのお話の中にも出てきたような「女性という属性であるがゆえに直面する諸問題」、それが生活問題として浮上したときにどういったものが立ち現れてくるのだろうか、いうことを表にしてみたものです。しかし、これは単体で語られるものではなく、相互に関連し、生活の困難を重症化させていく場合も多くあります。また,ここでは表せていない点に階層性という視点もあり、その視点を介在することによって、生活問題の困難度といったものも大きく変わってくるということがあるかと思います。
 次に、2ページにいかせていただきます。戦後の歴史のなかで、女性が生活困難に直面したときにどのような施策を適用して支援してきたか、といった点を社会福祉領域からみますと、「婦人保護事業」「母子福祉」が主な2つの柱であったわけです。社会福祉基礎構造改革の一環に社会福祉事業法の改正がありましたが、その頃に、女性支援に関心をもった人々のなかでは、「売春防止法第4章に規定されている婦人保護事業」をそのまま売春防止法に残しておくのか、という点が議論されたところです。売春防止法はなかなか改正されないまま推移してきている法律ですが、社会福祉の法の体系の中に婦人保護事業を入れてほしいという声や社会福祉の一領域としてもっと重視してほしいという声が現場のなかからあがっていました。そのようななかで、付帯決議の第9項に「家庭暴力を初め、女性の性に対する侵害に関して、婦人相談所、婦人相談員、婦人保護施設が被害者に対応している現状にかんがみ、現行のこれらの事業を社会福祉事業として位置づけるよう、所要の検討を行うこと。また、児童福祉法の枠内で対応されている被害女性について、女性福祉の観点で検討を行うこと」という一項が入りました。女性支援に関わる運動のなかで、付帯決議として形にできたということは、ひとつの成果だったわけです。この決議に即してどう展開しているかといった点は、更に検証が必要です。その後、DV防止法ができたということで、婦人保護事業は従来の婦人保護という位置づけと、DV法によるDV被害者支援という2枚看板を背負って新たな出発になった、というのがこれまでの経緯かと思います。そういった点では、婦人保護事業、「婦人を保護する」というこの言葉も現代的な文脈の中で位置づけ直さなければいけないということがあろうかと思います。
 婦人保護事業は、売春防止法により「要保護女子の保護更生」ということを目的として規定されたものです。しかし、時代の変遷とともに女性たちが求める支援やニーズには幅広いものがみられ、要保護女子規定の拡大解釈を重ねながら多様なニーズに現場は対応してきました。拡大解釈がどう図られたかということにつきましては、お配りしたプリント「5章 買売春の変遷と婦人保護事業の現代的展開」の121、122ページにまとめてありますので、後でごらんになっていただければと思います。とりわけ122ページに書きました1992年通知「婦人保護事業の実施に係る取扱いについて」のように、要保護女子の保護更生といった枠を超えて、家庭関係の破綻、生活の困窮、それから性被害といったことに対応をする、という方向で展開されてきました。このような通知によって、拡大解釈による対応の方針が示され、それに基づいて婦人相談員、婦人相談所は女性の相談に対応する根拠が与えられてきたということです。更に、122ページの下の方に書きましたが、1999年には「要保護女子」という言葉は使われず、「対象者」と表現されるようになっています。また、同年には、「夫等からの暴力により保護を必要とする女性への対応について」という通知も出され、「今後,婦人保護対策及び母子福祉対策の一層の充実に努められたい」という方向が示されています。これらが、その後のDV防止法に結びついてきているわけです。
 レジュメの3ページの上の方にうつりますが、このような拡大解釈を必要としてきた背景には、「制度の狭間にあるニーズ」といったものが、現行の社会福祉の体系の中で広範に生みだされてきたということがあります。DV防止法ができても、なお制度の狭間にあるニーズは混沌と存在し続けています。それはどのような性質のものかというと、1つは法律が対象を規定していますので、「年齢規定」であったり、さきほどあったお話のように障害者手帳がなければ使えない制度があるなどの「対象規定」によって出てくる狭間のニーズです。2番目は、施策はあるけれども運用上ではじかれていってしまっているようなニーズです。3番目は、先ほど10代の妊娠・出産の施策がないといったことが出てきましたが、施策そのものがないというものです。あえて分類するとこのような狭間のニーズがありますが、一人の人間の人生(ライフコース)といったことや、あるいは人間存在の多様性というか、幅の広さといったところから見たときに、どういうふうに谷間や狭間をつくらない制度体系を構築していけるのか、が課題です。そして、そのような包括的な支援を担えるのはどこなのか、ということが検討事項となります。もちろん、社会福祉、労働、教育、医療などの諸領域がネットワークを組んでやっていかなければいけないというのは、DV被害者支援の現状からも既に明らかにされていることではありますが、責任の所在をどう明確にしながら展開していけるのか、といったことはこれからの大きな課題になっているかと思います。このあたりは、社会福祉領域の問題というよりは、社会政策上の課題であると考えます。
 このような女性支援の現状をふまえたうえで、今日はどのようなことを話ししたらいいかと考えましたところ、福祉施策による支援を利用した方々がその後どうなっているのか、といった現実を理解することがよいと思い、インタビューをさせていただいた事例をご報告いたします。ご本人の了解を得ているものですが、プライバシーの保護という観点からこの部分のご報告は会議内だけにとどめさせていただきたいと思います。また、貧困の世代的再生産の現実を理解するにあたって必要な資料を幾つかもってまいりました。
 そこで、学歴階層の問題は重要な視点であると思いますので、学歴に視点を当てて考えてみたいと思います。社会福祉関連のデータでは、学歴階層を把握できる調査が少ない現状があります。また、離婚という事象をとってみても、離婚がどういう学歴階層で起こっているのか、という公式のデータはなく、「離別するということ=世帯が分解するということ」と階層性といったものにはどういう関連があるのか、といったことがなかなか明確に見えないできたわけです。しかし、近年,家族社会学の領域などでも学歴の低いほど離別率が高くなっているといったような実証研究が出てきたり、あるいは、社会福祉の領域でも学歴階層を各現場がデータ化するといったことが始まってきているかと思います。
 3ページの下の方に示したものは、生活保護受給世帯の学歴状況、母子世帯の母の学歴状況です。母子世帯の母の学歴階層をふたり親世帯の母と比較してみると、やや義務教育卒の割合が高く、短大・大学の率が低くなるといったような調査結果も出ていますし、母子生活支援施設の利用世帯では、中卒の割合が約30%という調査結果もあります。4ページの下のところですが、母子世帯全般で所得が低いといったことは既に明らかにされているわけですけれども、母子生活支援施設に暮らしているシングルマザーの所得は、更に低いという数値もあります。平均200万円といった水準が一つのラインではなく、150万円に到達するかどうかといった現状です。母子世帯への支援策を考える場合、「母子」としてひとくくりにしてしまうのではなく,このような学歴階層により異なるニーズをふまえて、個々の状況に即した支援を考えていくことが重要な課題であると思います。
 あと10分なので足早で申し訳ございません。次に、実際の暮らしの実情からみていきたいと思います。ある母子生活支援施設利用者のかたは、施設に暮らしていた期間に高等職業技術専門校に入学し、卒業後に安定した企業に就職しました。その後,結婚により退職しましたが離婚に至り、再び就労を始めています。しかし、年齢や学歴(中卒)により再就職のハードルは高く、低賃金での就労と失業を繰り返す状態になりました。このかたの場合、貧困が世代的に再生産されている家族のなかで育ってきており、親や兄弟姉妹も含めて家族形態が流動化しております。「資源としての家族」というよりは、「家族員相互が資源になって助け合う」ような現状にありまして、標準的なライフコースを描くような人生経路にはならないわけです。更に、経済的に貧困という状態だけではなく、暴力や虐待といったものが複合的に加わっていったときに、その持続的な影響力といったものは本当に強固なものになっていいきます。短期的なスパンでみた際には、「高等技術専門校卒業→就労」という支援の効果があっても、長期的スパンでみた際に持続的に安定した生活が確保できるかどうか、という視点から「10年先・20年先を見越した支援」が必要であると思います。
 そのような視点から近年の取組をみてみますと、母子世帯の子どもへの高校進学支援だけではなく、シングルマザーの進学を支援する実践も出てきています。ある母子生活支援施設では、中卒のシングルマザーのかたが高校に進学する支援をしている例があります。通信制高校の場合でもスクーリングなどが必要ですが、その間には職員が子どもの保育をしたり保育所の送迎をしたりしています。また、受験の際の勉強も支援しています。
 実際に高校進学を果たしたあるシングルマザーのかたは、「学びたいという意欲が自分のなかにこんなにもあったのだ、ということに気がつきました」と語っておられました。進学支援ということは、単に卒業資格をとれるということにとどまらず、それまでの人生のなかで奪われてきたものや遮断されてきたものを取り戻すといった意味も含まれていることがわかります。また、学歴というものは大人になってしまうと変更可能なものとして就労の機会についてまわる属性的要素もなってくることから、長い影響力をもつものでもあります。
 別の中卒のシングルマザーのかたは、「今でも漢字の勉強などをしたいと思うけれど、子どもにみられることもあって狭い部屋のなかではできない」と語っています。子ども期に子どもとしての福祉から疎外されてきた現状、いわゆる「子どもの貧困」は、若者期・大人期の不利へと連鎖し、持続的な影響力をもたらします。子ども期の早い時期からの自立を余儀なくされてきた場合も多く、それは、「自分のために生きられる時間」、「自分のために生きていい時間」が剥奪されてきたプロセスともいえます。「就労自立」だけに特化しない、ひとりひとりの個別のニーズに即した支援のあり方が求められています。
 親世代における富の不平等に積極的に介入をして、貧困層に対して逆差別的に富を再配分するぐらいの政策がなければ,貧困の世代的な再生産を緩和、解消させていくということはなかなか難しいだろうというふうに、先ほどの事例からも実感しています。そこで考えられることは、まず、貧困層の子どもたちの進学を確実に支援することと、進学のみでなく卒業まで修学を保障する「教育保障」をしていくことです。同時に、シングルマザーにも早期の就労自立という支援の枠組みだけでなく、親世代の学歴取得を支援することも視野に入れていくことが考えられます。生活保護受給期間中に定時制高校の成人枠を活用して支援している例もみられます。親が10代、20代など若いほど、その後の就労機会にプラスの影響になるでしょうし、中高年の場合には学校に通う期間がかえって年齢的に就労の不利になることもあるので、その辺は個々のケースに応じて設定していければよいのではないでしょうか。
 では、進学機会の提供だけでいいのかといったときに、それだけでは進学に結びつかないということがあります。やはり進学・修学を保障するための福祉が必要ですし、あるいは心理的な側面では自己肯定観を回復するような支援が必要です。教育、労働、福祉、医療、など横断的な支援システムが基盤にあることが重要です。
 現在は、施設から在宅へという動きが全般的に自立支援という形で進められてきており、それは「地域で誰もが暮らせる」という意味において評価されるものですが、一方で施設といったものの機能をどう見るかといったことは余り議論されていないのではないかというふうに考えます。やはり施設機能の再評価といったことを併せてやっていかないと、施設から在宅へといったことは本当に意味をなしたものにはならないのではないかと考えます。例えば、先ほどの母子生活支援施設の利用者の方は、「施設にいたからこそ学校に行きたいと思えた」とおっしゃっています。その言葉の意味は一体どのようなことだろうかと考えたときに、施設という場が「安心、安全、安定」した暮らしといったものを体現している場であるわけですね。貧困や暴力のなかで過ごした子ども期が恐怖や不安のなかでの暮らしであった場合には、安心で安全で安定した人間関係や空間で暮らす経験がなく、安心・安全・安定ということがどういうことなのかが身をもってわからないわけです。また、人間関係のなかで傷つけられてきた体験や、社会に疎外されてきた体験からは、人間や社会は信じられるものであるということを心身で感じられる体験を必要としています。よく、労働に従事していない状態に対して「意欲がない」という見方がなされますが、就労の場が排除や疎外を追体験する場であることも多く、単純に意欲の問題に換言できない側面があると感じています。
 施設機能の再評価ということは、施設だからこそ提供できる機能の再点検ということでもあります。例えば,施設そのものが「信頼できる社会がある」ということを感じられる場、「安全な社会への入口」になっていく、ということがあります。そのプロセスで、自分というものは大切にされるべき存在であり、自分が自分を大切にしていいんだ、という感覚がわかっていくということであり、剥奪された子ども期を大人になっても取り戻せる期間が保障されることでもあります。
 生活保護自立支援プログラムをみると、就労促進型の自立支援プログラムをおもにやっている福祉事務所や、社会生活型や日常生活型のプログラムを施行している福祉事務所など取組は様々ですが、自己肯定観の醸成という視点をとりいれて自立支援プログラムを組んでいるところも出てきています。例えば、ボランティア体験を取り入れるわけですね。公園の緑化をするボランティアや病院に入院している患者さんに関わるボランティア、ヘルパーに同行して高齢者のお話し相手をするボランティアなどを取り入れています。「自分が人の役に立つということがわかった」、「有難うと言ってもらえてうれしかった」といった感想が出てくるようです。湯浅誠さんが貧困の影響力について5重の排除という枠組みで説明されているなかで,「自分からの排除」という帰結がもたらされることについて触れておられます。ボランティア体験のプログラムは、まさに「自分からの排除」に向き合い、自己肯定感を醸成するプログラムになっているといえるでしょう。政策的な課題とともに、何を大事にして支援や実践をつくっていくかといったことが広い意味で求められていると思います。
 ちょうど30分になりました。貴重な機会をありがとうございました。
鹿嶋会長
ありがとうございました。前半の先ほどの話と婦人保護施設施設長の話をかなり理論化してお話しいただけたと思いますが、今の湯澤委員のお話に対する御意見、質問があれば伺いたいと思います。どなたかありますでしょうか。
坂橘木委員
具体的にお聞きしたいんですが、7ページの上の方の※印3つがどういう政策をしたらいいかということを言っておられると思うんですが、もうちょっと具体的にお聞きしたい。どういうことかというと、例えば中学を終えて高校進学できない理由を考えたら、親の所得がないとか、生活をしていくお金がないから高校進学をあきらめるという人に対して、あなたの場合は、ここの提言は高校進学した人に生活を保障しながら高校進学への援助をやるという政策を提言しているというふうに考えてよろしいですか。
 もう一つは、卒業保障というのが、これはやはりその人の能力とか勉強意欲にも依存しますので、どこまで卒業保障というのができるかというのが私にはわからないので、どういう手立てがあるかというのを具体的に教えていただければと思います。
湯澤委員
国によって学校制度が違うので単純な比較はできないと思いますが、台湾などでもシングルマザーが大学に進学できる制度をもっています。有効に機能しているかどうかは、別途吟味しなければなりません。スウェーデンのような生涯学習社会でもない日本社会のなかで、「学ぶ」ということをどう位置づけていくのか、といったことはとても難しい課題ですが、貧困の世代的再生産を一気に解消できないならば、一世代ごとに緩和させていくことが必要になります。そうする際に,最低限でも、最貧層にある方々は全員、高校に進学できるということを支援し、そしてその間の生活保障をし、卒業までの修学支援をしていくことが求められると思います。卒業までの支援というのはとても難しいと思いますが、学校での支援体制と生活保護のケースワーカーの関わり、そして、地域でネットワークの核になれるところが、先ほど「寄る辺なさ」という言葉が使われていましたけれども、その方の寄る辺となって、つまずきそうになったときに生きる場所を地域の中に確保をしておく、ということになろうかと思います。
 もう一つ、子どもたちについては、私自身は大学進学まで保障すべきだと思います。例えば、児童養護施設の子どもたちの大学進学率が低いわけですけれども、長期的な不利を予防する視点から、今の子どもたちの世代について進学したい場合には進学できるような形で支援をしなければならないのではないかなと考えております。まとまらない回答で申し訳ありません。
鹿嶋会長
今の答えでいいですか。ほかにございますか。
勝又委員
非常に参考になるお話だったんですが、先ほど施設機能の再評価というお話があったんですが、私、施設評価という意味を、ここでは自立支援とか、今回お話のあった施設のことをおっしゃっているんだと思うのですが、再評価というのは具体的にどういう意味なのでしょうか。
湯澤委員
評価という言葉がもしかして不適切だったかもしれません。近年、施設の位置づけについては、中間施設であるというような認識や通過施設であるという位置づけなどが多くなってきています。確かに施設というのはずっと住む場所ではありませんので、そういう意味では通過施設、中間施設であるわけですが、「自立」という言葉に引きずられて、女性支援の現場などでも出てきている傾向ですが「早く退所できること」を重視する傾向も出てきています。そこで、「持続可能な就労」をじっくり時間をかけてめざすというよりは、職に就いてとりあえず生活ができるという形で施設を退所するという、ある意味で就労できたら退所、住居設定できたら退所といった様相もみられます。施設での支援においても、「自立とはいかなることなのか」といったことが見えなくなってきているのではないかと感じております。施設のあり方も千差万別になってきていますが、施設というのは生活の場ですから、生活の場だからこそできる支援というものを「人間にとっての自立とは何か」という観点から評価していくべきではないか、と思っています。
鹿嶋会長
今、高校進学していない家庭の子というのは、貧困層という言葉で全部片がつくんですか。今、高校進学というのはどのぐらいいっているんですか。98%ぐらいいっているんですか。
湯澤委員
97%台にいっています。
鹿嶋会長
残り3%というのは貧困層という言葉で処理できるんですか。
湯澤委員
その辺は厳密な調査がないと把握できません。また、今若者世代では技能を身につけたいという若者たちがかなりでてきて、物づくりとか大工になりたいとか、そういう子どもたちもそこには含まれていると思いますので、その方々が全員貧困層かといったらそうでもないということはあります。
小杉委員
就職者がどれぐらいかというのはわかりますけれども、それから高校ではなくて、高等専修学校ですね、そういう技能系の学校がそこではありますし、訓練校もありますね。残りの3%の中には幾つかの層が入っています。
 あと、中学から高校に進学しない層よりも、高校を途中で辞める層という方がずっと大きな問題だと。量的にもそちらの方が圧倒的に多いですし、高校を離れていく背景に家庭の貧困があって、貧困を背景にした学力不足があって、1年生の夏休み明けに中退が多いのですけれども、そこには学校についていけないというのと、単位が取れない、あと1年生の終わりのときに進級できないとか、そういうタイミングなのですけれども、高校進学ではなくて中退防止というのはもうちょっとやりやすい方策かなと思うんですけれども、どうでしょうか。
湯澤委員
ありがとうございました。中退の問題はとても重要な問題です。今つけ加えさせていただきたいのは、生活保護制度のなかで高等学校等就学費を使って高校進学も可能とする形になってきたことで、進学中の生活基盤、経済的な側面では心配はしなくて済むような方向に変わってきています。しかし、修学旅行の費用などは出ないわけです。貧困層では、修学旅行に行けるかどうかで学校生活につまずきが出るということも多く、修学旅行がひとつの壁になってしまっていることがみられます。そこで,修学旅行費用を自分で一生懸命アルバイトをして賄うといったこともあります。そのほかにも、学校にかかる諸費用といった問題が就学援助制度や授業料減免制度だけで賄われない現実があります。進学したあとは自分の努力という見方もありますが、制度的にはそうはいえない問題があると思います。
 もうひとつは、やはり愛着関係を求めて異性とつき合う、あるいは安定した人間関係を求めてつき合うといったことの中での妊娠といった問題もあります。今の学校教育の中では、妊娠するとなかったことにするというか、たとえば担任と校長先生と副校長しか知らないとか、自主退学をしたような形で学校からいなくなっていたといった現状もあります。妊娠しても学業を保障するという発想が日本にはないので、そのあたりへの取組も重要だろうと思います。中退をめぐっては考えなければならないことがいっぱいあると思っていますので、御指摘ありがとうございます。
鹿嶋会長
ほかにはございますか。
白波瀬委員
大変貴重なお話、本当にありがとうございました。とても勉強になりました。ただ、1点だけ、学歴について言及されておりましたので、若干コメントさせていただきたいと思います。
 学歴階層ということですけれども、ここもでおっしゃった階層論の中で学歴は一つの代替変数ですので、高校を卒業しているかどうかといったこと自体に意味があるというよりは、高校を卒業したことが貧困になるチャンスにどの程度効果を持ちうるかということです。ですから、高校を卒業することと、高校を卒業するまでの過程が貧困とどう関連しているかということは、少し区別して考えた方がよろしいと思います。学ぶということと、自活できるようになるということとは厳密には同じではありません。ですから、高校を卒業すればそこで問題が解決されるかというと、実はそうではなくて、教育制度と雇用政策との間で連動がうまくいっていないということ自体が問題だと思います。若干繰り返しになりますが、例えば、大学にみんな行かせてあげれば問題が解決するというわけではなくて、職業訓練、職業教育といった複線的な教育システムを考える必要もあると思います。
 あと1点だけ。7ページの3つの※ですけれども、貧困層に対して逆差別的に富を配分しているという主張は、きわめて強いメッセージです。そのメッセージに反対するつもりはありませんが、ことばとして「逆差別」というのは少し言いすぎではないかと思いました。
 以上です。
湯澤委員
貴重なお話、どうもありがとうございました。
鹿嶋会長
御意見、コメントがありましたら。
湯澤委員
逆差別という言葉は、アファーマティブ・アクションの言葉の意味で置き換えてしまいましたが、適切でなかったと思います。
大沢委員
貴重なお話、どうもありがとうございました。私が中座しているときにお話しされたところなので恐縮ですが、所得状況のことがレジュメの4ページに書かれておられて、私が聞いたケースなどでは、母子世帯のお母さんの労働時間が非常に長くて、3つぐらいの仕事を掛け持ちしている。ここでは207万という平均所得になっていますけれども、そこら辺の厳しい就労状況で、それと今最低賃金を上げることでこういった人たちの支援というのもありますが、そこら辺のことと、もう一つはこの207万と170万の差額はどのようなことか、それだけを教えてください。
湯澤委員
207万の方は、児童扶養手当ですとか社会保障給付が含まれている額で、純粋な勤労収入が170万ということになっています。
大沢委員
わかりました。
湯澤委員
今日はデータを持ってこれなかったのですが、副業、ダブルワークをなさっているとか、日曜や祝祭日の労働とか、やはり労働環境が先ほどの話にもありましたように、子どもといることを犠牲にして働かねばならないような状況が多くみられます。
鹿嶋会長
170万あたり、183万、これはダブルワークも入っているんですか。
湯澤委員
回答者の判断ですけれども、入っています。
鹿嶋会長
そうですね。トリプルで200万いくかどうかなんて言っていますからね。相当厳しいですね。今は特に。どうぞ
山口委員
いろいろな婦人保護施設だとかありますけれども、いろいろな効果が出るときに、法律や決まりでもうそこで断ち切ってしまう。そこがすごくネックだと思います。ようやく少しよくなってきたときに放り出されるような、これでは投資したものだってむだですし、直さなければいけない。
 特に、売春防止法ですが、5条違反で補導員が行きますよね。補導員で更生保護を受けると6か月だったと思うんですよ。それで、6か月経って決まりですから社会に出ていく。そうすると、健康な体になって、また再犯して、また戻ってくるというケースがいっぱいわかるわけですよ。ですから、その辺の各施設の有機的連関と、それから効果が出るまでもうちょっと延ばす。その施策が必要ではないかと思います。それは私の感想ですが、先生はどうお考えなのか。
 もう一つ、売春防止法は長いこと言ってもどうしても改正されない。それは私どもも残念だと思うんですが、あれは売春する側だけを処罰しているんですけれども、どこが問題だと思われますか。改正されない理由。個人的な見解でも勿論結構です。
湯澤委員
それ自体がとても論争的なテーマになってきますので。いつになったらきちんと社会的に直視されるのかといった思いと同時に、私自身は早急に着手すべき課題であると思います。でも、かたくなに変わらないところに日本の現状が表れていると思います。
 先ほどの話にあったように、生活保護の宿所提供施設や宿泊所、更生施設などもありますが、地域によってはやはり6か月ぐらいの利用が原則になっているところもあり、次々に住む場所を変えていかなければならない現状もあります。その辺は制度に人を合わせるのではなくて、人に制度を合わせるべきであるというふうに考えます。ありがとうございました。
坂橘木委員
やや皮肉な質問なんですけれども、施設に入るのは非常にいいんだけれども、私の学生なんかでも生活保護の相談を受けているのはいっぱいいるんですが、モラルハザードを起こして、意図的に、そういうのも結構いるという話をよく聞くんですよね。働く意思は余りなくて、自分から進んで施設に入るとか、生活保護を受けるというような人がいるという話を聞くんですが、あなたはその点はどの程度のウエイトなり、深刻な問題と思っておられますか、お聞きしたいんですが。
鹿嶋会長
それからもう一つ、神田先生の質問もどうぞ。
神田委員
私はちょっと違う、学歴の重要性ということを強調されたんですが、先ほどお話があった職業教育の重要性ということと関係しまして、やはりこれは教育の重要性という中で学歴の問題をとらえていく必要がある。というのは、現代の名工のことにかかわっているんですね。そうすると、現代の名工というのは今年間150人ほど表彰されるんですけれども、女性が大体10人ぐらいなんですよ。既存の領域が多いんです。それはなぜかということを考えると、1つはそういう領域に進んでいくキャリアコースが全然見えない。どういうふうにしたらそこへ行けるのかというのが見えないんです。私はやはりこの問題は、教育の重要性ということの中で職業と結びつき、また自信を高めていく、そういう職業への結びつきということをより広げてとらえていかないと問題解決しないのではないかと。余りにも学歴の重要性だけではね。むしろ、それによる問題の方が大きいのではないかとさえ思っております。
鹿嶋会長
では、お2人の質問、意見に対してコメントをどうぞ。
湯澤委員
おそらく残された議題もあるかと思いますので、そのモラルハザードのことについてですが、私は支援者のかかわりの質だと思っています。どんなにいい施設でも、こんなに監視社会のようになっているなかでは施設への偏見というものがあるわけです。当事者の現実をどう捉えられるのか、支援の質の問題だと思います。
坂橘木委員
生活保護に関してはどうですか。
湯澤委員
生活保護についても思っています。
坂橘木委員
モラルハザードはないと。
湯澤委員
そこも大きな議論で、それは一言では言い切れない問題があるかと思います。すみません。
鹿嶋会長
ありがとうございました。私はやはり山口委員のおっしゃったこと、やはり施設はあるんだけれども、施設入所期間が短いのと、長くてもせいぜい半年、そこから出た後の道筋が立っていませんね。施設まで入る筋道はDVを含めて何とかできたんですけれども、そこから先ができていないのではないかという感じがしますね。だから、リピーターが多いとさっきおっしゃっていましたけれども、その辺にも問題があるのかなと思って質問を聞いていました。
 御意見、質問、ありがとうございました。湯澤委員、本当にありがとうございました。
 続きまして、生活困難を抱える男女に関する検討会における検討状況を事務局から説明をお願いします。
分析官
では、資料の3と参考資料1をお出しいただきまして、御説明させていただきます。
 現在、資料3の方に書いておりますが、検討会の方で御議論、企画をいただきまして、ヒアリング調査を進めつつあります。このヒアリング調査につきましては、目的で書いておりますが、生活困難に直面している男女、主に女性が抱える困難の実態や背景、支援ニーズ、施策の課題等について把握するために、支援機関・団体等を対象にして定性的なヒアリング調査をしていくということで、可能な限り個別ケースも具体的な事例の状況がわかるようにということで、御協力いただけるところには情報を御提供いただくような形で進めております。
 調査対象でございますが、全体で25団体程度という予定で進めておりまして、参考資料2の方に当面の候補ということで、婦人保護・女性相談、ひとり親、労働問題、若者、外国人、その他といったような分野で対象の機関、施設を選んでおります。公的な施設、それから民間の施設といったようなバランスですとか、地域性といったようなバランスにも配慮して、検討会の中で御議論いただき、今これは19団体でございますが、本日また先生方からこうした団体もというような御意見がございましたら、残る何件かの中に候補ということで考えていきたいと思っております。
 調査は調査会社に委託するような形で、内閣府、それからあと検討会の先生方にも御同行いただきながら、訪問によるヒアリング調査を行っております。調査時期は、実は一昨日と昨日も1件ずつ行ってきましたが、12月から1月にかけて実施するという方向で考えています。
 調査内容でございますが、資料3の4に挙げてございますが、まずは支援をめぐる全体的な状況ということで、機関の概要、支援の対象となる人々の現状と背景について、こちらではどうしたような問題、どうした背景があるか、また最近の変化といったようなことについて、特に女性、あるいは男性ならではの状況や背景事情の違いに留意をして聴取をするということで進めております。それから、支援の現状と課題ということを聞くということでございます。
 また、個別の事例ということで、可能な限り、典型的な個別の事例、1から3事例程度を情報提供を依頼するということで、こちらからある程度その施設の特徴を生かせるような事例を出していただきたいということで依頼をしながら進めていっているところでございます。
 以上がヒアリングの状況報告でございますが、併せて、参考資料1ということで、局内勉強会において収集した情報というものを本日つけさせていただいております。会議の開催回数も限られておりますので、局内の方でまたこうした問題に取り組んでおられる方々、あるいは研究者の方々にヒアリングをさせていただいて、その御意見の要旨を取りまとめております。本日はお時間がございませんので詳しくは御説明しませんが、今後の御議論の参考としていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
鹿嶋会長
ただいまの説明に対する御意見、質問をいただきますが、同時にヒアリング調査対象はこういうところがあるというのがあれば、今日出してもらいますか。今19団体出ていますよね。
分析官
追加の部分ということですか。追加の部分ということでは、今検討会の中でも御意見がありますのが、例えば女性の障害者に関係する支援を行っている施設といったようなことですとか、それから定時制の高校とか、子どもで教育の部分でハンディキャップがあるような方々への支援をどうしていくかというところで支援を行っていらっしゃる方、恐らく定時制高校の養護教諭の方とか、そういう方にお話を伺おうと。
 それから、あともう少し、いわゆる緊急シェルター的なところというところでつけ加えられないか。あとは、若者の自立援助ホーム的な取り組みをしているところというところで、幾つか今具体的なところはどこがいいかというのはこちらでも探していっているところですけれども、そうした性格の団体を加えてはどうかという御意見を今のところいただいております。
鹿嶋会長
ここの会議でも、少し何かあれば意見をもらってもいいですね。
山口委員
これはみんなほとんど公立ですか。あるいは、私立であっても相当な支援があるところですか。
 例えば、民間に若草寮がありますね。そういう小さいところが各地にできていく。そこに有効投資をしていくということは大事だと思うので、私は民間のそういうところも1ケースぐらい入れたらいいと思います。先ほどの障害者施設は是非入れていただきたいと思います。それだけです。
鹿嶋会長
ほかに御意見、質問があれば出していただけますか。
袖井委員
今までのお話でも労働とか職業が非常に重要ということですが、調査対象に職業紹介は入っているのですが、職業訓練がないので、何かそういうのが1つぐらい入ってもいいかなと思いました。
鹿嶋会長
わかりました。ほかにはよろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、本日の審議はここまでといたしますが、今後は本日の方針に沿って検討会を中心に作業を進めたいと思っております。専門調査会と検討会合同での有識者ヒアリングを進めていくわけですが、年内はさっき言ったように合同はこれが最後ですね。
分析官
そうです。
鹿嶋会長
では、事務局の方から連絡事項がありましたらお知らせください。
分析官
本日はありがとうございました。年内は12月24日に検討会のみの開催ということで、10時から12時で予定させていただいております。よろしくお願いいたします。
 年明けにつきましては、後日改めてメール等で御連絡させていただきますが、1月は開催せず、2月以降ということで予定をしております。
 本日の資料でございますが、参考資料1、2につきましては非公表でございますので、そのような形でお願いいたします。それから、湯澤委員からお配りいただきましたもので要回収となっておりました資料につきましては、机の上に置いていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、本日、議事録を机の上に参考資料3、4ということで置かせていただいておりますが、こちらは先生方皆様の御確認がとれましたので、この案でホームページで公表したいと思っております。
 以上でございます。
鹿嶋会長
それでは、これで第32回の監視・影響専門調査会及び第4回生活困難を抱える男女に関する検討会を終わります。本日はどうもありがとうございました。

(以上)