監視・影響調査専門調査会(第10回)議事録

  • 日時: 平成18年5月29日(月) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府3階特別会議室
  1. 出席委員:
    • 鹿嶋会長
    • 大沢委員
    • 勝又委員
    • 神田委員
    • 佐藤委員
    • 神野委員
    • 袖井委員
    • 林委員
    • 古川委員
    • 山口委員
    • 横田委員
  2. 議題
    • (1) 開会
    • (2) 都道府県・政令指定都市の審議会等における国の職務指定の報告書取りまとめに向けての審議
    • (3) 閉会

(配布資料)

資料1
第8回監視・影響調査専門調査会議事録
鹿嶋会長
おはようございます。ただいまから男女共同参画会議監視・影響調査専門調査会の第10回会合を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中御参加いただきましてありがとうございます。
 それでは、本日の審議を進めます。あらかじめ事務局より御連絡させていただきましたとおり、本日は都道府県・政令指定都市における審議会等の委員についての国の法令に基づく職務指定に関する調査検討の取りまとめに向けた審議を行っていきたいと思います。
 まず、事務局が報告書案を用意しておりますので説明していただきます。よろしくお願いします。
塚崎調査官
お手元に委員のみ配布ということで「都道府県・政令指定都市における審議会等の委員についての国の法令に基づく職務指定に関する調査検討結果について(案)」とした資料をお配りさせていただいております。これにつきまして御説明をさせていただきます。
 まず1枚おめくりいただきますと目次がございます。「はじめに」がありまして、その後の構成としては三つの柱立てになっております。Ⅰの「調査検討に当たっての基本的考え方等」では、基本計画における位置付け、それから都道府県・政令指定都市の審議会等における男女共同参画の重要性、これまでの関連する取組といったことを記載してございます。
 Ⅱは「都道府県・政令指定都市の審議会等の委員についての法令に基づく職務指定の状況等について」という部分でございますが、こちらの方は今回実施しました二つの調査の主な結果等についてでございます。一つは1の「都道府県・政令指定都市を対象とした調査」でございまして、2の方は「府省を対象とした調査」です。
 Ⅲの「今後の取組に向けて」の部分では、専門調査会の国に対する提言の案でございます。柱立てとしては三つございまして、一つ目は「審議会等の委員構成に係る規定の見直しの可能性についての検討」、二つ目が「都道府県・政令指定都市に対する助言・支援」、三つ目が「人材育成に係る施策の推進」ということでございます。以上が報告書の柱立てでございます。
 1枚おめくりいただきまして1ページ目の「はじめに」のところですけれども、ここでは男女共同参画会議が行う監視のこれまでの経緯と、今回の都道府県・政令指定都市の審議会等における委員についての国の法令による職務指定につきましての監視の根拠というものを書いております。 それでは、本文について御説明をさせていただきます。2枚おめくりください。ページ数で言いますと3ページ目のところでございます。「Ⅰ 調査検討に当たっての基本的考え方等」でございますけれども、初めの1のところに「男女共同参画基本計画における位置付け」を書いてございます。基本計画では都道府県・政令指定都市等における審議会等委員への女性の登用に関する支援としまして2点、具体的施策として挙げています。一つが調査と、それから情報提供、もう一つがこちらの専門調査会での検討ということの2点が盛り込まれています。
 下に基本計画からの関連部分を抜粋してございます。「施策の基本的方向」という部分では「地方公共団体等における取組の支援、協力要請」の部分に当たります。その「具体的施策」の中のイでございますが、「審議会等委員への女性の参画に関する取組の支援」で、その中の都道府県・政令指定都市等における審議会等委員への女性の登用に関する支援、その中に2点ございまして今、申し上げました初めの調査・情報提供が一つ目のところでございます。各都道府県・政令指定都市が設定している審議会等委員への女性の参画に関する目標値や、これを達成するための様々な取組、女性比率の現状等を調査し取りまとめて提供するとともに、女性の人材に関する情報を提供するというのが1点目でございます。
 2点目が、職務指定委員に係る法令上の規定について、男女共同参画会議監視・影響調査専門調査会において検討を進め、必要な見直しを行うということでございます。
 次の4ページを御覧いただきたいと思います。「2.調査検討に当たっての基本的考え方等」の部分でございますが、こちらの方ではまず初めに職務指定の定義をしてございます。前文の二段落目の「なお」で始まるところを御覧いただきたいのですけれども、「職務指定」の定義は例年実施している「国の審議会等における女性委員の参画状況調べ」という調査に準じたというふうにしています。
 具体的な定義そのものですけれども、「職務指定」とは審議会等の委員の任命について、法令等により関係行政機関の長等一定の職務にある者を充てることが定められているものを指すこととした。具体的には下に(ア)から(エ)まで書いてございますが、次のような定めのあるものでございます。
 まず(ア)のところでございますけれども、職名が定められている審議会等、具体的に言いますと、例えば医師とか建築士といったものでございます。(イ)でございますけれども、関係機関もしくは地方公共団体の長と定められている審議会等、具体的に言いますと都道府県知事、市長といったものです。(ウ)ですけれども、地方議会の議員と定められている審議会等、これは例えば都道府県議会の議員などでございます。それから(エ)ですけれども、根拠法令等の委員資格または構成に関する規定に関係行政機関又は関係地方公共団体等の職員と定められている審議会等で、具体的な例を挙げますと都道府県の職員といったものでございます。
 次の(1)のところは「都道府県・政令指定都市の審議会等における男女共同参画の重要性」ということで2点まとめてございます。
 1点目が、都道府県・政令指定都市における重要な政策・方針決定過程である審議会等への男女共同参画は、民主主義の要請である。したがって、国民の意見を的確に反映できるよう、人口の半分を占める女性が委員として参加する割合を更に向上させ、男女の人数をなるべく均衡させることが望ましいということでございます。
 2点目が、都道府県・政令指定都市の審議会等における男女共同参画は、多様な視点の導入や幅広い議論の喚起につながり、ひいては我が国の経済・社会の活力の維持・向上に資すると考えられるということでございます。
 次の「(2)関連する取組」の部分では、これまでの国・地方公共団体の審議会等についての様々な取組、現状を挙げてございます。
 「(ア)平成13年度の監視」の部分ですけれども、これは国の審議会について平成13年度にこちらの専門調査会の前身であります苦情処理・監視専門調査会において監視をした結果を載せてございます。職務指定に関連する部分を中心に抜き書きをしてございます。次の5ページの上3行目のところでございますが、職務指定委員の部分についての平成13年度の監視の結果ですけれども、平成13年9月30日現在で国の審議会等の委員のうち、職務指定に占める女性の割合は2.2%となっており、女性委員の割合は平均に比べて低い。それから、審議会等の整理合理化に当たって相当数見直しが行われて、平成13年9月30日時点の状況をその1年前と比べると、10審議会等で職務指定委員が廃止され、4審議会等で職務指定委員の人数が縮減され、総委員数の約4分の1に占めていた職務指定委員及び団体推薦委員が1割程度にまで減少したという結果になっています。
 そして、この調査結果を踏まえて苦情処理・監視専門調査会では今後の取組に向けてという部分ですが、その職務指定の部分だけでございますけれども、そこに抜き書きしてございます。見直しの行われなかった審議会等においては引き続きこれらの必然性について検討し、可能なものについては柔軟な対応を図ることが必要であるとしています。
 次の(イ)の部分でございますが、こちらは現在の国の審議会の状況と、今般8月に国の審議会等について新たな目標が決められましたので、それについて触れてございます。
 一段落目は国の審議会の現況でございます。国の審議会については、一つは平成17年9月末に30.9%ということで30%を達成するという目標を達成した。しかし、職務指定委員に限定して状況を見てみますと、まだ女性の占める割合が3.8%と平均よりかなり低い状況だということでございます。
 次の二段落目につきましては、国の審議会等の新たな目標について書いてございます。国の審議会等については2020年までに男女のいずれか一方の委員の数が委員総数の10分の4未満とならない状態を達成するよう努めるという目標と、当面の目標としまして2010年度末までに女性委員の数が少なくとも委員総数の33.3%となるように努めるものとするとされたということでございます。
 職務指定につきましては、そのときに推進本部決定の中に書かれているのですが、職務指定委員についてはその必然性について検討をし、可能なものについては柔軟な対応を図るということになっております。
 次の6ページを御覧いただきたいと思います。②のところで都道府県・政令指定都市における審議会等についての現状を書いてございます。これは毎年やっています調査の結果ですが、女性の登用目標の対象となる審議会等委員における女性の比率は都道府県で平均29.8%、政令指定都市の方で28.2%となっていまして、推移を見ますと着実に増加しているという状況でございます。地方自治体別に見ますと、すべての都道府県・政令指定都市で20%を超えていて、30%以上の地方自治体は21となるという状況です。職務指定につきましては、都道府県・政令指定都市について調査したものはございません。今回のこの専門調査会で実施した調査が初めてのものでございます。
 次の7ページを御覧ください。Ⅱの「都道府県・政令指定都市の審議会等の委員についての法令に基づく職務指定の状況等について」という部分でございますが、こちらは都道府県・政令指定都市を対象とした調査と、それから府省を対象とした調査の結果をまとめてございます。
 1が「都道府県・政令指定都市を対象とした調査」でございます。この調査は昨年の11月、平成17年11月に実施しています。
 まず(1)のところでございますが、「都道府県・政令指定都市における審議会等の法令による職務指定の有無別の状況」というところでございますが、まず①ですけれども、法令による職務指定がある審議会は26種類ということでございました。
 次の②でございますけれども、調査対象審議会全体の女性の登用率は26.9%だったのですが、職務指定がある審議会とない審議会で比べてみますと職務指定がある審議会が19.7%、ない審議会が31.1%ということで、女性の登用率、職務指定のある審議会で低いという状況でございます。
 ③は同じことを別の角度から見たものでございますが、女性委員に占める割合が30%未満の審議会等の割合というものを見てみますと、全体が44.3%だったのですが、職務指定があるものとないものとで比べてみますと、職務指定がある審議会の方が58.0%、ない方の審議会が35.7%という結果になっています。
 次の(2)は「都道府県・政令指定都市からの意見・要望等」を伺っています。
 まず①の「困っている点」でございますけれども、特に委員定数の多い審議会等において職務指定が女性登用率の引下げの要因となっていること、地方自治体の裁量を妨げているということが指摘されています。それから、その一方で専門的な分野に女性人材が少ない。女性人材の確保が困難である。それから機関・団体・施設の長の多くは男性であることから、女性の登用が困難であるということが都道府県・政令指定都市から指摘されています。
 上記の点と関連しまして兼任の関係ですけれども、女性委員の多くは複数の審議会を兼任しているということで、女性委員にとっても負担であって審議会等の公正な運営にも支障を来すおそれがあるという御意見もございました。それから、こちらも兼任ということの問題なのですが、何々の長という職務指定により複数の審議会等に同じ委員が重複して就任しているため会議の円滑な開催に支障を来す場合がある。それから、職務指定のある審議会で代理出席が多いということが指摘されています。
 「②提言、要望等」でございますが、都道府県・政令指定都市から職務指定規定の見直し・緩和の要望が強かったということです。理由としましては先ほどの部分と重なるのですが、地方の裁量で委員が決められるようにすべきであること、男女共同参画づくりに寄与する。それから、活発で多様性を持ちうる審議会等の実現にもつながるといった様々な理由で職務指定規定を見直し、あるいは緩和してほしいという要望が強いということでございます。特に防災、それから交通安全の分野に係る審議会等について、女性登用促進の必要性について言及がございました。
 それから、職務指定規定の見直し・緩和の具体的な中身なのですが、具体的な見直しの中身としまして、例えば「関係機関等からの推薦」といったものに変えるとか、「市町村長」という職務指定を「市町村長又は市町村長の指定する者」、或いは「団体に属する者」、「団体の長若しくは団体の長が指名する者」といった、より緩やかな規定に変えてほしいという要望が出されています。また、審議会等を所管する各省庁から都道府県の各担当部局に積極的に女性の登用を図るよう働きかける「縦」の取組を講じてほしいという要望もございました。
 加えて、これは人材データベースの関係ですけれども、国に対し、地方自治体間の女性人材情報をネットワーク化し、一括提供してほしい。あるいは、国の有する女性人材情報を地方自治体でも取得しやすいようなシステムを構築してほしいという要望が出されております。
 次の(3)で「関連する事例」でございますが、これは職務指定そのものではないのですけれども、幾つか関連する事例があったので載せてございます。①ですが、法令による職務指定ではないけれども、国の通知で事実上、職務指定されている、それで女性の登用が困難な例が見られました。
 ②でございますが、法令による職務指定がない審議会について都道府県・政令指定都市の方が慣例的に機関の長を審議会等の委員に任命している。あるいは、審議会等の委員について都道府県・政令指定都市の方が自主的に職務指定しているといった例がございました。そうした例の中には、そのために女性の登用が困難になっているというものもございました。
 なお、類似する例としまして、地方自治法第245条の4の技術的助言にすぎないものなのですけれども、その技術的助言を根拠にして、それに基づいて地方自治体が職務指定をしていて女性の登用が困難となっているという例もございました。
 (4)に、都道府県・政令指定都市の審議会等に関係する女性登用の取組を載せてございます。例えば審議会等の女性委員の参画を拡大する取組としまして、女性委員の登用についての基準を決めるとか、委員総数の削減、これは女性の委員の割合が増える方向で委員総数を削減しているといった取組が行われていました。
 加えて、委員を決定する際に事前協議を必要としている。それから、女性委員選任促進責任者を任命している。あるいは、審議会等の女性登用の決裁に関して、知事が決済に関与することにしているといった事例がございました。
 法令による職務指定とは直接関係ないのですけれども、まさに先ほど申し上げました都道府県・政令指定都市の方の自主的な職務指定に当たる例の中で、条例や条項で設置根拠を持つ審議会で職務指定をしているという例で当該条項の改正を所管課に依頼するといったことがされております。あるいは、これは団体推薦の件なのですが、推薦母体の団体に対して女性の積極的な登用を依頼するといったことが行われていました。以上が、都道府県と政令指定都市についての調査でございます。
 次の2番目のところで、「府省を対象とした調査」の結果についてまとめてございます。詳細な結果につきましては、1の都道府県についても府省についても後ろに資料を付けてございます。この府省を対象とした調査は今年に入りまして2月、3月にかけて行ったものでございます。
 まず(1)の「法令による職務指定がある審議会等の状況」でございますが、先ほどと同じく26種類ということでございました。府省の方でも都道府県・政令指定都市を対象とした調査の結果と同じように、26種類の法令による職務指定がある審議会があったということでございます。
 それから②でございますが、「職務指定の理由」について聞いています。職務指定の理由としましては、一番多かったのが「審議会等の調査審議事項についての有識者であるから」という理由で、19の審議会等がこうした理由で職務指定をしているということでございました。2番目に多かったのが「遂行する責任を負う者であるから」というものでございます。こちらの方が14でございました。前者の有識者は、知識・経験を有する者ということで職務指定をしているということが考えられます。後者の遂行する責任を負う者であるからというのは、例えば都道府県知事とか関係機関の職員といったものになるかと思われます。こうしたものが多かったのですけれども、そのほかとしましては、「利害を代表する者であるから」職務指定をしたというものが3、それ以外が3でございました。
 回答数が多かった職務指定の理由ごとに女性の登用率を見てみたのですが、「有識者であるから」ということで職務指定をしているという審議会の女性の登用率の平均が24.9%、それに対しまして「遂行する責任を負う者であるから」という審議会は13.8%でございました。こちらは複数回答ですので、単独回答だけ取り上げて率を見てみますと、「遂行する責任を負う者であるから」ということで単独回答をしている審議会について女性の登用率を見てみた結果は5%と大変低い状況でございました。
 次に、10ページを御覧いただきたいと思います。③でございますが、「職務指定規定の緩和等の対応についての検討の余地の有無」というところですけれども、府省の方に職務指定規定の緩和と何らかの対応について検討の余地が無いかということを聞いております。検討の余地が無いというお答えであった審議会等が20ということで、検討の余地有りとする審議会等が6審議会という結果になっております。6審議会の検討の具体的な内容としましては、法令の柔軟な運用により一方の性に偏らない委員の登用に努めるよう、通知等を通じて地方公共団体に指導・助言を行う、時期としましては、平成18年度中にその検討をするということでございます。
 職務指定規定の緩和等の対応について検討の余地が無いとした理由についても聞いております。これは記述式なのではっきりと分けることはできませんが、主に次の四つの理由が挙げられています。
 1番目は、実際の活動等に当たるものや責任者である必要があるためということでございます。2番目が専門的知識・技能が必要であるため、3番目は既に十分緩やかな委員資格条件となっているからです。4番目は、利害を代表するものであるためです。以上が検討の余地無しとした理由でございます。
 次に4番目の行政サービスの受益者を委員として任命する余地が有るかどうかということについても伺っています。行政サービスの受益者を委員として任命する余地が有るという回答の審議会が22と大半を占めています。それらの審議会については、現行の規定に掲げられている委員資格で任命できるということでございました。任命する余地が無いとした審議会は四つございました。
 具体的な規定ですけれども、次の④の二段落目のところでございますが、「…に関し、学識経験がある者」、「…に関し、優れた識見を有する者」、「…に関し、知識または経験を有する者」、「都道府県知事が必要と認めて任命する者」、「被保険者の代表」、「住民代表」、「利用者代表」といったものが挙げられています。
 他方、受益者を任命する余地が無いという理由でございますけれども、4審議会の方から、一つは「試験に関する事務等をつかさどるにあたっては、専門的知識及び技能が必要であるから」という理由でございました。それから、「権限と責任を有している者でなければならないと考えるため」、「実際の応急活動等において責任を有することになる機関の長又は職員等から選任することとしているため」という理由が挙げられています。
 受益者を任命する余地無しとする審議会等について見ますと、一つの審議会を除いては「審議会等の調査審議事項を遂行する責任を負う者であるから」という理由で職務指定されている審議会でございました。
 次の「(2)法令によらず職務指定されている審議会等の状況」ですが、こちらは同じ質問を法令によらないで職務指定している審議会について聞いたものでございます。まず法令によらず職務指定されている審議会の数でございますが、6種類ございました。その中で意見がございまして、審議会等の委員の職務指定に関する通知等が地方自治法の245条の4の技術的助言に当たる場合は委員構成に関する地方自治体の自主的な判断を妨げるものではないという意見が出されています。
 ②で「職務指定の理由」ですけれども、「有識者であるから」ということで職務指定している審議会等が6、「利害を代表するものであるから」という審議会が2、「遂行する責任を負うものであるから」という審議会が2という状況でございました。
 ③ですが、「職務指定規定の緩和等についての検討の余地の有無」ですけれども、6審議会はすべて職務指定規定の緩和等の対応について検討の余地が無いという回答でございました。
 ④は行政サービスの受益者を委員として任命する余地が有るかどうかということでございますが、6審議会すべて行政サービスの受益者を委員として任命する余地が有るという回答でございました。
 次の(3)に「各府省が講じた取組」として幾つか例を挙げてございます。法令による職務指定に関して、各府省が講じた女性委員の参画の拡大に資する取組としましてまず「監査委員」についてですけれども、監査委員については第164回の本国会に議員以外の委員の定数を条例で増加することができるよう、地方自治法の改正案を提出して現在、審議中ということでございます。
 ②の「私立学校審議会」でございますが、都道府県における行政を過度に規制しかねない面もあるということで、平成16年に私立学校法を改正して委員の構成やその推薦方法に関する規定を削除したということでございます。
 ③は「民生委員推薦会」の例でございますが、民生委員・児童委員を推薦する民生委員推薦会の委員に女性を加えることは望ましいという旨の通知を地方自治体に出して助言しているということでございます。以上が府省と、都道府県・政令指定都市を対象とした調査の結果でございます。
 Ⅲに「今後の取組に向けて」という部分を次に説明させていただきます。この部分につきましては、資料2としましてそれぞれの提言の位置付けが分かりやすいように図を作りましたので合わせて御覧いただきたいと思います。
 初めに本体の方を御説明させていただきます。まず初めの前文のところでⅡの調査結果をまとめてございます。Ⅱの調査の結果から分かったことを主に2点挙げているのですが、1点目としまして都道府県・政令指定都市における審議会等のうち、その委員について法令による職務指定がある審議会等は、それ以外の審議会等に比べて女性委員の参画が進んでいないことが分かったということでございます。2点目としまして、都道府県・政令指定都市の職務指定規定の見直し等に対する要望も強いということが分かったということでございます。
 このような中、一部の府省においては法令による職務指定に関して女性委員の参画の拡大に資する取組、今、申し上げたような取組が行われているというものの、都道府県・政令指定都市の審議会等における女性委員の参画の更なる拡大を図っていくためには、府省において都道府県・政令指定都市を支援するような取組を更に進めることが求められるとしております。
 その際、以下の点に留意して取組を進めていくことが重要であるということで3点挙げております。
 まず1点目でございますが、「審議会等の委員構成に係る規定の見直しの可能性についての検討」ということで、この部分は法令による職務指定と、法令によらない職務指定と二つに分けて書いてございます。
 まず「法令による職務指定がある審議会等について」ですが、女性委員の割合の平均が低い審議会というのが一つ目の条件です。それで、職務指定規定が女性の登用を困難にしていると考えられる審議会等、女性委員の割合の平均が低くて、しかも職務指定が女性の登用を困難にしているという審議会について、法令を所管する府省においては審議会等における男女共同参画の重要性にかんがみ、審議会等の委員構成に係る規定の見直しの可能性について検討をする必要があるとしております。
 次の段落で、検討の具体的な内容について書いてございます。具体的には各審議会の性格や状況を踏まえて、その後に見直しの内容について幾つか選択肢を挙げてございます。職務指定の規定の緩和、それから撤廃、職務指定規定委員以外の委員の新設、職務指定委員の全体に占める割合の縮小等で、括弧の中にそれぞれの例を挙げてございます。例えば、職務指定規定の緩和については「…の長」から「…の長又はその指名する者」への緩和、それから職務指定委員以外の委員の新設につきましては例としましては「…に関し知識又は経験を有する者」や、例えば「…の長が必要と認めて任命する者」といった委員を新設するという例を挙げてございます。こうした様々な選択肢を考慮しつつ、見直しの可能性について検討する必要があるとしております。
 各審議会の性格の違いにつきまして次に触れているのですが、例えば「審議会等の調査審議事項を遂行する責任を負う者であるから」という理由で職務指定されている審議会等と、「有識者であるから」という理由で職務指定をされている審議会等とでは職務指定の必然性において差があり得るので同列に論ずることはできない。しかし、いかなる性格の審議会等においても男女共同参画の重要性が認められるところであり、現行制度を所与とせず、前述した様々な選択肢を視野に入れた検討が必要とされるということで書いてございます。
 上記の検討に当たっては、地方自治尊重の観点、地方自治体の柔軟な取組を可能とするような地方自治法との観点、あるいは多様な視点の反映の観点、行政サービスの受益者など、いろいろな視点を反映させる観点も併せて考慮する必要があると書いてございます。
 (2)で「法令によらず職務指定されている審議会等について」の部分でございますけれども、基本的には(1)と同じ検討をする必要があるとしております。法令によらず通知等で職務指定されている審議会等のうち、女性委員の割合の平均が低く、当該職務指定が女性の登用を困難にしていると考えられる審議会等についても、(1)と同様、職務指定に係る通知等の見直しの可能性について検討する必要があるとしております。以上が、まず1点目の審議会等の委員構成に係る規定の見直しの可能性についての検討なのですが、次が通知などで都道府県・政令指定都市に対して助言・支援の働きかけをするという内容になっております。こちらの方の対象でございますが、女性委員の割合の平均が低い審議会等に係る法令を所掌する府省としています。この2の方は、1の対象よりも範囲が広くなっています。もともと本専門調査会の検討対象は職務指定がある審議会についてということなのですけれども、調査の過程で、例えば慣例で都道府県の方は何々の長を任命するというような例がございましたので、そういう例も合わせて考えてここでは範囲としているということで、女性委員の割合の平均が低い審議会という対象にしてございます。そうした審議会等に係る法令を所掌する府省においては、都道府県・政令指定都市に対し、女性の登用に努めるよう、通知等を通じて助言・支援を行う必要があるということを書いてございます。
 その際、以下の四つの点に留意すべきであるということで、四つ留意点を挙げております。
 まず(1)でございますが、「職務指定に対する柔軟な対応」ということで、職務指定について可能な限り柔軟な対応を図ることにより、女性委員の積極的な登用に努めるよう働きかけるということでございます。
 (2)が「慣例等の見直し」でございまして、法令による職務指定がある審議会ではないけれども、都道府県・政令指定都市の方が慣例的に機関の長を審議会の委員に任命していたり、審議会等の委員について自主的に職務指定をしていたりという例が見られたけれども、そうした慣例等が女性の登用を困難にしていると認められる場合は見直しを図るよう働きかけるということを書いてございます。
 「(3)人材の掘り起こし・育成」という部分でございますが、都道府県・政令指定都市の方からも専門的な分野における女性の人材が少ないことや、機関、団体や施設の長の多くは男性であるというのが都道府県・政令指定都市の審議会の職務指定委員に女性の登用を進めていく上での隘路になっているという声がございましたが、そこで次のような短期的、中長期的な対応を図るよう働きかけるという内容にしております。
 まず短期的な方の取組でございますが、「人材の掘り起こし」ということで、短期的には女性人材の積極的な掘り起こしを進めることが肝要である。具体的な方法としましては、次の(ア)から(ウ)まで挙げてございます。まず(ア)ですけれども、公募を活用し、所属や経験年数にとわられず、幅広い人材登用に努め、積極的に女性を選考する。(イ)でございますが、幅広い専門分野や受益者、消費者という立場から女性を登用すること。(ウ)でございますが、民間の各種研究会等における参加者も視野に入れて専門的知識、技術を有する女性を発掘すること。こうした様々な方法で掘り起こしを進めることは可能であるとしております。
 掘り起こした人材の情報の効率的な蓄積・波及を図るためには人材データベースを構築し、活用することが有用であるということについても触れております。人材データベースについては、先日秋田県のヒアリングにもございましたけれども、登録件数、登録内容を充実すること、分野・分類を細分化すること、データ更新を頻繁にすること、個人情報の保護に十分配慮しつつ閲覧を容易にすることなどに留意する必要がある。
 なお書きの部分は、国の方の人材データベースに対する要望が都道府県・政令指定都市の方からございましたので、それについての記述でございます。なお、女性人材に関するデータベースについては国としても基本計画にあるとおり、「女性の人材に関する情報提供について、個人情報の保護に配慮しつつ、より広い範囲で利用可能なシステムの構築を検討する」こととしております。
 ②は長期的な部分でございます。「人材の育成」ということで、202030の目標を踏まえ、女性の参画が少ない分野の人材について国から都道府県・政令指定都市の方に積極的に施策を講じるよう働きかけるということでございます。
 次の(4)が「国や地方自治体の取組の情報提供」です。国や地方自治体における審議会等の職務指定委員への女性の登用拡大のための様々な取組について、国の方から都道府県・政令指定都市に情報提供を行うということでございます。
 以上が、2番目の通知等を通じて都道府県・政令指定都市に対して助言・支援をするというものでございます。
 先ほどの2番目の(3)の②の方は国が都道府県・政令指定都市に対して人材育成への働きかけをするというものでございますが、最後の3の方は国自体が人材育成に係る施策を推進していくというものでございます。中長期的には高度な専門性を持ち、かつ審議会等において国民の意見を的確に反映できるような女性の人材を様々な分野において育成することが緊急の課題である。このため、202030の目標を踏まえ、女性の参画が少ない分野の人材育成について積極的に施策を講じる必要があるということでございます。
 以上が本文についての説明ですが、資料2の方についても少し説明させていただきます。この図は今、説明した本文を図で示したものでございまして、見方なのですけれども、左側の矢印がたくさんあるところがフローチャートのようになっていまして、どのような審議会であるかという審議会の性質で分類したものでございます。
 右側の四角で区切られている部分がⅢの「今後の取組に向けて」に書いてある取組の中身をそれぞれ位置付けたものでございます。例えば一番上の矢印をたどりますと、女性委員の割合の平均が低い。それで、職務指定規定が女性の登用を困難にしていると考えられる。これについてもイエスという答えで、法令による職務指定があるという審議会の場合は、この右側の四角に並んでいます部分が取組として対応しています。
 まず初めが職務指定に係る法令の見直しの可能性について検討するという先ほどのⅢの1の(1)に当たります。それから、2番目の都道府県・政令指定都市に対する助言・支援の部分では、職務指定に対する柔軟な対応、人材の掘り起こし・育成、それから国や地方公共団体の取組についての情報提供が当面の取組として今後の取組の中で位置付けられています。それから、中長期的取組としましては、国の人材育成に係る施策がこのような性質の審議会についての取組に該当するということでございます。
 真ん中の矢印の部分は、女性の委員の割合が低くて、やはり職務指定が女性の登用を困難にしている。ただ、この職務指定が法令によるものではなくて、例えば通知によるものであるという場合でございます。ここの部分に当たる取組が真ん中の四角に該当する部分でございまして、職務指定に係る通知等の見直しの可能性について検討するということと、2番目の都道府県・政令指定都市に対する助言・支援については職務指定に対する柔軟な対応、人材の掘り起こし・育成、それから国や地方自治体の取組の情報提供、中長期的には国による人材育成施策というものが該当するということです。
 最後の一番下の矢印ですけれども、これは女性委員の割合の平均が低い。けれども、職務指定が女性の登用を困難にしている場合ではないというものでございます。こちらにつきましては、一つは慣例、例えば都道府県・政令指定都市の方が慣例的に機関の長を任命していて、それが女性委員の登用を困難にしているような場合に見直しをするというようなことが取組として対応します。それから人材の掘り起こし・育成、それから中長期的な部分としましては国の人材・育成の施策の推進となっております。
 資料でございますけれども、本体の部分は以上なのですが、資料1の後ろにポイントを付けてございます。ポイントは今、御説明させていただきましたものを要約したものです。3ページにまとめてございます。
 それから、参考資料ということで幾つか附属の資料をお付けしております。参考資料の目次を御覧いただきたいのですが、資料1、2、3は国の審議会等の女性委員の参画の状況に関する統計でございます。
 資料4は、国の審議会等について今年の4月に決定されました新しい目標を定めた推進本部決定でございます。
 資料5、6でございますけれども、こちらの方は都道府県・政令指定都市における審議会等の女性委員の参画状況に関する統計です。
 資料7、8は今回、実施した調査の結果でございまして、資料7の方が都道府県・政令指定都市を対象とした調査でございます。資料8が、府省を対象とした調査の結果になっております。
 下の参考のところですけれども、本専門調査会の根拠、参画会議の委員名簿、本専門調査会の運営規則と委員名簿、監視の実施方針、それから今回の監視の内容を決めた参画会議決定、これはもちろん途中なのですけれども、会合の開催状況といったものを載せてございます。こういった形で案をまとめさせていただいております。以上でございます。
鹿嶋会長
ありがとうございました。
 今回の報告書は、都道府県・政令指定都市書面調査及び各府省書面調査結果、都道府県及び関係府省に対するヒアリング調査結果、委員の皆様のご意見を踏まえて取りまとめられていると思っております。改めて今の説明を聞くと、都道府県・政令都市のものと府省の調査というのはある意味で大変面白い対立軸を我々に提示していまして、地方の方は何々の長といった職務指定を出していても代理出席が多くて形骸化しているようなところを指摘しています。もう少し地方の裁量に任せてほしい。それから、男女共同参画の視点がもう少し欲しいのだということで、それについては省庁からの働きかけも期待しているということが分かったと思うのです。
 府省の方は、法令によるものですと緩和について20審議会が検討の余地無しと言っているのですが、大きく言うとその理由は責任者と専門知識などによるいわゆる有識者ですね。それから利害代表者といったような三つが大きな壁になっていますけれども、果たしてそれをどういうふうにすれば動かせるのかといったような議論を今から皆さんにお伺いしたいと思っています。
 少し長いので部分ごとに順次進めてまいります。最初は「はじめに」と、それから全体の構成についてですが、これについて御意見ございますか。目次と1ページまでです。3ページ以降はそれが終わってからにします。では、どうぞ。
佐藤委員
私の誤解かも分からないですけれども、二つあります。
 一つは、なぜ職務指定規定を取り上げるのかということが初めの方に書いてあった方が良いかなと。我々は分かっているから余り書いていなかったのですけれども、基本的には審議会等の女性登用を進めていくということをやってきたわけですが、職務指定規定がその阻害要因になっている。だから取り上げるわけですね。ただ、それは読むと分かるけれども、初めの方に出てこないので、「はじめに」か最初かどこかに、初めて読む方ということで、我々は当然だと思っていたからあれなのですけれども、今日ちょっと伺ってみると少し読まないとそのこと自体が出てこないので書かれた方が良いかなということが一つです。
 二つ目は、審議会等の女性登用を進める。それは低い場合、ネックになっている職務指定規定を見直していくわけですけれども、そのときにいろいろなところで職務指定規定があると審議会全体として低いだけではなくて、職務指定委員についての女性比率も低いと両方出てくるのですが、職務指定規定が合理的でないものは取り除いていくということだと思うのですけれども、例えば都道府県で審議会が20個くらいあるとすると、そこの職務指定委員が全体として3割でなければいけないという議論をするわけではないですね。
 審議会が20個あるとしますね。そこを積み上げて職務指定委員のポストが30あるとすると、そこの女性委員は審議会全体の目標の3割に合わせろという議論ではないですね。そこはもちろん見直すのですけれども、目標は審議会全体の方ですね。
 ちょっと誤解するように読めてしまうところもあるかなと思っていて、我々の議論は審議会等全体の女性の登用を進める。職務指定規定については合理的ではないとかという慣行があって登用が進んでいないとすればそれを取り除いて、そこも女性を支援していくようにして、結果として審議会等全体のところを上げていくということが目標ですね。
 そこなのです。つまり、女性委員の割合が低いというのは何なのかということです。これは審議会全体であって、例えば都道府県で合計した職務指定委員の比率が低いということが議論の出発点ではないですね。それは確認です。
鹿嶋会長
ここはそれぞれ個別に見てもらわないと困るわけで。
佐藤委員
個別の審議会で見れば、例えば職務指定として1個しかないときにそれが2割、3割という議論は普通はあり得ないわけですね。一つの審議会について言えば、そのポストが一つしかない場合もありますね。
 ですから、議論はまずそれぞれ1個の全体としての比率は1割しかない。そうしたときに、もちろん全体も努力するけれども、一つのネックが職務指定について言えばそこを見直すという議論ですね。
塚崎調査官
職務指定の部分を3割ということではないです。
佐藤委員
そういうことではないですね。例えば5ページの真ん中の「3.8%」というのは職務指定のポストが3.8%と書いてあるわけですね。こういう書き方がところどころに出てくるから、これは……。
塚崎調査官
これを30%にしようということで書いたのではなくて、非常に低いのは低いですという実情を書いてあります。
佐藤委員
これが全体としての審議会の女性の比率を下げているという話ですね。ここの合理的でないものを取り除いていこう。それでこちらも上げられないかという議論ですね。私はちょっと誤解を招くかなと思っただけです。
横田委員
今、佐藤委員が言われたことは私もそのように感じていましたので、中身というよりもどういうふうに書くかというところになると思うのです。どこかにきちんと数字の全体が出ていると一番分かりやすいのですが、職務指定した場合、その指定された職務に就いている人は女性が圧倒的に少なく、男性が圧倒的に多い。この事実を前提に問題提起をしているわけですね。
 職務指定をすると自動的に男性がくる。これを何とかもう少しフレキシブルにして女性が入れるような方法はないかということと、人材育成のところでは指定される機関にもっと女性が登用されるような工夫もするようにということを書いてあるわけです。そこのところをはっきり書いた方がむしろ皆に分かりやすいのではないかという気がします。これは書き方の問題ですから今日細かく議論する必要はないのですけれども、その点が初めの方に出てくるとこの報告書が意図していることがはっきり分かるという気がします。
鹿嶋会長
例えば何ページ辺りですか。これを私はさっと読んでしまったのですが、どの辺りが良いでしょうか。
横田委員
最初のところの、何でこんなことをするかということで書いてあると良いのじゃないでしょうか。
鹿嶋会長
そのなぜかというのを初めの方に書けということですが、それはそれで良いと思います。
横田委員
ただ、審議会に少ないというだけではなくて、その中で職務指定をなぜ取り上げるかということが書いてあると良いと思います。
山口委員
私は佐藤先生に誘発されたのですけれども、男女共同参画社会基本法や、女子差別撤廃条約という根拠規定がまだ十分に知られていない。何で女だけか、逆差別じゃないかという議論はまだ地方に行ったら当然あるわけです。
 それで、私はやはり「はじめに」の中に、このように今、職務指定のこともいきなりで分からないよと言われた。全くそのとおりだけれども、基本法の定義の2条の2項だとか、それから第5条だとか、第8条の国の責務、この辺が根拠だということと、それから47都道府県で一つだけ千葉を除いては全部条例もできていて、このように女性の政策決定参加を奨励しているのだから、女子差別撤廃条約はいるかどうか分からないけれども、その根拠を明確にして、その中で特に政策決定参加で必ず審議会のことが出てくるので、その意味ではその位置付けを、書いた方が良いと思うのです。
鹿嶋会長
でも、くどくないですか。大丈夫ですか。総論の中に入れていくと、どうでしょうか。
山口委員
いきなりこれは基本計画、関係施策が書いてありますね。しかし、下に少し数行、余白もありますし、やはり私は根拠があった方が良いと思うのです。
鹿嶋会長
「はじめに」で、なぜ職務指定を取り上げるかという記述の中にその根拠についても少し触れていくというふうにしましょうか。
山口委員
くどくなくて良いですから、「はじめに」のところですね。
鹿嶋会長
確かに余白はまだ少しありますから。
神野委員
全体に関わる質問なのでどこでして良いか分かりませんが、私の全体の印象は、事務局の努力もあってうまくバランス良くまとまっていると思います。特に男女共同参画と、それから地方分権とか民主主義とか、そういう価値と、まさにそういうものを進めるためにも必要なのだということがにじみ出ていますので、その点で良いのではないかと思うのですが、そういう意味から言うと私がちょっと関わっている分権などの方でも取り上げていかないとだめな問題があるのではないかと思って、私は財政は関わっているのですが行政は余り関わっていなかったので袖井委員か、あるいは原田審議官の方に、その知識を整理したいのですけれども、住民の意思決定に関わる審議会とかのプロセスについて、なぜ国が決めることができるのか。
 つまり、その審議会の中でいろいろな規定があるということ以前に、この事務は国の利害に関わるからやってくれとか、それは良いけれども、意思決定に関わるプロセスのやり方についてどうして口出しすることができるのかという根拠を聞きたいのですけれども、地方自治法で幾つかその枠的なことを決めているという理解で良いのですか。
 そして、各省庁がなぜ出せるのかということですけれども、これは通知などが出てきますが、私の理解では通知は自治事務は出せないのです。だから、これは法定受託事務を各省庁がやらせるということに当たって、そのプロセスで住民がプランを作る段階にこういう審議会を作らなければならないのだというふうに決められるのは法定受託事務だからなのですか。
 つまり、この事務だったら、この仕事だったら審議会は決められるので法令で決めてしまうということなのか。あるいは、これには詳しくないのだけれども、地方自治法で議会などのいろいろな規定の中に各知事がプランを作るに当たって審議会を作ることができるとか書いてあって、それについては国が口出しをすることができるとか書いてあるのでしょうか。その根拠が分からないのです。
 もともとそういうことであれば、その審議会を作るか、作らないかというのは、それを作ること自体が余計なお世話で、法令に基づいて作らなければいけない審議会があったとして、それはどうして出せるのかと言って、その趣旨に基づいてどこまで規定ができるかという話になるわけですね。そうでなければちょっと余計なお世話で、それぞれの審議会の趣旨が住民の民主主義というか、住民の意思決定に反映するという趣旨であれば、むしろそういうことであるとすれば結論としてはもともと幾ら何でも女性比率の低い審議会というのはそのもの自身存在意義が無いのでやめた方が良いと言った方が良いような気がします。それはテスターだと言った方が良いのではないかと思うのですが、その根拠を教えていただけませんか。
神田委員
その根拠の前に、私はこれを見ていて当面の取組のところにしても、規定の見直しの可能性についての検討と書いてあるのですね。こちらは助言・支援なのです。私は随分弱いなと思っていたのです。言葉として、見直しの検討と。そうすると、私が感じたことは、今の御発言と関わっているのかなとちょっと思いました。
神野委員
私は素人なのですが、もしそうだとすれば普遍的な価値というのは必ずいろいろなところで追求していけば実現するはずなので、分権の方でも取り上げなくてはいけない話ですね。どうして出せるのだろうか。地域住民の意思決定と、国全体でやった意思決定と相違ができてしまった。その場合に何かやるというのは良いですが、もともと地方自治体が意思決定をするやり方を決めたら、意思決定のやり方自身が曲げられますね。それはどうしてできているのでしょうか。
山口委員
今の神野先生のお話ですが、ここはいろいろなものを地方自治体に要請しているときにクッションを置いていますね。例えば、基本計画の中でも地方公共団体等における取組の支援・協力要請ということで、言っておりますね。神野先生、そのこと自体が自治権を侵害するものなのでしょうか。
鹿嶋会長
そこの議論は今までしてこなくて今日急に出てきたものなので、どなたか詳しい方いらっしゃいますか。
古川委員
私も詳しくはないのですが、多分憲法92条だったかに地方自治の根拠があります。本旨の根拠として地方自治を行う根拠というものが一つあります。確か92条だったかどうか、忘れましたが、そこの根拠が一つと、それからあとは個別的な法令によって、つまり法定受託事務とか自治事務とかいろいろございますが、そういったことからのものではないでしょうか。詳しくは調べてみないと分かりません。
 それからもう一つ、そのことは調べていただかなければいけませんが、私自身もそれに若干関連して「はじめに」というものがございまして、一番後ろに、各府省においてはこれこれ、都道府県・政令指定都市が拡大するよう期待すると書いてあるけれども、私は自らの議論があるわけですね。つまり、例えば12ページの現行制度を所与とせず、これは私は前にも少し申し上げたと思うのですが、様々な選択肢を視野に入れた検討が必要ということですが、これは意識の問題で各省庁がかなりやるべきことなのです。そういうことも含めて考えると、各府省においてはというふうに期待するということではなくて、各府省においては自ら、例えばここで成果を踏まえてフォローしていくみたいな努力がまず必要であることと同時に、都道府県等に対して何か指導をする。その根拠は今、詳しくはよく分かりませんが、多分憲法92条の一番の根っこはそこにあるのではないかと思っています。
神野委員
92条の地方自治の本旨から言うと、出せないですね。それからもう一つは、今の事務区分でいけば……。
古川委員
2項ですね。地方自治体の存在の根拠が92条か何かにあるのです。そのことを言っているのです。
神野委員
それともう一つは、事務区分でいけば法定受託事務以外に出せないという理解でいくと義務教育関係は出せないです。
原田審議官
神野先生は大変ティピカルにあるべき姿をおっしゃっていただいているので、内心賛同するのですが、憲法の地方自治の本旨というのは現状ではかなり幅がある概念で、例えば法定受託事務に限らず、自治事務であっても、どこまでが地方自治の本旨に抵触するかという議論は別途あり得るのですけれども、自治事務に関する法令の中でも審議会ということを法令の中で数多く設定しております。
神野委員
ちょっと補足を致しますと、地方自治で自治事務に関して言えば法令で出せますね。通知では出せませんね。
原田審議官
技術的助言の範囲であれば……。
神野委員
技術的助言の範囲内でしか出せないわけですね。
塚崎調査官
通知でも法定受託事務については処理基準というものだけは大丈夫です。自治事務については助言はできます。
神野委員
通知は出せないということですね。
原田審議官
上位-下位の関係にあるような通達などは出せませんが、技術的助言という範疇であれば通知という形式でも出すことは可能です。
 ただ、私ども神野さんがおっしゃっていただいたように地方自治の観点がありますから、どこまでできるかという議論の幅はあるのですけれども、がんじがらめに審議会の構成を定めるのは自治の精神からすると明らかにおかしいのではないかとは思っています。
神野委員
それはそちらでいくのには全く賛成をしているのですが、まずそもそも何でいろいろ出したり通知したりできるのかということを言っているだけの話なのですが。
鹿嶋会長
要するに、この報告書の基本的なことで今、疑問を出されているわけですね。
古川委員
今、山口さんが持っておられたのですが、憲法92条というのは地方自治の組織・運営については地方自治の本旨に基づいて法律でこれを定めると書いてあるわけです。だから、その法律の範囲の中で執行するということになるのじゃないでしょうか。
 ここは余り先生と論議するつもりはありませんが、地方自治と国との一番の根源は憲法にあって、そこから根が出てきて委託とかいろいろな団体とかがありますし、強いて出せるか出せないかというお話ですから、国と地方との関係は憲法92条に根拠がある。それは、国は地方自治の本旨を尊重しなければいかぬ。しかし、その地方自治の本旨に基づいて国が法律を定めるということで、言い方は悪いのですが、国が地方を縛っていく。その一番の根源のところから派生してきているのではないかということだけ言いたかったのです。
神野委員
ですから、この場合には自治事務に関しては法令に書かないといけないようにしたわけですね。それ以外はさっき言った技術的な助言を認めてしまったのですか。
塚崎調査官
それはあくまで助言だということです。
神野委員
分かりました。
神田委員
そういう意味では、私はこれは非常によく考えられているものだと思います。
山口委員
神野先生がおっしゃられていることはとても大事だと思うのです。今、分権時代と言っているが、地方は御墨付きをもらいたいという気持ちがある。
 しかし、一方、住民にしたらもっと首長だとか議会は自分たち独自のものがあるから、一回そのことだけはきちんとしておいた方が分かりやすいですよね。単に協力を要請するとか努力をお願いするだけではなくて、会長、これは時間があったら是非議論をしておいてください。
鹿嶋会長
今の議論でかなり時間が押してしまっているので、ずっとほかの議論も今の議論を更に延長していいですが、とにかく3ページ前まで、目次と「はじめに」のところは「はじめに」の方になぜ職務指定を取り上げるのかを少し書くということで、これは良いですね。
 それで、今の神野委員の意見も更に踏まえて議論をしますが、次に3ページから6ページです。この中で少し今の議論も復活して結構ですので、皆さんからの意見を聞きたいと思います。
横田委員
5ページ目の上から二つ目のポツがありますね。「審議会等の整理合理化に当たり」と書いてあるところですが、そこで「10審議会等で職務指定委員が廃止され、4審議会等で職務指定委員の人数が縮減され、総委員数の約4分の1を占めていた職務指定委員及び団体推薦委員数が1割程度にまで減少した」と書いてあるのですが、その結果、女性の審議会の参加者が増えたということが書いてあると非常に説得力があるわけです。そこのところは調べないといけませんし、やはりそういうことでこういう努力をしてほしいということになりますので、そういうことを出していただけるとありがたいと思います。
塚崎調査官
これについては今、参考資料をお付けしておりまして、ちょうどそのデータがございます。
横田委員
それをここに書いていただけると。多分2行くらいで済むと思いますので。
塚崎調査官
分かりました。参考資料の1は平成13年9月30日でございまして、前年度と比べたものを書いた方がよろしいでしょうか。平成12年と13年と比べて20.9から24.7とかなり増えていますので、それを書かせていただきます。
鹿嶋会長
ほかにございますか。多分7ページ以降がかなりいろいろな議論になるようなところかと思うので、7ページから11ページに移ります。これについては地方の現状、それから要望と国の対応にかなり溝があるということがこの中の調査から浮き彫りになるわけですけれども、どうでしょうか。さっきの神野委員の議論ももちろん踏まえてくださって結構です。
山口委員
ちょっと質問させてください。10ページの④のところに「行政サービスの受益者(NPO、消費者団体、公募委員等)」と書いてあるのですが、受益者というのはNPO、消費者団体、公募委員、つまり受益者というのは住民のことですね。それが受益者と消費者団体とに分けてあって、消費者団体と挙げているのは何か特別な意味があるのかと思ったので、伺おうと思ったのですが。
鹿嶋会長
それは何ページですか。
山口委員
今のは10ページの④ですけれども、つまり受益者というのはこの括弧内ということですね。
 それから、14ページも関連するので言ってしまいますが、14ページの①の(イ)に「受益者や消費者」と書いてあるのです。受益者と消費者というのは違うのですか。ここがちょっと気になったのです。特別な意味があるのかどうか。こちらは消費者団体になっていて、こちらは消費者になっていますね。
鹿嶋会長
10ページの方は団体だけではなくて公募委員も入っていますけれども。
塚崎調査官
公募委員の話なのでちょっと分けて書いてみたのですが、やはり整理した方が良いということでしたら受益者で括弧でまた同じように書いて……。
鹿嶋会長
でも、14ページに括弧を付けてしまうと矛盾が出るのじゃないですか。
山口委員
受益者でくくれないのですか。消費者とわざわざ書かなければならない意味はありますか。
鹿嶋会長
この括弧書きのところと14ページは少し矛盾しているということですね。
山口委員
それから、「受益者や消費者」、と並べるのもおかしいのじゃないですか。
鹿嶋会長
これは消費者じゃないかと。これは受益者を皆ばらして書いてあるから、(ア)もそうなのですよね。(イ)もそうだし、言ってみれば(ウ)もそうですね。
塚崎調査官
むしろ受益者だけにした方がよろしいですか。
鹿嶋会長
そうですね。消費者を取ってしまいましょうか。「幅広い専門分野や受益者という立場から」ですね。
横田委員
7ページの下の方の(2)の①ですが、「困っている点」の最初の文章で、委員定数の多い審議会等において職務指定が女性登用率の引下げの要因となっているということが指摘されているのですが、ここの意味がよく分からないのです。指定職が相対的に少なくなればかえって良さそうな気がするのです。だから、ちょっとその論理が分からなくて、その次に専門的な分野において女性人材の確保が困難であるとか、それから機関・団体・施設の長の多くは男性であること、これは非常に大事な指摘なのです。だから、余りさらっとでなくてきちんと書いたほうが良いのではないか。
 それで、その上の文章が分かりにくいためにこの文章全体がちょっと問題を指摘する意味で弱い気がするのです。まず「委員定数の多い審議会等において」というところをこういうふうに書く必要があるのか。本当にそうなのか。もしそうだとすれば、委員定数を減らせということをどこかで書かなくてはいけなくなるのですが、そういうことがあるのかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
塚崎調査官
委員定数が多い審議会というものの中には職務指定の委員が多いという意味が込められていたのですが、ちょっと分かりにくいので、委員定数が多い審議会で職務指定委員が多いと、という形はいかがでしょうか。
横田委員
それならば分かると思います。
鹿嶋会長
それから、その下はもう少し具体的に。
横田委員
「他方」という言い方が弱いのです。これはある意味で一番大事なところで後の提言のところに出てきますので。
塚崎調査官
これは前に出した方が良いですか。
横田委員
むしろ前に出して、これが一番の問題点だということを実際に困っている点として指摘されているというふうに書いて良いのではないかと思います。
山口委員
私はこれをよく読み取れないのですが、8ページの②の真ん中辺で「都道府県の各担当部局に対し、積極的に女性登用を図るよう働きかける「縦」の」というのはどういうことですか。この「縦」です。
塚崎調査官
この文章は地方の方の声をそのまま書いたものなのですけれども、国から都道府県にという意味で「縦」と言っているようです。
原田審議官
国の関係省庁から都道府県の関係部局へということで、例えば縦なのですけれども、国交省から県の土木部門とか、厚労省から県の福祉部局とか、そういう意味です。
袖井委員
でも、縦と言うと上下関係みたいでおかしいですね。
鹿嶋会長
これは別の表現の方が良いかもしれないですね。
山口委員
これは私もよく分からなくなってしまったのです。
横田委員
今おっしゃられたように、国の関係部局から自治体の関係部局への働きかけという表現の方が良いのじゃないですか。
鹿嶋会長
またこの辺りでさっきの議論をやりますか。
 8ページの②の「提言・要望等」は職務指定規定見直しを都道府県・政令指定都市が要望する理由として、地方の裁量というのと男女共同参画の趣旨の2点だけですか。
塚崎調査官
あとは多様性を持ち得る審議会ということで、こちらに書いてある3点です。
鹿嶋会長
この3点すべてなのですね。困っている点はもうちょっと強調すべき点はありますか。困っているのだということをなるべく強く出していった方が良いかもしれないから。
袖井委員
8ページのところで防災と交通安全が必要性が高い例として挙がっていますね。でも、これを見ると、ほかにも低いのはいっぱいあるのですけれども、そういうところは何も言ってきていないですか。確かに防災と交通は低いですけれども、そのほかにもあるわけですよね。
塚崎調査官
地方の調査の中で分野として特に出てきたのは防災と交通安全ということで、ここで挙げています。幾つか審議会の名前のみが挙がっているものもあるのですが。
袖井委員
でも、それは困っていないということですか。例えば、都市計画審議会だとか、石油コンビナートとか、これは防災ですけれども。
塚崎調査官
そうではないとは思うのですけれども、特にこの二つの分野ではこういう趣旨で必要だということで言及があったということです。
袖井委員
これは向こうが言ってきたというものですね。では、少なくても別に構わないと思っている自治体もあるわけですか。
塚崎調査官
そうではないと思うのですけれども、防災と交通を特に挙げましたのは、後ろの27ページのところを御覧いただきたいのですが、27ページの「提言、要望等」の真ん中のちょっと上くらいですけれども、「特に女性の登用促進の必要性について言及があった分野」というところで地方の生の声として、防災の分野で災害時における様々な場面での女性の視点の導入は必要であるといったことや、交通安全の分野でも女性が地道に活動しているといったことで是非その視点を入れた方が良いという意見があったので触れております。
神田委員
今のことと関連してですけれども、防災とか交通安全の分野というのはたくさんの女性が実際に動いているのです。むしろ男性より女性が実際の場では動いている。だけど、計画を策定するところにはなかなか入れないという問題があってこれが特に出されたと私は思っております。
鹿嶋会長
その辺は強調した方が良いですか。実際は担い手は女性なのだと。
神田委員
是非強調していただきたいと思います。そういう意味が入ると、これが更に生きると思います。
鹿嶋会長
8ページが中心になった議論ですが、「府省を対象とした調査」という9ページ以降についてはどうですか。検討の余地無し。
 10ページの③は20審議会等ですから大部分を占めてしまうのですね。
古川委員
細かい点で具体的なことはあれですが、いずれにしてもこれは意識の議論で、もっと強く国がいろいろな職務指定とか法律で決めていることを見直さなければいかぬと思うのです。
 そういう意味で、私は先ほど「はじめに」というところで申し上げたのですが、最後の3行の「各府省においては、このとりまとめを踏まえ、都道府県・政令指定都市の審議会等における女性の参画を拡大するよう、都道府県、政令指定都市に対する一層の支援を図られるよう期待する」。もちろんこの専門調査会が都道府県・政令指定都市における審議会等の云々ということですが、国はその参画を拡大するよということの中に例えば法律の職務指定規定などを国も見直せという意味なのだとすれば、これは非常に弱いと思うのです。だから拡大するよう自ら本当に意識改革して、12ページに書いてありますが、決められていることをもう一回見直せと。
 私も行政にいて、本当に分かるのです。初めからこういうものだと思って全然手を触れない。そこに触れないと、これは動かないのです。だから、そこを私は「はじめに」のところで、何か人ごとのように、人のことでしょうが、各府省においては女性の参画を拡大するよう期待する。それは拡大するよう自らいろいろな規定について努力し、フォローしていくということと同時に、都道府県がそういうことをしやすいような支援を一生懸命図りなさい。まず自らがやらなければいかぬということで、「はじめに」のところが弱いのではないかとさっきちょっと申し上げたのですが、そんな感じがしますので、関連で申し上げます。
神田委員
私も先ほどちょっと申し上げたことで、この図を見ると見直しの可能性、助言・支援なのです。それで、確かに地方自治の問題と関係して、地方については私はこういうことだと思うんですけれども、府省についてはやはりもう少しはっきりと言えるのではないか。
塚崎調査官
これは全部、国がすることなのです。国がすることを全部まとめたものでございまして、地方自治体がやることではないのです。
神田委員
だから助言・支援なのですよね。可能性を検討するのですから、私はそれは良いと思うんです。
 だけど、今の古川委員の御意見と同じなのですけれども、国ができることについて、つまり府省についてはもう少し何か強い言葉で出せないかと思っていたのです。言葉遣いを変えるとか、何かできないのかなと思っていたのですけれども。
鹿嶋会長
それでは、「はじめに」のところの「期待する」についてはもう少し強い表現にすると同時に、国をどうしてほしいというのは12ページからです。ここからがこの委員会の提言になりますので、そこから14ページまでの議論に入った方が良さそうですね。12、13ページ、特に12ページについてはどういうふうに職務指定の規定を変更すべきだというところまで踏み込んで書きましたので、更に前の方にもちろん帰ってくださっても結構ですが、14ページまでの中で是非御意見を出していただきたいと思います。
神野委員
さっきの繰り返しになりますが、私の意見としてはこれはお考えいただいていろいろバランスを取っていただいたので直す必要はないと思いますが、ちょっと確認したい点は、審議会の設置を義務付けるなり何なりするにしても、中身の構成については法令で義務付ける。これは、例えば、やめてくれということはまず言えるのでしょうか。
 つまり、自治事務みたいに助言と支援だけにしてくれ。つまり、専門家が余りにも、あなたのところは少ないのじゃないかということは言えても、これは何々しなくちゃいかぬとか、議長が知事に何とかしなくちゃいかぬとかというようなことは自由にしておいてもらう。作らなくてはいけませんよというのは認めたとしても、中身については本来の審議会の趣旨から言ってもその地域の判断で良いのではないでしょうか。しかし、余りにもひどいことをやっているということが起こったりすれば助言・支援で、これは助言・支援できるところを限定しているわけですね。多分これは我々の事務の概念でいけば自治事務みたいなものに限って助言・支援をしますけれども、もう法定受託事務みたいなことについてはしようがない。規定を変えてくださいということですね。
 規定を変えてくれるということについて言えば、職務指定ということをぽんと打ち出していて、もちろんそれで良いと思うのですけれども、もしも変えるのであれば本来余り関与すべきではない。特に職務指定みたいなことがあるために審議会の意思が住民なり、あるいは逆に専門家の意思も阻害されてしまっているというケースもあるはずだ。ここはこういうふうに決められてしまっているわけでしょう。それはちょっとおかしいと思うので、まず原則自由にしてください。これは多分いろいろな規定があるために女性がというか、本来の民主主義が機能しなくなくなってきている。したがって、その証左として女性が進出できなくなっているということに表れている。
 特に職務指定規定があるので、もしも全体を自由にするということがあって、それができないにしても職務指定規定だけ見直せというような書き方でできるのであればその方が良いとは思うのですが、多分そこら辺はいろいろお考えになっていただいた結果だと思うので直す必要はないと思いますが、そういう理屈は成り立つのでしょうかというぐらいの気持ちです。そうすれば別途のところでやれば良いわけで。
原田審議官
そこのところはむしろ私もお聞きしたいところなのですけれども、自治事務であっても国の法令で審議会を作りましょう、作ってくださいというところまでは、実際問題はそういう法令がたくさんありますので、それを今、否定はできないだろう。
 次に、その審議会の構成について当然予想、想定される審議会の構成者、例えば関係行政機関の長とか、そういう人を代表的な……。
神野委員
ガイドラインとオリエンテーションは良いけれども、規定するというのは…。
 ガイドラインとオリエンテーションというのはやっても良いですよね。いろいろなところでやっていますから。つまり、ボトムアップの意思決定を重視する場合にトップダウンが必要なときには、それはボトムアップを重視しますのでガイドラインとオリエンテーションはします。どうしてこういう審議会を地方自治体に作ってもらうのかというオリエンテーションをすれば地方自治体の方でも考えます。ガイドラインはこうですよということは良いのだけれども、この職務指定規定というのは義務付けているのでしょう。
塚崎調査官
根拠が全部後ろの方の参考資料に載っています。例えば32ページに根拠規定というものがございまして、全部それぞれの法律で決まっているということです。
神野委員
したがって、戦略的にも余りそういうふうにせずに戦術と職務指定規定に特化してしまった方が良いと言えば良いのですが、書いていただかなくても良いのですけれども、もしもそれが正しければほかのところでやれば良いだけの話なので、この男女共同参画だけではなくて分権に関わってくる話ですから。
原田審議官
それで、全構成メンバーを職務指定するようなことはしないでほしい。自治体の裁量でとにかく学識者のようなパターンで選任できるようにというのは必要と思っているのですが、職務指定を全廃と言うと今、大々的に改編をしなければならないので、ちょっと厳しいなと。本来あるべき姿として言及するというところまでは良いのかもしれないのですが、それをやめるというのはさすがにちょっと無理があるかなと。
鹿嶋会長
そうすると、神野委員の場合は12ページの「今後の取組に向けて」の中で、本来国が関与すべきではないといったような趣旨のものは入れた方が良いということですか。
神野委員
入るのであればさっきの端書きでも良いのですけれども、1行ぐらい、本来余り関与すべきことではないのではないか。最低限度の関与に少なくともとどめるべきであって、できればガイドラインとか、そのくらいにしておいてもらった方が良いのじゃないかというようなことを書くということがあり得るのだと思うのですが、しかし、それをやると戦術は分散しますので、その戦略はむしろ分権の方でやって、戦術はこちらの方はターゲットを挙げてやった方が良いという趣旨で多分書かれていると思うので、そこについてはわざわざ言いませんが、そういうことは言えるのですよねという整理の仕方をお聞きしただけです。
鹿嶋会長
一応検討はさせてください。
山口委員
自治体からどうしても審議会に登用しようと努力するけれども、どうにもならない。こういう実態があるということを言ってきた。それは国として無視できないから検討してこうだという道筋にはならないのですか。
鹿嶋会長
我々はむしろそうではなくて、今の職務指定の規定の中身を少し緩和したり、12ページに例示はたくさんあるでしょう。そういうものや、あるいは通知を出してもらうとか、それを私は考えていたのですけれども、今おっしゃったようなことまでは、あるいは神野委員の言っているようなところまでは私は頭になかったのですが。
山口委員
13ページの2番の「都道府県・政令指定都市に対する助言・支援」のところで「(1)職務指定に対する柔軟な対応」ということが書いてありますけれども、この職務指定が良いとか、悪いとか、やはり職務を指定しなければならない部分もあると思うのです。柔軟な対応というのは、国こそやるべきだと私は思うのです。例えば士がついている肩書き、何々士会といろいろあります。やはり男女が一緒に入っているところで、医師会だとか、いろいろありますね。そういうところに出てくる人たちは指定だとやはり男性の方が出てくる。
 それで、私も女性団体活動をしているのですが、例えば女医会とか、看護協会とか、税理士会とか、女性組織がいろいろあります。それは女性の地位がなかなか高まらない。自分たちが研鑽をして社会のために役立つという趣旨で組織しているのです。そういう中には本当に優れた人たちはいます。女性団体の枠を入れるということは、この職務指定でもあるし、それから積極的改善措置というか、その趣旨に違反しないと思うのです。その種の女性団体からの登用ということを是非入れたいということが一つです。
 それからもう一つ、今、自治体では人材養成をしているのです。それはやがて審議会だとか調査会に登用できるように取り組んでいると思います。しかし、せっかくそういう人材を育成してもそれが登用されていないのですね。もちろん研修コースだけ受けてすぐ審議会に役立つかということ自体、問題がありますけれども、それを活用するということも大事ではないか。
 第3点を申し上げますと、各地の都道府県で人材リストを作っています。その人材リストを作る場合に、現に県内に住んでいる人、外の都道府県に住んでいる人、あるいはそこを出生地として地方で活用している人、いろいろいると思うのですが、地域へ行きますとやはり住んでいる人が第一ですけれども、我が県からこのような人が出ているので、また地元にも貢献してほしいという希望は多いのですね。
 それで、国立女性教育会館が人材リストを作っています。私はあれは文部科学省の外郭の独立行政法人としてだけでなく、もっと国立女性教育会館の人材リストを活用し、国内関係も国際関係権限や調査権を広げて、全国で役立つような機能に高めることも良いのではないか。そうすれば、決して地方自治の本旨を汚すこともないし、また国からそれを投資しただけの役割ができると思います。
 地方自治体では調査をしてももう2、3年後に頓挫しちゃうのです。独立行政法人ヌエックがそういうことをやれば毎年、毎年きちんと更新できるような機能を高める必要があると思いますので、人材リストに関してはヌエックにもっとしてほしいと提言したいです。
神田委員
今でもやっていますけれども、かなり手間をかけてやっています。
山口委員
ですから、それが文科省の一部というのではなくて、私はもっと大きく機能するように。
神田委員
難しいというよりも、今この場でもって、はいとか、どうということは言えないということです。
鹿嶋会長
今の山口委員の意見は13ページ、14ページでどこかの表現をどうしてほしいというようなことはありますか。どの辺をどういうふうに変えれば良いですか。
山口委員
これは1の審議会の委員構成に係る規定の見直しですね。それで、具体的にはというところだと思います。どこかに専門的女性団体、そこに人材がたくさんいるわけですから、そこから登用するなどという言葉を入れていただければ。
鹿嶋会長
ここに女性団体の話とかを入れられますか。
塚崎調査官
この部分は職務指定の規定の部分なので、女性団体等は入りにくいと思うのです。そういう形で職務指定をしていることは無いので、むしろ後ろの人材の掘り起こしの中で。
山口委員
そこでも良いです。ヌエックのことは、人材の掘り起こしとかデータベースに関しても。
大沢委員
既存の人材データベースを拡充しというような形ですね。その元があるのだから、それをうまく活用して使うというか。
神田委員
だけど、このデータベースは動いているものなのです。だから、常に更新していかないとだめなので、それは大変な作業なのです。それで、一々全部これは良いでしょうか、悪いでしょうかと一人ずつに聞いてチェックしていくので相当な作業です。
山口委員
それを一自治体では難しいので、地方自治の本旨に反さないヌエックがもっと大きな権限を持って、もっと毎年更新できるように予算を付け、権限を持ってやったら大変有用ではないですかと私は思うのです。ヌエックは予算も範囲もあるし、限界があります。
神田委員
そうですね。それを全面的にやってくれと言われても、今のヌエックの中では非常に厳しいです。
袖井委員
神田先生にお聞きしたいのですが、ヌエックの場合は教育が主ですよね。ほかの人材も全部やっていますか。
神田委員
そんなにはないです。今はうちの事業に関わった人のものをまずやっています。
山口委員
ヌエックがだめだったら内閣府の男女共同参画局が予算を取ってやるか、どちらかです。それは大事です。男女局のこれからのこともあるし、検討しておいてください。
鹿嶋会長
ヌエックまで個人名を入れなくても良いでしょう。
山口委員
人材リストの活用とか。
鹿嶋会長
神田先生のところも急に増やされても予算もないし、人が大変でしょう。
山口委員
提言ですから、あるべきだということは言っても良いでしょう。
鹿嶋会長
ヌエックという固有名詞は入れないけれども、ここの趣旨の表現をもう一回検討してみましょう。
 では、佐藤委員どうぞ。
佐藤委員
危惧だろうかと思いますが、初めの方になぜ職務指定規定を取り上げるかということを書きますね。それと、例えば資料2みたいな絵が出てくると、何となく審議会の女性比率が低いところだけ見直せば良いとふうになりかねない。それはメインなのですけれども、女性の登用が進んでいるところでも職務指定規定自体が合理的でなければ見直してほしいわけですね。
 だから、そのことを最後の方に書くか。そこだけやれば良いというふうに思わないように、低いところはもちろん大事なのです。だけど、全体として見直すということをどこか最後の方にちょっと書いたらどうかということです。
鹿嶋会長
それは13ページの(2)の上辺りでしょうか。「法令によらず職務指定されている審議会等について」の最後のところに今の趣旨のことをですね。
佐藤委員
ちょっとあれば良いかなということだけです。そこだけやれという意味ではない。もちろんそこは出発点ですけれども、全体として見てくださいということがちょっとあれば良いかなということです。
鹿嶋会長
では、林委員どうぞ。
林委員
一つは14ページのところに関わるのですが、今後の取組として助言・支援の中で一つが①の「人材の掘り起こし」であり、二つ目は②で「人材の育成」というのがあるのですけれども、掘り起こしは結構丁寧にいろいろ書いてあるのですが、人材の育成ということはどんな形でできるのか。審議会の委員を人材育成するというのは私の中ではなかなかイメージできないのです。そこはどのようなことで書かれたのか。ここをお聞きしたい点が1点です。
 またもう一つ前の方とも関わるのですけれども、7ページでもう過ぎてしまったのですが、最初にもらったときから分かりにくかったのは、数字がいろいろ出てくるのだけれども、(1)の③などは特に分かりにくいです。結語が、何々に比べ高かったということで、高かったら良いのかなと思っていると、高いことは悪いことだとここでは指摘しているわけですね。
 つまり、資料集の25ページの(2)の「女性の登用状況」というところを見てこの作文がされていると思うのです。だから、この表がどこかもう少し分かりやすいものにしてくっ付くと良いかなと。この表現を読むのは至難の技だったので私は何度も読み直しをしました。
 3点目ですが、「見直しの可能性について検討」というのは、どうしても「可能性」という言葉を入れなければいけないのか。規定の見直しについての検討ということで、普通私などは日常的な言葉として「可能性」という言葉をわざわざ差し込むと結構靴の上からかくようなイメージになってしまうのです。「可能性」という言葉はどうしても入れなくちゃいけないのかどうかという点です。以上です。
鹿嶋会長
まず最初の「人材の育成」ですけれども、これについては具体的な議論はしなかったですね。
塚崎調査官
趣旨としては、いろいろな分野で女性を育てることがその審議会に任命されるような女性を育成することになると、余り具体的には……。
鹿嶋会長
具体例として思い浮かぶのは、都道府県主催のいろいろな講座があるでしょう。そういう受講生を育てていくとか、いろいろな育て方があると思うのです。そういうものまで例として入れるのかどうかですね。あるいはこのままにしておくのかどうかですけれども、どうでしょうか。人材の育成は確かに企業と違って審議会の委員ですから難しいのです。
林委員
この人材育成というのは、私は都道府県がやるような講座などとは全く違うような気がするのです。そういうところで審議会に対応できるような人材育成なんてほとんどできないと思うのです。結局は職務指定が問題だと言っているけれども、指定されるようなポストに就くチャンスを経験した人間がやはり審議会などに対応していけるようになるような気がするのです。そうすると、ここでこういうふうに書くのは間違ってはいないなという気はするけれども、何だろうなというのがどうしても抜け切れなかったもので。
鹿嶋会長
人材の育成という表現は必要だと思うのです。例えばということで1例ぐらい具体例として何か思い浮かぶことはありますか。今回の報告書はなるべく具体例を入れているのです。
神田委員
私どものところでも人材育成というのは一つの大きな目標なのですけれども、やはりリーダー層なのです。リーダー層という考え方でやって、そしてその中にこういう要素を入れるということです。だから、審議会委員、人材育成とストレートにはいかないと私は思います。今までの人材育成の中には審議会の委員などというものは入ってこないのですけれども、リーダー層を育成するときには必ずこういう政策に関与するような力を伸ばすのだというとらえ方だと思います。
鹿嶋会長
要するにいろいろな分野で専門家とか管理職を育てていくわけで、それが202030ですから、こういう表現にしておいて、余り具体的には書き込まずにこのままでいくということはどうでしょうか。
神田委員
「講じるよう働きかける」というのがかなり弱いのです。
塚崎調査官
それは都道府県に対して国が働きかけるということです。3の方が国の方で、そちらは「講じる」になっています。
神田委員
分かりました。
鹿嶋会長
13ページの見直しの可能性ですけれども、これもさっきから大分弱いと指摘されているものが多いのですが、見直しを検討する必要があるとか、そういうことですか。
山口委員
可能性があるのと、ないとの違いはどこなのですか。可能性がないということも含まれているわけですね。
神田委員
この12、13ページのつくりなのですけれども、2は都道府県・政令指定都市なのですね。これは良く分かります。この1については国のと両方入ってくるのですか。
塚崎調査官
全部、国です。
神田委員
2も国だけれども、対してでしょう。
塚崎調査官
国が都道府県に支援するということです。
神田委員
そうですね。だから、法令による職務指定がある審議会等についてというのは地方自治体の方も入ってくるのですか。
塚崎調査官
国が所掌している規定を直すということですので。○神田委員 それは国ですね。だから、国のと何か言葉を分けても良いのかなとちょっと思っているのです。
鹿嶋会長
これはすべて国でしょう。
神田委員
国なのだけれども、府省の対象と地方自治体の対象と違うのだろうと思うのです。
佐藤委員
でも、1は府省が自治体の審議会に職務指定しているものについて府省が見直すのです。
神田委員
分かりました。
古川委員
今のことに関連して12ページから13ページにかけて一番下ですが、「現行制度を所与とせず、前述した様々な選択肢を視野に入れた検討が必要とされる」というふうな表現は非常に弱いような気がするので、例えば「現行制度を所与とせず、前述した様々な選択肢を視野に入れた検討を行い、その結果を明らかにすることが必要である」とかというふうな表現にしたらいかがかと思います。
 多分これを聞いたら各省はそのまますっといってしまいますね。ですから、検討を行って、非常に難しいけれども、様々なやり方が書いてあるわけですから、結果がこうなったということをどこかの段階で明らかにする。だから、検討を行い、その結果を明らかにすることが必要である。本当は「するべきだ」と言いたいところだけれども、そこは強いから「必要である」というふうな表現にしたらどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
鹿嶋会長
今の意見はどうですか。結果を明らかにするのですから、当然強めることになりますね。
古川委員
恐らく相当議論された上でのことでしょうから、いいですか。
塚崎調査官
ここはかなり議論はしたのですけれども。
古川委員
そのくらいひとつ各省庁に言わないと、なかなかすっとこれは書いてあっただけだと。可能性の議論もそうなのだけれども、可能性は言葉の議論ですが、検討が必要とされると言うと、あぁそうですかというような感じで終わってしまうような気がするのです。
袖井委員
監視・影響調査専門調査会はやはりフォローアップするのですよね。だから、やはり今、古川委員がおっしゃったように、明らかにするとか、何とかにするとか、そういう方が本当は良いと思います。これだけだと確かにこの結果がどうなるかというのはよく分からなくて、聞き置けば良いという感じにもなってしまいますね。
鹿嶋会長
これは今から特に問題が出そうですか。確かに実効性を担保するには明らかにしてもらった方が良い。しかも、専門調査会の意見だから、多少そういう姿勢で我々は臨む。これを明らかにするのは私は良いと思うのです。事務局はどうでしょう。
塚崎調査官
じっくり検討させていただきたいと思います。今は即答できませんので。
山口委員
これを出しますね。そうすると、本会議でこの結果を承認するわけですか。
鹿嶋会長
そうです。報告書にします。
山口委員
そうですね。だとしたら、これは期限が書いていませんけれども、本会議で承認されたらこの検討結果を2年後に見直して結果を報告するようにとかということは1行書けないのですか。
鹿嶋会長
そこは検討させてください。
山口委員
聞き置くとか、それだと終わってしまうじゃないですか。やはり結果がどうなっているかということを知りたいのです。
鹿嶋会長
私も山口委員に賛同しますが、ちょっと検討させてください。お願いします。
 今日の趣旨は確かに私も共感するようなところはたくさんあるのですけれども、ほかに御意見があったらお願いします。
 それでは、いろいろ議論をありがとうございました。この報告書案につきましては、本日の意見を踏まえて修正して次回にまた取りまとめたいと思っております。本日の審議についてはここまでとさせていただきます。
 次回の専門調査会につきましては、別途事務局から連絡させていただきます。
 最後に、事務局の方から連絡事項をお願いします。
塚崎調査官
お手元に第8回監視・影響調査専門調査会の議事録を配布させていただいています。チェックをしていただいたものなので、公表させていただきいと思います。
 それから、第9回の専門調査会議事録案をお配りしておりますので、修正がございましたらお手数でございますけれども、6月9日までに事務局の方にお寄せいただければと思います。よろしくお願いいたします。以上です。
鹿嶋会長
それでは、本日はこれで専門調査会の第10回会合を終わります。本日はどうもありがとうございました。

(以上)