監視・影響調査専門調査会(第8回)議事録

  • 日時: 平成18年3月27日(月) 13:00~15:00
  • 場所: 経済産業省別館825会議室
  1. 開会
  2. 議事
    • 都道府県・政令指定都市の審議会等における国の職務指定について
      • (1) 各府省庁書面調査結果について
      • (2) 秋田県ヒアリング
      • (3) 各府省庁ヒアリング
        • 都道府県(市町村)国民保護協議会
        • 石油コンビナート防災本部
        • 都道府県(市町村)防災会議
        • 都道府県交通安全対策会議
        • 都道府県(市町村)都市計画審議会
  3. 閉会
鹿嶋会長
それでは、ただいまから「男女共同参画会議 監視・影響調査専門調査会」の第8回の会合を開催させていただきます。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御参加いただきまして、大変ありがとうございます。
 本日は、昨年、本専門調査会に加わっていただきました神野直彦専門委員が御出席されておりますので、一言ごあいさつをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
神野委員
東京大学の神野でございます。
 昨年の9月末に、私は学部長を退きまして、暇になったのでこちらに加わるようにという感じで加わらせていただいたのですが、終わった後、私は世捨て人というか、死んだも同然で生きるというふうに総長にも宣言をしておいて、学内行政は免除されているのですが、1年間、ごたごたと分権とか何かに巻き込まれておりまして、こちらの調整が遅いというか、先取りをして権限のある会議の方に出ておりましたので、たまたまですけれども、意図的にではなく、こちらに出席をすることができずに今日までに至ってしまったことをおわびいたします。どうも申し訳ありませんでした。
鹿嶋会長
どうもありがとうございました。
 それでは、本日の審議を進めさせていただきます。あらかじめ事務局より御連絡させていただきましたとおり、本日は、都道府県・政令指定都市における審議会等の委員についての国の法令に基づく職務指定について審議を行っていきたいと思います。
 まず、事務局から、各府省庁書面調査結果について説明していただきます。
塚崎調査官
お手元に府省庁書面調査の結果をお配りさせていただいております。それにつきまして、御説明をさせていただきます。
 前回の専門調査会では、都道府県・政令指定都市調査の結果について御報告をさせていただきました。主な調査結果と致しましては、職務指定のある審議会は、職務指定のない審議会よりも女性の登用率が低いということが分かりました。
 そうした中で、職務指定規定の見直しや、自治体あてに女性の登用を促進する通知を出してほしいというような要望も強いということがわかったところでございます。
 これらの結果を踏まえまして、このたびは各府省庁の御協力をいただきまして、都道府県・政令指定都市の審議会等の職務指定につきまして調査を実施いたしました。その府省庁の回答結果をまとめましたものが資料の1でございます。
 それでは、資料の1を御覧ください。
 「1 調査概要」のところでございますが、まず、対象は、各審議会を所管する府省庁ということでございます。
 次に調査した時期は、今年の2月から3月にかけてでございます。
 調査事項でございますけれども、まず、「法令による職務指定のある審議会等」については、職務指定の理由について伺っています。
 次に、職務指定規定の緩和をするなど、何らかの対応を検討する余地があるのかということについて聞いていまして、その答えがあるという場合は、対応の具体的な内容と検討開始の時期を伺っています。検討の余地がないという場合は、どうして検討の余地がないのかという理由を聞いております。
 次に③のところでございますが、行政サービスの受益者を委員として任命する余地があるかということについて伺っておりまして、その答えがあるという場合は、その任命の方法を伺っています。なしという場合は、任命することができないという理由について聞いております。
 都道府県・政令指定都市を対象とした調査におきまして、前回御報告したものでございますが、国が法令でなくて通知などで職務指定をしているという例があるということが分かりましたので、その実態についても、今回の府省庁の調査で調べております。
 次の「法令によらず職務指定をしている審議会等」というところでございますが、そのような審議会がある場合は、具体的に法令によらず職務指定をしている審議会等の根拠規定、それから審議会等の委員の職務指定の記載をしている通知等の名称。それから、委員構成に関する記載内容について聞いています。
 そして、それらの審議会につきましても、先ほどと同様に職務指定の理由、それから職務指定規定の緩和等の対応について検討の余地の有無。行政サービスの受益者を委員として任命する余地があるかどうかということについて、同じように伺っております。
 以上が調査の概要ですが、次に結果の概要についてお話をさせていただきます。
 「2 結果概要」のところでございますが、まず、法令による職務指定のある審議会は、26種類確認できたところでございます。
 そして職務指定の理由についてですが、その四角の中に囲ってございます①~④までの四つの選択肢のうち「③審議会等の調査審議事項についての有識者であるから」という答えが一番多く、次に多かったのが「②審議会等の調査審議事項を遂行する責任を負う者であるから」という答えでございました。
 次の四角でございますけれども、職務指定規定の緩和などの対応について検討の余地があるのか、ないのかという質問に対しまして、検討の余地があるとした審議会は大変少なく6審議会でした。
 その検討の具体的な内容としましては、上の具体的な対応の二つの選択肢であります、職務指定の規定の緩和や廃止、根拠規定などに委員の柔軟な登用を促進するための規定を設けるといった法令自体を見直すという対応について検討するというところは、審議会はございませんでした。6審議会とも法令の柔軟な運用により、一方の性に偏らない委員の登用に努めるように通知等を通じて、地方公共団体に指導・助言を行うという対応でございました。
 つまり、地方に対して柔軟な運用を行うようにという通知を出して働きかけるという回答でございました。検討の時期は、いずれも平成18年度中という回答です。
 その他の審議会につきましては、対応について検討の余地なしということで回答が返ってきております。
 次の2ページ目を御覧いただきたいと思います。
 対応の検討の余地がない理由につきまして聞いております。これは、記述式の回答でございますので、明確に分けることはできませんが、おおよそ四つの理由に大別できるかと思います。
 一つは、実際の活動等に当たるものや、責任者である必要があるためという回答でございまして、それで今の規定を見直す等の対応が必要ないという回答でございます。
 具体的な例をそこに三つ挙げておりますが、例えば国民保護措置の実施に関係の深い職務に携わる者であるからとか、地域における自主的な災害救助活動の取組に通じていることから。それから、例えば指導・監督する立場の都道府県には、相当の責務を保持するものが望ましいといった内容が具体的な内容になっています。
 その次の理由が、専門的知識、技能が必要であるため、対応する必要がないという回答でございました。例えば、医療に関し、学識経験を有する者や、保険の仕組みを取っていることから技術的、専門的事項が多いためといったものが具体的な回答例でございます。 それから、多かったのが、既に緩やかな委員資格条件となっているため、対応等を検討する余地がないというものでございます。緩やかな委員資格条件の例としましては、職員や○○に関し、知識または経験を有する者といった例がございました。
 最後の4番目でございますけれども、利害を代表する者である必要があるためという理由もございまして、例えば具体的な例で言いますと、売買取引の当事者である卸売業者、仲卸業者、売買参加者その他、利害関係者で委員を構成する必要があるというものでございました。
 次に行政サービスの受益者。例えば、NPO、消費者団体、公募委員等を委員として任命する余地があるかということについて伺っていまして、それに対する答えとしましては、多くの審議会が任命する余地があるという答えになっております。
 任命の方法としましては、余地があるとした22すべての審議会が現行の規定の下で任命できるという回答でございました。
 具体的な例でございますけれども、四角の下に「受益者を任命できる委員資格の規定例」というところがございますが、そこに例を書いてございます。「○○に関し、学識経験がある者」「○○に関し、優れた識見を有する者」「○○に関し、知識または経験を有する者」「都道府県知事が必要と認めて任命する者」「被保険者の代表」「住民代表」「利用者代表」、そういった規定に行政サービスの受益者を読み込むことができるという回答でございました。
 しかし、残りの四つの審議会につきましては、行政サービスの受益者を委員として任命する余地なしという回答でございまして、その理由としては、2ページ目の最後のところに書いてございますが「受益者を任命する余地なしとした理由」というところでございますが、「試験に関する事務等をつかさどるに当たっては、専門的知識及び技能が必要であるから」「権限と責任を有している者でなければならないと考えるため」「実際の応急活動等において責任を有することになる機関の長または職員等から選任することとしているため」という理由で任命する余地なしという答えになっております。
 次に、3ページ目のところでございますが、法令によらず職務指定をしている審議会等についての実態でございますけれども、調査の中で6審議会が出てきまして、職務指定の理由としましては、それについては、これは複数回答ですが、「審議会等の調査審議事項についての有識者であるから」という審議会が一番多い結果になっています。
 職務指定の緩和などについて検討の余地はあるかどうかという問いに対しましては、六つの審議会とも検討の余地なしという答えになっています。
 主な理由は前述した理由と大体同じでしたので、ここには書いてございません。ただ、四角の下になお書きで記入させていただきましたが「なお、上記の法令によらず職務指定をしている審議会等の一部について、審議会等の委員の職務指定について記載のある通達は、地方自治法第二百四十五条の四の技術的助言であり、委員構成に関する自主的な判断を妨げるものではない」という回答もございました。それで、検討する余地がないとしている審議会がございました。
 それから、行政サービスの受益者を委員として任命する余地があるかどうかという問いに対しまして、6審議会すべて「有」という答えでございまして、現行の規定の下でそういう委員を任命できるというお答えでございました。
 最後に参考のところでございますが、審議会等における委員構成に関する規定について規定を緩和する、あるいは規定を廃止したという例、それから地方に対して女性委員の登用について働きかけをしているという例が調査の中でございましたので、御紹介をさせていただきます。
 一つは、監査委員について、規定を緩和する予定があるというものでございます。
 具体的には、今国会で議員以外の監査委員の定数を条例で増加することができるように地方自治法の改正法案を提出する予定であるということでございます。そのため、行政サービスの受益者等を監査委員として選任する余地が高まると思うということでございます。 二つ目は、私立学校審議会です。これは、規定を既に廃止しているというものでございまして、私立学校法では、これまで委員の4分の3以上を私学関係者とする。それから、推薦方法につきましても詳細な規定を設けていたということでございますが、このような規定は、各都道府県における私立学校行政を過度に規制しかねない面もあるということで、平成16年に法改正をして、委員の構成、それから推薦方法に関する規定を削除したということでございます。
 最後に、民生委員推薦会でございますが、これは地方に対する働きかけを既にしているというものでございます。具体的には、民生委員・児童委員の活動分野には女性がふさわしいものが多いため、女性の積極的な登用に努めており、それに伴い民生委員・児童委員を推薦する民生委員推薦会委員にも女性を加えることが望ましい旨を既に通知等で地方公共団体に助言しているということでございます。
 以上が府省庁の調査結果の概要でございます。
 後ろに記入要領と省庁からの回答を付けてございますので、御参照いただきたいと思います。
 以上でございます。
鹿嶋会長
ありがとうございました。法令による職務指定のある審議会について、26種類のうち、20については緩和の検討の余地なしということなのですが、ただし、緩やかな委員資格、条件となっているためといったようなものもありますので、ひょっとしたら、この辺りがもう少し考慮いただけるのかなと。
 それから、行政サービス、受益者については、私は個人的には当然のことながら委員として参加するべきだろうと思っているのですが、その資格の余地もないというのが実は四つあります。この四つとはどれですか。
塚崎調査官
後ろに個別の調査結果が付けております。四つは具体的に言いますと、都道府県建築士審査会。それから交通安全の関係でございますけれども、都道府県交通安全対策会議。それから防災の関係なのですが、市町村と都道府県の防災会議でございます。交通安全、防災と、あと建築士の試験の関係でございます。
鹿嶋会長
その四つについては職務指定の規定も変更する余地なし。それから受益者を委員として任命する余地もなしという大変厳しい回答ですが、それについては後で少し議論したいと思います。
 皆さんの方で、質問等々、御意見もありましたらどうぞお願いいたします。
 それから、都道府県については、先ほど紹介がありましたように、お手元に前回の書類が配布されていますので、それも含めて御意見なり、質問なりをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
山口委員
都道府県ですが、法令によらず職務指定をしている審議会等と書いてありますが、これは調査の段階で、例えば男女共同参画の視点で人材リスト、各都道府県は人材リストというものを持っているかどうか、その辺の調査はしているのでしょうか。
塚崎調査官
今回の調査ではしていません。入れていません。
山口委員
それはとても大事なのですね。やっているところもあるように聞いておりますけれども。
塚崎調査官
ただ、都道府県から要望で、自治体の人材リストについて国を窓口としてネットワーク化し一括提供してはどうか、若しくは国の方の女性人材情報を地方も使えるようにしてほしいというような要望は出てきておりました。
山口委員
それも自治体としてはおかしいですね。自分の地元の人たち中心ですから、よそから審議会の人をお願いするときもありますけれども、中心はその地域のことですからね。
塚崎調査官
今回の調査ではないのですけれども、自治体につきましては、別の調査で人材名簿があるかどうかということについて伺っているものがございます。
山口委員
それは、ここに資料としてはありますか。
塚崎調査官
備え付け資料の「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況」という分厚い資料の後ろの方に、ちょっと分かりにくいのですけれども、調査票の9ページの右側の、これは岩手の例なのですが、人材名簿の作成の有無というところがございまして、そこに例が載っております。人材名簿がある場合、ない場合ということで。
鹿嶋会長
ほかに御意見はございますか。
 それでは、今日はかなり盛りだくさんですので、今の問題も含めた議論は、後で各府省の方から説明していただくときに、更に質問を加えていただいても結構でございます。次に移ります。
 本日は、都道府県を代表して、秋田県と、今、紹介しましたように、関係府省の方々からおいでいただいておりますので、それぞれ国の法令に基づく職務指定の状況等々についてお話いただき、その後私たちから質問をしたいと思っております。まず、秋田県生活環境文化部男女共同参画課の金副主幹と土門主事から説明をお願いいたします。どうぞ、よろしくお願いします。
土門主事
それでは、私の方から説明させていただきます。お手元にあります資料2の方を御覧ください。
 秋田県では、「あきた21総合計画の第2期実施計画」におきまして、県の審議会等における女性委員の割合を平成17年度末に32.5%、平成22年度末に50%とすることを目標に掲げております。現在、対象となる審議会等が190 に上っております。
 続きまして、委員の職務指定による現状について御説明申し上げます。
 一つ目は、職務指定のある審議会等での女性の登用率の低さが目立つということです。こちらの方に具体的に六つの審議会等を挙げてございますけれども、こちらの方はすべて10%未満となっております。
 二つ目ですが、委員の指定職(機関・団体の長及び役員)に就任している女性が少ないため、女性の登用が進まないという現状があります。
 こちらの方は、関係団体・機関に対しまして、女性委員の推薦を依頼しても、そのトップを推薦してくることが多いため、団体・機関の長がほとんどが男性であるために、女性の就任は困難という現状があります。
 また、直接本人に依頼することも検討しておりますが、組織の権限を尊重しない形での依頼になってしまうため難しいということで、こちらの方は審議会等に対してのヒアリングの時点で実際の所管課の方から上がっている声です。
 続いて、災害復興支援・防災分野において女性の参画が進まないという現状があります。こちらの方では、新潟中越地方で発生した震災の例を挙げておりますけれども、これを始めとしまして、被災地などの現場においても、男女がともに尊重した形で救済活動を進めていくためには、こちらの災害復興支援・防災分野への女性の視点が必要と考えておりますけれども、職務指定であるために、なかなか女性の参画が進まない現状にあります。
 続きまして「2 今後の課題」と致しまして、国での取組と、地方公共団体での取組ということで二つほど挙げさせていただきました。
 一つ目ですが「①女性人材の養成」ということで、各専門分野においての女性の人材が不足しているため、実際には人材の確保が困難であるという現状がありますので、多様な選択を可能にする教育学習の推進とともに、女性が各分野で働き続けられる環境づくりを進めながら、長期・短期の両方のスパンで人材の養成を図る必要があると考えます。
 次に「②職務指定制度の見直し及び資格要件の緩和」です。
 本来の審議会の目的を逸脱しない範囲で職務指定の見直しを行い、資格要件を緩和すると同時に、災害復興・防災分野など、法そのものに女性の視点をいかすための改正についても検討することも必要であると考えます。
 続きまして、地方自治体での取組ですが、専門分野における女性の人材確保が困難になっておりますので、若者を対象にした各種セミナーにおいて、ジェンダーにとらわれないライフデザインの必要性をアピールしながら、専門職分野への進路や就職を促して人材の確保を支援していく必要があると考えます。
 二つ目ですが、女性の役員等への積極的な登用に向けた基盤づくりが必要と考えます。こちらは、企業や団体等に対しまして、各種事業を通じて男女共同参画を進めるための働きかけを促進しながら、社会や地域全体で取り組む機運を高めていくことが必要と考えております。
 最後になりますけれども、秋田県での具体的な取組を紹介したいと思います。
 まず「(1)『男女共同参画統括推進員』及び『男女共同参画推進員』の設置」です。
 こちらは、職員全体に男女共同参画を推進するための意識を浸透させ、庁内における推進体制を整備するとともに、県のあらゆる施策に男女共同参画の視点を積極的に導入することを目的としております。
 続きまして「(2)『審議会等所管課ヒアリング』の実施」です。
 こちらの方は、改選期を迎えました審議会等を所管する課室を対象にしまして、委員の構成、会議の開催状況、女性委員の発言状況などの現状及び改選案についてのヒアリングを年に2回実施しております。
 次に「(3)『女性参画推進会議』の開催」です。
 本課が所属しております生活環境文化部の次長を議長と致しまして、同部の参事、総務課長、人事課長、財政課長、男女共同参画課長を委員と致しまして、女性参画推進会議を開催しまして、上記のヒアリングの結果、目標値達成困難な審議会等の所管課に対しまして、年次目標達成に向けた可能性や方策の検討を行っております。
 続きまして、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、女性の人材リストの作成及び情報提供を行っております。各分野におけます女性の人材リストを作成いたしまして、委員会、審議会等の委員選任の際などに、提供依頼があった場合に、こちらから情報提供を行っております。現在では、平成18年2月現在で、15分野88名の方の登録があります。
 次に、公募による任用を実施しております。
 平成12年9月に、審議会等委員公募制ガイドラインを策定しまして、共同公募を開始しました。現在までの女性委員の採用状況は、平成13年度から平成17年度で延べ233 人の方が女性委員として採用されております。
 最後になりますけれども、秋田県のホームページ「美の国あきたネット」に審議会情報を掲載しまして、積極的な情報提供を行っております。
 私の方からは、以上で説明を終わります。
鹿嶋会長
ありがとうございました。防災復興支援の共同参画が進まないという指摘がありました。防災分野については、男女共同参画は第2次基本計画に新たに付け加わった重点分野になるわけですけれども、それも含めまして、皆さんからの御意見を伺いたいと思います。
林委員
今の説明していただきました2ページの資料の「(5)公募による任用」というところのデータについての質問ですけれども、計のところで95人とか、26人とかという数字が出ておりますが、それは公募による任用だけでこれだけいるということですか、それともほかも含めての女性の委員の数のことでしょうか。
金副主幹
公募のみです。
林委員
公募の場合は、男女問わず公募するわけですけれども、その中で女性がこれだけということになるとすれば、公募の全体数と女性の割合というのは、どんな形になっていますでしょうか。
金副主幹
平成13年度に初めてやったときには、7割ぐらい女性が出てきたのですけれども、実はだんだん公募が減ってまいりました。これはこちらの方の責任もあると思うのですけれども、例えば女性の人材リストとクロスしていない、女性の人材リストを登録者にこのような公募をお知らせしていなかった、そこら辺も反省しまして、女性の人材リストと、公募をクロスさせるようにしておりますが、徐々に行革の絡みもあるのですけれども、報酬とかそういうものが半分になったり、そういうものでなかなか公募が少なくなっております。
 実は、公募ゼロという審議会も昨年度ぐらいから出てきております。延べでこれぐらいなのですけれども、現在では公募による女性の参画というのは減ってきているのが現状でございます。
鹿嶋会長
財政的な問題よりも人材がいないということですか、それとも財政的な問題はかなりあるのですか。
金副主幹
財政的な問題もあるかとは思います。例えば、公募委員とお医者さんなどの専門職の委員でも謝金にすれば一緒になるのです。前に2万円出していたところが1万円ということでカットになっていますし、それから原則的には人数を増やさないと。こちらの方の取組では、枠を増やしていいよということで、条例を改正して増やしていいというふうに省庁の方で取り組んでいるところがあるみたいなのですけれども、財政的には女性を増やすために人数を増やすのはまかりならぬという現状があります。その分、旅費も増え、謝金も増えますので、そういう点では、今の中で女性を増やしていきなさいという状況もあります。
鹿嶋会長
女性を増やすために人数を増やすのはまかりならぬというわけですか。それはちょっとおかしいね。
金副主幹
おかしいのですけれども、なかなか行革の絡みの中で専門性を増しています。どんどんこれは会議にできますねということで会議の方に何とか会議で済ませなさいということで、審議会、委員会の対象のところから切り捨ててはいるのですけれども、なかなか人数を増やして女性を増やすというのはいけないということでありますので、難しいのと、確かに秋田県でも人材が非常に少ない。
 人材リストは、平成14年度400 人近くいたのです。それが新たにもう一回登録しましょうとなったときには、皆さん70代、80代になっておりまして、もう私は引退させてくださいというような形で、人数がこれだけ減っております。
 それから、どうしても土木、それから都市計画、あとは水産、そういった分野に非常に女性の参画が少ないという問題点がありまして、やはり偏ってしまって、特に多いのは、教育分野とか、そういう分野には多いのですけれども、非常に人材リストを作っておりますが、その分野も偏っているということはあります。
 公募も一生懸命やっておりますけれども、女性の関心がなかなか向かないというのと、それから平日に委員会、審議会を開きますので、現役でばりばりとやっている、それは男性にもそうなのですけれども、女性もそれに参加できない。日曜日や土曜日であれば、できるかもしれませんが、平日に委員会、審議会を開くとなれば、これは組織のトップの方々しか参加できないし、公募委員は主婦の方かリタイアした男性でなければ入ってこないということになります。
鹿嶋会長
財政と人材不足と関心がないのと、それから現役では無理という四つの御苦労があるようですけれども、ほかに御意見はございますか。
勝又委員
質問なのですが、人材リストというのは、そもそも初めはどういう資源から人材リストというのをお作りになって、それを更新されているのでしょうか。
金副主幹
もともとは、男女共同参画を進めるためにオピニオンリーダーとして活躍してもらいたいというところから人材リストの登録が始まったのですけれども、公募というのは、男女共同参画の分野ではなくて行革を担っている総務課の方でやっております。幾らでも委員会、審議会の数を減らしたいというのが総務課のねらいです。その中でも女性の任用も進めていきましょうということで一緒にやっているのですけれども、男女共同参画分野では、活動の担い手としてはとらえておりましたけれども、審議会や委員会の担い手としてはとらえていなかったのでクロスさせていなかったのです。平成16年からようやくクロスさせるようになりましたので。
勝又委員
それは公募のリストと、あと人材リストのクロスという話なのですか、もともと女性の人材リストというのは、どういうふうに作られているのでしょうか。
金副主幹
御本人の方に女性の参画活動をなさっている方、あるいはセミナーなんかを受講されて参加された方にリスト登録してくださいませんかということで依頼していただいております。
勝又委員
御本人というと、例えば団体とか、そういうところに積極的に参加されている方に対してのものなのですね。
 そうしますと、例えば全くそういうことに関係がない企業の管理職とか、そういうような方にこちらから声をかけてみたいなことはされているのでしょうか。
金副主幹
これからそれをしようとしています。やはりさっき申しましたように、平日開催でそういう方に出ていただくとすれば、まず、関心を持っていただくことと、我々も毎日のように新聞でいろいろな人材が載っているのですけれども、それをキャッチして人材登録してくださいませんかというようなきめ細かなやり方が今まではできていなかったので、そういう部分も反省して、この88名というのが実際にこれから活躍できる人であると。 プラス、マスコミ等で、やはり秋田県内でもいろいろな研究職とか専門職の方が出てきていますので、そういう方にこちらかアプローチをして人材登録をしてもらう働きかけは必要だと思っています。
 各課の方も所管課の方も男女共同参画課で持っている人材リストは大分古くなってきた、更新がないというふうな感じで、ほとんど使い尽くされてしまったというところもありますので、そちらの方をやりたいと思っております。
佐藤委員
確認ですけれども、17年度末の目標が32.5ですけれども、公募は12年から始めて、12年ごろが何%で、今、何%なのか。かなり急速に伸びてきたのか。
金副主幹
毎年2.5 ずつ上げるようにしていまして、それについては今まではクリアーしてきました。
佐藤委員
現状というか、2.5 ずつというと、16年度ぐらいが30%ぐらいだということですか。そんな感じで上げてきたと。
土門主事
実際の数字で、16年4月1日現在で29.1%でございました。翌年の17年4月1日現在では30.1%クリアーしております。18年度末で目標値が32.5%ですが、その数字につきましては、若干クリアーできない状態で30%を若干割るという見込みで、今、進んでおります。
佐藤委員
取組を始めたときというのは、2割ちょっとぐらいですかね。
金副主幹
そうですね。20%いくかいかないか、そこら辺でした。2.5 ずつ上がってきたのは、先ほど土門が申しましたような取組、所管課とのヒアリングを重ねて、まずは頑張っていきましょうということでありましたが、平成15年ぐらいから、30%がガラスの天井であると、もう頭打ちが来るなというのがわかっておりました。一旦は、それこそ石油コンビナートとか防災会議とか、不可能なものについては見直しませんかと女性参画推進会議でも話しましたけれども、まずはそういう趣旨ではないでしょうと、全体で女性を入れていきましょうと。入れられるところは、50%ではなくて女性を60%にして引き上げていきましょうと、そういうふうにして今までまいりましたけれども、案の定、やはり30%の壁にぶち当たっております。
山口委員
防災会議とか、水防会議だって1名はいるのですね。私は不思議だなと思うのは、何で交通安全対策会議が、どんな仕事をするのか知らないけれども、これこそ女性が入れるところに何でなんだろうかと。石油コンビナートのことはよく分かりませんけれども、何か大きな理由があるのではないかと。
鹿嶋会長
それについては、後で報告をいただけますので、そのときに質問を出してください。
大沢委員
最後に人材リストは多分重要なのだと思いますが、回収率はどれぐらいですか。どれぐらいが回収されて本当に人材リストとして使われているのか、ちょっと教えていただけますか。
金副主幹
恐らく、ちょっと私の方でやっていないのであれなのですけれども、400 近い前回の登録者に出しまして、80何人がようやく戻ってきたという状況ですので、これだけ減るということは、一つは反省もしております。
 というのは、やはりそういう人たちと公募委員を早くにクロスさせなくて、大分疲れてしまってから公募の呼びかけをしたりしております。そういうのもかなりあるかなと思います。
 あとは、行革によって、一つひとつの委員会、審議会が専門的になっています。そうしますと、興味はあるのだけれども、入ってみたところ10人のうち自分1人だけが女性委員で、女性の代表として発言せよと言われてもなかなかできない。そういうのも確かにあります。
 原課の方でもほとんど入れ尽くした、広く意見を聞ける部分、公募によって入れられる部分は入れ尽くしたという感があります。
 ですから、我々は、やはり消防防災とも話をしているのですけれども、法改正そのものをして、災害時のボランティアのNPOの方々とか、それから女性のお医者さんとか、保健師さんとか、そういう方々が入れるようにしていただかなければ、あとはちょっと無理だし、実際的に県の組織も知事がトップですと、部長クラスが組織の中に入っていきますね。一人も女性がおりませんし、そうなってきますと、部長が女性にならないとどうにもならない。
 でも、県の外を見ますと、医師会なり、そういうところも全部、民間も組織の長はやはり男性なのです。そこでどうにもならない状況になっていますので、あえて災害時に女性に対する暴力とか非常に増えて、目に見えない部分でかなりの被害を被っているのを見ますと、そうした視点をもう起こっているものとして入れていただきたいと。是非入れていただきたいと思います。
鹿嶋会長
どうぞ。
袖井委員
先ほども女性は教育関係が多いとおっしゃいましたけれども、15分野というのは、大体どんなのがあるのか、ちょっと教えていただきたいということ。
 それから、やはり団体とか、長とかというと、どうしても男性になってしまうのですが、当事者という形で、何か積極的に被害に遭った人とか、あるいは医療過誤の犠牲になってしまった人またはその家族を、何か当事者としての代表という形で発掘していくことができると思いますので、そういうことも今後お考えになったらいかがかなと思います。 最初の部分について教えてください。
土門主事
15分野すべては把握していないのですが、医療、福祉、法律、経済、社会などの分野になっております。
神野委員
いいですか。
鹿嶋会長
では、どうぞ。
神野委員
審議会のメンバーを増やすのに、財政的な理由といっても、余り理由にならないと思うのです。
 日本の場合には、地方自治体は特に政策の形成過程に男性、女性に限らず、プラン・ドゥ・シーのプランの段階でも多くの住民に参加する機会を与えるというのが筋だと思うのです。日本の場合には、地方議員の数が異常に少ないのです。6万人しかいません。スウェーデンは減らして6万人で、前は20万人いて、人口800 万人ですから、地方自治体の数がフランスなんかだと5,000 万人の人口ですけれども、3万5,000 地方自治体がありますので、2人いたってそれで7万で日本を超えるのです。地方議員の数を減らさないために、できるだけ多くの住民が地方議員になるために参加を保障しているのですが、そこが日本は弱いわけですね。ただでさえ議員に少ないわけですね。
 そうすると、専門家だけではなくて、様々な自治体の工夫で、法律もちょっと専門家とかというのは変えた方がいいと思いますが、多くの人がいろいろな視点で、それは女性の視点というのも全く同じで、すべての問題についていろいろな視点で参加させるのは筋で、そのための保障は日本だけが地方議員が有給なのです。ほかの国は無給ですから、幾らでも出るのじゃないかなと。意思決定に参加させる気があれば、条例で無給にすることができるはずです。だから、意思決定やプランの過程に幾らでも捻出はできるのじゃないですかと。それでなるべく多くの、少なくとも専門家といったって、女性の専門家と男性の専門家は、これはちょっと差別扱いになるかもしれませんが、見方が全然違うはずですから、すべての問題に様々な角度の人を参加させていく。
 うちの大学の佐藤先生も同じだと思いますけれども、審議会に入ったら素人扱いですよ。あなたは専門家ではないのですかと言われるわけです。何もその基準になっているはずではないので、多くの視点を入れるということに秋田県民は、それは拒否というか、ここで言ってもしようがないのですが、余り理由にならない。むしろ、できるだけ多くの人に参加してもらって、その議員の中に専門家が少ないということであれば、様々な立場の専門家に参加してもらって、それで日本の議員の少なさを補完すると。
 高過ぎるとは言いませんけれども、少なくとも意思決定にかかる費用では捻出できるはずだと思いますけれども。言ってもしようがないのかもしれませんが。
金副主幹
先生のおっしゃるとおり、それで所管課とヒアリングを重ねていくうちに、何とか女性を入れられないかというところから、大分所管課の考え方が変わりました。以前はどちらかというと、お墨付きをもらうための自分たちに都合のいい方々をどちらかというと集めるような傾向がありましたけれども、そうじゃないと。女性を入れていくということは、どんなことが起きるか分からない。どんなことが言われるか分からない。そういう意味では、幅広く事業の見直しになります。そういう視点も必要なのかということ。 それから、やはり招集するサイドのどれぐらいまで柔らかい思考で意見を取り入れられるかと、それも試されます。所管課が大分変わってきたのは、非常に見えています。30%にするために、非常に実際には医師会に頭を下げ、何とかということでやってきて、ここまで出てきたので、非常によくついてきてくれたと思いますし、意識も変わっていると思います。
 あとは、やはり県全体として、どういうふうな審議会にしていくのかというような、お決まりのものではなくて、いろいろな意見を幅広く、今までいてもいないかのごとく扱われていた、意見も持たないと思われていた人たちの意見をどのように入れていくかというのが非常に問われるなと思いますが、実際のところ、例えば県庁は秋田市にありますが、秋田市以外のところは旅費がかかりますので、できれば秋田市内の人にとか、そういうのは実際にあります。非常に逼迫した中で、その中で人材を回しているというのが実態です。
神田委員
今のような根本的な問題については、この秋田県の取組の中に幾つか並んでいますね。そういうところで取り上げられているのでしょうか。
金副主幹
ヒアリングの時点でやっております。
神田委員
そのヒアリングが、例えば3(女性参画推進会議)のところに行くとか、そういうことがございますか。
金副主幹
はい。ヒアリングの内容が3に持ち込まれます。
鹿嶋会長
どうぞ。
山谷委員
質問というよりは、コメントみたいな話になるのですけれども、旅費等の話で言えば、確か秋田県庁で女性の勉強会みたいなものをやられていて、県内からいろいろな女性がいらっしゃっていて、1年通じてやっていて知事に報告書を出すというのは何かありましたね。ああいうところで勉強会をやられている人の人材を活用するというのはないのでしょうかね。
金副主幹
多分女性議会の会というというところを指していらっしゃると思うのですけれども、前に平成10年~12年度までに女性議員を公募しまして、議会形式で行ったものがあります。そのOB会が毎年提言を出しております。その方々も活用させていただいておりますけれども、それでも足りない状況です。
鹿嶋会長
秋田県の方から率直な御意見を聞かせていただくことができました。大変ありがとうございました。これで御退席しても結構ですし、更にここで話を聞いてくださっても結構です。本当にありがとうございました。
 それでは、次は、職務指定をしている法令の中から都道府県・政令指定都市の御意見や女性の意見の割合等を踏まえて、本日は五つの法律を所管している関係府省の方々においでいただいております。その説明を聞いた上で質問をしたいと考えております。なお、質疑応答については説明がすべて終わってからまとめて行います。
 説明の順番は、最初は都道府県・市町村国民保護協会にかかわる法律を所管する内閣官房。次が、石油コンビナート防災本部にかかわる法律を所管する総務省消防庁。3番目は、都道府県・市町村防災会議にかかわる法律を所管する内閣府。4番目が都道府県交通安全対策会議にかかわる法律を所管する内閣府。5番目が都道府県・市町村都市計画審議会にかかわる法律を所管する国土交通省。以上、順次説明をお願いいたします。
 まず、内閣官房からお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
水野内閣官房副長官補参事官補佐
内閣官房で国民保護の方を担当しております水野と申します。どうぞよろしくお願いします。
 お手元の資料の「国民保護に関する基礎資料」というものと、もう一つ参照条文というのを用意しておりますけれども、何分まだ平成16年にできたばかりの法律ですので、歴史が浅いということもありまして、制度の概要を御説明させていただいた上で、その上で国民保護協議会というものがどういうふうに位置づけられているのかということを御説明させていただきたいと思います。
 まず、国民保護とは、そもそも一体何でしょうかということなのですが、資料を一枚おめくりいただきまして、もともと平成15年に「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」という法律ができまして、これは外国から武力攻撃とか、あるいは大規模なテロが発生した場合に、国としてどのように対処していくかということを決めた法律でございまして、この対処に関する基本理念というのが、今、私が申し上げたことですけれども、そういった有事に対して、国と地方がどのように対応していくのかということを定めたものでございます。
 その中で、対処基本方針というものを有事の際には定めまして、これは閣議で決めて国会の承認を得るということでございますが、この中で武力攻撃が起きたときには、何をするかということをこの中で決めるわけですけれども、その中の3番目を見ていただきたいのですが、対処措置に関する事項ということでございまして、一つ目が国民の保護に関する措置、二つ目が自衛隊とか、米軍の行動ということで、大きく分けて一つ目の国民保護措置というものと、我々は侵害排除措置と呼ぶのですが、侵害排除措置というものの二つを定めるというような流れになっております。
 それで、これから御説明をしようとする国民保護法というのは、対処基本方針の中で定められる国民の保護、1番目に申し上げた国民の保護をどのように進めていくかということを定めた法律であるということで、その下に矢印が引いてあって、国民保護法となっております。
 これが有事の全体的な法律の構図でございまして、その中の国民保護法がどうなっているのかということが二枚目のページに書いてございます。
 200 条ぐらいある非常に大規模な法律でございますので、かなりデフォルメして書いてはおるのですけれども、大きく分けますと、国民保護措置というのは、避難と救援と武力攻撃災害への対処の三つに分けられます。それで有事という非常に危機的状況でございますので、国と地方の総力を挙げてこれに対応していかなければいけないということで、国・都道府県・市町村がすべて対策本部などを設置して、一連の作業を大がかりにやっていくというかなり大がかりな仕組みになっております。
 避難で申し上げれば、一番上の列ですけれども、国が警報を発令して、そして右側の都道府県に行って警報を市町村に伝達して、市町村がそれを住民に伝えると。
 更に、国から避難措置の指示を出して、それをもう少し具体化したものを都道府県が市町村に対して避難の指示という形で出していきます。
 その避難の指示を受けて、その市町村は避難住民の誘導を行うと、こういう国・地方が連携して総力を挙げて対応しているという形になっております。以下は、救援とか武力攻撃災害への対処といったものについても同様の形でやっておくということになっております。
 こういう国民保護措置を実施していく上で、当然事前に計画をしっかり作っておいて対応していかなければなりませんので、そのためには三枚目の方の資料に行っていただきまして、国民の保護に関する基本指針及び国民保護に関する計画というものを国とか都道府県、市町村、更には民間の公益系の企業の方、例えば電力とか、ガスとか、そういった方とか、鉄道とか、インフラを所管されている方、指定公共機関とか、指定地方公共機関と呼ぶところでありますが、そういったところにも計画を作っていただくということになっております。
 この絵は、その計画の体系図を示したものですが、まず、国が国民の保護に関する基本指針というのを閣議決定で国会報告して作ります。
 これは、昨年の今ごろ、平成17年3月25日に既にでき上がっておりまして、国会にも既に報告をしているところでございます。
 そして、指定行政機関、これは各省庁でございますけれども、これにつきましては、平成17年10月に既に完成済みでございます。
 そして、都道府県でございますが、こちらの方は現在作っているところでございまして、こちらも矢印でいろいろ書いてありますが、内閣総理大臣に協議したりとか、その協議に先立っては、ここで今回議題になっている国民保護協議会が出てくるのですけれども、まず、この国民保護計画を作るに当たっては、欄外の矢印に載っておりますとおり、都道府県国民保護協議会に知事がまず諮問をしないといけません。そこで諮問していただいた上で内閣総理大臣に協議をすると。それで、内閣総理大臣がこの協議に対してどのように回答するかということを閣議決定いたしまして、国民保護計画が完成するというプロセスになっております。
 現在、閣議を終えている都道府県が全部で23ございます。これは政府目標で17年度内に作ろうということになっておりますので、近々残りの24県が閣議にかかって閣議決定される予定になっております。
 そして、指定公共機関、これはNTTさんとか、東京電力さんとか、あとはJRさんとか、独立行政法人の災害に関係するようなところが中心になりますが、ここも17年度内に計画を作るべく最終の詰めを頑張っているところです。
 そして、更にその下に降りていきまして、市町村の国民保護計画として地方公共機関の国民保護計画というのがあるわけですが、市町村の方は18年度ぐらいに作っていただけるように、とはいっても市町村はいろいろ数も多いですし、合併なんかでいろいろ大変なところもありますので、18年度を目標に頑張ってくださいと、我々の方でお願いをしているところです。
 この市町村の国民保護計画につきましても、これは都道府県知事に協議をするということなのですが、この矢印の欄外にありますとおり、あらかじめ市町村国民保護協議会に諮問をした上で、それから都道府県知事と協議してくださいというように法律で決められているところです。
 そして、指定地方公共機関、これは知事が指定する地方限定の鉄道会社とか、医師会とか、あとは看護協会とか、そういったところは知事が指定しているところなのですけれども、そこについても18年度くらいをめどに、国民保護業務計画を作って知事に報告してくださいというお願いをしているところでございます。
 以上が、国民保護制度全体の御説明と、その中で都道府県と市町村の国民保護計画がどういうふうに位置づけられているかという説明でございます。
 次に、今回議題となっております職務指定の状況ということなのでございますが、参照条文の方を見ていただきたいと思います。
 都道府県協議会と市町村協議会の組織がどのように法律で定められているかというのを現物を見ていただいた方が、はっきりと御理解いただけるのではないかと思ってそのまま持ってまいりました。都道府県の協議会、市町村の協議会は、ほとんど構成は一緒ですので、都道府県の方でちょっと御説明をさせていただきます。
 まず、会長の方は一応都道府県知事にお願いをしたいとしております。先ほど申し上げたとおり、有事という非常に危機的な状態ですので、やはり地方の総力を挙げて対応していただくためには、やはりその計画の策定段階から知事に音頭をとってもらわないといけないだろうということで、会長は知事にさせていただいております。
 そして、委員の方ですけれども、4項にありますとおり「委員は、次に掲げる者のうちから、都道府県知事が任命する」とありますので、これから申し上げるもの、全部で8種類あるのですが、8号ある中の方全部を選べといっているわけではありませんが、勿論、我々としては8号すべて入ってくるのが望ましいと思っておりますけれども、ただ、地方自治体のいろいろな事情もあると思いますので、8号の中からお好きなのを選んでくださいというかなり緩やかな規定に最初からなっております。
 そして、最初から緩やかなのですけれども、その中の1号~8号の書きぶりについてもかなり緩やかな規定を有しております。1号を見ていただきますと、指定地方行政機関の長またはその指名する職員。2号は、防衛庁長官が指定する自衛隊の方。3号は、都道府県の副知事。4号は、教育長と警察本部と特別区の消防長。これは東京だけですので、東京消防庁の消防総監ということになります。5号を見ていただきますと、都道府県の職員(前二号に掲げる者を除く。)ということで、都道府県については職務指定もしておりますが、実は職員はだれでもOKだということにはなっております。
 次に6号の市町村の長と当該都道府県の区域を管轄する消防長ということでございますけれども、こちらの方については、市町村と消防長については、かなり有事のときに県との連携が重要だということで、あえてここは長を指定させていただいておりますけれども、では市町村の普通の職員はだめなのかと言われましたら、それは8号に国民の保護のための措置に関し、知識または経験を有する者とありますので、例えば普通の消防官の方とか、市町村の部局の方で福祉とかにお詳しい方とか、そういった方でも8号で入っていただいても何ら差し支えないというふうに考えております。
 そして、戻りまして7号になりますが、7号については指定公共機関または指定地方公共機関。こちらは独立行政法人とか、企業の方とかということになりますが、こちらについては役員または職員というような緩やかな規定としております。
 そして、また繰り返しになりますが、8号については、これは知識または経験を有する者とありますけれども、実際には学者さんだけに限らないというように、これは既に共管官庁である総務省の方から通知は出してあるのですけれども、知識または経験を有する者は必ずしも学識者に限らない。これは、例えばボランティアとかでも構わないのだということを既に通知を出しているところでございます。
 そういう形で、確かに一見すると職務指定があるように見えますが、かなり私どもとしては規定そのものは緩やかにさせていただいていると考えているところでございます。
 残念ながら女性の任命が非常に少ないということで、いろいろ都道府県の方から名指しをされてしまっているのは大変残念だと思うのですけれども、私どもとしては、規定上はかなり緩やかになっておりますので、この規定でも更に制度的に問題があるというように内閣府さんの方で分析をされて、何か我々としてやらねばならないという御指摘があるならば、またいろいろ議論をさせていただきたいと思いますけれども、我々としてはそれなりの努力をしていると考えているところでございます。
 以上でございます。
鹿嶋会長
ありがとうございました。次に、総務省消防庁からお願いします。
吉住総務省課長補佐
石油コンビナート防災本部でございますけれども、これは石油コンビナート防災本部でございますけれども、これは石油コンビナート災害防止法に基づいて設置される本部でございます。
 石油コンビナート災害防止法につきましては、お手元に資料をお渡ししていなくて大変恐縮でございますけれども、一定の石油の貯蔵を取り扱える量ですとか、高圧ガスの処理量に基づいて特別防災区域を定めまして、それらの区域におけます災害から国民の生命、人体及び財産を保護することを目的としたものが石油コンビナート災害防止法でございます。
塚崎調査官
こちらの資料の5ページのところに石油コンビナート防災本部という19番目のところです。
鹿嶋会長
では、お願いします。
吉住総務省課長補佐
石油コンビナートと防災本部につきましては、ただいまお話ししましたとおりに、これら特別防災区域に係る、防災いわゆる災害の発生及び拡大を防止し、並びに災害の復旧を目的として本部を設定することとなっております。災害対策基本法による中央防災会議とはちょっと異なりまして、災対法に基づきますと、都道府県と市町村ごとに地方防災会議を設置することとしておりますが、この防災会議におきましては、都道府県と市町村を通じた一つの防災に関する組織を置いて、都道府県と市町村が一体となった防災体制を確立するのが合理的であるということで、一体化して市町村及び都道府県が一緒になって本部を設置することとなっております。
 また、特定事業者が防災本部には加入することになっておりますが、特定事業者が災害の発生及び拡大の防止に関し万全の措置を講ずることが法律に基づいて、特定事業者の責務となっておりますので、こういった特定事業者が代表として加わっているところでございます。
 なお、防災本部におきましては、当該都道府県の区域内に所在する特別防災区域に係る防災に関しまして、石油コンビナート防災計画の作成ですとか、その実施の推進、災害応急対策等の実施に関する連絡調整等の事務をつかさどっております。
 そういった観点から災害時及び平時の防災活動を円滑に実施するために、実際の応急活動等におきまして、責任を有することとなる機関の長または職員等から選任することとなっております。
 以上が簡単でございますが、石油コンビナート防災本部の概要でございます。
鹿嶋会長
では、次は内閣府。これは資料はありますか。
笠松内閣府政策統括官(防災担当)
付総括参事官補佐 追加の資料は用意してございません。
 配付資料の表を二枚めくっていただきまして、左側に「24」、「25」と書いてある欄でございますが、都道府県防災会議、それから市町村防災会議についてでございます。総称いたしまして地方防災会議と言っておりますが、これは災害対策基本法、内閣府防災担当と、総務省消防庁で共管させていただいている法律でございます。この法律に基づきまして地方防災会議がございます。
 この地方防災会議というのは、平時及び災害時における市町村それから都道府県の災害対策をつかさどる会議でございます。
 まず、審議会の目的から御説明させていただきますと、都道府県防災会議を例にして御説明させていただきますが、都道府県内の防災に関する事務というものは、そもそも都道府県、それから国の出先機関でございます地方支分部局、更には指定公共機関と申し上げておりますが、日本赤十字社など、地方公共団体だけではなく、いろいろな公的機関にまたがって処理されるものでございまして、これら関係機関の連絡調整が不十分になることのないよう、また災害対策というものを総合的、計画的に実施していけるように、今、申し上げました関係機関の代表者がメンバーとなる地方防災会議を設置しているということでございます。
 ですので、地方防災会議というのは、単なる調査審議機関というものではございませんで、災害対策のまさに災害が起きたときの実施、または推進をしていく機関としての性格を有しているという点に御留意をいただきたいと思います。
 具体的に、都道府県防災会議は何をするかといいますと、これも災対法に定義がございまして、例えば都道府県地域防災計画を作成し、その実施を推進することですとか、更には災害が発生した場合におきまして、その災害に関する情報を収集したり、応急対策や復旧に関しまして、地方公共団体のみならず、国の出先機関や日赤やNHK、電気、ガス会社等の関係機関相互間の連絡調整を図っていくこととなっております。
 更に、もっと大きな災害、「非常災害」と言っておりますが、そのような災害が起きた場合には、緊急措置に関する計画を地方防災会議で作成して、実施をしていくという役割を地方防災会議は担っているというものでございます。
 要約して言いますと、単なる調査審議機関ではなく、災害対策の実施・推進をしていきますし、なおかつ関係機関の連絡調整を図っていくというのが重要な任務となっているものでございます。
 では、職務指定の規定の状況でございますが、配付資料の方を御覧いただきたいと思いますが、左から4番目の欄でございます。会長は、都道府県防災会議でいいますと、当該都道府県の知事になりますが、そのほかの委員といたしましては、都道府県の区域を管轄する指定地方行政機関、国の出先機関ですけれども、その機関の長ですとか、陸上自衛隊の方面総監、都道府県の教育長や県警本部長、更には市町村長や消防機関の長などを職務指定として充てることを災対法で規定しております。
 このように、防災関係機関の長を職務指定するというのは、まさしく地方公共団体における地域住民の生命、身体及び財産を守るという地方公共団体の根幹的な、かつ最も基本的で重要な事務、これを遂行していくための担保となるため、必要不可欠な規定だと考えておりますので、これは御理解をいただきたいと思います。
 現行法の規定につきまして、いろいろ御議論があるということは承知しておりますので、その点につきまして、現在、規定をどのように修正するかというのは、まだ想定をしておりませんけれども、例えば災対法の第15条の第5項第5号におきまして、この資料で申し上げますと、都道府県防災会議の欄の左から4番目のところの上から9行目に「当該都道府県の知事がその部内の職員のうちから指名する者」ということで、先ほどの国民保護協議会と同じように、現行の規定におきましても女性を登用する余地はあるものと考えておりまして、これからいろいろ勉強させていただきますが、もし必要とあれば、ここにつきましては、通知等を通じて地方公共団体に弾力的な運用、一方の性に偏らない委員の登用に努めるよう指導・助言を行うことは可能であると考えております。
 それから、男女共同参画局の方から事前にいただいた御質問のペーパーによりますと、防災の分野では、女性の参画の拡大や、社会的性別の視点を取り込んでいくことが望まれますとあります。第2次男女共同参画基本計画においても防災の分野が取り上げられておりますので、どう考えるかということなのですが、我々といたしましても、その点に関して意見は同じでございまして、このため平成16年10月に起きました新潟県中越地震の際には、我が方の村田防災担当大臣のイニシアティブによりまして、男女共同参画局から職員を派遣していただきまして、新潟県中越地震の被災地に実際に入っていただき、避難所等をいろいろ回っていただきまして、女性として困ること、女性としてこうしたら良いことについて、様々な調査、御提言を行っていただいております。
 それを踏まえまして、我が方の防災担当でも男女共同参画基本計画(第2次)に先駆けまして、昨年7月に国の中央防災会議におきまして、国の災害対策の指針となる「防災基本計画」というのがございますが、この計画の一部に女性の視点等を位置づけるための必要な改正を行わせていただいております。
 ですので、我々と致しましては、防災分野についての女性という視点については大変重要だと思っておりますし、既にそのような施策を実施しております。防災基本計画を作成し、各地方公共団体に周知もさせていただいているという状況でございます。
 それから、男女共同参画局の方からいただいた御質問では、行政サービスの受益者を委員として任命する余地がないということで、その点をどう考えるかというお話があったのですが、これも資料の右から3番目の欄に載せておりますが、地方防災会議の委員につきましては、現行の規定上は、行政サービスの受益者を委員として任命することはできないと我々の方では解釈をさせていただいております。
 これは、先ほども申し上げまして繰り返しになりますけれども、要は地方防災会議は、災害が起きたときに、まさしく応急対策活動などを実施、推進していく関係機関の方たちに入っていただいているということでございまして、そういう方たちに入っていただいて、適時・的確に応急対策が実施されるよう、防災関係機関の長の方たちに、まず職務指定をさせていただいているという考え方だということで、御理解を頂きたいと思っております。
 概ね以上でございます。
鹿嶋会長
ありがとうございました。
 次に、都道府県交通安全対策会議にかかわる法律をお願いします。
島村参事官補佐
内閣府交通安全対策担当参事官補佐の島村と申します。座って失礼いたします。
 資料につきましては、A3判の大きなものの7番を御覧になっていただきたいと思います。それから別途、本日のヒアリング用にA4判の「交通安全対策の総合的推進の枠組み」というものがお手元にあると思います。
 このA3横長のものと、A4縦長のものと両方を適宜御覧になっていただきながら、御説明させていただきます。
 まず、都道府県交通安全対策会議について御説明申し上げる前に、交通安全対策の総合的推進の枠組みというのが理解の前提として必要になりますので、御説明申し上げたいと思います。
 国レベルの話でありますけれども、お手元の資料の左上のところに中央交通安全対策会議というのがございます。これは、交通安全対策基本法に基づきまして、内閣総理大臣を長と致しまして、内閣官房長官、猪口内閣府特命担当大臣、国家公安委員長、国土交通大臣など、13の閣僚をメンバーとして関係機関の連絡調整を図って交通安全基本計画を作るためのものでございまして、分かりやすいイメージを持っていただくために、語弊を承知で申し上げれば、閣議のようなものでございます。
 次に、右側の矢印のところを御覧になっていただきたいのですが、たまさか、つい先日になりますけれども、3月14日に「第8次交通安全基本計画」を中央交通安全対策会議で決定いたしました。
 これは、陸・海・空の交通安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱でございまして、5年ごとに作成しており、今回も平成18年度から22年度までの5か年間の計画となっております。
 以上のような国の仕組みを前提にいたしまして、都道府県交通安全対策会議の話になるわけでございますけれども、真ん中の四角にあります「交通安全に関する国・都道府県・市町村の計画」という部分を御覧いただきたいと思います。
 左から順番に、国・都道府県・市町村となっておりまして、上に長期計画とあるのが5年計画という意味でございます。下に単年度計画とあるのが毎年度ごとに計画を策定するということでございます。
 左上のところに、交通安全基本計画、これは第8次交通安全基本計画ですけれども、これが基本となりまして、これを踏まえまして、国の指定行政機関、これは各省庁のことでございます。これが交通安全業務計画というのを策定いたします。警察庁は警察庁で業務計画を作りますし、国土交通省は国土交通省で業務計画を作成いたします。
 都道府県の方と致しましては、国の第8次交通安全基本計画を受けまして、交通安全計画というのを5年計画として作成いたします。それから、単年度計画と致しまして、交通安全実施計画というのも都道府県の方で作成するものでございます。
 ですから、国の閣議に当たるような中央交通安全対策会議の都道府県版に当たるものが、今回の都道府県交通安全対策会議ということでございまして都道府県交通安全対策会議の性格というのが、審議会等あるいは有識者会議等若干違う部分も幾らかあるということは御理解いただきたいと思います。
 以上の知識を前提と致しまして、一枚ページをおめくりいただきたいのですけれども、交通安全対策基本法の条文で大変恐縮です。都道府県交通安全対策会議の事務が掲げられております。
 まず、16条の2項の部分で「都道府県交通安全対策会議は、次の各号に掲げる事務をつかさどる」とございまして、2項1号の部分で「都道府県交通安全計画を作成し、及びその実施を推進すること」となっております。
 それから、少し飛んで恐縮ですけれども、25条の3項、一番下の部分を御覧になっていただきたいと思いますけれども、「都道府県交通安全対策会議は、都道府県交通安全実施計画を作成しなければならない」と書いてございます。これは1年ごとの計画という意味でございます。
 以上、御説明申し上げましたような目的を果たすために、都道府県交通安全対策会議は設置されているわけでございまして、今度はA3横長の大きい部分の7番のところを御覧になっていただきたいのですけれども、(6)の「行政サービスの受益者(NPO、消費者団体、公募委員等)を委員として任命する余地があるか」という部分について、内閣府交通安全対策担当参事官室として「無」と回答させていただいております。この理由は、今、るる申し上げましたとおり、都道府県交通安全対策会議は、世に言うところの審議会といいますか、有識者会議とは異なりまして、交通安全対策の諸政策を計画して、強力に実施し、関係機関が連絡調整をとるための主体でございますので、このように回答させていただいているところでございます。
 続きまして、職務指定の関係について御説明申し上げます。
 資料は、A4縦長の二枚目の交通安全対策基本法の条文の資料に戻っていただきたいのですけれども、17条におきまして、都道府県交通安全対策会議のメンバーがるる規定されております。
 2項で、会長は都道府県知事とされておりまして、3項の1号~6号の部分で指定地方行政機関の長、またはその指名する職員でありますとか、あるいは教育長、都道府県警察本部長等と定められているところでございます。
 またA3横長の資料に戻っていただきたいのですけれども、(2)の「職務指定規定の緩和等の対応についての検討の余地の有無」ということでございますが、内閣府交通安全対策担当参事官室と致しましては、「有」と致しまして、法令の柔軟な運用により、一方の性に偏らない委員の登用に努めるよう、通知等を通じて地方公共団体に指導・助言等を行うとなっております。
 男女共同参画推進の観点から、1号、4号、5号にあります指名する職員などの規定におきまして、「弾力的になるべく女性の職員の登用に努めてください」といったような通知のようなものを関係省庁や都道府県に対して発することが可能かどうかについて、今後、例えば都道府県交通安全対策会議の現在の委員の任命状況等を実態調査しながら、平成18年度中に検討してまいりたいと考えている次第でございます。
 それから、最後に全く関係ないのですけれども、お手元の資料の三枚目に、中央交通安全対策会議専門委員名簿というのを付けてございます。これは、今回の都道府県交通安全対策会議の職務指定とは関係ございませんが、我が内閣府交通安全対策担当参事官室と致しましては、男女共同参画の推進は非常に重要であると考えておりまして、昨年の1月に今回の第8次交通安全基本計画を作るに当たりまして、専門委員という有識者20名のうち、大久保恵美子さん、上から2段目の方でございますが、これは実際に被害者の支援をなさっている方々、それから岡本志磨子さん、これは全国交通安全母の会といいまして、実際に交通安全活動をなさっている方でありますとか、それから中ほどでありますけれども、中島聡美さんといって、精神医学の先生、それから最後に下から4、5、6と山村レイコさん、ジャーナリスト、バイクの詳しい方でございます。それから横須賀並江さん、茨城県の東海村で、実際に交通安全運動を現場でなさっている方でございます。それから吉岡耀子さん、JAFMATE、交通安全の雑誌のマスコミ代表ということで20名中6名、30%しております。女性の方がなかなかいらっしゃらなかったので大変なのですけれども、苦労いたしまして、内閣府交通安全対策担当参事官室と致しましては、非常に大事だと思ってやっていることを、参考までに御説明させていただきました。
 以上でございます。
鹿嶋会長
ありがとうございました。
 次に、都市計画審議会についての説明をお願いします。
高田国土交通省係長
国土交通省でございます。よろしくお願いいたします。
 A3の表で6ページを開いていただきまして、21番、22番でございますが、こちらはまとめて御説明させていただきますが、都市計画というものなのですけれども、土地利用の在り方を決める一番の基本となる計画で、例えば都道府県では、線引きと言われる、開発を積極的にする区域と、抑制する区域を決めていくといった、土地を持っている方の権利に最も影響を与えるものであるということでございますので、都市計画の決定手続においては、非常に慎重かつ厳格な手続というのが求められております。
 例えば、都市計画の決定に当たって公聴会を開いて、住民に都市計画の案を広告縦覧して、そこで出てきた意見を、都道府県の場合は都道府県都市計画審議会、市町村の場合の市町村都市計画審議会それぞれに住民の意見をまとめたものを提示して、審議会の場で審議して頂き、利害調整が行われるということになっております。
 まさに、その利害調整の場としての都市計画の正当性のよりどころとして、都道府県都市計画審議会、市町村都市計画審議会というのがございまして、そのメンバーには市町村ですとか、あるいは市町村議会の代表として皆が納得できる人に入っていただいているということでございますので、具体的には、これは政令でメンバーが職務規定も含めて決まっているのですが、都道府県都市計画審議会及び市町村都市計画審議会の組織及び運営の基準を定める政令というものですが、都道府県都市計画審議会の場合は、6ページの表を御覧いただきますと、学識経験のある者、市町村長を代表する者、都道府県の議会の議員、市町村の議会の議長を代表する者、関係行政機関の職員。市町村都市計画審議会の場合は、学識経験のある者、市町村の議会の議員、関係行政機関もしくは都道府県の職員、市町村の住民と、こういった方にメンバーになっていただきまして、まさにしかるべき者にメンバーになっていただくことで、利害調整の結果に住民の方々に納得していただいているということになっています。今回、頂きました御説明に際してのポイントについてですが、市町村長を代表する者ですとか、議会の議長を代表する者といった比較的厳格な職務規定を、例えば市町村長を市町村ですとか、議会の議長を議会とすること等々可能かどうかというお話なのですが、基本的に政令の書き方が厳格に縛られているというわけではなくて、役割上、都市計画の正当性を担保するための場として縛られておりますので、市町村長が例えば市町村となったとしても、実態上、運用が変わるわけではございませんで、むしろこの審議会のメンバーの中に、この政令の柔軟な運用をしていく形で、積極的に女性の数というのを増やしていければと思っている次第でございます。
 以上でございます。
鹿嶋会長
ありがとうございました。
 今から皆さんに御意見を頂きたいのですけれども、まず、A3の紙をずっと見ていただくと、2ページの6番目の建築士審査会です。これは職務指定変更の予定なし。それから受益者代表予定なしなのですが、35%と女性登用率はかなり多いということで、これは省きまして、その次の、例えば都道府県交通安全対策会議、これはいずれも受益者の委員任命の余地もなしということで、しかも官のメンバーでなければならないと。今の説明で多少納得できるようなところもあるのですけれども、しかし、官だけに限定することが本当に今の政権の筋道に合っているのかどうか。
 それから、7ページの24番の都道府県防災会議、それから市町村防災会議、これについても非常に女性の委員が少ないのと、もう一つは職務指定の緩和の余地が無し、それから受益者についても余地無しということが出ております。
 主にこの辺りが、今日の議題のテーマになってくると思うのですが、さっき山口委員からも、なぜ交通安全会議には女性が少ないのだという指摘もございました。それなども含めて、まず、山口委員から踏み切っていただけますか。
山口委員
今、いろいろ伺っていて、大体この間、参画会議で防災会議に女性が少ないということを言わなければ、あのままでしたね。ですから、私はいろいろな可能性があると思うのです。
 それで、先ほど神野先生が女性のお話をされていたけれども、女性団体は全国組織に会員を持っていまして、例えば大学婦人協会というのは、大学を卒業して、いろいろな分野で研究職だとか、そういうのを取った人もいるし、それから女医会もあるし、科学者の会もあるしと、そういうようなところにいっぱい人材がいるのです。だから、こういう規制の枠にとらわれていると、同様の道が閉ざされてしまうと、人材を発掘すれば、幾らでもいるということを申し上げたい。
 それから、例えば女子差別撤廃条約の第4条に積極的、アファーマティブ・アクションのことは書いてあるし、それから前の男女共同参画審議会では一方の性が40%を下回らないということが明記されていました。局長に伺いたいのですけれども、40%を下回らないという通達のようなことはしていないのですが、調査で40%を下回らないかどうかという物差しがあったのかどうかも知りたいです。
名取局長
国の政策方針決定過程の拡大のところで、お手元に男女共同参画基本計画の第2次がございますけれども、こちらの方では2020年までにあらゆる分野へ30%と言っておりまして、ですから、現在、一生懸命申し上げているのは、2020、30ということでございます。
 11ページを見ていただきますと、審議会等委員への女性の参画に関する取組の支援というようなことで、内閣府と致しましては、都道府県・政令指定都市等における審議会等委員への女性の登用に関する支援ということで入れているところでございますが、40%という数字は、出てきておりません。
山口委員
交通安全協会のところに戻りますが、これは大分前から母の会連合会が、警察に協力しているのですが、交通が激しい時代なので、地域ウオッチングできるのは女性の人たちではないかと。
   安全という目から見たら、もっと女性を登用すれば、安全の効果があるのではないかと思っているのですが、どうしてこんなに少ないのでしょうか。先ほどの理由だけでは分からないです。
鹿嶋会長
今の質問に対してどうですか。
島村参事官補佐
少ない理由は、恐らく都道府県知事とか、警察本部長とかに女性の方がいらっしゃらないからということだと思うのですけれども、さはさりながら、「鶏が先か卵が先か」ということがございますので、内閣府交通安全対策担当参事官室と致しましては、なるだけそういうような通知を出すことを検討いたしまして、仮に出せれば部内の職員から指名するといったときに、県庁内にはたくさん優秀な女性の方がいらっしゃると思いますので、そういったところを任命したらいいのではないかと考えている次第でございます。
鹿嶋会長
通知を出すことは検討してもらえるわけね。
島村参事官補佐
通知を出すことを検討いたします。
鹿嶋会長
それはもう具体的にやっているのですか、18年度中にとか。
島村参事官補佐
18年度中ということでございます。
鹿嶋会長
それから、官のメンバーでなければならないと。こんなに限定してしまっていいのですか。
島村参事官補佐
国の方も、先ほどの繰り返しになりますけれども、専門委員という形で、中央交通安全対策会議は別の法定の専門委員20名、この中には先ほど山口先生もおっしゃいましたけれども、全交母の岡本理事でありますとか、女性の方をたくさん入れているわけでありますけれども、中央交通安全対策会議の委員自体は13閣僚となっております。
鹿嶋会長
どうぞ。
神野委員
素人でちょっと申し訳ないのですけれども、一般的な話ですが、今日、お伺いした感じから感想めいたものを申し上げさせていただければ、素人談義で申し訳ありませんが、どうも民主主義とか、公共サービスを提供するときの普遍的な原理、これが基本的に間違っていて、それが守られていないために、結局女性の参加が少なくなっている。結果としてそうなっているのではないかという気がするのです。
 気がついただけで、まず第一には、先ほど会長も御指摘になっていらっしゃったことを付言すれば、社会サービス、つまり異常な事態が起きたときであっても、サービスというのは、そのサービスを受ける人の立場で提供されなければならない。これは法律できちんと書き込んでいる国もあります。社会サービス法などで第1条、仮にその人が例えば赤ちゃんのように判断する能力がなくても、その人の立場で提供されなければならない。
 したがって、サービスはどういうサービスが提供されるべきかということを決定するときに、一番重要なのは、受け手であると。受益者は全然入っていない。受益者は一番重要だということが第1に認識がないのではないかという気が致します。
 その次に、公共サービスを出すときには、部分ではなく全体で、つまり総合行政で出してくださいというのが普通の原則だと思うのです。これは異常な事態が起きたときでも、むしろ異常な事態が起きたときの方がそれが強いだろうと思います。
 私の恩師で自衛隊の、国民保護法制ができる前ですけれども、自衛隊の基地に見学に行かされて、敵が上陸してもここから全部打ち返すと、それで絶対に上陸させないという説明を受けたので、「ではここの住民はどうなるのでしょうか」と聞いたら、ずっと考えていて、「それは自治省の所管だな」と言ったというのです。
 それは国民保護法制でも、いろいろ専門家の方が住民をお連れいただくことになっているのですが、どこにどうお連れいただくのか、どうやって守っているのかということです。 これは、スウェーデンのように、女性が半分参加していてきちんとやっていれば御存じだと思いますけれども、まず、子どもから守らなければなりませんので、国民の半分は5分間で核シェルターに収納できます。それは、まず、保育園とかプレスクールと小学校、教会、地下鉄、見学に行っていただければ、その順番はできているはずですね。そういう意見というのは、多分どこに連れていかれるのかなと心配している人の意見が入ってこないとだめではないかと。
 同時に、専門家が陥りがちな欠点というのは、部分だけを見て、全体を見忘れるのです。ジグソーパズルの一つの小片だけ議論していてもしようがない。全体の図柄がどうなっているのでしょうかということが国民は分からないと、目先を失ってどうやっていっているか路頭に迷うだけになってしまうのではないかと思います。これは縦割行政の弊害とか何とかということで、つとに指摘されているところであり、そのことが審議会その他について生じないようにすべきではないかと思うのです。
 もう一つ重要な考え方の前提は、民主主義というのは、私たちはどんな人でも、いかなる人でも未来の選択に関しては、かけがえのない能力を持っていることを前提にしているのです。だから社会の構成員の共同の意思決定に私たちの未来を委ねているのです。専門家に任せるのではなくて、いかなる人であっても、かけがえのない未来に対する知識を持っているのだということを前提にしなければ、共同意思決定でやるという意味は、ほとんど説明できないと思うのです。
 それを忘れずに考えていただかないと、個々の問題よりも全体を見ながらそう考えていけば、いろいろ私たちが公共サービスを出すときの原則というのがあるわけで、それを守っていただければ、必然的に女性は、受益を受ける人の半分は女性なので、そこはちょっと原理を考えていけば、そうならざるを得ないのじゃないかと思うのですが、感想でございます。
鹿嶋会長
今の神野委員の指摘、内閣府はどうですか。
島村参事官補佐
合成の誤謬の話はちょっとさておくと致しまして、なるだけ民意を反映する、受益者のサービスという点につきましては、今回、第8次交通安全基本計画を作るに当たりましては、公聴会等、パブコメ、いわゆる意見募集手続を行いまして、それから公聴会も実施いたしました。
 あと、女性の観点ということで、ちょっと申し上げたいのは、8次の専門委員の名簿のところを御覧になっていただきますと分かりますけれども、これは女性の観点から委員に入っているわけではございませんで、例えば被害者支援のエキスパートであるとか、それから精神医学のエキスパートであるとか、実際に交通安全運動の活動をされている方ということで、女性の観点で別段ここに選ばれているわけではありません。ただ、3割をということがございますので、内閣府交通安全対策担当参事官室と致しましては、大変苦労いたしまして、このように選定して1年間議論して、それを踏まえて、各省庁が作った原案を中央交通安全対策会議で決定したということでございます。
鹿嶋会長
山口委員どうぞ。
山口委員
この資料の中で、高齢者交通安全対策というのが、平成15年3月にありますが、このような交通安全対策は高齢者だけではなくて、子どもだとか、身体障害者だとか、いろいろあると思いますけれども、これは毎年作られるものなのですか。
島村参事官補佐
これにつきましては、今、高齢者が全人口に占める割合が2割なのですけれども、全死者数に占める高齢者の割合は4割を超えておりまして、内閣府交通安全対策担当参事官室と致しましては、高齢者対策というのが、今後、交通事故死者数を10年間で5,000 人以下にするに当たって非常に重要だという問題意識がございまして、それを踏まえまして、15年3月にこういった交通対策本部決定を行ったというものでございまして、障害者対策といったようなものは、今のところ考えてございません。
山口委員
交通の事故が非常に数が多いですね。地域に女性がたくさんいるわけですから、例えばどこに事故が起こるか、実は大きな道路よりも、大都会よりも田舎の方があるというのです。狭い道ほどあるというのです。タウンウオッチングができる人でなければいけない。一人ひとりの命は大事ですから、そういう意味では、交通事故をなくす、子ども、お年寄り、身体障害者の安全を考えても、女性がこういうところに入っていないと、人を事故から守れないと思います。
 東大の篠原一名誉教授が、全日制市民は女性、定時制市民は男性と表現されていらっしゃるけれども、地域にほとんどいる全日制市民である女性がこういうところに入らないと、交通安全対策ができないので、やはりこれは資格とかという前に、さっき神野先生が言われたとおり、あまねく住民の意見を反映させるため、是非検討してほしいと思います。
古川委員
実態としては、山口委員のおっしゃっていることは、私は全く同感です。それを前提とした上で、防災関係、それから交通安全関係、都市計画関係、それからコンビナート関係でちょっとお伺いしたいと思います。
 実際に、このお話の中で、どういうことをするかということは、例えば計画を策定するとか、防災計画とか、交通安全計画をやって、それは基本計画とか実施計画もあろうかと思いますが、そういったことと併せて、非常に大事なことは関係行政機関の連絡調整と、そういったことをやるということを御主張されましたね。
 その中で、例えば防災計画とか交通安全計画なんていうのは、山口さんが言われるように、やはり女性というか、それも含めた地域の方々の視点というのは、非常に重要だと思います。それは、是非入れていただきたい。
 そこで、法文で言いますと、石油コンビナートの防災本部の中で言うと、資料の5ページにあるのですが、その他当該都道府県の知事が必要と認めて任命するものという規定があるのです。形だけでいいますとね。
 それから、交通安全とか防災には、こういったものはない。ただ、都市計画のことで見ますと、これは6ページなのですが、市町村の住民というのは、これは市町村都市計画審議会の中には、市町村の住民というのがあるのです。そこで、立法論の議論に踏み込むかも分かりませんけれども、希望として言えば、非常にこういった立法の規定の中で弾力的に運用しようというようなことをいろいろ皆さん方おっしゃっておりますから、弾力的に運用ということだけでなくて、その根拠として、例えば都道府県知事が必要と認めるものというふうな、そういったことが入りやすい、職務指定だけではなくて、その職務指定に準ずるような、あるいはそういった地域の代表から委員に入っていただくような立法論も含めた御検討がなされてしかるべきではないかというふうに思うのですが、これは意見というよりも要望なのですけれども、そうすると、弾力的にとか、運用上云々というようなことが、割と根拠としてもスムーズにやれるのではないかと。
 その証拠には石油コンビナートでは、それなりの意味があるかと思うのですが、当該都道府県知事が必要と認めて任命する者とか、あるいは都市計画の中には、市町村の住民を代表する者と書いてあるので、その辺を関係機関と少し参考にしながら検討していただいたらどうかなと。こういう意見でございます。
鹿嶋会長
ありがとうございます。都道府県都市計画審議会と市町村の落差というのは、多分市町村の住民というのが入っているというのがあるのではないかと思うのですが、防災会議は行政サービスの方は無しになっていますね。これは、非常にまだ少ない中で、行政サービスについては、今までの意見のようなことを踏まえるとどうなのですか、無し、通知は出せるというふうなことをおっしゃっていましたけれども、都道府県防災会議を御説明いただけますか。
笠松内閣府政策統括官(防災担当)
付総括参事官補佐 行政サービスの受益者というお話につきましては、先ほど何名かの委員の方から、政策の企画・立案に対して受益者の代表という形で、参画していただくというのも非常に重要だというお話をいただきました。実は、先ほどの説明の中で、説明していなかったのですけれども、地方防災会議の中に専門委員というものを法定しております。
 先ほど申し上げましたように、地方防災会議というのは、まさしく災害対策の実施・推進機関でありまして、むしろ、専門委員の方たちに参加していただくような会議は専門調査会になりまして、そこで平時における災害対策の企画・立案に参画していただき、いろいろと検討をしていただくこととなります。例えば、中央防災会議というものが国の方にもあるのですけれども、国の方でも中央防災会議以外に専門調査会がございまして、そちらの方では、女性の方たちに入っていただいて、我々の重要政策の企画・立案に参画していただいているという状況でございます。
 先ほどは、専門委員というのは、防災会議の委員と異なるものですから、説明は省かせていただきましたけれども、補足で説明いたしますと、そのような状況になっております。
古川委員
今、専門委員のお話が出ましたが、やはり専門委員と委員は違うわけですね。専門委員は、いろいろな専門的な知識を活用して提言をしたり、参考に資するという役割ですが、委員としては、例えば何々会議を基本計画を策定するときに、その決定報告をまとめるときに大きな権限を持っていると。こういう意味では、ちょっと違うと思いますので、専門委員というものをその中で本当に専門委員が必要だというなら、もう少し委員の中にもそういった視点を加えられればどうかなと思います。
 専門委員にたくさん任命しているから、いいですよという議論をおっしゃっているわけではないけれども、それはちょっと違うと思うのです。専門委員と委員は違うということで、ここで議論しているのは、専門委員のことを入れていただくことはいいけれども、委員としてももっと増やしていただきたいという議論だと思います。
島村参事官補佐
内閣府男女共同参画局の事務局の方に伺いたいのですけれども、来る前に条文を勉強してまいりまして、内閣府設置法に「審議会等」というのと、「特別の機関」というのがございます。審議会等というのと、特別の機関を明確に異なる形で規定されておりまして、私どもの国のレベルで言いますと、中央交通安全対策会議というのは、まさに特別の機関とされておりまして、特別の機関というのは、まさに官のメンバーでなければならないというのは、例えば男女共同参画基本法も内閣府の重要政策会議ですけれども、案を作るという形になっておりまして、政府が男女共同参画基本計画を作るという形になっていますので、今、古川委員がおっしゃいましたように、そういった専門委員の会議と、それからまさに決定して実際に計画を推進していくという会議は違うということで、先ほどから御説明しているのですけれども、その点はどうなのでしょうか。
塚崎調査官
勿論、役割が違うということはあるとは思うのですけれども、地方の方で女性の参画ということで、カウントしているものを対象に審議会も、それからそういう特別機関的なものも一緒に合わせて調査をしました。ただ、今、おっしゃっているのは、官のメンバーでなければならないというところは、必ずしも。
島村参事官補佐
地方自治法の138 条の4の第3項に附属機関の定義があるのですけれども、そこにはやはり審議会とか調査会とか委員会とか、いろいろなものがあると思いまして、今回の私どもの都道府県交通安全対策会議は少し違うのではないかというのを一番最初からるる御説明申し上げているわけでありまして、そこら辺のところをどういう整理をしていただいているのでしょうか。
 私どもの方で、もし、都道府県の指導が悪くて、もっと早くから「男女局の方に報告するものには、都道府県交通安全対策会議は別だから報告しなくていい」ということもっと早くから男女局の方に報告するものには、都道府県交通安全対策会議は別だから、報告しなくていいというのをもっとあらかじめ早い段階でしておけということであれば、我々のミスなのですけれども、私どもと致しましては、中央交通安全対策会議の地方版として都道府県交通安全対策会議があると認識しておりますので、ちょっとそこが議論がかみ合っていないといいますか、どうしようかなという部分なのですけれども。
塚崎調査官
今、おっしゃっておられることはよくわかっておりまして、審議会と特別会議は性格が違うということで、例えばこれを議論していく上でも性格が違うのだということは踏まえたいと思うのですけれども、ただ、女性の参画という意味では同じものでございますので、その中で。
島村参事官補佐
ですから、私どもと致しましては、女性の参画については委員の任命や登用でやりたいと。ただ、受益者でありますとか、公益NPOとかはちょっと性格が違うので難しいのではないですか、というふうに御説明申し上げているわけであります。
鹿嶋会長
でも、受益者といった場合に、別に受益者団体に限定してこだわっているのではなくて、ある意味では女性を増やすための一つの方便でしかありませんのでね。
島村参事官補佐
だから、それはちょっと議論が違うのではないでしょうか。NPOとか、公益の代表を出すということと女性を出すということは別であって、実は私、今回こういうのは初めてだったので、事前に事務局と相談いたしましたら、「いやいやNPOというのはそんなに深い意味はなくて、ただ女性の方は、そういう活動が多い、そういうことをなさっている方が多いので」ということを言われたのですが、こういう男女共同参画の推進の場で公益の民意を反映するために、そういったところを盛り込むべきではないかというのを一緒にヒアリングして一緒に議論するというのは、今、方便だとおっしゃいましたけれども、ちょっとおかしいのではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
鹿嶋会長
おかしいですかね。私の認識としては、女性を増やすためのということで、一種の女性、もう一つは生活者、受益者という意味もありますから、二つ一緒に絡めて議論する必要があると思っているのですけれども。
島村参事官補佐
交通の場合は、受益者というのは、男女すべて、国民すべてでございます。
鹿嶋会長
だから、それはその中で男性が入っているわけですから、男性の受益者、だから女性の受益者も増やすというふうに解釈しての議論なのです。
島村参事官補佐
内閣府交通安全対策担当参事官室としては、何度も御説明申し上げたとおりでございます。
鹿嶋会長
それについては、更に重ねますけれども。
神野委員
おっしゃるとおりだと私は思うのですが、だから、そういう意味で無用なバリアーが女性の参加を困難にしているようなことは点検してもらわなければ困ると。それはいいですね。
島村参事官補佐
ただ(2)はやっていても(8)はやらないと申し上げております。(2)の部分では検討します。ただ(8)の部分はこうこうこういう理由でやりませんと申し上げているわけであります。
神野委員
ちょっと、私が参加していなかったので、ここの論点に書いてある紙が見つからないからあれなのだけれども、ここに論点に書いてあるということを突き詰めていくと、職務にいろいろな規制がありますと、こういう規制があったために、女性の委員が少ないということになっているのではないでしょうかということを、これが向こうに行っているわけでしょう。
島村参事官補佐
A3判の大きなエクセルの資料は私どもにも配付されております。
塚崎調査官
これは、前回の資料でございますので。
神野委員
結局、先ほども言いましたように、社会というのは巡り巡っていますから、いろいろなところがそうなわけですね。例えばいろいろなところで指定された職務に付く女性が少ないとか、そっちで差別されているということがあって、そちらでそういうふうになってしまえば、そうなりますよということを問題にしているわけですね。だから、入れ方として様々な職務指定の緩和はできないかとか、職務指定以外の割合をできないかと御要望を申し上げているのは、そういうことですね。おっしゃったことですね。
 だから、その中で職務規定の緩和をしたり、職務指定以外の割合を高めたところで必然的に女性が増えるわけではありませんよということをおっしゃっているわけですね。そのこと自体が目的ではないのだからと。
島村参事官補佐
いや、そんなことを申し上げているわけではなくて、(2)の部分で、当方としては、「18年度中にそういったことを検討します」と言っているわけでございまして、ただ中央交通安全対策会議と特別の機関あるいは審議会という内閣府設置法上の違いから、(8)の方は官のメンバーなので難しいですということを申し上げているわけでございます。
神野委員
だから、全体としてそういう議論はいいですね。こちらがお話を申し上げているのは様々なことですよと。
 ただし、ここでこんなことを言うのはあれだけれども、私はここの素人なので、そのほかに女性参画という目的で言っている話と二つあるわけですね。だから、私はおっしゃるとおり普遍的なことをやっていただければ必然的になるでしょうと。ただ、それを前提にするためには、女性が差別されていることに対して、あらゆるところで闘いを演じなければならないわけですよ。その解決された暁には論理が成立するのだけれども、あらゆるところで、鶏が先か卵が先かという議論になってしまって、どちらがどういうふうにクリアーできたときにどうなるかということができないので、女性参画は女性参画でばらっと網をかぶせますよというのが先ほど会長がおっしゃっていることだと思いますが。
 だから、おっしゃるところは、その限りではそうかもしれませんと。
鹿嶋会長
この議論は、要するに現行法、現行規定では、かくかくしかじかなので、女性の参画登用に限界があるのは仕方がないという主張もこの中にあるわけです。ただ、この会議自体の趣旨は、そういう状況は十分承知の上で、一方で今度は男女共同参画基本計画があって、2020、30計画があって、かつそういう人たちが増えれば、基本計画の一番最初に新しい視点が入ってくるというわけです。
 だから、我が国にとっても新しい視点を入れるために、その辺りをどうして動かせばいいんだろうかと。例えば、一つの方法は、都道府県に全府省が皆さん通知を出してくれればいいのですよ。あるいは、さっき言ったような一つの突破口として受益者の代表ですね。そういう人たちを入れる案はどうかということを提案しているのであって、現行法でどうだこうだと言われても非常に困ってしまうわけです。
塚崎調査官
ですから、そういうことはちゃんと踏まえつつ、それだからだめだとかいう話ではなくて、きちんと分けて更に考えていくことが大事と思っております。
鹿嶋会長
私は、個人的に希望したいのは、全府省が都道府県に通知を出してほしいのです。それは、内閣府だけではなくて、全府省に出してほしいと思っています。
 ほかに御意見のある方はどうぞ。
林委員
職務指定というのがあるから、こういう問題が出てくるのですけれども、やはり長でなければいけないということはないと思うのです。本当は官でなければいけないということ自体も問題だと思うのですけれども、だから、やはり何かの長という形でなければいけない。例えば、交通安全にしたって、交通安全は実際にやっているのは女性警察官さんが非常に多いし、何かその辺りのところでもう少し柔軟に考えていただけないかなと思いますけれども。
鹿嶋会長
ほかにどうでしょうか。
林委員
同じことになるかもしれませんが、法律に基づいて選んでくると、このようになりますというのは、よく分かるのだけれども、その法律は二つあると思うのですけれども、この法律は範囲であっても、なお男性が出る傾向にあるところについて、どう中央省庁は都道府県から市町村へという形で女性の積極的な参画を進めていくかという意識と具体的な行為を持っていただけないかというのが願いなのです。
 例えば、国民保護協議会のところで内閣官房の方から御説明なさったわけですが、8項のところに「国民の保護のための措置に関し知識又は経験を有する者」とあるので、そこは幅がありますよというのでしょうか、そのようにおっしゃいましたけれども、それを積極的に進めるという施策というか、意思伝達というのを具体的に示していただくならば、もっと意思は貫いていけるだろうと思いますが、ここはフレキシブルですよというだけでは、都道府県に届かない、市町村にも届かないというのが私の気持ちの一つです。
 もう一つは、官だけで構成されているものについては、古川委員の方からあったように、検討の対象になるのではなかろうかというふうなことを神野委員がおっしゃったような原則というものを基にして、もう一度検討してもらわないと、ここはこうなっていますから、正当にやっていますよというだけでは、ここの調査会の趣旨というのがいかされないし、参画会議として、総理を本部長として官房長官を座長として進めていっている事柄が、なかなかうまくいかないなという感じがしました。感想にすぎないわけですが、私はそのように思います。
鹿嶋会長
ありがとうございました。ほかによろしいですか。
 それでは、是非受益者委員を委員として任命する余地がないと答えた会議は四つあるわけですけれども、是非その点については検討していただきたいということ。
 もう一つは、各府省が都道府県に通知ぐらいは出していただきたいということを要求しておきたいと思っております。
 本当に今日はありがとうございました。これで議論については締めたいと思っております。
 この都道府県政令指定都市における審議会等の委員についての国の法理に基づく職務指定については、今後、本日説明を聴取したことや、これまでの議論したことを踏まえてとりまとめを行っていきたいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。本日の審議はここまでとさせていただきます。
 それでは、次回の専門調査会につきましては、別途事務局から御連絡させていただきます。
 最後に事務局の方から連絡事項がありましたらお願いします。
塚崎調査官
お手元に前回の専門調査会の2月9日の議事録をお配りしているかと思います。修正などございましたら、4月7日までに事務局までお寄せいただければと思います。
 資料の2の省庁からの個別の回答につきましては、途中段階の資料ということもあり、委員限りの資料とさせていただいておりますので、取扱いにつきましては、御留意をお願いいたします。
 次回の調査会の日程につきましては、委員の皆様と日程調整の上、決定して御連絡をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
鹿嶋会長
それでは、これで本日の監視影響調査専門調査会の第8回を終わります。 本日は、どうもありがとうございました。

(以上)