監視・影響調査専門調査会(第3回)議事録

  • 日時: 平成17年5月24日(火) 15:00~17:10
  • 場所: 内閣府3階特別会議室
  1. 出席委員:
    • 古橋会長
    • 鹿嶋委員
    • 神田委員
    • 佐藤委員
    • 袖井委員
    • 林委員
    • 古川委員
    • 山口委員
    • 横田委員
  2. 議題
    • (1) 開会
    • (2) 「政府が実施する男女共同参画の形成の促進に関する施策の実施状況の監視について
      (平成14年度-男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供)」を受けての実施状況について
      • 内閣府、文部科学省、経済産業省及び国土交通省からのヒアリング
      • 厚生労働省、財務省及び総務省からのヒアリング
    • (3) 閉会

(配布資料)

資料1-1
性別データの把握又は表示が行われていない主な統計調査等 [PDF形式:11KB] 別ウインドウで開きます
資料1-2
委員から指摘されたその他の事項 [PDF形式:16KB] 別ウインドウで開きます
資料2
「政府が実施する男女共同参画の形成の促進に関する施策の実施状況の監視について
(平成14年度-男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供)」を受けての実施状況について
(第2回 監視・影響調査専門調査会資料)
資料2-1
概要 [PDF形式:28KB] 別ウインドウで開きます
資料2-2
調査票(総括) [PDF形式:67KB] 別ウインドウで開きます
資料2-3
調査票(別添)
  
  <1>[PDF形式:282KB] 別ウインドウで開きます <2>[PDF形式:221KB] 別ウインドウで開きます <3>[PDF形式:240KB] 別ウインドウで開きます <4> [PDF形式:225KB] 別ウインドウで開きます
  
  <5>[PDF形式:221KB] 別ウインドウで開きます <6>[PDF形式:240KB] 別ウインドウで開きます <7>[PDF形式:203KB] 別ウインドウで開きます <8> [PDF形式:311KB] 別ウインドウで開きます
資料3
各府省説明資料
資料3-1-1
内閣府説明資料1 (1) [PDF形式:136KB]別ウインドウで開きます (2) [PDF形式:210KB] 別ウインドウで開きます
資料3-1-2
内閣府説明資料2 [PDF形式:65KB] 別ウインドウで開きます
資料3-2
文部科学省説明資料 [PDF形式:11KB] 別ウインドウで開きます
資料3-3
経済産業省説明資料 [PDF形式:13KB] 別ウインドウで開きます
資料3-4
国土交通省説明資料 [PDF形式:17KB] 別ウインドウで開きます
資料3-5
総務省説明資料 [PDF形式:63KB] 別ウインドウで開きます
資料
経済産業省説明資料 [PDF形式:763KB] 別ウインドウで開きます
資料
厚生労働省説明資料 [PDF形式:14KB] 別ウインドウで開きます
古橋会長
時間が参りましたので、ただ今から男女共同参画会議監視・影響調査専門会の第3回会合を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、蒸し暑い中、お忙しいところ、御出席いただきましてありがとうございました。
 それでは、本日の審議を進めさせていただきますが、本日は前回の専門調査会におきまして、「男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供」に関する調査検討結果を受けての各府省における実施状況について、前回、報告がありましたが、その中でまだ改善されていない統計がいくつかございました。そこで本日は関係府省の担当の方々においでいただいておりますので、説明を聴いた上で、質疑を行いたいと存じます。
 前半は内閣府、文部科学省、経済産業省及び国土交通省から、後半は厚生労働省、財務省及び総務省からそれぞれ説明をお願いすることに致しております。
 質疑応答につきましては、前半と後半に分けまして、説明が終わってから、まとめて行っていきたいと思っております。
 まず、内閣府、文部科学省、経済産業省及び国土交通省から説明をお願いいたしますが、内閣府は高安推進官と頼本企画官二人が説明いたします。文部科学省は大内あずさ女性政策調整官、経済産業省は佐味祐介大臣官房企画室長にお願いします。国土交通省は塩崎康弘総合政策局政策課課長補佐、よろしくお願いいたします。
松原調査官
説明の前に、事務局から資料の確認をさせていただきます。
 資料1-1及び資料1-2は、前回の専門調査会で、十分な改善が行われていない可能性がある統計調査等を抜すいしてほしいという御発言があったことを踏まえた資料でございます。資料1-1は性別データの把握又は表示が行われていない主な統計調査等を、資料1-2はその他の事項を掲げております。なお、資料1-2に掲げられた各府省の回答は、前回の専門調査会に当たって書面調査を行った際の回答です。
 資料2は、前回の専門調査会において配布された書面調査の結果でございます。
 資料3は、今回の専門調査会に当たって各府省から提出された資料でございます。
 なお、番号が付されていない資料は追加で提出された資料で、2枚紙の資料は厚生労働省から、「女性の自己雇用に関する研究会報告書」という白表紙は経済産業省から提出されております。
 それでは、内閣府の説明を、まず企画官から始めます。
古橋会長
内閣府は二人やりますので、一人5分として10分でお願いします。
内閣府(頼本企画官)
内閣府男女共同参画局の企画官をしております頼本と申します。私からは、先ほど紹介のありました資料1-2で参りますと、一番最初に「政策・方針決定過程への参画」とございまして、いわゆる2020-30、指導的地位にある者が30%になることを期待するということについて、どのような状態、どの統計で見るのかについて、御説明をさせていただきたいと存じます。
 資料については、「資料3-1-1 内閣府説明資料1」に沿いまして御説明をさせていただければと存じます。
 資料を御覧いただきますと、「女性のチャレンジ支援策の推進について」ということで、これは平成15年6月の男女共同参画推進本部決定でございまして、関連部分の文章を書いてございますが、「国連ナイロビ将来戦略勧告で示された国際的な目標である30%の目標数値や諸外国の状況を踏まえ、社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する。そのため、政府は、民間に先行して積極的に女性の登用等に取り組むとともに、各分野においてそれぞれ目標数値と達成期限を定めた自主的な取組が進められることを奨励する。」、これがいわゆる2020-30の文章でございます。
 この意味ですが、(1)に「社会のあらゆる分野」とございますが、これは社会の各分野それぞれで30%を目指していくという意味で、15年4月に出された「女性のチャレンジ支援策について」では、雇用、起業、NPOなど、ここにございますような九つの分野を記述しておるところでございます。
 それから、「(2)指導的地位」というものが何かということですが、これは現時点においては、総務省の行っております労働力調査の、「管理的職業従事者」がこれに相当すると考えられるということでございます。
 この「管理的職業従事者」ですが、大まかには政治分野では、国会議員、地方公共団体の地方議会議員、行政分野では、国や地方公共団体における課長相当職以上、民間においては、会社等の法人・団体における課長相当職以上と考えられると思っております。
  添付資料が、今、御説明しております3枚紙の次に【参考】として「日本標準職業分類(抜すい)」というもので、ここで管理的職業従事者についてより詳しい定義づけがされております。最初の方だけ申し上げますと、「事業経営方針の決定・経営方針に基づく執行関係の樹立・作業の監督・統制など専ら経営体の全般又は課(課相当を含む)以上の内部組織の経営管理に従事するものをいう。」ということです。この中に公選された議員等も含まれるということで、以下、いくつかに分けて定義を書かせていただいているところです。
 1ページ目に戻っていただきまして、以下、ここで「日本における指導的地位に占める女性の割合」ということで、議員でございますとか、2ページ目にかけて、国家公務員、地方公務員、民間等における管理的職業従事者の割合をデータで掲げさせていただいております。
 そして「今後の検討について」ということですが、今、男女共同参画基本計画の改定作業を行っているところです。その作業において、専門調査会から「男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な方向についての中間整理」というものが公表されておるところです。その中間整理において、2020-30の目標に関して具体的取組として、ここに掲げられてあるような記述がなされておるところでございます。「平成15年6月の男女共同参画推進本部決定における『社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する。』という目標に向けて計画的に取組を進めるとともに、各分野における指導的地位に占める者の範囲を確定し、定期的にフォローアップを行う。」、これは「国の政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」のところでこのように記載されております。
 3ページ目にわたって書いておりますが、企業、教育・研究機関、これらについてはフォローアップを行うよう支援・協力を地方公共団体に対して行っていくということと、企業、教育・研究機関等、その他については、自主的な行動計画の策定について継続的に協力要請・支援を行っていくということで、新しい基本計画の改定を行いながら、今後2020-30に関して適切にフォローアップできるように指導的地位の内容の確定、指標、統計の確定について検討を行ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
古橋会長
ありがとうございます。次に内閣府の男女共同参画局の高安推進官からお願いします。
内閣府(高安推進官)
私からGEMの算出方法について、主に日本のGEMを算出する際にどのようなデータを利用しているかに重点を置きながら説明をしたいと思います。資料は「GEMの導出方法」、資料3-1-2を利用いたします。ちょっと5分を少しオーバーしてしまうかもしれませんが、できるだけ5分で収めようかと思います。
 まず、1ページですが、これはGEMの基礎知識です。これは白書でも書かれておりますので簡単に説明しますと、基本的にGEMは政治参加、経済参加、所得、これら三つをそれぞれ男女平等度というのを表しまして、それを単純平均したものと、そのように考えられます。基本的には、政治参加、経済参加、所得、この平等度からGEMは算出されているということです。
 次の2ページ目ですが、GEMを算出する際にどういった方法で算出しているかを簡単に説明しますと、GEMについては四つの段階を経まして導出しています。第1段階においては、政治参加、経済参加、所得の3分野における平等達成度をまず測定することができる基礎データを取得する。この基礎データについては後で説明しますが、まず基礎データを取得いたします。
 その後で、この基礎データを平等度を測定するための関数に当てはめるということです。7ページを御覧いただきたいのですが、簡単に説明しますと、ある平等達成度という関数がありまして、これは非常に複雑な関数なのですが、これは世界的に認知されている不平等度を測定するための関数であるわけですが、これを当てはめまして、この下の方にΕ=2という放物線があるわけですが、簡単に申し上げますと、女性の参画比率が50%になると、この平等達成度が1番上の50に達すると、そういう方法で平等達成度を出しています。必ず50というわけではないですが、基本的には参画比率が高まると平等達成度が1番高くなって、逆に過ぎたるは及ばざるがごとしで、60%、70%になると逆に下がっていくと、そういう基準を当てはめて平等度を出しています。
 次に第3段階ですが、この平等度を出すわけですが、先ほど50が最高と言いましたが、この3分野すべてが50が最高というわけではありませんで、あるものは50から0、あるものは4万から100と、こういうスケールで動きますものですから、これを合わせなければいけないということで、第3段階目ではスケールを合わせるための指数化を行います。基本的に最低0、最高1となるように指数化をして政治参加、経済参加、所得それぞれを比較可能にしていくということです。各種指数が理想の状況で1となるようにするわけですが、政治参加においては男女比が1対1、経済参加においても男女比が1対1、所得においては、これは複雑なのですが、給与格差が1対1になって、労働人口の男女比が1対1になり、かつ、男女の推計一人当たりGDPが40,000ドル(購買力平価基準)になった状態が理想とされています。所得については複雑な形になっておりますが、理想の状況では指数が1になります。このように第3段階で指数を出すわけです。第4段階で、この3分野の指数を単純平均して、簡単に言うと3分の1ずつ足してGEMというものを算出します。よってGEMも0から1という数字をとります。
 次に3ページ目ですが、日本のGEMを算出する際に基礎データとして何を使っているのか。これは逆に言うと、何が変われば日本のGEMが変わるのかということを説明いたしますと、まず政治分野については一つのデータだけに依存しております。これは国会議員(衆・参両院の加重平均)の女性シェアです。女性数、男性数簡単に出ますので、女性数を男女計で割るとパーセンテージが出るということです。
 次に経済参加指数ですが、これは二つに分かれており、一つが管理職指数で、これは総務省の「労働力調査」の管理的職業従事者女性シェアというものを使っております。これは非常に雑駁な議論なのですが、基本的には公務員も含むわけですが、課長以上と考えていただければいいと思います。
 次に専門・技術職ですが、同じく「労働力調査」の専門的・技術的職業従事者女性シェアを使っておりまして算出しています。ただ、これは少し科学技術というだけではなく、医療、教育も含まれており、看護師、教員が入っていて、これはどちらかというと女性のシェアが高く出るということになっております。
 最後に所得指数ですが、これは三つの指標から出しており、基本的には男女別の一人当たりGDPが基礎データになるのですが、さらに、下の基礎データがあり、一つは一人当たりGDP、これは世界銀行が出している「PER CAPITA GDP」で、これは男女合わせた数字です。これに加え男女給与格差、これは厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で、これは一般労働者、正社員の所定内給与の男女格差というものを使っています。さらにもう一つ、経済活動人口女性シェアも使っており、基本的には「労働力調査」の労働力人口、これの女性シェアを取っています。この三つを合わせて男女別の一人当たりGDPを推計して、これを基礎データにしています。
 そして各分野の基礎データを使いまして、先ほど言った4段階の過程を経てGEMを導出しています。
 時間があれば、ノルウェーとの比較辺りを説明したいのですが。
古橋会長
説明してください。
内閣府(高安推進官)
よろしいですか。5分過ぎましたが、GEMを構成するデータの各国比較、これは逆に言いますと、どこで差がついてしまっているのか、韓国も入れていますが、本日はノルウェーと日本で比較したいと思います。
 ノルウェーと日本で差がついているのは、各指数の値が(2)にありますが、1番差がついているのが政治参加というところです。次に差がついているのが経済参加1(管理職)とついているところです。これは最高1としたときの指数ですが、政治参加はノルウェーは0.93、日本は0.39、経済参加1では、ノルウェーが0.85、日本が0.34ということで、ここで大きく差がついています。あと、所得においても、0.67と0.53で、ある程度差がついています。
 さらに(1)基礎データ、これは一目瞭然でして、国会議員シェアがノルウェー36.4、日本10.8で指数的にも大きな差がついている。管理職 I にしても、ノルウェーは30.6、日本は9.3と差がついている。給与格差もノルウェー0.75、日本0.65、ここでも差がついている。
 逆に専門・技術職を見ていただきますと、ノルウェーは58.5%、日本は44.0、これで、先ほど過ぎたるは及ばざるがごとしと申し上げましたが、ノルウェーは逆に50%大きく超えてしまっているがために、GEMを構成する指数の段階で見ますと、ノルウェー0.97、日本0.99で日本に逆転されているというおもしろい現象にもなっています。
 結局それらの要因をすべて見て(3)GEMの差、日本とノルウェーは最高1、最低0の中で0.31の差がありますが、そのうち政治参加で説明できる部分が、日本0.18(56%)、次に経済参加(管理職シェア)、0.09(28%)で、大体この二つで8割強説明しておりまして、その後、所得も少し影響しているということで、主に政治・経済参加、端的に言うと、管理職シェア、要は上へのチャレンジがまだ足りないところが、GEMの差を生じせしめているという話です。
 ただ、専門・技術職シェアには、先ほど申し上げましたように、保健医療従事者が入っていまして、これは看護師が主因なのですが、女性シェアが73%と、保健医療従事者自体が専門・技術者に占めるシェアが28%と非常に高いので、専門・技術職の女性シェアが高くなっています。ただしこれは日本だけでなくてすべての国に言えます。
 取りあえず、これで。
古橋会長
まだ説明することがありますか。
内閣府(高安推進官)
多少お時間があるのであれば、時系列比較を。
古橋会長
説明してください。
内閣府(高安推進官)
では6ページまで説明しますと、GEMの時系列比較、日本ではどうなのかを1999年から2004年で見てみたのですが、この5年間でGEMは0.037で4%ポイント高まったということでございまして、一番高まっているのは所得指数です。先ほど申し上げましたが、所得指数は給与格差、労働力人口シェア、一人当たりGDPで高まるわけですが、1番効いているのは一人当たりGDP、日本低成長とはいえ経済成長は実質ベース出しており、一人当たりGDPが高まったがためにGEMも3%ポイントほど高まっています。給与格差も0.04ポイント、国会議員シェアも1%ポイントほど高まってはいるのですが、主に一人当たりGDPの伸びにより日本の経年で見たGEMは高まっているということで、あまり格差が縮まったということではないかということがGEMの時系列比較からわかります。
 更に詳しいことは、もしも御要望等ありましたら、出張等いたしまして御説明をさせていただきたいと思っております。
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、次に文部科学省からの御説明をお願いします。先ほど申しましたように、大内あづさ女性政策調整官お願いします。
文部科学省(大内女性政策調整官)
文部科学省男女共同参画学習課で女性政策調整官をいたしております大内でございます。本日はよろしくお願いいたします。座って失礼いたします。
 私ども文部科学省では、教育委員会等を通じまして、学校教育、生涯学習等に係ります様々な指定統計調査等を行っておるところでございます。また、神田委員がおられます前で申し上げるのも恐縮でございますが、独立行政法人国立女性教育会館でも男女共同参画の視点での女性の学習に資する様々な調査研究を行っておるところでございます。
 続きまして、文部科学省で行っている各種調査のうち男女共同参画の視点が盛り込まれていないという御指摘がございましたのが、資料1-1にございます私どもの調査の「公・私立高等学校における中途退学者数等の状況調査」についてでございます。この高等学校におきます中途退学者数等の状況調査については、資料3-2として簡単な1枚ものをお示しさせていただいておりますとおりですが、公立学校を所管している各都道府県教育委員会及び私立学校を所管しております知事部局の担当あてに調査を行っているものでございます。
 内容としては、中退の状況又は理由などを調査するものでして、併せて退学処分や原級留置者数なども調査をいたしているところです。この調査では中退の理由なども調べてはおるところですが、退学者数の把握が主眼でございまして、したがって、性別というような細かい属性まで尋ねていないところです。
 なお、中退については、性別ということ以前に個々人の様々な状況に起因するところが大であろうと考えておりまして、各種調査の負担が重いといういろいろな方面からの声も聞こえてくる中で、あえて調査項目に加えていくのはなかなか難しいところだと思われます。
 私ども文部科学省としては、各調査を行う際に担当窓口がございまして、その担当課に調査の趣旨に合った場合には是非性別などの調査項目を付け加えていただくよう、そういった申入れを行うなどいたしており、注意喚起を行っておるところでございます。
 以上でございます。
古橋会長
ありがとうございました。
 次に経済産業省の御説明をお願いいたします。
経済産業省(佐味企画室長)
経済産業省の企画室長をしております佐味と申します。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
 私どもの資料は資料3-3でございます。具体的な項目としては、平成13年度の中小企業白書の時点で行った「創業環境に関する実態調査」というのがあるのですが、こういった調査を定期的・継続的に行うべきではないか、あるいは起業活動の実態についてのデータを把握するための統計調査を検討すべきではないかという御指摘でした。
 名前を挙げていただいたこの実態調査については、ここに書いてあるとおり、13年度の中小企業白書のために行った調査でございまして、それ自体は繰り返すことはしておりませんが、今日お手元に配布させていただきましたように、平成15年度の分析として、平成16年6月に取りまとめた「女性の自己雇用に関する研究会」、この自己雇用とは正に自分で経営するというようなものを中心にした概念ですが、こちらで既存の就業構造基本調査等の統計調査の数字を最大限活用して分析を行っております。ちなみにこちらの研究会は、お手元にお配りした報告書の31ページにあるように、この監視・影響調査専門調査会の、今日御欠席のようですが、会長代理でもあられる大沢先生に座長を務めていただき分析をしたものでございます。
 この起業活動の実態について、特に男女共同参画という観点から性別も含めて分析をしていこうとする際の統計調査の仕方について若干の見解、考え方を整理したものがこの回答の3番目に書いてございます。起業活動を統計的な手法を調査してとらえていこうとする場合は、まず、そもそもそれまでなかった事業をある年から事業としてスタートするわけですから、全体としてどれだけあるかというのをとらまえるところに非常に困難がございます。継続している存在している企業についての調査であれば比較的容易なわけですが、正になかったものが始まるのが創業であり起業でありますので、したがって、先ほど文部科学省さんの御説明の中でもありましたが、国民に対する統計負担ということも考えると、やりたいことの目標に沿った形で最適な調査方法を考える必要があると認識をしております。
 3番目に書いてございますが、いろんな考え方がありますが、大きくは二つにありまして、一つは、起業した方だけを対象に詳しく起業時の状況、その後に遭遇した支障をどのように乗り越えたかというようなことを詳しく聴いていくタイプの調べ方と、それからもっと多く、3で言うと、オールジャパンで、どういった母集団の中に、多様な就業形態の中から自営業、さらにその中で、いわゆる業を起こすというようなことがどういうふうに発生してきているか。そういう方たちはどういう前職なり勤労の経歴をお持ちなのかといったことを、ある種統計的な手法でオールジャパンで把握していこうとする場合には、先ほども分析の材料にした就業構造基本調査のようなしっかりした統計、全数が取れるような統計の中で質問項目を若干工夫するというような形で把握をしていくと、この二つをうまく組み合わせていくことが大事ではないかと考えております。
 今般、4番目に書いてありますけれども、先ほど来、お話のあります中間整理の中でも、この実態把握を努める際に、既存の統計調査の見直しの検討、国・地方機関の情報収集活動も含めて広く情報を活用するということで、男女別の起業活動の実態を把握するという指摘がございますけれども、正にこういった詳しい分析を今日お配りしたもののような形で時々やりながら、全体としての統計調査の見直しについては、関係府省と一緒に検討してまいりたいと考えているところでございます。
 簡単でございますが、私からの御説明は以上でございます。
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、国土交通省からお願いいたします。
国土交通省(塩崎課長補佐)
国土交通省の総合政策局政策課の課長補佐の塩崎でございます。よろしくお願いいたします。資料3-4で国土交通省の説明をさせていただきたいと思います。国土交通省は性別データの把握又は表示が行われていない統計ということで、三つの調査について御指摘を頂いておるところでございます。
 まず一つ目は、港湾調査について状況を説明したいと思います。港湾調査の目的は、港湾の実態を明らかにし、港湾の開発、利用及び管理に資することを目的としております。調査の概要でございますが、調査事項については、入港船舶について、船舶の乗降人員、海上出入貨物を調査しておりまして、申告していただく申告義務者は、船舶運航事業を営む方々などでございます。
 調査対象となっております港湾は814の港です。
 今回、性別による把握及び表示ということでございまして、この調査でいきますと、利用者にかかわる調査事項としては、船舶乗降人員というものが該当することになります。その申告義務者は、基本的には船舶運航事業を営む方ですが、一般的にこれは発券した乗船券を基にその港の乗降人員を計算して申告していただいておりますので、例えば乗船券を券売機で購入していただいている場合、仮に性別を把握しようとしますと、券売機に男女別の性別のボタンを設けるとか、社員が乗降するお客さんの性別をカウントするということしかございませんで、申告義務者である旅客船会社の方々の負担を考慮しますと、調査することが現実的には非常に不可能ではないかと考えています。それが港湾調査の状況でございます。
 続きまして、裏側になりますが、船員労働統計調査の状況でございます。
 この調査は、船員の報酬、雇用について実態を明らかにすることを目的とした調査です。調査の概要ですが、順番が逆転しますが、2番にある漁船、3番目にあるはしけとか官公署の船、それ以外の一般の船舶と三つに分けて、それぞれに乗り込む船員の年齢、船員数、報酬額、経験年数などを調査しております。
 申告義務者は、その船員を雇用している船舶の所有者です。
 これについても、従業者に係る調査事項として船員に関します性別について把握されてない、表示がされてないという理由でございますが、そもそも女子の船員の数が少のうございまして、例えば一般船舶に関する調査ですと、これは標本調査で調査を行うのですが、その場合ですと、この一般船舶に関する標本調査の対象となる女子の船員が大体200名程度となっておりまして、もし船の種類ごと、職種ごとに集計・分析しようといたしますと、調査票に記入したデータがそのまま結果となってしまいますなど統計精度があまりよく保てない。
 それから、漁船、特殊船でいきますと、これは悉皆調査なのですが、漁船は大体20名ほど、特殊船は150名ほどの方が女性ということで前回の調査では把握できているのですが、それで行きますと、極端に女性の船員の数が少ないもので、男女を比較することによる統計データの信頼性という意味から、今まで性別による把握なり、当然表示も行っていませんでした。改善の方針に書かれておりますように、15年8月1日の各府省の統計主管部局会議の申合せもございますように、既存の統計についても見直す機会ございますので、平成19年度までに性別による把握及び表示について内容を検討していきたいと考えております。
 3番目、最後になりますが、住宅需要実態調査についてです。これについては、性別による調査を行っておったわけですが、男女別の表示が行われていないという調査です。調査の目的については、住宅、住宅の周りの住環境の評価、住宅の住み替え・改善などの意向、住宅に関する主観的なデータを把握して住宅政策を検討するための基礎資料を得ることが目的でございます。調査の概要ですが、5年ごとに行う承認統計でございまして、最近では平成15年12月に調査を実施しました。調査の対象は全国の約10万の世帯の方を対象に無作為抽出して行っておりまして、調査の項目では、現在の住まいに対する感じ方でありますとか、住居費の負担など、そこで挙がっている10項目について実施しておりまして、併せてその中でアンケートに答えていただいた世帯の状況として男女別とか家計を支えている方の収入の有無、その方の配偶者の有無などを調査しております。
 この調査において、性別による表示が行われてない理由ですが、この調査は世帯を単位にして回答を頂いている調査で、世帯員のそれぞれの構成としての性別把握は可能なのですが、あくまでも調査としては世帯単位で行っておりますので、性別のデータを表示しておりませんでした。
 それから、先ほど言いましたように、この調査は一番最近では平成15年12月に行っておりますので、それ以降、まだ新しく見直す機会が到来していないという状況にございます。改善の方針でございますが、せっかく男女別に集計している集計項目があるからということでございましたら、男女別の表示の仕方など集計方法についてもう少し工夫をして検討していかなければならないと考えておりまして、次回の調査が平成20年でございますので、それまでに性別を考慮した家族構成の分類など、調査の表示の仕方について工夫していきたいと考えているところです。
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、各々の役所の御説明が終わりましたので、これから4時をめどにして20分程度皆さん方との間で審議をしたいと思いますので、順次御発言をお願いいたします。皆さんが質問を考えている間に私から2、3質問いたします。まず内閣府から、これから30%というときに、NPOとか事業団体も入るとなっていますが、NPOの統計というのはどうやって取るのですか。
内閣府(頼本企画官)
現時点ではNPOのそれぞれの団体が出しておりますデータから見るしかないのですけれども、そういうものでどのぐらいわかるかとか、そういったことも含めて検討事項だと考えております。
古橋会長
前の私どもの統計調査の報告書のときにも書いてあるように、NPOにおけるメンバーの性別、リーダーについての把握、そういうものについて政府全体として新しい分野についての統計の調査方法を考えるということがありますから、そういうことを検討した上でやってほしいと、こういうふうに思います。
 高安さんの方に言えば、一人当たりGDPが2万7,000ドルかなんかになっていたけれども、私の感じでは3万ドルになっている。購買力平価となっているけれども、購買力平価で割ったときの購買力の指数を後で教えてください。
内閣府(高安推進官)
わかりました。今お話がありましたが、5ページ目を見ていただきますと、日本の一人当たりGDP、これは男女合わせたGDPが2万4,898となっておりまして、古橋先生御指摘のとおり、一般的に我々が目にしている一人当たりGDPよりかなり低い数字になっているといった印象を受けるかと思いますが、今、先生がおっしゃったように、これは実際のレートで割っているものが我々がよく目にするものなのですが、ここでは購買力平価で見た円・ドルレートを使っておりまして、実際のレートが今107とか108ぐらいですけど、購買力平価レートだと、後ほど……。
古橋会長
後で結構です。
内閣府(高安推進官)
後ほどきちんとした数字はお渡ししますが、130から140、相当実際のレートが購買力平価レートよりはオーバーバリューされているような状況でありまして、結局それが一人当たりGDPが低く見えている理由でございます。
 これを使うことによって、為替の実際の価格は非常に大きく変動しますものですから、そういった大きな変動の影響が少なくなるということと、実際その国における生活レベルは正に購買力平価という概念で計る方が妥当だということから、普段我々が目にしている実際の為替レートではなく、購買力平価のレートを使っているということでございます。
古橋会長
わかりました。それから皆さんから質問を伺って、まとめていきたいと思います。
 私から、まず最初に文部科学省に対する意見なり質問をしたいと思います。おっしゃったように、担当課の方にも努力をするようにと言っているというお話でしたけれども、男女共同参画社会基本法ができて、あらゆる施策について、男女共同参画の視点を考える影響調査をするということになりました。男女共同参画に関係のないようなものであっても、男女共同参画の視点を考えるというふうになったわけですね。そうするとここで今取っておられる統計も、ほかの男女共同参画の視点のために役に立つものがあったらそれを使わなくてはいけない。したがって、この中において、「高等学校中途退学者数の状況等の現状を把握等であることから、性別を分けて把握する必要性に乏しいため」と、こういう論理は今は成り立たないと。そこのところを理解していただいて、もう1回担当課に強く言っていただきたい、こういうふうに思うのが文部科学省に対する要望です。
 それから、経産省の関係は、起業についての統計はこれから非常に必要になってくると思います。ここに書いてあるように、就業構造基本調査、これを利用しておやりになるのですけれども、これは総務省の統計ですが、総務省の就業構造基本調査について、ここのところを直してくれれば、もう少し自分の方の調査がうまくいくという部分があるならば、それを教えていただきたいと思います。
 国土交通省の関係につきましては、船員の関係の標本調査を行っているというが、標本調査はどれくらいの率なのかを教えていただきたいのと、これからは女性自衛官も随分船に乗っているんですね。民間の場合でも、これから乗っていくし、ソ連の漁船は女性が多い。船という極めて限られた空間の中における勤務条件の問題が出てきますから、そういう問題についての施策をいろいろ考えなくてはいけなくなってくる。したがって、これらのところについて統計をある程度整備していく必要があると思いますが、その辺の見解を伺いたい。
 私からは以上ですが、ほかの方々はどうぞ質問をしていただいて、まとめて答弁していただきましょう。
山口委員
国土交通省に伺いますが、先ほど性別による統計調査のところ、女子船員の数が少ないことから統計精度が保たれないと言われましたけれど、20、150という女性の数ですけれども、150というのはどういう地位についている人数なのでしょうか、これが一つです。
 もう一つは、内閣府に伺いますが、私は前から言っているのは、このGEMの指数が上がらない。それは国会議員だと思っていますが、こことしては国会議員は立法府のことだから触れられないということで、結局制度比較において、これから問題があるということを指摘する。そういう方向を今回中間報告で出したと思うのですけれども、政治参加で、例えば今日はノルウェーの比較だけでしたけれども、フランス、韓国でもこういうクォーター制をやっておりますけれども、その影響はかなりあるのではないかと思いますが、そこまで見ていらっしゃるかどうか、その辺を伺いたい。
古橋会長
ほかに、どうぞ、林委員。
林委員
GEMの点について報告いただいたことで、4ページのことを伺いたいのですが、(3)の所得指数を計算するに当たって、(A)、(B)、(C)とあって、特に(B)のところ、男女給与格差というのは、一般労働者の所定内給与で比較していると出ているのですが、実際にはこれでやると、私の実感から言いますと、女性労働者の中にかなりの割合で正社員以外の働き方をしている人が増えている中で、これで所得把握の男女差を把握できていると言えるのか、正しく現実を反映していると言えるかどうかという点についてです。むしろパートタイマー等の働き方を含めて平均すると、現在この一般労働者の男女格差は68%程度出していますが、それよりも更に大きく44、45%になると思うんですね。その差は大きいですね。よその国が格差を計算するのも、こういうふうに正社員とフルタイマー、そういう同じ条件でやっているのかどうか、違うのではないかと思うのですね。もしかすると正社員と言っているかもしれないけど、そこはパートも正社員も均等待遇であるという大前提のある国とない国とでの非常に大きな違いが出てくると思うので、これは今後もこれで適切な日本の現状の反映になるとお考えかどうか、その辺りをお聞きしたいのですが。
神田委員
ここに配られている世界経済フォーラムによるジェンダー・ギャップ指数というのがございますね。領域が広いわけですけれども、これを御覧になって、使う立場だとどうですか。こっちの方がより実態を示したものなのか、今までのGEMのやり方でよろしいのか、どうお考えになるかをお聞きしたい。
古橋会長
それではよろしいですか。鹿嶋委員何かないですか。
鹿嶋委員
文科省、ほかの調査は男女別取りにくさが多少あるかと思うのですが、文科省については全く理解できないですね。何で必要性が乏しいのですか。公立高校の中途退学者男女でどのぐらい違いがあるか等々は、性別に把握しておいた方がきちんとした教育の資料になると思うのですが、この辺りは理解できません。是非御説明いただきたいと思います。
古橋会長
よろしいですか。それでは順次、内閣府から説明してください。
内閣府(高安推進官)
いくつかあったかと思うのですが、まず、国会議員について、ノルウェー、フランスはクォーター制とっています。そういったところが、その後、どうGEMが変わってきたかというのはまだ残念ながら見ておりませんで、これが終わった後にまとめましてレポートを提出させていただきます。
 あと、正社員を使っていると。要は一般労働者の所定内給与というのを使っているということでおかしいのではないかという御指摘としてございまして、これはGEMの論文を書いている人がいまして、そこでも指摘されていることです。
 ただ、最初に申し上げておきますと、これはUNDPの方から、これは正社員の所定内ということで各国にその数字を出せというふうになっておりまして、基本的にはすべての国が正社員の所定内給与ということで出しています。ただ、当然のことながら、これでは、特に日本は最近正規から非正規への労働移動が起こっている中で格差が計れないのではないかというのも確かに指摘としてはございます。これは国際的に一応統一基準でやっている。非正規まで入れた賃金格差は、日本は取れないことはないですけれども、例えばこれを各国すべての国で取るのはほとんど不可能に近いということで、更に申し上げますと、一般労働者の所定内給与でさえ、男女の賃金格差が出ないといって、数字がミッシングデータというか、欠損値がたくさんある。そこは便宜的に0.75を当てはめているという結構めちゃくちゃなことをやっていまして、ということで非常に問題が多いということは否めないと思います。
 あと世界フォーラムについては、これは五つの側面から見ておりまして、GEMが大きく五つに分かれておりまして、そのうちGEMに含まれないのは教育機会と保健福祉で、この二つ、要はより幅が広いという見方も一つにはできるということですが、この中にはいくつか、8,000人ぐらいにアンケート調査を出して、それを世界中の人に、日本はどう思うかといっても日本の状況をわからない人もたくさんいるわけですね。そういった中でアンケート調査、客観的な指標ではなく、主観的なアンケート調査を相当使っているという意味で、本当にこれがGEM、GEMも非常に欠陥がたくさんあります。どちらの欠陥度がより大きいかということで考えると、これから精査しなければいけないのですが、まだGEMの方がいいのかなという気もしますが、ジェンダー・ギャップこの前出たばかりですので、もう少し見なければいけないという点はございます。
 1点蛇足ではありますが、ジェンダー・ギャップ指数については、すいません、これは説明するはずだったのですが、説明を忘れてしまいまして、これは58か国中、日本は38位ということで、ほぼ日本のGEMの順位と等しいということになっております。
古橋会長
58分の38位だったら、78分の38よりずっと低い。
内閣府(高安推進官)
そうでございます。ただ、こちらの方が先進国は両方とも入っていますので、ということで、どちらかというと発展途上国が落ちている分、確かに全体から見たこの順位は下位3分の2ぐらいになっているのですが、上位で見ると、日本はこの程度かなというところであまり変わらないということだと思います。
古橋会長
有識者の意見を聴くというときには、日本の実情についてあまり知らない人についても聴いているのですね。
内閣府(高安推進官)
そうです。
古橋会長
その人の意見も反映しているのですね、世界フォーラムは。そこは私は大きな問題点があると思う。
内閣府(高安推進官)
世論調査をやって測定しているのですけど、要は104か国の9,000人の経済界のリーダーを対象にやっているらしいのですね。
古橋会長
それでは文部科学省お願いします。私も言ったし、鹿嶋委員も言われたので、意見と言われても大変だろうから、今後、改善の方向で努力してくださいということなのでしょうか。
鹿嶋委員
そうですね。
古橋会長
それでは経済産業省。
経済産業省(佐味室長)
経済産業省でございますが、現在の就業構造基本調査の調査票はこういうかなりずっしりと質問項目が並んだ統計表になっておりまして、今どういう働き方をしているかということの中で、どうしてその仕事をしているかというよりは、むしろ変わりたいのであれば、なぜ、今の仕事を変わりたいのかというような聞き方をしたり、前の仕事は何をしていたかということをお伺いしたりして、前の仕事をやめたのはなぜですか、という聞き方をしている質問などがございます。多分こういう質問の経緯をぶら下げる形でせいぜい2問か3問というようなイメージではないかと思っておりまして、その際には、今回御提出をしている資料にありますように、今のこの調査票ですと、今、自営をしているというところまで把握できることになっておりますので、その中で、これは本人が起業したのか、それとも親御さんその他から承継をしたものなのかというような基本的なところを押さえて、それから始めたときの動機を押さえて、もし欲張れば、正に自営をしている中で、起業しているプロセスでどういう障害・困難があるのかということが聴ければかなり助けになるかなという感じが致します。
 ただ、いずれにしてもかなりいっぱいいっぱいで、これ以上、質問項目を増やすのはなかなか……。
古橋会長
統計調査について、指定統計については統計審議会が審議しているけれども、それ以外のものについては、関係各省の局長の連絡会議でやっているということですから、連絡会議のときに議論していただくことが必要だと思いますし、それでもまとまらないようだったら、行政評価局でそういう各局にまたがるものを評価するか、男女共同参画にかかわるものであれば男女共同参画局でそういう問題について検討して申し入れるということにしたらいいのではないかと思いますので、まずひとつ総務省との検討をお願いいたしたいと、こういうふうに思います。
 それでは国土交通省。
国土交通省(石島課長補佐)
統計実施部局の交通調査統計課の課長補佐をしております石島と申します。私から御説明させていただきます。
 まず、船員労働統計調査の標本調査部分の抽出率でございますが、これは約4分の1抽出を行っております。母集団として今把握しています約4,000の船の中から1,000の船。
古橋会長
4,000の船の中から1,000の。
国土交通省(石島課長補佐)
船を調査の対象としてピックアップしております。
  もう一点、女性の船員、先ほどの自衛官ですとか、ロシアの船舶で女性の船員が増加しているとのお話しですが。
古橋会長
ロシアの漁船は女性が多いのですよ。
国土交通省(石島課長補佐)
日本の女性船員もここへ来て職域拡大ということでかなり増えてございまして、私どもの海上保安庁も船に乗る女性の方もかなり採用数を増やしているような状況でございます。そのような現状にかんがみまして、今後、女性の状況、船の中でどのような待遇を受けておられるかということを把握していくことはかなり重要であると認識してございます。
 今、先ほどの回答にも示していただきましたように、現行の統計の見直しの中で、なるべく女性の情報をより多く把握できるようにということで、総務省さんとの調整を行っていきたいと思っております。
 あと、もう1点、特殊船の女性の船員数で、先ほど150名と申しました。これは船員としての数ですので、ランクとしては、船長さんから部員までございます。今日統計の正確な数値を持ってきてございませんが、操縦できるとか、そういう資格を持っておられない部員という扱いの方が多いと思っておりますが、正確な数字は申し訳ございませんが、今日は……。
山口委員
船に乗っている人というわけではないのですね。
国土交通省(石島課長補佐)
船に乗っている人でございます。職域で、例えば航海士であるとか、機関士であるとかといういろんな職域がございます。その中でパーサーというか、事務的なことをやっておられる方とか、そういう方まで含めておりまして、その数が150名ということでございます。
山口委員
20名は何でしたか。
国土交通省(石島課長補佐)
20名は漁船の方で、さすがにまだ日本の漁船には乗り組んでおられる女性の方は少ないというのが、この統計ではないのですが、船員の数を把握している方から見ますと。
古橋会長
漁船ではないけど、舳倉島なんかへ行けば、みんな船漕いでやっているけど、女性が、ああいうのは入らない。
国土交通省(石島課長補佐)
自営の方は含んでおりません。雇用されている方の数ですので、その辺、ニュアンス的には違和感がございますと思います。
袖井委員
観光用の船なんかは別なのですね。
国土交通省(石島課長補佐)
含んでおります。
袖井委員
女性乗っている。
古橋会長
船長いますよ。
国土交通省(石島課長補佐)
ですから雇われている方という視点で見ておりますので、自営の船やその家族の方は含まれておりません。
古橋会長
観光船に雇われているのです。
国土交通省(石島課長補佐)
はい。ですから、その数を含んだ上での先ほどの数字でございます。
袖井委員
ほんの少ししかない。
国土交通省(石島課長補佐)
観光船は特殊船ではなくて、一般船舶になりますので、先ほど申しましたサンプル調査の方に該当する船舶になります。
古橋会長
ほかに御質問ございませんか。国土交通省の住宅の需要実態調査、これは必要な項目について、性別を考慮した家族構成を分類ごとに集計するというお話がありましたので、それを検討、期待いたしておりますけれども、非常に重要になっておりますので、ひとつよく検討してみてください。要するに世帯単位の調査というのだけど、だれの意向なのかわからないのですよね。だんだん男も台所で料理するようになってくると、台所についての意向だって、男も言わなくてはいけなくなるし、女性は台所についての住宅調査なら随分言うでしょうし、いろんな問題が出てくると思いますのでよく検討してください。
 各省が統計調査を改訂しようというときに、自分たちの承認統計以下は、自分たちの役所の関係者の意見を聴いてやりますけれども、そのときにその関係者の中に女性を入れて議論をしてください。そうしないと私どもの男女共同参画の視点からの統計がとれなくなりますから、そういう関係、男だけで統計調査の改訂をやるとか、そういうことにならないように、ひとつそこのところも検討していただきたいと思います。
 それでは、4省庁の方、御苦労様でございました。内閣府はまだ残っているわけですね。文部科学省、経済産業省、国土交通省の皆さん大変御苦労様でございました。お忙しいところ貴重な御意見いただきましてありがとうございました。
 (文部科学省、経済産業省、国土交通省退席)
 (厚生労働省、財務省、総務省着席)
古橋会長
それでは、続きまして、厚生労働省、財務省及び総務省から御説明をお願いいたします。
 厚生労働省の御説明くださる方は、中村さん、都築さん、元木さん、武藤さん、4名おいでになっていますね。
 それから、財務省は熊藤さん、よろしくお願いします。
 総務省は、関口さん、本郷さん、関口さんは統計局の調査部労働力人口統計室、本郷さんが統計調査部経済統計課、中島さんが統計調査部消費統計課、あと吉添さんが来られるのですか。
総務省(山田課長補佐)
吉添は遅れております。申し訳ないです。山田です。
古橋会長
山田さん、失礼しました。統計局統計基準部統計企画課の山田さん。
 それでは、そういうような職務の方々がおいでになっておりますので、まず、皆さん方から御説明をお願いいたします。
 まず最初に厚生労働省からお願いします。
厚生労働省(都築課長補佐)
厚生労働省でございます。当省所管の統計調査について御指摘いただいている事項について、それぞれ担当の部局から順に御説明させていただきます。資料は1-1で、性別データの把握、表示ということで挙げられている四つの統計について順次御説明いたします。その後、資料1-2で挙げております3の雇用等の分野における云々ということで、こちらの方を御説明いたします。資料別刷りで1枚用意しておりますので、そちらも御参照いただきたいと思います。
厚生労働省(中村室長補佐)
統計情報部の中村でございます。よろしくお願いいたします。私からは、性別データの把握、表示が行われていない統計調査ということで、資料にございます1、2、3の調査について御説明いたします。
 まず始めに病院報告でございます。この調査は全国の病院における患者数、従事者数を把握いたしまして、医療行政の基礎資料を得ることを目的としております。具体的に申し上げますと、精神、療養、一般病床といった病床の区分ごとの患者数、平均在院日数、病床利用率、医師、看護師などの従事者数を把握いたしまして、医療制度の見直し、医療計画策定、病院に置くべき従事者の配置基準の見直しといったような基礎データとして活用しております。そういうことで、この調査の目的から致しまして、トータルの患者数、従事者数が必要ということで性別の把握は必要ないという整理をしております。
 患者の性別等の属性に関する調査としては患者調査、受療行動調査というのがございます。患者調査は医療の提供サイドの方から、性・年齢、傷病などの情報と病院・診療所別、入院・外来別の推計患者数といったようなクロス集計をしておりまして結果を提供しております。
 一方、受療行動調査というのがございまして、こちらは医療を受けるサイドの方から、性・年齢、外来の待ち時間、診療などに対する満足度といった意識も含めた調査をしており、その集計を行っているということでございます。
 従事者につきましては、性別に関する調査としては、医師、歯科医師、薬剤師調査というのがございます。この調査で医師、歯科医師、薬剤師を把握しております。それと保健師、看護師、准看護師、歯科衛生士につきましては、衛生行政報告令という業務報告がございまして、この両調査で2年ごとに性別に把握しております。調査の企画に当たりましては記入負担の軽減の観点から、ほかの調査との切り分けや調査事項の重複ということについて考慮する必要がありますので、病院報告では性別は把握しないということでございます。
 次に2の林業労働者職種別賃金調査でございます。この調査は、林業労働者の賃金等の実態について、職種、地域、賃金の形態別などについて明らかにして、労災補償制度における平均賃金算定の基礎資料というものに活用しております。この調査は、林業労働者の減少により、職種別に把握するのが非常に困難となっております。また、行政ニーズも少なくなっているということで、平成16年調査をもって廃止ということにしております。
 次の3の労働災害動向調査でございます。この調査は労働災害の動向を把握いたしまして、社会経済情勢の変化に対応した的確な労働災害防止対策を推進するための資料ということで、調査は主に産業別であるとか規模別に事業所の労働災害の発生状況の差異を把握して労働災害の防止計画の策定、事業所、企業、関係団体、こういったところに対する安全に関する行政指導などの資料として活用しております。
 性別の把握ですが、例えば性別の災害発生率を算出しようと致しますと、性別に一人一人の労働時間と労働不能の程度、例えば死亡とか障害の程度別といったような労働不能の程度別に災害発生者数を積み上げるという作業が入ってまいります。中小の事業所では性別のデータが整備されていないといったところが多く存在することもございまして、その場合は賃金台帳といったようなものから男女それぞれに抜き出して、それから積み上げをするというような作業が発生いたしまして、事業所に対して現状の調査の負担を考慮しますと、大体約3倍程度の負担が重くなるということで、これは負担という面で難しいと考えております。
 いずれこの3調査、それぞれ調査目的、ニーズ、記入者負担のバランスをいかに取るかということを考慮しながら、調査を企画し実施しているところでございます。
 以上でございます。
古橋会長
ありがとうございます。
厚生労働省(武藤課長補佐)
続きまして、厚生労働省保険局・武藤と申します。よろしくお願いいたします。私から4の国民健康保険の実態調査について御説明させていただきたいと思います。
 調査の目的、概要等ですが、国民健康保険の健全な運営を図るための基礎資料を得るということを目的にして、具体的にはこちらに書いておりますように、世帯における保険料の賦課状況、世帯加入員の年齢、世帯主の職業、移動の状況等の把握により国民健康保険の健全な運営を図るための基礎資料を得ることを目的としてございます。
 男女別の集計でございますけれども、男女別に調査、表示している項目も実はございまして、これは世帯票という世帯を調査する調査票における世帯員の個人の状況でございまして、必要に応じて特別集計も可能ということになっておりますが、国民健康保険という制度に注目した場合は、保険料の賦課などが世帯単位で賦課されることになっております。本調査報告においては、男女別に集計・分析を重点的に行うということはそういったことで行ってないというところでございます。
 以上です。
厚生労働省(都築課長補佐)
次に資料1-2の関係で、従業員30人未満という御指摘ございますので、こちらの方を説明させていただきます。これは資料を用意しておりませんが、口頭で申し訳ございません。
厚生労働省(中村室長補佐)
30人未満の事業所を対象にした雇用統計の取組ということでございますが、まず、平成15年に就業形態の多様化に関する総合調査という調査を行っております。この調査は、パートタイム労働者、派遣労働者、契約社員等様々な形態で働く、いわゆる非正社員の増加している中で、非正社員の増加の背景、諸問題についての実態を把握し、今後の経済社会構造の変化に対応した雇用政策の基礎資料を得る目的で、5人以上の常用労働者を雇用する民間の事業所、それとそこに勤める労働者を対象に調査をしております。この調査では事業所の規模別、性別、パートタイム、派遣・契約社員等就業形態別に労働時間や各種制度の適用状況等について結果を出しております。
 もう一つ、雇用動向調査というのがございます。この調査は事業所における入職、職についた方、離職、職を離れた方、それと求人の状況、個票で入職・離職の事情等を調査しております。この調査で雇用労働力の産業規模、職業、地域間の移動の実態を明らかにするということで、こちらの調査も5人以上の常用労働者を雇用する事業所、それとそこに入職された方、離職された方を対象に調査をしております。調査は事業所規模、性別、一般労働者、パートタイム労働者の就業形態別といった形で、例えば就業の動機、離職の理由といったような事項を把握しております。
 御指摘の小規模、30人未満といいますか、小規模の事業所におけるパート・派遣といった女性労働者の雇用については非常に調査環境は厳しくなっておりますけれども、可能な範囲で、こういった調査で把握しているということでございます。
厚生労働省(都築課長補佐)
次に賃金不払残業の関係ですけれども、若干説明させていただきます。御指摘いただいているところでありますが、厚生労働省として現在のところ、これに対して統計調査という形での把握は行っておりません。賃金不払残業に対する取組について簡単に御説明させていただきたいと思います。
 いわゆるサービス残業、これについて賃金不払残業重点監督月間というのを設定しておりまして、平成16年で言いますと、6月、11月でございますけれども、そのとき、賃金不払残業に係る重点監督を行うということで把握するほか、労働者からの申告など、また必要に応じて労働組合等を通じて実態の把握を行っているところであります。
 これらの不払い残業に対しては、労働時間適正把握基準の周知徹底を図っておりまして、的確な監督指導を実施して、特に重大悪質な賃金不払残業については厳正な司法処分を行うこととしております。
 監督指導に係る賃金不払残業の是正結果、これについては必要に応じて取りまとめた上で、新聞発表・プレスリリースを行っているほか、厚生労働省のホームページにも掲載いたしまして周知を図っているところでございます。
 続いて女性雇用管理基本調査について御説明いたします。
厚生労働省(元木課長補佐)
雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課の元木と申します。よろしくお願いします。それでは、私から女性雇用管理基本調査につきまして、前回のヒアリングの時点から、どの程度進んでいるのかという観点で御回答させていただきたいと思います。
 まず、雇用均等・児童家庭局は、御存知のとおり、男女雇用機会均等法と育児・介護休業法等の法律を持っておりますので、当然のことながら、雇用の場における男女の雇用機会均等と育児・介護等の両立支援が併せて進んでいくことは重要なことと考えておりまして、そういった考えに基づきまして統計調査も実施していく必要があると考えておるところでございます。
 既にこれまでのヒアリングでも御説明しているかと思いますが、女性雇用管理基本調査は、主要産業における女性労働者の雇用管理の実態等を総合的に把握するための基礎資料を得ることを目的として毎年実施しております承認統計で、昔は男女雇用機会均等の関係、育児・介護休業の両立の関係、母性保護に関すること、三つのテーマをぐるぐるとローテーションでやっておりましたが、最近はこの機会均等の取扱いに関する事項と育児・介護休業等に関する事項を隔年で、母性保護に関することを数年に一度実施しているところでございます。
 前回のヒアリング以降ということでございますので、平成15年度からについて御説明させていただきたいと思っておりますが、平成15年度の女性雇用管理基本調査は、均等関係を主要テーマに企業を対象に実施いたしましたけれども、そのアンケートの調査票の設計の場合には育児・介護休業関係も併せて調査いたしました。均等の関係は男女雇用機会均等法に書いております募集・採用から最後の定年退職に係る部分、それからポジティブ・アクションの取組の状況、セクシュアル・ハラスメントに関する状況を聴きつつ、育児・介護に関しましては、育児・介護休業の取得率、勤務時間の短縮等の制度について、お子さんの看護のための休暇の措置の制度について、そういった制度があるか、ないかというようなことを聴いてきたところでございます。
 それから、平成16年度ですが、このときに母性保護に関係する調査をやっておりまして、このときばかりは均等と両立に関する部分ではないのですけれども、母性保護に関する事項を聴きつつ、両立部分についての設問を立てさせていただいていたところでございます。それは昨年の調査ですので現在集計中でございます。
 それから、平成17年度、今年度の調査ですが、今、ちょうど調査票の設計を考えているところでございまして、一応テーマは育児・介護休業関係を考えておりますが、均等関係の設問も同時に入れさせていただきまして、かつ、最終的に集計・分析のときにはクロス集計等ができるような形の設問を考えていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、次に財務省お願いします。
財務省(熊藤専門官)
資料はございませんが、口頭で説明させていただきます。
古橋会長
できるだけ資料を持ってきてください。統計というのは技術的な話だから、口頭で説明してもわかりにくい。
財務省(熊藤専門官)
資料1-2で指摘をされております民間給与実態統計調査という統計の検討状況ということで御説明をさせていただきます。
 民間給与実態統計調査につきましては、租税収入の見積り、租税負担の検討、税務行政運営の基本資料として作成しているものでありまして、民間企業に勤務する給与取得者の年間の給与の実態を標本調査で把握しております。現在では給与の収入金額別、事業所の規模、会社の資本金の階級、それを基に性別ごとの給与取得者数、給与額を把握しております。
 これまで本調査においては、男女別の税制上の各種控除の適用状況という部分については集計に入っていなかったところでありますけれども、昨年度外部の専門家にもお願いいたしまして、標本調査ということを踏まえて、男女別の控除額を集計することについての結果精度の適否という観点で調査をしていただきました。
 結果として、特に問題はないという結論を頂いておりますので、今後、集計プログラムの修正を行いまして、男女別の各種所得控除の表示についても行っていくようにしたいと考えております。
古橋会長
改善できたのですね。
財務省(熊藤専門官)
はい。実施時期ということになりますと、集計プログラムの修正のための予算確保も必要になりますので、早ければ来年度の修正作業を行って、18年分調査から実施したいと現時点で考えておるところです。
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、次に総務省お願いします。
総務省(本郷課長補佐)
経済統計課の本郷と申します。よろしくお願いいたします。 まず、個人企業経済調査についてでありますけれども、性別の集計結果の表示が十分されていないという御指摘であります。特段の資料は用意しておりませんので、申し訳ないのですが、口頭で説明させていただきます。
古橋会長
何からですか。
総務省(本郷課長補佐)
個人企業経済調査の性別集計結果が表示されてないという指摘の問題であります。まず、この個人企業経済調査でありますけれども、これは個人経営事業所の経営実態を明らかにすることを目的としておりまして、同じく統計局で実施しております事業所・企業統計調査をまず母集団にしております。その結果によりますと、全国の個人経営の事業所は約313万事業所ありまして、そのうち日本標準産業分類で言いますと、製造業、卸売・小売業、飲食店・宿泊業、それとサービス業、この四つの産業を対象にしておりまして、それに該当する事業所が約234万事業所あります。そのうち個人企業経済調査では4産業合わせまして約3,700の事業所を統計的理論に基づきまして抽出して調査を実施しているところであります。
 まず、母集団になっておる事業所統計調査でありますけれども、これは5年に1回、本調査を実施しておりまして、更にその中間年に簡易調査ということで5年間に2回の調査を行っているところであります。この調査では従業者については男女別に調査しております。したがって、経営組織別の従業上の地位別の従業者数を見ますと、個人経営事業所の男女別従業者数もそこに含まれているというところがまず1点挙げられます。
 それと個人企業経済調査の結果で、1事業所当たりの従業者数を見てみますと、非常に小さくなっておりまして、まず製造業では1事業所当たり3.06人、卸売・小売業では3.02人、飲食店・宿泊業では3.15人、サービス業では2.22人という非常に規模の小さな事業所ということになっておりまして、それを従業上の地位別に見てみますと、例えば製造業では3.06人の内訳として事業主が1人、家族従業者が1.10人、雇用者が0.96人。一方、少ないサービス業で見てみますと、事業主が1人、家族従業者が0.67人、雇用者が0.55人といった構成で、非常に規模の小さな事業所となっております。
 このようなことで、母集団である事業所・企業統計調査により、個人経営の事業所の男女別従業者数の把握が可能であるということと、非常に従業者数が3人前後で少ないということもありまして、従来から男女別の結果については調査を行っていなかったところでありますけれども、性別の集計結果、最近重要性が出てきておるということで、その母集団情報である事業所・企業統計調査の結果を活用しまして、個人企業経済調査を対象にしておる4産業について、事業主、家族従業者、雇用者について男女別結果を表示するという方向で検討してまいりたいと考えているところです。
古橋会長
いつからですか。
総務省(本郷課長補佐)
今、特段これからどういう表示の仕方がよろしいかということを検討していきたいと思っておりますが、できるだけ早くということで、今すぐ、いつからというちょっとお答えまでは至っておりません。
古橋会長
男女別結果を表示する方向になったのですね。
総務省(本郷課長補佐)
はい。
古橋会長
わかりました。その次の方、どうですか。
総務省(吉添専門官)
総務省自治税務局市町村税課の吉添と申します。よろしくお願いいたします。
 資料1-2で、「委員から指摘されたその他の事項」というのがありますが、その2番の上の方で指摘がありました「各種控除の適用状況をあらわすデータを男女別に把握することが過度な負担に該当するか」ということに対する総務省の回答で、男女別に把握することが地方公共団体にとって過度な負担となることが考えられるということで言っておりましたが、これがどの程度、過度な負担でできないのかというような御指摘に対して今日お答えいたします。
 市町村の課税状況などのデータにつきましては、統計調査において使用されるような調査票ではなくて、課税のために個々の納税者や特別徴収義務者などに義務づけられた申告や報告を基に作成されております。この申告とか報告に課税に関係ない事項を記載することを義務づけるのはそもそも不適当であると考えております。
 過度な負担というところで、負担のところの話をしますと、男女別データを収集するためには、地方団体において電算システムの改修などの費用が必要となるということで、自治体の行革や地方分権が求められている現在、国の政策のためにこのような負担を自治体に強制するためには相当な理由が必要であると考えております。
 さらに、すべての納税義務者、特別徴収義務者等に課税に必要のない男女別の記入をさせるということは、彼らにとって一定の負担となります。特に給与支払報告書の作成、これは特別徴収義務者、事業者などにやってもらっているものですが、この作成を電算システムで行っている事業者についてはシステム改修を行わなければならないということで、そのための費用負担を強制することになりまして、そのためには相当な理由が必要であると考えております。
 一方で、それが過度なものかどうかということを考えるためには、調べることにどういう意味があるかということを考えないといけないと思いますが、所得税と個人住民税の納税者は多少は異なっていますが、ほぼ同様であるということがあります。そのため国税庁において検討されている、先ほど財務省から説明があったと聞いておりますが、国税庁において検討されている民間給与の実態の男女別調査が実施されれば、市町村税の課税状況の調べにおいて、男女別の調査を実施することの意味はほとんどなくなるのではないかと考えています。財務省の方から今日回答があったということを聞いておりますので、そのようなことで対応させていただければと考えております。
 よろしくお願いします。
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、その次、お願いします。
総務省(山田課長補佐)
統計基準部の山田と申します。よろしくお願いします。私から統計のニーズに対する統計情報の提供の関係で、事務処理要領の改訂の関係の話、データアーカイブの関係、統計審議会について御指摘があったということでございますので、その3点について御説明をさせていただこうと思います。
 お手元資料、資料3-5で、総務省説明資料という形で配布をさせていただいております。こちら「指定統計調査調査票の統計目的外使用の承認申請に関する事務処理要領」の改訂の概要という形の資料、まず表1枚ございます。
 まず、目的のところで書いてございますけれども、「統計行政の新たな展開方向」、これは統計関係の政府内の部局長の集まりの会合で決定したものでございますが、「統計行政の新たな展開方向」、こちらの方で提言としてまとめられた事項として、事務処理要領について、「現行の運用の明確化を中心に要領の改訂を行う」とされたことを受け、統計法第15条第2項に基づきまして指定統計調査の調査票の目的外使用ということが認められているわけですけれども、目的外使用の承認申請に係るこれまでの事務処理要領の構成等を全面的に見直し事務処理の明確化、能率化、統一化を図ることを目的に改正を昨年の6月時点で行っております。その後に別の法律の改正を受けまして、この3月に改正しておりますが、大幅な改正をしたのは昨年の6月です。
 一たん、裏面を御覧いただきますと、統計法の抜すいを掲げさせていただいております。統計法においては、第14条で(秘密の保護)という規定がございまして、統計調査の結果、知られた人、法人等の秘密に属する事項については、その秘密は、保護されなければならない、という規定がありまして、それを更に具体化するということで15条という形で指定統計の関係の規定ですが、指定統計を作成するために集められた調査票を、統計上の目的以外に使用してはならない、ということで、原則使用禁止をうたっているわけですが、2項のところで例外規定を置いておりまして、前項の規定は、総務大臣の承認を得て、使用の目的を公示したものについては、これを適用しない、ということで例外的な使用を認めるということでございます。
 その具体的な内容を明らかにしたものが事務処理要領というものでございまして、これまで表題のところに書いてございますが、昭和40年に一度定めたもので運用してまいりましたけれども、時代の流れ等もございますので、現行の運用内容を明確化しようということで、今回、事務処理要領を改訂したという内容でございます。
 具体的には2のところで、(改正の主なポイント)ということで掲げさせていただいておりますが、例えば(1)で基本的用語の定義、今まで使われていた用語について、当たり前のように使われていたのですけど、定義というものをはっきりさせようと、例えば「調査票」という用語、「統計上の目的」ということについての用語を明らかにする。(2)で申請手続及び承認基準を明確化しようということで、例えば最近ですと、オンラインという手続も出てきておりますので、そういったもの、今まで解釈的に行っていたものを事務処理要領に書き込むというようなことが行われ、あるいはウ)で、公務員以外の方がお使いになる場合もあるのですが、そういった場合の手続、承認基準についても、今までの手続についてそこを明確化する。秘密保護についての覚書等を添付していただくとか、そういったことをしましょうと。
 最後(3)で使用した後の手続について、秘密の厳格化ということもございますので、適切に処理するということで、廃棄等の手続についても報告いただくという形で厳格な手続を行う。
 そういった形で、現行の要領、運用内容を明確化することを中心に事務処理要領の改訂を行ったということでございます。
 続きまして、次はペーパーはございませんが、データアーカイブの御指摘を頂いております。データアーカイブの関係、現在、先ほども引用しましたが、統計行政の新たな展開方向などでも御指摘いただいているところでございます。現在、各府省とも検討会議という場を設け、統計データアーカイブ、あるいはデータアーカイブは実際は統計の調査票でしたり、匿名標本データ、マイクロデータと言ったりしますが、匿名標本データをより利用しやすいような形にしようと、外国等でも行われている試みがあるのですが、そういったものを日本で実現できるのか、あるいはオーダーメイド集計、それも別なプロセスからデータの利用をもう少しうまくできないかということで提言されているものですが、そういったものについて、データの2次利用的な面についての各府省等と今検討会議の場を設けて議論をしているところでございます。
 各府省で、今、データアーカイブ、データアーカイブ自身はデータを集め、それを利用するための基盤的な機能なのだと思います。御関心の向きは、恐らくその基盤を更に活用する部分なのかなという気は致しますけれども、そういった意味でデータの2次利用的な面については、こちらの検討会議を設けて各府省と今議論していたり、あるいは保存状況についても関連しますので、網羅的にもなかなかできないのですが、各府省に今保存状況をサンプル的に聴いてみたりもしていたりして、どういった形ができるのかというような議論をしていたりします。
 統計行政全般について、今回の2次利用の話も含めてではあるのですけれども、経済財政諮問会議の下に経済社会統計整備推進委員会という委員会が、吉川先生が委員長で入られて、昨年の11月に設けられた委員会組織ございまして、統計行政整備の話、統計制度の話を含めて御議論されているところでございます。その中でも2次利用についても議論されていると伺っております。こちらの方で、また今後御提言もあるかと思いますので、そういった御意見等も踏まえてデータアーカイブ、2次的利用の関係についても必要に応じて適切な対応をしてまいりたいと思っております。
 それから、最後、統計審議会の関係で御指摘いただいております。お配りしている資料の最後のページになります。統計審議会で利用者が含まれていないのではないかとのことで御指摘があったかと思います。国の審議会、ほかもそうなのですが、御案内のとおり、平成13年に省庁再編がございまして、その折に審議会組織についても改善といいますか、改組がなされたところでございまして、私どもの統計審議会についても同様に改組ということになりまして、審議会のメンバーは11名で、学識経験者という形になりまして、機能にしましても「法施行型審議会」という形で位置付け、新たな形で再出発したところです。 恐らく御指摘の向き、学識経験者しか入ってないのではないかということで、利用者の面が薄れていないかという御懸念かなと受けとめておりますけれども、以前の構成にしましても、行政部局のメンバーも入っていたのですが、統計の学識経験者、利用者という形の二つの要素については、今回広い意味で学識経験者になっておりますので、そういった意味では、利用者の方という観点からも委員の方、御参加いただいているものと私どもは受け止めておりまして、お手元の資料を御覧いただきますと、下から3人目の新村先生、評論家の方も利用者的な側面あるいはその下の引頭先生、こちらも利用者的な観点から御提言を頂いている方だと思いますし、また、真ん中辺り、東レの飯島先生、こちらは統計の客体という側面もありますけど、一方で利用者という側面もございまして、そういった意味で利用者の方々にも御参加いただいているところと私どもの方では受け止めているところでございます。
 なお、審議会、先般、委員構成で異動ございまして、女性委員ようやく3割という形で、そこは確保させていただいたところでございます。
 私の方から、以上でございます。
古橋会長
ありがとうございました。
 以上で役所側の一応説明は終わりました。御苦労様でございます。それでは以上の説明に対して御意見、御質問がございましたら御発言を願いたいと思います。
 この点については、佐藤委員から切り出していただきましょうか。厚生労働省の関係とかアーカイブの問題といろいろ前のときからずっと私どもは議論してきましたから。
佐藤委員
いろいろな点で段落になるかもわかりません。
古橋会長
最初に質問だけ全部してしまいましょうか。
佐藤委員
総務省から御説明があった資料3-5のマイクロデータの利用について、目的外利用についてですが、何で男女共同参画会議の監視・影響で議論するかといいますと、一つは男女別のデータが整備されていって、もちろん行政内部でそれを活用しながら男女共同参画がどう進んできているか、いろんな施策の男女共同参画の影響を調べるということをもちろん進めていただきたいのですが、同時に研究者がそういうものを使って同じような評価をやり、そういうものをすり合わせ、あるいはこういうところでそういう研究者のいろんな研究を見ながら、男女共同参画に係る監視・影響について議論していくことは望ましいと思うので、そうしたときに行政しかデータを使えないということですと、特定の目的だけの評価しか行われないということになりがちでありますから、マイクロデータを使うためには一定の訓練が必要ですから、だれでも使えればいいというところにないわけですけれども、一定の訓練した人は一定の公共性目的があって使える仕組みは整備していくことがすごく大事だろうと考えています。
 そういう意味で、従来、目的外申請の仕組みがあったのだけれども、どういう手続をすればいいのかというのがあまり明確でなかったということで、今回こういうふうに明確にしていただいことは非常にありがたいと思います。
 その上でいくつかお願いなのですが、一つは、目的外利用申請するときの書類のモデルをちゃんと提示していただけるのか、どういう書類をつくればいいのか。科研費などではあるわけです。許可をもらった方に書類を見せてもらって、それに即してつくるということがしばし行われている。あればいいのですが、そういうものが例えばホームページとかでダウンロードされて、基本的には最低限こういうものを書いて申請すれば、一定の基準にのるということがすごく大事ではないか、これが一つです。
 もう一つ、承認の基準ですが、行政機関等から委託又は補助を受けたといったときに科学研究費が入るのかどうか。これはすごく大事で、科学研究費の対象となるとすれば、承認基準に適用できる研究者がすごく増える。これが2番目です。
 あと3番目、公務員以外の者、従来は国立大学と私立大学の教員で相当手続の違いがあって、私立大学の教員は申請しにくいということがあったわけですが、ここは書類さえ添付すれば基本的に変わらないと理解していいか。
 以上です。
古橋会長
まだ、総務省ありますか。
佐藤委員
ずっと行きます。
古橋会長
ずっと行ってください。あと、我々がまた質問していきますから。
佐藤委員
もう一つ、総務省の個人企業経済調査。ほかにもかかわるのですけれども、従来、男女別に取れなかったものを取ってほしいといったときに、すべての項目について男女別に取れと言っているわけではないです。もちろんそれでやった方がいいものもあるわけですけれども、あらゆるものについて男女別に調査するということではなくて、キーになるところは入れていくことが大事なものがあるとすれば、一部でも入れるということが大事です。でも伺ってみると、ほかの方もそうなのですけれども、まず、コストがかると言われましたが、それは全部やろうとするからだと思うのですね。だからやらなくていいということにはならないだろう。キーのところが一つでもやれることがあるとすれば、全部でなくてもいいと思うのですね。それは記入者負担もあればコストもかかるわけですから。
 例えば、今、個人企業経済調査について言えば、多分経営者が男女かということだと思うのです、非常に大事なのは。従業員のところは事業所・企業統計調査で取れるとすれば、経営者が男女かというところは多分すごくキーだと思うのです。そういうことがお願いしたいことであって、ほかの調査もそうなのですけれども、まずは当面ここからやることが大事だということを検討していただくとありがたい。これがほかのことにもかかわりますから。
古橋会長
それは事業所統計からわかるのでしょう。
総務省(本郷課長補佐)
わかります。
古橋会長
それを発表してくださいということです。
総務省(本郷課長補佐)
既に事業所統計で発表しております。
古橋会長
事業所統計でやっているけど、その分だけ、商工業やなんかのところは小さいところからいろいろと苦情が来るから、それだけがわかるだけ、特別に発表してほしいということなのです。
総務省(本郷課長補佐)
企業経済調査を発表するときに、企業経済調査の中に一緒に入れて。
佐藤委員
経営者のところは男女別にわかるのですね。
総務省(本郷課長補佐)
わかります。
佐藤委員
あと、厚生労働省のところです。30人未満のところについて就業形態多様化調査があることは私もよく知っていますけれども、問題提起をしたのは制度調査なのですね。厚生労働省の多くの制度調査、例えば賃金制度調査、雇用管理調査というものについて、大体制度調査は30人以上、企業規模だったと思います。そうするといろんな人事制度等々の適用状況というのは30人未満についてはわからないということが一つ問題で、そうしたときに確かに就業形態多様化調査みたいなもので、その人たちにどういう制度が適用されているかということが出てきたのはすごくいいと思うのですけれども、それでも極端なことを言えば、4人以下は落ちてしまう。
 もう一つは、事業所を通じて従業員に調査票を配布する場合、テンポラリーな雇用者はどうしても落ちるわけですね。短期に雇用するとか、そういう人について落ちてしまうということなので、私は厚生労働省としても、例えば地域で対象をサンプリングして、その人の働き方とどういう制度が適用されているかというような調査、毎年やる必要ないと思いますけれども、3年に一度とか5年に一度、就業構造基本調査の労働条件、人事制度適用版みたいなものをやらないと実はわからない状況が出てきているのではないか。就業形態多様化調査はいい調査だと思います。それでもまだ落ちてしまう。一時期失業しているというと当然全部落ちてしまうわけですが、ですから、できれば地域サンプルで、その人はどういう働き方、サービス残業にもかかわるわけですけれども、例えばどういう労働時間、どういう賃金制度、どういう能力開発の機会があるという制度調査で聴いているようなもの、それはもちろん不正確だという議論あると思いますけれども、そういうことをしないと、日本で働いている人たちにどういう制度が適用されているかわからない時代になったのではないか。すぐにできると思います。
 あと、女性雇用管理調査については、前からお願いしていたのは、従来は均等と両立が別々の調査であった。そうしますと均等の調査のときは均等が進んできました、両立の調査は両立が進んできましたということはわかるのですけれども、もしかすると均等を進めている会社では両立が進んでないということが起きているかもしれない。両立が進んでいるところは均等が起きてなくて、例えば女性の勤続年数が延びて、子育てにしても働きやすいけれど、そこの会社では、女性は補助的な仕事だけについているとか、管理職は男性ばかり。でも、それは両立だけ見ると進んでいる。ということしかわからないので、均等と両立がその会社の中で同時に進んでいくかどうかというデータはすごく大事なので、そういう意味で両立を調査するときにも均等を聴いていただく、均等のときは両立を一部入れることはすごく大事だと思うのです。
 企業調査のときと事業所調査のときは対象が年度によって変わるのですね。
厚生労働省(元木課長補佐)
均等を対象にするときが企業です。育児・介護が事業所。
佐藤委員
ですから企業を対象とした均等と両立、事業所を対象とした均等、両立という調査にして全部同じウエイトで毎回してないと思うのですけれども、そういう形で調査を整理していただけるとありがたいということです。もちろん過去との時系列比較ということもあると思いますので、そういう方向で今までの調査を見直して、一部リストラし、新しい項目を入れられるかどうかということをやっていただければいいなということです。
 以上です。
古橋会長
ほかに。私から技術的なことを含めて質問していきますけれども、病院報告の関係で、患者調査、受療行動調査、医師、衛生行政調査というのは統計の種類としては業務統計なのですか、届出調査なのですか、何ですか。したがって、本来やっているのは、承認統計の中にちょっと変えるだけでそういうことがわかるのではないかと。もしそうであるならば、承認統計のときにちゃんと議論をして、統計基準部が議論をした上で、そういうことをどこかに入れれば、もっと範囲がよくなるのではないか。業務統計だけとすれば、業務統計よりもいいのではないかという気がします。特にこれから性差医療というものを今度進めていくときに、患者の統計は信用力のある統計でなければいけない、こういうふうに思いますので、承認統計とかそういうことの中で入っていかないといけないのではないか。
 それから、林業労働調査は厚生労働省の方でなくなったということはしようがないのですけれども、ただ、これがなくなったことについては、私は林野庁に前のときから言っているのですけれども、森林事業というものの、これからボランティアがどんどん入ってくる。そのときにボランティアが将来、林業労働ということに入っていく人も結構いるのですよ。私は、今、林業労働の技能基準というものを進めているし、今、経済不況のときに森林の方に入っていく人たちの訓練事業を三重県知事の発案でいろいろとやっているわけですね。そういうときにこういう賃金調査がなくなったということについては、今、世の中がどういう方向で施策が動いているか、それに対する統計は、どういう統計があるべきかということについての役所側の意識が不足しているのではないかと思います。
 したがって、総務省に言いたいのだけれども、指定統計だけについて基準部にこういうことをやるときにいろいろなことを聴いてくるかもしれないけれども政府の21世紀長期ビジョンであるとか、大きな制度の流れの中から見て、こういう統計が必要なのですよということについてもっと前向きな、こういう統計をすべきだと考える部局がない。そして過去におけるスクラップ・アンド・ビルドで統計で不用なものはこちらの方向に持っていくべきではないかというようなことを総合的に考えるところがないのです。
 統計基準部はかつて行政管理局の統計基準部であったわけですけれども、そういう行政との政策・施策との関係から見ていたけれども、統計局の基準部に移ってから、私は心配してずっと見ているのだけれども、その辺について意識があるのか、ないのか。最近の動向を、新しい施策が行われるときにどういう統計が必要かと。それは結局行政管理局なり主計局で査定するということになってしまうのか。統計基準部はそれについてどういう役割を持っているのかということについて、古巣のところとしてちょっと心配をしているので意見を聴きたい、こういうことであります。
 それから、労働災害動向調査、これはいいですけれども、国民健康保険の実態調査にしても、世帯単位とする制度であるからいらないよとこう言っているけれども、今の施策は個人単位の社会保障制度に持っていこうと、こういう考え方でいるわけですから、現在の世帯単位の中にどういう方向を直せば、将来そういうふうになったときに対応できるかということについて検討をしていただきたいし、いろいろな問題が出てくると。
 それから、30人未満の規模の調査、厚生労働省、あしたからまた大阪へ行くのですけれども、商工業者の方々から、それについての政府の施策が十分でないと、私はいつも大変叱られているわけですね。そこで平成15年にやられたけれども、これを継続的に今後ともおやりになるということになっているのかどうかということについてひとつ意見を聴きたい、こういうことです。
 ほかの方、御質問があればどうぞ。林委員ないですか。
林委員
厚生労働省の3のところのお話であります。労働災害動向調査の件に関して、性別の要素を加えることは事業所に3倍ぐらいの負担をかけるというお話があったように聞いたのですけれども、これがよく理解できないのですね。性別というのを答える方はそんなに負担ではなくて、むしろそれをクロスしたりする集約の側には結構、どの項について性別を集計するかということで負担は大きくなるかもしれないという予測は立つのですが、どの調査も記入者に負担をかけるというふうに言ってしまえば、従来調査以外はできなくなるなと、そういう懸念を感じてしまったのです。
古橋会長
今の最初の点は、労働時間数と労働の程度別に災害者発生数を積み上げるがと、こう書いてあるけど、佐藤委員がさっき言ったように総数だけでいいのですよ。それがまずわからないと。
佐藤委員
例えば何が大事かというので、一つの調査項目だけやるということから始まってもいいと思うのですね。
古橋会長
私も言おうかと思ったのだけれども、3倍程度かかるわけないと思うんです。その点についてもお答えをいただきたいと。
 それではどうぞ、ほかに質問はありませんか。それではまとめて質問いたしましたので、各省ごとに。
厚生労働省(中村室長補佐)
病院報告のところで患者調査、受療行動調査の統計調査の種類ということでございます。まず患者調査というのがございます。これは指定統計でございます。
古橋会長
指定統計ですか。
厚生労働省(中村室長補佐)
はい。それと受療行動調査、これは承認統計でございます。これはどちらも3年に1回調査をしております。次の医師、歯科医師、薬剤師調査、それと衛生行政報告例、これはいずれも届出統計という整理になっております。これは両方調査とも2年周期でということです。この4調査それぞれ性別のいろいろなクロスを把握しているということでございます。
古橋会長
目的がわかればすぐできるわけですね。
厚生労働省(中村室長補佐)
既にそういう周期的にやっていますので、結果はずっとホームページ等で出しております。
 それと佐藤先生のおっしゃられた、まず4人以下の部分が落ちてしまうという部分が。
佐藤委員
そうです、5人以下、今でも就業形態多様化でもですね。
厚生労働省(中村室長補佐)
ここは毎月勤労統計調査の特別調査というのがあります。
佐藤委員
わかります。それは頭数だけ調べているだけなのです。
厚生労働省(中村室長補佐)
労働時間とか賃金とかというのは……。
佐藤委員
それだけです。私が言ったのは、制度調査で調べているものがないと言っているので、5人以下とか、小さいところ調べているのは知っています。多くは頭数で、それだけで十分かというだけの話なのです、言っているのは。
厚生労働省(中村室長補佐)
毎月勤労統計調査の場合は、1から4人については年1回なのですけれども、これは性別に数字が出ております。
佐藤委員
人数ですよね。
厚生労働省(中村室長補佐)
賃金とか労働時間とか。
佐藤委員
それも知っています。
厚生労働省(中村室長補佐)
それと地域サンプルの調査の関係でございますが、これは前回も同じような話を伺っているのですけれども、前回も就業構造基本調査という、これは総務省が行っている調査がございまして、これは5年周期で国調ベースで抽出でやっているということで、この中で産業規模別でありますとか、従業者規模別とか、パート・アルバイトの雇用形態別とかというような形で労働時間とかをとっているのですね。要はこれで当然性別が出てくるわけで、これになおかつ、例えば別立てで、先生おっしゃられるような新たな制度部分の把握というようなところで単独で出せるかどうかというような重複の問題は当然出てくるのだろうということで、なかなか難しい部分があるというふうに認識しております。
佐藤委員
私はこういう調査があるのはよく知っているのですけれども、それから落ちてきている人たちとかについて、もちろん様々な制度、あるいはどのぐらいの時間働いているかというものもセットで、例えば3年に1度ぐらいやる。だから、就業構造基本調査みたいな規模でやれと言っているのではないです。
厚生労働省(中村室長補佐)
就業形態の調査、これは15年に調査をやっていて、継続的にやられるのかという御指摘があったかと思うのですが、就業形態の多様化の調査は、15年の前が11年という形で、テーマをいくつか、高齢者の就業実態、若年者の就業の調査、就業形態の多様化とか、いくつかローテーションで、3年、4年、5年というような形でローテーションで回しておりまして、多分この就業形態は今後もそういった形でローテーション的に実施されるというような考えになるかと思います。
 それと記入負担の3倍というところでございますが、ここは、まず性別データ自体がパソコンとか、そういう形で小さいところではなかなか管理されてないところが非常にあって、一人一人の賃金台帳みたいな形で紙としてあると。それを男、女別に抽出とかで抜き出して、それで男の合計、女の合計、足し算をして、それをます目に埋めていくという作業、それと合計が合っているかというような検算とか、そういう形で非常に負担がかかるということを申し上げたということです。
 集計の負担というのは、当然データが上がってきますと、入力いたしまして、あとはコンピュータで機械集計ですので、Aという項目とBという項目のクロスというプログラムさえつくってしまえば、負担という面ではそんなに大きい話ではないということで、事業所側の負担が大きいということでございます。
古橋課長
厚生労働省、ほかになかったですか。
厚生労働省(武藤課長補佐)
国民健康保険実態調査について、会長から、世帯単位で、今、保険料が賦課されておりますが、社会保障制度全体が世帯単位から個人単位の流れもありますしという御指摘でございましたけれども、正におっしゃるとおりではないかと思っておりまして、男女別とか個人別という集計についても、もし、そういう制度設計をすることになれば集計可能ですので、そういった意味で、それが国民健康保険実態調査が武器になるということですので、今後そういったことを念頭に置きつつ必要に応じて当方としても考えていきたいと考えております。
古橋会長
30人未満の調査は継続するのですか、平成15年の。
厚生労働省(中村室長補佐)
それはもともと周期的に実施しておりまして、そのような形になろうかと思っております。
古橋会長
それでは結構です。それでは総務省。
総務省(山田課長補佐)
会長の方からの御指摘で、統計、こういうものをつくるべき総合的な考えというような形の御指摘があったかと思うのですけれども、統計局としましても、こちらで、先ほど若干触れたのですけど、統計行政の新たな展開方向という各省交えて、私どもが事務局になりまして、今後、5年、10年見越して統計をどういうふうな形に整備していくべきかという議論を私ども中心にやっているということはありますので、こういったものを通じて機能を果たしていけるのかなと思っておりますので、一方で、先ほど諮問会議の下で委員会ができているという話も触れさせていただいたのですけど、こちらのところでも、今、御議論を聞いておりますと、統計の総合的なそういう機能についてどうあるべきかというようなことをそちらにおいても議論されていると……。
古橋会長
それは事務局が内閣府ですか。
総務省(山田課長補佐)
内閣府です。
古橋会長
内閣府のどこですか。
松原調査官
政策統括官室です。
古橋会長
政策統括官室。
総務省(山田課長補佐)
そういったところでも議論されているところです。
 それから、先ほど佐藤先生から御指摘ございました要領の関係がございました。まず、記載すべきどういった事項なのかということで、まさにこれも事務処理要領の方に丁寧に書いているところでございますので、事務処理要領の中に記載がございます。
佐藤委員
それは公開されているわけですか。
総務省(山田課長補佐)
求めがあれば、どなたにもお渡しするようなものになってございます。それから、委託補助のところで科学研究費、補助金が入るのかという御質問でございました。こちらについても科学研究費補助金が入るという形になってございます。
佐藤委員
それは是非宣伝していただきたい。
総務省(山田課長補佐)
国立の先生と私立の先生で違いがあるのではないかという御指摘があったのですけど……。
佐藤委員
今までは運用上あったように思えたのですが。
総務省(山田課長補佐)
少なくとも現行の運用においては、私立の先生、国立の先生、学識者という面において区別ございませんので、そういった面では平等に取扱いさせていただいているところでございます。
 以上でございます。
古橋会長
時間が大体来ましたけど、ほかに何か、特にこの際言っておきたいと。
林委員
今日のお話の中に出てこなかったことで、これはどなたにお聴きすればよいかと思うのですが、いわゆる財団の、政府の関係、各省庁の関係でできている財団がありますが、その財団の役員の男女比率などというのは、どこで、どのように把握できているのでしょうか。それをお聴きしたいのですが、非常に男性が多いというのが出てみる度に感じるんですね。
古橋会長
財団とか公益法人、総務省でしょう。
事務局
そうです。
古橋会長
だから、そこでやってもらわないとわからないのですね。あそこが公益性の基準かなんかで、いろいろ議論しているのでしょうけれども、そういうことは、そこでも30%、あらゆる団体について30%の目標を達成すると、こう言っているのだから、そういうところでもある程度統計を持っていないといけない。したがって、そういう意味において、そういう統計をつくるということも必要ですから、これは内閣府の方で総務省に行って、ちゃんと統計をとってほしいということを言わなければいけないわけですね。
 だから、2020年-30%の目標というのは大変なことなのですよ、私に言わせると。まず、何がそれに該当するかという話と、今、現状どうなっているか、何の統計で見るかということも大変問題なので、早く男女共同参画局でそれについての結論をはっきりと固めていって、そしてそれに応じた戦略、各省に対して関係するところにお願いをしていくということが必要だと思います。
山口委員
私は全体として聞いていまして、2020年-30というけれど、結果、今度その次の底上げも考えていかなければならないわけですよね。私、男女共同参画のデータとして、統計は絶対不可欠なのだから、性別から攻めていくのか、世帯単位というか、例えば世帯単位などでやっているのは銀行の融資も世帯単位でしょう。それから、準婚姻というのもこのごろ、正式な届出をしなくても同居しているというようなケースもありますよね。一人一人が統計として上がってくるようにしなければならない。だから世帯単位を改めるということが先なのか、要するに性による統計が先なのか、本当は同時並行がいいに決まっているけれども、これは大きなここの課題だなと思います。
 それから、世帯単位で統計をとっている男女共同参画に深い関係のあるところ、その一覧表というのはできないでしょうか、統計処理の。
古橋会長
それは統計の前に制度を改めないとだめなのですよ。制度を改めれば、統計もそれに応じて出てくるから、さっきから言っているように、社会保障制度でも個人単位にしていくという制度になれば、ある程度統計は自動的にそうなるでしょう。しかし、その前に世帯単位を個人単位にするために、まず統計もいるよというふうになってくれば、両者逆の問題がある。だけど、今考えるべきは、性別単位の統計が私は先ではないかなという気がする。私の個人的見解かもしれませんけれども。
山口委員
主要統計の中でも世帯単位でとっているところが一覧表でわかると……。
袖井委員
それは簡単にできると思います、お願いすれば。
山口委員
そうですか。内閣府で検討してみてください。そういうことができるのかどうか。
古橋会長
世帯単位でというのはある程度わかるでしょう、それは。例えば、まず指定統計の中、承認統計、届出統計、ある程度数は限られているのだから、その中で業務統計はだめでしょう。業務統計はとってないと思う、世帯単位は、とっているか。とりあえず指定統計と承認統計だ、数がある程度限定されているから。
 それは山口委員だけ御連絡すればいいか、結果、今後、できたときに教えてもらいましょうか。
山口委員
そうしてください。
古橋会長
ほかにございませんか。本日は大変御熱心な御討議を頂きましてありがとうございました。また、役所の関係の方々、お忙しい中、いろいろな御説明いただきましてありがとうございました。また、今日役所の方々も聞いておられたように、この施策を進める上で統計は非常に重要であるということを認識されて、ますますこの統計の整備について御熱心に努力されることを心から祈願いたします。どうぞお帰りください。
 (厚生労働省、財務省、総務省退席)
古橋会長
それでは、次回の調査会について、事務局から御連絡ください。
松原調査官
資料4として議事録(案)が置かれておりますので、お差し支えなければ、これを議事録として決定した上で公表いたします。
 また、次回の日程ですが、6月27日に経済産業省の別館で行う予定でございます。女子差別撤廃委員会からの最終コメントに対する各府省の取組状況についてヒアリングを行う予定です。
 以上でございます。
山口委員
この議事録はいつまでですか。
古橋会長
これは確定したものです。
山口委員
1回見たものですね。
松原調査官
さようでございます。
古橋会長
それでは、第3回会合をこれで終わりたいと思います。今日はありがとうございました。

(以上)