監視・影響調査専門調査会(第1回)議事録

  • 日時: 平成16年10月20日(水) 10:00~12:00
  • 場所: 内閣府3階特別会議室
  1. 出席委員:
    • 古橋会長
    • 大沢委員
    • 鹿嶋委員
    • 神田委員
    • 佐藤委員
    • 橘木委員
    • 広岡委員
    • 古川委員
    • 山口委員
  2. 議題
    • (1) 開会
    • (2) 委員あいさ
    • (3) 運営規則について
    • (4) 本専門調査会の経緯及び本専門調査会における議論の進め方について
    • (5) 施策についての苦情の処理状況について
    • (6) 平成17年度男女共同参画推進関係予算概算要求について
    • (7) 閉会

(配布資料)

資料1
監視・影響調査専門調査会 委員名簿
資料2
監視・影響調査専門調査会運営規則(案)
資料3-1
男女共同参画社会基本法 [PDF形式:12KB] 別ウインドウで開きます
資料3-2
男女共同参画会議令 [PDF形式:11KB] 別ウインドウで開きます
資料3-3
男女共同参画会議 今後の進め方について(専門調査会の設置について) [PDF形式:11KB] 別ウインドウで開きます
資料3-4
苦情処理・監視専門調査会及び影響調査専門調査会におけるこれまでの取組 [PDF形式:593KB] 別ウインドウで開きます
資料3-5
監視・影響調査専門調査会の進め方(案) [PDF形式:11KB] 別ウインドウで開きます
資料4-1
男女共同参画の形成の促進に関する施策についての苦情内容等の把握について [PDF形式:593KB] 別ウインドウで開きます
資料4-2
男女共同参画に関する「苦情処理研修」の実施について [PDF形式:593KB] 別ウインドウで開きます
資料5
平成17年度男女共同参画推進関係予算概算要求額  (1) [PDF形式:96KB] 別ウインドウで開きます  (2) [PDF形式:16KB] 別ウインドウで開きます
名取局長
ただいまから、男女共同参画会議監視・影響調査専門調査会の第1回会合を開催させていただきます。私は、この専門調査会及び男女共同参画会議の事務を担当しております、内閣府男女共同参画局の名取でございます。どうそよろしくお願いいたします。
 それでは、これからの議事進行につきましては、古橋会長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
古橋会長
この度男女共同参画会議の議長である官房長官から、この監視・影響調査専門調査会の会長を仰せつかりました古橋でございます。どうぞよろしくお願いを致します。
 それでは、初会合でございますので、まず最初に、私の方から自己紹介を致しますので、委員の新しい方もおられますので、皆様からもお一人お一人自己紹介をお願いいたします。その際のごあいさつの順序と致しましては、ここにございます名簿順に従ってやっていきたいと思います。
 それでは、最初に私から自己紹介をさせていただきます。私は昭和30年に大蔵省に入りまして、大蔵省では国際金融、予算査定の仕事等をやりまして、それから、よその省としては外務省とか経済企画庁、それから中曽根行革のときに行官庁、それが発展しまして総務庁というところに出て行政改革をやってまいりました。そして総務庁では後藤田さんに2回ほどお仕えしたものですから、そのときの縁をもって、今は後藤田さんがこの間まで会長やっておられました日本交通安全教育普及協会の会長職をボランティアでお引受けをしているところでございます。この仕事のほか、現在は森林整備であるとか、農業問題等の各財団等の役員等をして、その研究等に携わっておるところでございます。
 男女共同参画の仕事につきましては、平成3年に婦人問題企画推進機構に関する検討会というのが始まりまして、赤松さんが座長で、宮崎さんが副会長をやっておられたのですが、そのとき以来、組織という問題だったものですから、いいだろうということで、私が指名されたようでございます。3年後、そこで審議会というものが必要であるということを答申し、それに基づいて平成6年から政令に基づく男女共同参画審議会ができました。それ以来ずっとこの仕事に携わっておるところでございます。
 この男女共同参画の仕事につきましては、最近いろんな批判もございますけれども、私はこの仕事というのは、21世紀を日本が発展していくために絶対必要であるという信念の下でやっておりますし、大方の方については御賛同を得ているというふうに確信を致しております。当時を振り返りますと非常に感慨深いものがございます。 この監視・影響調査専門調査会と申しますのは、前の2つの調査会が合併したものでございますけれども、基本法の第22条に掲げられております大きな仕事でございまして、男女共同参画のメインストリーム化のために極めて重要な仕事でございます。
 したがいまして、これから皆様方の御協力、御指導を得ながら適切な運営が図られますように努力してまいりますので、ひとつよろしく御協力のほどお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
 それでは、この名簿順でいきますと、鹿嶋さんから。
鹿嶋委員
日本経済新聞の鹿嶋といいます。古橋会長が長くスピーチをなさいましたので、私も肩書だけだとまずいかなと。
 新聞社へ入りまして記者としては生活関連の取材が長いのですが、管理職はデスク、部長を含めると通算11年、部長だけで5年。そのうち3年は文化欄の責任者をいたしました。記者として、あるいは編集論説委員等々も含めてやはり生活関連が大変長うございます。この共同参画についての必要性等々については、古橋会長と意見は同じでございますので、これは省略させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
神田委員
神田道子と申します。現在は独立行政法人の国立女性教育会館の理事長をしておりますけれども、この職はこの4月からでございまして、3月の末までは32年にわたって東洋大学で働いておりました。
 研究という点からいうと、「女性学」などという言葉がないときから、自分の問題として女性問題研究というのをやってまいりまして、女性学とかジェンダー研究の流れと共に歩いてきたと思っております。研究を単に研究としてではなくて、実践と重ね合わせながらやっていくというのが私の1つのやり方でございまして、こうした会にも参加させていただいて、実践とかかわれるということは大変私にとってはありがたいことと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
坂橘木委員
京都大学経済学部の橘木と申します。
 男女共同参画会議の議員をやっておりまして、私は議員になる前は、女性問題について全く素人だったのですが、この議員になりましてから、いろんな形でこういう問題に関与することになりまして、自分にとっても非常によい経験だったというふうに思っております。専門は労働経済とか公共経済、社会保障とかそういうものをやっております。よろしくお願いします。
広岡委員
中央大学の広岡守穂と申します。よろしくお願いいたします。
 私も全然男女共同参画にはそもそもも縁もゆかりもなかったと思うんです。高校時代はかなりマッチョなタイプだったと思います。たまたま1990年に「男だって子育て」というのを岩波新書で書きまして、それで幾分か話題になりまして、あちこち呼ばれたりなんかするうちにだんだん関心を持つようになりました。根本的には学問は政治学なんてやっているのですが、根本的にはエッセイストみたいなタイプだと自分では思っております。それがこういう政策とか仕組みとか、そういうことにだんだん関心を寄せるようになりまして、自分も少し変わってきたなあとつくづく痛感しております。「よくわかる自治体の男女共同参画政策」というのを2、3年前に書くことになりまして、これは夫婦で書いたのですけれども、子どもを単につくるだけではなくて、夫婦でこういう共同作業をさせてもらうことができたのも、男女共同参画のおかげかなというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
古川委員
古川貞二郎と申します。去る9月に男女共同参画審議会の専門委員ということで、初めて就任したばかりということでよろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと私の経歴申し上げますと、私は昭和35年に厚生省に入りまして、平成の6年に厚生省を卒業といいますか、退官いたしまして、平成7年の2月の村山内閣のときに官房副長官ということで、爾来、村山、それから橋本、小渕、森、小泉と8年7か月官邸で仕事をさせていただきました。男女共同参画に関しては、官邸というサイドから、もちろん大変な関心を持っておりました。男女共同参画社会の実現というか、そういうものの大事さというのは、今、古橋会長からお話があったとおりだと思いますし、全く私も賛同しています。
 ちなみに私も個人的なことですが、長男がある市役所に勤めていまして、夫婦で育児休業を取ったというような経験がございまして、大変それが、しかしなかなか勇気の要ることだということと非常に難しいいろんな条件というものが必要だということも痛感いたしております。
 微力でございますけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。
山口委員
山口みつ子です。財団法人市川房枝記念会の常務理事ということで財団の運営をしておりますが、この名前のように、市川房枝という人が戦前婦人参政権運動を進めてきて、戦後はそれをどういかすかというところですが、私は34年に学校を出ましてから、すぐ現役の公設秘書になりました。若い女性に政治の勉強をしてもらいたいということが市川の願いであったようで、私にたまたまそのチャンスを与えてくれました。
 今は議員秘書というと議員が何か悪いことをしたときの隠れみののような名称で、そんなことは言いたくないような感じですが、幸いに私は全くそういうこととは無縁でございまして、国会活動の中で、立法作業、また女性運動、市民運動を学んでまいりました。
 ちょうど75年に婦人問題企画推進本部ができて、本部員は全部男性ばかりというときに、市川は毎回審議会の傍聴を国会議員でただ一人続けていました。75年に全国組織の女性団体による大会を開き、現在、国際婦人年連絡会という超党派的な女性団体、これは日本の女性史に残ると言われています。最初から、この女性問題というのはそう簡単に解決できないということで、総理府設置法を改正して事務局をきちんとした位置づけが必要ということが市川の提案です。もちろん女性団体も賛成でした。私どもは総理府に働きかけを致しましたし、各政党、国会に働きかけてきました。女子差別撤廃条約の批准、男女共同参画局になり、審議会から参画会議ができて、基本法、基本計画ができ、私としては、民間の立場からこれが軌道に乗るところまで、意見を出していきたいと思っております。
 しかし、男女共同参画行政は、庁内野党だということで悪戦苦闘しております。メインストリームというふうにおっしゃっておられますが、正に男女共同参画というのは新しい行政で風圧が激しいのですけれども、これまでも行政改革の対象に労働省婦人少年局が、第二臨調では農林省の生活改善普及委員が、厚生省の婦人相談員がつぶされそうだというときに常に女性団体は女性行政を守ってきました。これから守りじゃなくて攻勢に出たいと思うのですが、なかなか厳しいです。よろしくお願いいたします。
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、お手元の議事次第に従いまして、本日の審議を進めさせていただきたいと思います。まず第一に運営規則でございますけれども、本専門調査会の運営規則につきましては、事務局の方で案を用意いたしましたので、これについて御説明をお願いします。
松原調査官
資料2でございます。「監視・影響専門調査会運営規則(案)」がございます。第1条は、この会の運営に関しては、法令等に定めるもののほか、この運営規則によるということです。
 主な内容でございますけれども、第2条関係では、調査会は、会長が招集すること、第3条関係では、委員の皆様が調査会を欠席される場合にあっても、代理人が出席したり、他の委員に議決権の行使を委任したりということはできませんが、書面により意見を提出することができること、第4条関係では、調査会は、会長が出席し、かつ、委員の過半数が出席しなければ開くことができないこと、議事は、出席した調査会委員の過半数をもって決し、可否同数の場合においては、会長の決するところによること、第5条関係では、議事要旨について、会長が速やかに策定し、公表すること、第6条関係では、議事録について、会長が作成し、調査会に諮られた上で、公表するということ、 第7条関係では、会長に事故があるときには、あらかじめ会長の指名される委員が、その職務を代理されることになっております。これらの内容については、従前の苦情処理・監視専門調査会及び影響調査専門調査会の運営規則と同様です。
 以上です。
古橋会長
ありがとうございました。運営規則につきましての説明は以上のとおりでございますけれども、このように決定してよろしゅうございますでしょうか。
 (「はい」と声あり)
古橋会長
ありがとうございました。
 それでは、運営規則については、原案のとおり決定を致したいと思います。
 ただいま決定されました運営規則の第7条におきまして、会長は会長代理を指名することになっております。会長代理としては、私は影響調査専門調査会におられました大沢委員を指名することと致したいので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、議事次第の4の「本専門調査会の経緯及び本専門調査会における議論の進め方について」でございます。
 事務局の方で資料をいくつか用意しているようでございますので、これを説明いただき、その後質疑応答、意見交換という運びにさせていただくこととしたいと思います。
 それでは、説明をお願いします。
松原調査官
資料3-1から3-5までに沿いまして、御説明申し上げます。
 まず最初に、御案内の方もおありかと思いますけれども、資料3-1及び資料3-2に、専門調査会の位置づけについて規定がございますので簡単に御説明申し上げます。
 資料3-1の方でございますけれども、こちらは男女共同参画社会基本法でございます。第二十一条に、この会議を内閣府に置くということが規定されております。
 また、第二十二条の方に、先ほど会長からのごあいさつにもございましたけれども、会議は各号に掲げる事務をつかさどるということでございまして、第四号に、政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視し、及び政府の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、意見を述べることが掲げられておりまして、この号を念頭におきまして、当専門調査会の設置が行われているわけでございます。
 資料3-2は、この法律を受けました政令でございまして、第二条の1項のところに、男女共同参画会議は、その議決により、専門調査会を置くことができる、というような位置づけが出ております。
 この規定を踏まえまして、資料3-3でございますけれども、去る7月28日に男女共同参画会議が開かれた際に、今後の進め方ということで、当専門調査会の設置が決定されたということでございます。一番下のところに「再編し設置する専門調査会」として、「監視・影響調査専門調査会」が掲げられ、「政府の施策を始めとして、あらゆる社会システムへ男女共同参画の視点を反映させる観点から、各府省において男女共同参画基本計画が着実に実施されているかについて調査検討を行うとともに、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼす政府の施策などについて調査検討を行う」旨が決定されております。
 なお、この決定に併せて、上の「基本的考え方」にもございますとおり、従前置かれておりました苦情処理・監視専門調査会及び影響調査専門調査会につきましては廃止するということも決定されております。
 それから、資料3-4の方にお進みいただきまして、従前の苦情処理・監視専門調査会及び影響調査専門調査会におきます経緯を簡単に御説明申し上げたいと思います。
 まず1番目に、苦情処理・監視専門調査会でございます。苦情処理・監視専門調査会におきまして大きく2つの事項を取り扱っておりまして、まず第1番目は(1)の苦情処理関係でございます。苦情の処理及び人権侵害についてのシステムの充実・強化について御議論いただきまして、平成14年10月17日に男女共同参画会議の意見決定を頂いております。こちらの方は、行政相談制度、都道府県の苦情処理制度等既存制度をできる限り積極的に活用する必要があること、そのために従事者の知識の向上等を図る必要があること、男女共同参画会議が苦情内容等の情報を定期的に把握する必要があることなどが提言されております。
 (2)の監視関係でございます。まず<1>でございますけれども、審議会の女性委員、女性国家公務員の登用、仕事と子育ての両立支援策について監視をしていただきまして、平成14年7月15日に意見決定をしていただいております。
 それから、<2>の方でございますけれども、男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供に関する調査検討結果について、平成15年7月16日に男女共同参画会議の意見決定を行っていただいております。こちらの方は、男女共同参画に関する情報の収集・整備・提供に当たっては、できる限り男女別にこれを行うことが必要であることなどが示されております。
 <3>といたしまして、男女共同参画の視点に立った政府開発援助(ODA)の推進について、平成16年4月23日に男女共同参画会議の意見決定をいただいております。各種の施策を、男女共同参画の視点が明確に盛り込まれました新しいODA大綱に適合させることなどが必要であるという提言が行われております。
 それから、<4>でございますけれども、国際規範・基準の国内への取り入れ・浸透についてでございます。こちらの方は、今年の7月28日の男女共同参画会議で意見決定が行われております。女子差別撤廃委員会からの最終コメントについての対応状況をフォローアップする必要があること、未批准の条約等について積極的に対応する必要があることなどが指摘されております。
 それから、影響調査専門調査会についてでございますが、こちらの方は大きく2つに分けて議論をいただいておりました。まず、15年1月21日までに男女共同参画会議に報告したものにつきましては、「ライフスタイルの選択と税制・社会保障制度・雇用システム」に関する報告ということで、特に税制及び社会保障制度につきまして重点を置き、所得税、年金、などにつきましての様々な提言を頂いております。
 それから、16年7月21日にも男女共同参画会議に報告をいただいておりまして、こちらの方は、主として雇用・就業に重点を置いた影響調査を行っていただき、様々な御提言を頂いております。
 続きまして、資料3-5でございます。これまで御説明申し上げました経緯を踏まえまして、事務局としては、今後の議論の進め方については次のとおりとしてはいかがかというふうに考えております。
 まず1.の基本方針でございますが、この基本方針につきましては、先ほどの男女共同参画会議の意見決定を踏まえまして、(1)各府省において男女共同参画基本計画あるいは男女共同参画会議決定が着実に実施されているかについて調査検討を行う、 (2)、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼす政府の施策などについて調査検討を行うということを改めて確認しております。
 なお2.の当面の進め方については、2つの旧専門調査会におきましても、各省にまたがるような重点施策については、一たん調査が終わったという経緯もございますので、当分の間は、これまで両専門調査会が取りまとめた調査検討結果のフォローアップなどに重点を置いたらどうかというふうに思っております。
 具体的には次のものが考えられると思っておりまして、まず(1)旧苦情処理・監視の関係ですと、先ほど申し上げました男女共同参画にかかわる情報の収集・整備・提供に関する調査検討結果に関する部分につきまして、調査検討を行う過程で、各種の統計調査につきまして、男女別に情報の収集・整備・提供が行われているかなどのをチェックさせていただいたわけですけれども、かなりの部分についてまだ対応が十分に行われていなかったことから、これを事務的に再度調査いたしまして報告したらどうかというふうに思っております。
 それから、2番目の女子差別撤廃委員会からの最終コメントに関する取組の現状についてでございますけれども、先ほど御説明した国際規範・基準の国内への取り入れ・浸透の調査検討の過程におきまして、女子差別撤廃委員会からの最終コメントに対する各省の取組方針につきましてヒアリングを行ったところでございますけれども、まだ検討途上のものも数多くございましたので、男女共同参画会議決定におきましても、1-2年後を目途として更にフォローアップする必要があることとされておりますことから、来年度にこれを取り組んではどうかというふうに思っております。
 それから、3番目の国及び地方公共団体に寄せられた苦情内容の動向等の把握についてでございますけれども、こちらについては、先ほど申し上げた苦情処理等のシステムに関する男女共同参画会議決定におきまして、定期的に苦情内容の動向等を把握する必要があるという旨の意見が盛り込まれていることから、これについて来年度以降も調査していただきたいと思っております。ちなみに昨年度分につきましては、後ほど御説明申し上げますけれども一とおりの調査を終えております。
 続きまして(2)の影響調査関係でございますけれども、現在、影響調査事例研究ワーキングチームという私的な検討会で影響調査に関する事例の収集を行っておりますので、これを年明けの会合に報告させていただきたいと思っております。
 以上でございます。
古橋会長
ありがとうございました。それでは、資料3-1から5までに係る事案につきまして、御質問、御意見がございましたら、どうぞお願いを致します。特に最後の3-5等については御意見を伺いたいと存じます。時間がまだ十分ありますから、30分ぐらいありますから、順番にお1人ずつお願いしましょうか。こちらから行きましょう、今度は逆に。山口委員からひとつ。
山口委員
ここに書いてあるのは賛成なのですけれども、今、自治体で次の計画を見直ししておりますときに、これまでの行政評価をするのですね。それで、A、B、Cとか、あるいは順調に進んでいるとか、概ね順調だとか、要検討とかという評価をしますが、一種の監視ではないかと思うのですが、私は監視基準というか、大きくは男女共同参画というのはどういうものかという視点をメジャー・物差しというものが必要だと思います。もっと明確に書いてもいいのではないかと思います。
古橋会長
苦情処理・監視専門調査会を一番最初に始めたときに監視の基準というのをつくったんですよね。
山口委員
具体的でしたかしら。
古橋会長
いや、そんなに具体的ではないです。それについてもう少し視点を細かく枝状に書いていくかという問題はあるかもしれませんけれども。
松原調査官
今の2の(2)のところの「影響調査関係」と取りあえず区分して書いておりますが、この部分は、厳密に言いますと狭い意味での影響調査のみならず、いわゆる施策の実施状況ですとか、施策の本来上の効果も視野に入れた調査に関する事例の収集を行っているところでございますので、こういった事例の収集も踏まえまして、考えていきたいと思っております。
山口委員
各地の自治体条例が、ちょっと足踏み状態だなという感じが非常にするのですね。今までの女性行政から、男女共同参画行政の視点で見直すわけですから、その視点、例えばポジティブ・アクションをどう取り入れているか、監視・苦情処理機構はどう機能しているだとか、あるいはその他のいくつのポイントを具体的なものを挙げた方がよりはずみがつくのではないかと思いますので、これは一つ、今のおっしゃった1の(2)だけではあまりよくわからないので、そのことも含まれるということが皆さんに御了承いただければありがたいなと思っています。
古橋会長
男女共同参画基本計画の改定作業のときにも御意見がありましたけれども、同じような考え方で両者に共通する問題ですから、一回検討をする必要があるかもしれません。一番最初に苦情処理・監視専門調査会をつくったときの監視の視点というのをつくったはずだけれども、もしあったら、皆さんにお配りしてください。
松原調査官
今、コピーをとってまいります。
古橋会長
それと同時に、もう少しそれについての施策の内容と施策の推進方法について、おのおの枝分かれして視点をもう少し考えるということだと思いますので、事務局と私が相談して一回つくってみて皆さんにお諮りするということでもいいと思います。
 それでは、古川委員、お願いします。
古川委員
今、山口委員の話に関連するかもしれませんが、影響調査事例研究ワーキングチームの調査検討状況、今、まとめているというふうなお話だと思うのですが、あるいはとんちんかんな質問というか、感じかもしれませんが、影響調査というものをどういうやり方でやるかによって、それは本当にこれからの男女共同参画社会にどういかされるかというやり方がどういうことなのか、もう少し知りたいなと。それによって本当にそれがいきるのか。あるいはこういう言い方するとあれですが、形だけのものなのか、やっぱり本当に議論というのは、この実社会にそれがいかされるということがあって、初めて本当に対策が進むという感じが致しますので、影響調査事例研究というのは非常に難しい、あるいは大事だと思いますので、具体的などういう観点から、どういうふうなやり方をやっておられるのかいうようなことを機会があったら教えていただければありがたい、こういうふうに思います。以上です。
古橋会長
参事官の方から。
塩満参事官
私の方で担当させていただいておりまして、今、影響調査事例研究ワーキングチームの方で、以前、調査手法に関しての報告書を中間報告として出させていただいたのですが、今は地方公共団体でどのような事例が行われているかということについて、ヒアリングとかアンケート調査結果をまとめさせていただいております。それで、また後ほどこの専門調査会の方にも御報告する予定とさせていただいておりますので、また、報告がまとまる時点で御議論いただくとともに、事前にまた先生方に情報を御提供させていただければと思っております。
古橋会長
その場合に具体的な視点というのはあるのですか。
塩満参事官
調査の視点、2点ほどまとめさせていただいておりますけれど、男女共同参画の視点について、調査手法を類型化させていただいておりますので、報告書をまた御説明させていただければと思っております。
古橋会長
それは監視のときの視点にも参考になるから一緒に検討しましょう。
塩満参事官
今、大まかな類型としましては、どちらかというと、計画のフォローアップということ、副次的な効果についての影響、それから意図していない効果がどのようなものであるかということについて、様々な観点で分析させていただいているところでございます。非常に関連している部分だと思います。
古橋会長
ありがとうございました。よろしゅうございますか。
古川委員
はい。また、後ほど。
古橋会長
広岡委員、お願いします。
広岡委員
一番関心の今ある分野なんですけれども、自治体が計画をつくったり、それから進捗状況をずっと把握したりするので、大体いくつかすごくホットな課題があると思うんです。一つは、自治体の方では、監視、監視と私は言って回っているのですけれどもいわゆる一つの事務事業に関して、男女共同参画の観点から評価していくのが監視じゃないのというような話をしているのですけれども、そういうことと、もう一つは、実際計画を実施していくことで社会がどう変わったかという、入口と出口の関係になるのだと思いますけれども、それを自治体の方はすごくいろいろと問題意識があってやろうとしていて、しかしどうやったらいいかわからないというので、非常に躊躇したり、それから模索したりしている段階だと思います。それは非常に重要ではないかなと思うので、なるほど考えてみるとここの議題になり得るわけですね。山口委員、古川委員のお話を聞いて、そうか、これはそこの議題になるなと思いました。
 もう一つ、自治体の計画で言うと推進体制という話になるのだと思うんですけど、この推進体制の中では、国に対して一歩後れるのでしょうか。従来は女性団体の各種女性団体協議会みたいなところを受け皿にしていろんな施策を進めていますですね。今、女性の団体だけでなくてもうちょっと広く、まさにメインストリーム化で、商工会議所だの、そういう団体も含めて施策を浸透していく受け皿をつくらなければいけないのではないかと、そんな問題意識が少しずつ芽生えてきているのかなと思います。この2点は、こういう影響調査とか、監視とかということと絡むのかなと。今、伺っていて、ああ、そうだ。そのとおりだなと思いました。そういうことも大事ではないかなと思います。
古橋会長
ありがとうございました。何かそれについてコメントありますか。
塩満参事官
自治体の方の監視のことにつきましては、先ほど申したのと同じことなんですけれども、計画のフォローアップで、いくつか定量的な指標を定めて図っていらっしゃる自治体もありますので、そういう事例も御紹介させていただければと思っております。
古橋会長
チャレンジ支援で、ネットワークづくりで随分検討しましたから、それで地方公共団体で関心が深まったのではないかなと。商工会議所からあらゆるものを含めたネットワークづくりというのをやりましたからね。
広岡委員
そうですね。チャレンジ支援もっと早かったと思うんですけれども、計画の改定のあたりから、推進体制はこれでいいのかというのはあちこちで議論あったと思います。
古橋会長
今、お手元に一番最初の苦情処理・監視専門調査会で皆さんにお諮りして、13年10月3日につくったものがございますが、「監視の観点」のところと「基本計画に盛り込まれた施策の実施状況の監視」、「その他男女共同参画社会の形成に関する施策の実施状況の監視」のところだけ、ちょっと読んでくれますか、松原さん。
松原調査官
はい。
  • 4.監視の視点
    男女共同参画会議は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況について、以下の観点から監視する。この場合、個々の施策の特性等に応じて、必要となる観点を適用するものとする。
    • (1)施策を具体化するための手段としてどのような事務事業を実施するのか。また、それらは基本的に示される基本理念や基本計画等に適合した内容となっているか。
    • (2)施策の実施による所期の効果が得られているか。また、施策の効果が適切に把握され、それを踏まえた施策の推進が図られているか。
    • (3)施策の効率的かつ効果的な実施方法が採られているか。(例えば、社会資源が有効に活用されているか。関連する分野における施策との連携の確保や総合的な推進が図られているか、便益が及ぶ者に便益が及んでいるか等)
    • (4)施策の実施(事務事業の企画立案及び実施を含む。)に当たり、国民への説明、関係者からの意見聴取等、透明性の確保や施策に対する国民の信頼と理解の確保のための手段がとられているか。
    • (5)施策の実施(事務事業の企画立案及び実施を含む。)に当たり、男性・女性双方のニーズの把握、なお現実に存在する男女の社会における様々な立場の考慮など男女共同参画社会の形成促進の視点がその運営方法に盛り込まれているか。
  • 5.基本計画に盛り込まれた施策の実施状況の監視
     男女共同参画会議は、以下の区分により、計画的な監視を行う。
    • (1)府省統一的な施策の実施状況の監視
       広く政府全体としての取組が求められている施策(国の審議会等委員への女性の参画の促進、女性国家公務員の採用・登用等の促進、男女共同参画の視点に立った統計調査等の充実、国の行政機関の策定する広報・出版物等における性にとらわれない表現の促進等)について、順次、各府省における実施状況を監視する。
    • (2)各府省が複数又は単独で担当する施策の実施状況の監視
       各府省が複数又は単独で担当する施策について、順次、関係府省における実施状況を監視する。
       複数の府省(部局)が講ずる施策である場合又は関連する施策がある場合は、府省(部局)間は又は施策間の連携が確保され、効率的な推進が図られているかという点に特に留意する。
       なお、各府省において当該施策に係る政策評価が実施されている場合は、その結果を参考にするものとする。
  • 6.その他男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況の監視
     男女共同参画会議は、基本法第22条に基づき内閣総理大臣及び関係各大臣に述べた意 見に係る施策等であって、閣議又は男女共同参画推進本部等において決定されたものについて、順次、その実施状況を監視する。
     この場合、府省統一的な施策については5.(1)に準じ、各府省が複数又は単独で 担当する施策については5.(2)に準ずることとする。
古橋会長
ありがとうございました。こういうことで、一応国の方としてこういう基準をつくっておりまして、その具体的内容は基本計画の内容に沿っているかということでやっておるのですけれども、地方公共団体の場合は、条例をつくったり、計画を地域局が定めたりしていますが、それに応じてやっているかどうかということだと思うんですね。
 しかし、この中をもう少しわかりやすくするというならば、山口委員ともよく相談して、事務局の方で一回つくっていただけますか。そういうことでよろしいですか。
 それから、影響調査専門調査会の方では、影響調査専門調査会のときの視点というのはあるのですか、今まで。
塩満参事官
今、調査手法を取りまとめて、事例集の検討を行っております段階でして、先ほども御報告しましたように、特別な分野をワーキングチームでさせていただいているところでございます。
古橋会長
それを含めまして、一回検討させていただいてお諮りをするということにいたしたいと思います。それでは、佐藤委員が来られまして……。
佐藤委員
すいません。
古橋会長
まず最初に、皆さん自己紹介をされましたので、佐藤委員からも自己紹介をお願いいたします。
佐藤委員
東京大学の社会科学研究所の佐藤です。今後もよろしくお願いします。専門は人事管理で、基本は人材活用ということで、最近は女性の活躍の場を広げるとか、仕事と家庭の両立、その辺について研究させていただいています。よろしくお願いいたします。
古橋会長
ありがとうございました。
 佐藤委員、この資料3-1から5までについて、特に今後の運営というところの問題について、皆様方の意見を伺っております。一番最後にまた意見の表明をお願いいたしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは橘木委員、お願いします。
坂橘木委員
ちょっと唐突かもしれませんが、この分野、司法との関係というのがあまりやられてないのが私気になっていまして、というのは、どういうことかというと、例えば男女差別の問題だとか、賃金だとか、昇進とか、そういう問題に関して、裁判所というのはずっと過去何年間かいろいろ判断を下しているんですよね。その問題を我々この男女共同参画会議であまり関心持ってこなかった。歴史的にどういう判例があって、どういう状況にあるかというのを一回調べてみる価値があるのではないか。
 というのは、最近裁判所が我々の経済活動に非常に大きなインパクトをもち出しているんですよ。一つの例を挙げれば、UFJと住友信託の合併問題も裁判所が出たんです、ほんの数人の裁判官で。そういう大きなことを裁判所が今決める時代になっているので、男女の差別の問題も、最後は裁判所が判断しますので、ここ最近も野村證券でしたか、出ましたし、そういう意味でこの問題に対して司法といわゆる男女差別の問題を過去取り扱ってきて、今後どう我々は司法と関係を持ったらいいかというのを、両方、苦情処理・監視、影響みんな関係ありますので、私はこういう問題をここでやるというのは、私は法律の専門家ではございませんので、法律の専門家の話になるかもしれませんが、あるいは私のような経済学の立場から考えるのも一つの案件かなという気がしますので、ちょっと唐突なこと言って申し訳ございません。
古橋会長
ありがとうございました。まず最近における裁判例、最高裁事務局へ行って調べられるかどうか。最高裁の方でそういう考え方で、男女共同参画の視点から、この判例というものをすっと出せるかどうか。
名取局長
一言申しますと、法務省に、私、昔おりましたので、ある意味では全体像をつかむのはちょっと難しいかと思うんですね。有名な判例は確かに、判例タイムズとか法律時報等に載りますけど、あれがすべてではありませんし、それもたまたま雑誌に載るからわかるのですけれども、例えば和解になったようなものは判決が出ないものでございますし、ですから、かなり難しい……いくつか有名判例をとるのでよろしければ、それは可能なのですけど、全体を網羅するというのはちょっと難しいと思うんですね。
坂橘木委員
それは私もよくわかります。
名取局長
それとあと司法権の独立ということで、かなり裁判所の方もガードがかたいかなと思っていますが、これについては聞いてみたいと思っています。
古橋会長
一回それは裁判所へ聞いた方がいいですよ。最高裁で聞くということは、裁判所に対する刺激になるのだから、向こうは独立の機関かもしれないけれども、こちらがそういう問題意識を持っていますよということを向こうに伝えるということは、向こう側が、それではそういう考え方から、今度裁判例というのを分析してみるかというきっかけになるから、ここは必ず最高裁事務当局に一回アプローチしてください。
 我が方は男女共同参画の視点から、裁判官の女性の任用という問題についても、問題意識を持っているわけですから、それは非常に増えてきている。そういうようなことから、事務当局と接触をしていただいて、時間ある程度かかるかもしれないけれども、一回検討していただくということがいいのではないでしょうか。
佐藤委員
これまで女性の昇進差別とか賃金差別についての判例については、賃金については、前、厚生労働省の研究会で、笹島先生が座長で、どこでヒアリングしたのか、どの専門調査会か忘れましたけれども、賃金については判例のレビューがあると思います。もう一つの昇進等々について、今、厚生労働省の分科会で間接差別も含めて均等法の見直しの議論始まって、そのときに最近の賃金以外の部分についてもまとめたものを審議会資料で配っておりますので、それは公表されているので、取りあえずそういうものはありますので、まずそういうものを見るというのも一つだと思います。
古橋会長
ありがとうございました。そういうことでいいですか、橘木委員。
坂橘木委員
はい。
古橋会長
できる限りいろんな方法で資料を集めるという努力をしてみてください。もしわかれば、時系列によって裁判傾向がどういうふうに変わってきたかということと、男女共同参画会議の活動状況と見合せながら検討してみてください。私どもが裁判官にどういう心証を与えているのかというようなことをよく分析する必要があるのです。
名取局長
ついでに申しますと、賃金活動ばかりではなくて、交通事件の遺失利益、そういうのを非常に大きな問題として、次第にだんだんと狭まってはきていますけど、まだ若干ございますし、伝統的にはそういう問題がございます。
古橋会長
暴力の事犯でも、どういうふうにきているか、そこらのところもあると思いますよ。いろんな分野であると思いますから、項目の判例の分類の仕方、それについての時系列の傾向というようなものを見てください。
佐藤委員
もう少し、ここですので、雇用だけじゃなくて、広く見ていった方が大事ではないか。全部は無理なので、今、何が大事なのか。例えば、交通事故のさっき言ったような、あれも女性だというのもありますよね。その辺の方は、ここでしか多分議論できないと思いますので、広めにやった方がいいかなと。ただ、全部という意味ではなくて、大事なところをいくつかとって、世の中の関心を喚起するということは大事なのかなというふうに思います。
古橋会長
それで鹿嶋委員の方で、それを新聞でちょっと出してもらうとぐっと広まるんです。
鹿嶋委員
膨大な資料になりかねませんか。
古橋会長
だから、こういう問題があるよということで、解説だけ書いていただければいいんです。
鹿嶋委員
もちろんそうですけど。事務局も大変だなと思っていまして、かなり膨大な資料になって。
坂橘木委員
全部調べるのは無理ですから、大事なサブジェクトだけ、歴史的にどういう変遷を経てきたかというのは知りたいですね。
古橋会長
これが非常に時代を変えたというような判例は必ず出してもらうことが必要でしょう。エポックメーキングのものは。
 それでは、神田委員、お願いします。
神田委員
今回は監視影響というので、二つの分野が一つになったわけで、そこを何とかいかした議論の進め方をするべきだと思っておりまして、(1)と(2)をそれぞれ分離するのではなくて、関連をつけてやっていく必要があると考えております。その場合に(2)の影響調査関係という(1)と関係する点としては非常に重要なのは、推進体制とか、どのようなシステムで行って、こういう結果が出たのかというようなことを明らかにすることで、結果だけではなくて、その中身を分析して明らかにすることができるといいと思っております。
古橋会長
ありがとうございました。コメント、何かありますか。
塩満参事官
頂きました御意見を基に、進めておりますワーキングチームのこと、それからあと今後の専門調査会でも、ぜひそのような資料づくりとか、分析を進めさせていただければと思っております。
古橋会長
よろしいですか。
神田委員
はい。
鹿嶋委員
東京都でも区によっては、まだ男女共同参画基本計画のない区もありまして、今から計画を遅まきながらつくるのだと、そういうところもあるのですけれども、そういうところはモデルにするのは国の基本計画が一つなのですが、そこで議論になってくるのは、推進体制とそれから苦情処理体制などをどういうふうにやればいいのかというふうなことでかなり議論になってきている。苦情処理についてはいろんなところから、もちろんそういう国も情報が入っていまして、つくってもなかなか利用者がいないとか、そういうこともあって、その議論の過程では、果たしてそういうところまでつくる必要があるのかどうかといった議論が必ず出ているわけですね。
 今回の「苦情処理の把握について」という資料を改めて見てみると、特に総務省関連のものの数字、それから地方の苦情の処理の数字、これが多いのかどうかということは別としても、何らかの形でもう一度苦情処理システムがもう一度きちんと利用されるにはどうしたらいいかという、そういうようなものを議論し、かつ地方に流していく必要があるのかなということと同時に、地方と国を見ていると一番多いのは社会制度慣行の見直し、意識改革についての苦情が総務省関連も地方自治体も一番多いので、この問題の考え方についても少し議論して、もうちょっと住民・市民が理解しやすい形で応答して流していく必要があるのかなという感じをこれを見て思ったんですけれども、いずれにしても、これから計画をつくる自治体はまだまだ多いわけで、その中で苦情処理をどういうふうにやっていけばいいのかというインフォメーションが、きめ細かなものが必要になってくるのかなという感じを抱いております。苦情処理について言いますと。それだけです。
古橋会長
ありがとうございました。さっきのジェンダー統計についてもありますけれども、今の御意見を踏まえて地方公共団体における苦情処理の実態はわかるでしょう。資料はとっていますね。
松原調査官
はい。
古橋会長
そういうもので一回調べてみて、一回ここで報告をしていただくことも必要かもしれませんね。
松原調査官
後で御報告申し上げますけれども、苦情処理の内容等を把握する際に、どういう体制で処理を行っているかということについてもお聞きした経緯がございますので、また、後ほどお配りさせていただこうかと思っています。
古橋会長
今、大沢委員が来られましたのですが、私どもは一回全部自己紹介をいたしております。まず最初に自己紹介をひとつお願いいたします。
大沢委員
日本女子大学の大沢でございます。よろしくお願いします。大変遅れまして申し訳ありませんでした。
 私は影響調査関係で2年間でしたでしょうか、税制度ですとか、所得税制が女性の労働供給又は企業の労務管理にいろんな影響を及ぼしているのではないか。それを中立的な在り方に直す必要があるという会合で委員をやりました。今回も引き続きこの調査会の方に呼んでいただきましたので、私ができることとしては、そういった制度が、年金制度これから大きく変わっていく、そういう議論もあると思いますが、そういったときに労働経済学の視点から少しお話しができるかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
古橋会長
ありがとうございます。それで、先ほどこの専門調査会の運営規則が決定されまして、その中で会長が会長代理を指名することができるということで、大沢真知子委員を会長代理に私が指名いたしましたので、よろしくお願いをいたします。
大沢委員
よろしくお願いします。
古橋会長
それでは、資料3-5について、全員から意見を伺っておりまして、佐藤委員の次に、大沢委員から、もしできましたら、3-5について意見をお伺いしたいと思いますが、まず佐藤委員、お願いします。
佐藤委員
これは1つ、監視と影響が合体して1つの専門調査会ということで、監視と影響調査両方やるわけですね。そうするとますます守備範囲が以前に比べて広くなる。以前の専門調査会でもいろいろ幅広くやったわけですけれども、実際我々がやれる範囲は限られている。そうすると我々の資源もある程度テーマに集中してやるしかないかなというふうに思っていて、そういう意味では、監視の方も影響の方も、今回はこれをやるというふうに選んである程度重点的にやらざるを得ないかなと。そのときに、1つは男女共同参画社会を形成していく上で大事なイシューというのは何なのかということと、もう一つは波及効果ですね。1つやることによって、全部見れないわけですけど、ほかのところについても促進されるようなテーマを選ぶということが大事かなというふうに思っていて、そうしたら何か自分で困るのですけれども、私はあまり幅広くやるよりも、例えば監視であれば施策の執行上きちんとモニターして、こういうことが問題だというふうにして、それがほかにも波及するというような形のものをねらう方がいいのかなと。
 影響についても年金かどれかわかりませんけれども、これからの男女共同参画会議を推進して何が大事なのかということを考えて、少しそれを深堀りする方が、次、新しく始まるのかなというふうに思っていて、ただ、そのときに何を取り上げればいいかについては私はあまり自信ないのですけれども、その点を少し議論した方がいいのかなという気もしていて、従来のフォローアップをすぐ始めるのがいいのかなという気は多少しています。
古橋会長
ありがとうございました。従来の施策のフォローアップというのは……。
佐藤委員
従来というか、これまでやってきたもののフォローアップ。
古橋会長
計画改定の方でずっともう一回全体をフォローアップするんですね。
佐藤委員
そっちもあるわけですね。
古橋会長
そっちでフォローアップするんですよ。それを考えてくると、当面考えられるのは何かなというのは、資料3の5の苦情処理・監視関係では、ジェンダー統計と、先ほど説明ありましたように、女子差別撤廃委員会からの最終コメントに対する取組の現状箇所はどうやっていくか、これについてはもう一回プッシュしなくてはいけないということ。苦情内容の動向、これは常にやらなくてはいけないということで、この3つ書いてあるんですが、先ほど苦情内容の動向把握について、これに対する組織名も入れろというお話が鹿嶋委員からありましたので、こういうことを今一応考えております。
 影響調査の関係については、この事例研究のワーキングチームの調査検討状況を書いてありますけれども、この内容をもう少し、その結果を聞いた上で何をやるかということについては、皆さん方、大専門家がいっぱいおられるわけですから、どれをやりたいということがあったら言っていただけるといいのではないでしょうか。
 前の方の苦情処理・監視の関係は、ある程度限定をする必要があると思うのですが、ほかに何かございますか。
広岡委員
少子化の問題は別の専門調査会でやっていて、こっちでさわることはないですか。
古橋会長
別の専門調査会で行ってきました。
広岡委員
男女共同参画の関係でいうと、例えば保育園の送り迎えがお母さんばかりだとか、その問題もあると思うんですけれども、こっちは全然さわることはできないんですか。
古橋会長
さわったっていいですよ。
広岡委員
さわったって構わない。
古橋会長
向こうへそういう意見があったということを連絡すればいいのですから。
広岡委員
少子化の問題はすごく大きいのではないかと思うんですけれども、そこは、男女共同参画が進むから少子化が起こるのだという人もいるぐらいだから、何かここで扱うことができないか。
古橋会長
それは少子化の方で大いにきちんと出すと思います。
佐藤委員
基本計画に関する専門調査会でかなり新しい基本計画をつくるためには、過去のをフォローするわけですよね。
古橋会長
はい。
佐藤委員
そうすると、こちらとある程度重なる。そうすると、向こうはもちろんやるかもわからないけれども、向こうは全体の計画つくるわけなので、そこで落ちて、かつ重要なものをとるということでいいんですか、この役割分担は。
松原調査官
資料3-5の2の(1)及び(2)で書いたのは、計画で明示的に書いてあるものについては、別の場で調査を行うことが考えられますが、例えば統計につきましては、計画よりも踏み込んだ提言を行っておりますので、計画のフォローアップでは問題点がわからないだろうという考えからです。
 それから、女子差別撤廃委員会のコメントも計画とは直接関係ございませんので、この場でしかできないであろう、さらに苦情動向の把握も計画とは直接関係ない話でございますので、この場でしかできないだろうということで、特に優先度が高いものとして掲げさせていただきました。加えて、影響調査のワーキングチームの報告というのも、ほかの場ではできないものであろうと思っておりますので、優先的に挙げさせていただいたというのが事務的な考え方でございます。
古橋会長
ほかに何かございますか。
山口委員
あまり制限しちゃうと、関連する事項を話して初めて浮き上がるということがあるので、一応この調査会のことを頭に入れながら議論して、その中で最後に起草委員会で整理されるべき方向が出てくるのではないかなという感じがいたしました。これは感想です。
古橋会長
改定の方の。
山口委員
そうです。それで、今度の基本計画は向こう5年ですよね。それに資することですよね。そうなりますと、かなりいろんなことを見通さなければならない。私、今、いろいろ先生方のお話を聞いていて思ったことは、特に橘木先生が判例、男女共同参画に関することをもっといろいろあるからと、全くそのとおりでして、それも知りたいし、同時に、この基本法では、総合的に計画的に推進するための必要な事項、これをやらなければならない。そうなりますと、私、常々思っていたんですが、各省でそれぞれある事柄について審議し報告書を出しています。それは調査会の場合もあるし、審議会の場合もあると。そういうものが全部男女共同参画関連として男女共同参画局の方に送られてくるのか、あるいは勝手にホームページだとか、そういうところを見てやっているのか、その実態を聞きたいこと。
 私、やっぱりそういう報告書は、各省の調整権限というのを持たされているわけですから、そういう答申があったら、直ちに報告書だとか、答申だとか、それがここにないと総合的な計画はできないというふうに思うのですが、その実態はどうなのかということ。なければ、そのことを直ちにここに出すことということ。これは総合調整の大事な権限だと思いますので、それについて伺いたいと思います。
古橋会長
事務局お願いします。
松原調査官
送られてくる分もあれば送られてこないものもあり得ると思っています。法令上の整理といたしましては、必要な資料があれば、男女共同参画会議の方から請求することができるということになっておりますので、法律的には必要があれば請求するということが前提になっているのかなというふうに思っております。
山口委員
私はもしそうだったなら、今度、男女共同参画会議で大臣がいらっしゃるところで申し上げようと思います。こっちが請求したらくれじゃなくて、もっとその関連なものを積極的に出していただくと。そのくらいの地位はここはあるのではないかと思いますので……。
松原調査官
今申し上げたのは、基本的には来るのですけれども、制度的に必ずすべてのものが来るというような保証はないという意味ですけれども。
山口委員
そうですか。私は文科省も農水省も、いろいろなところで、男女共同参画関連として見過ごしてはならない内容があると思いますが、各省が抱え込まないで、それを提供してほしいと。こっちも、もらう方も棚もなくなって大変かもしれませんけれども、まだまだ完全にコンピュータに入る時代ではないので、ぜひその資料はいただきたいということ、特に会長から強力に言っていただきたいと思いますね。
古橋会長
それもありますけど、まず男女共同参画局の方で、どんな報告が各省の審議会等で出るかということをまず問題意識持って常に見る必要があると思います。
佐藤委員
一応、政府関係のいわゆる白表紙で売れてないものを集める組織ができているんです。そこのホームページを見ると、みんなわかるようにはなっているんです。かなりの程度のカバー率です。ですので、一応それは役所の中でも全部の情報が行き渡ってない状況があって、送れといったら膨大な量になって、また、それは無駄なことなので、一つはそういうものが既にあるので、そういうものを活用すればいいのではないか。集めているところがあります。政府の外郭団体でかなりのカバー率です。毎月、毎月どういうものがリリースされたという、審議会のこういう報告書もみんな集めて、そこは役所を回って集めているんですね。ですからそこを見れば、新たにまた集めるというのは大変な作業になるし、無駄になるかなという気がしています。
定塚推進課長
男女共同参画に明らかにかかわるものはすべてうちの方に送られてきております。そのうち重要なものは参画会議資料として出ていますので、そういう点では心配ないのですけれども、むしろ本当は男女共同参画にかかわるのだけれども、例えば税制とか、だけれども、その省庁にあまり認識がない場合、そういう場合は送られてこないので、自分のところの省庁で、これは女性のとか、男女共同参画だなと思っている場合はきちんと連携もとっておりますので送られております。
古橋会長
こちらの方が主流化ということをやるためには、各省は認識しないけれども、こちらが認識をして、こちらの方から要求をしていくと。こちらが情報のリテラシーというものを持たなければいけないということを私は特に言いたいんですよ。そういう問題意識を常に持っていて、各省の施策を見ていく必要があります。大体だけど基本計画全体をすっと理解していれば、何が関係するか、関係しないかというのは男女共同参画局でわかるはずだと思うんですね。そういうこともありますので、できる限り、山口委員の御期待に添えるように関係する情報を集めてください。
 それでは、大沢委員、お願いします。
大沢委員
ちょっと最近、島根と福井で男女共同参画の次世代育成策について話を致しました。そのときに時間ですとか両立をしやすいような働き方を企業が考えて女性が働きやすい環境をつくることが少子化にもいろんな意味でいいのではないかというような話なのですが、経営者の方と話をしますと、理屈はよくわかるけれども、女性を新卒で雇うよりも、派遣ですとか、パートで安く雇える時代にこちらも非常に苦しいと。余剰人員も抱えていられないし、サービスを外部化したり、そういったことで十分やっていけるのだというような直接的にはおっしゃらないのですが、非常にそういうインパクトがないので、結局男女共同参画の中で、これから考えなければいけないのは就業形態の多様化ということだと思うんですね。
 うちの大学でも、今までは正社員でほとんど就職が決まっていたのですが、今は就職に苦戦している学生も何人か出てきて、紹介予定派遣会社のようなものも検討しているわけですが、大卒の女性の中にも二極化が進んでいて、そういった雇用形態の多様化が女性だけではなくて、若者にも及んで、データで見ても、派遣労働者の平均子ども数というのは低いんですね。これは新しい少子化のもう一つの要因になり得るのではないか。つまり子どもは経済的に無理だから、そんなにたくさん産めないというように考えてきているし、つまり、経営者マインドが非常に変わってきて、これ以上、成長が望めないならば、今のままでどう縮小していくかというような形で考えている中での男女共同参画が、これからの課題だということなんですね。
 ですから多数を占める、どのグループを見ても、女性の方が男性よりも非正規に就く割合が多いですから、ここの労働条件というのを、そういう労働者をどう位置づけるのかということと、その人たちの労働条件をちゃんと生活ができるようなレベルにまで上げていく努力をすべき時代なのではないかというふうに私は思っておりますので、苦情処理のところをぜひ、そういった就業形態の多様化に配慮して判例も含めて見ていく必要があるのではないかと思いました。
古橋会長
ありがとうございました。影響調査の方で随分やっていただきましたよね。それのフォローというような感じで、少し進めたらいいのではないですか。就業形態の多様化とその中における多様化されても、多様化の中で正規の職員との間のアンバランスがある人たちの処遇を上げるということと、その辺、佐藤委員、何か御意見あったら。
佐藤委員
それはテーマとして取り上げた方がいいだろうと思います。ですから、影響調査の方でかなりその辺、議論したので、働き方が変わってきたときに、今の制度が女性にマイナスになるようなものがかなり残っていますので、それをどうするかというようなことは考えた方がいいと思います。
大沢委員
すいません、その関連で思いついたのですが、結局はそこに行き着くと男性の働き方というところになりますので、先ほど男女共同参画で女性に関連するものは得やすいのですが、男性の働き方に影響を与えるような税制度ですとか、そういったものの情報がもしあったらいただきたいというか、教えていただければサーチいたしますが、これからのかぎは、男性の変化をどこまで進められるかなと思います。
神田委員
これからのことを考えると、先ほど鹿嶋委員が御発言になった意識の改革と慣習という、かなり基底にあるものを何とか変えていかないと問題の解決進まないと思うんです。そこら辺をどういう形で明確に出していって、それに対してどんなふうにアプローチしていったらいいのかということを確認すべきだと。アプローチについては、影響調査関係がここに入ってきたからやりやすいかなというふうに思っております。
古橋会長
意識を改革するに当たっても、論拠をちゃんとこっちが示す必要があるのですね。だから短期的に経営者は、今、安い労働力を使うかもしれないけれども、長期的に見て、それが日本経済にとってマイナスになるよということを学者の人で証明してもらわなくてはなりません。教育・訓練の問題であるとか、いろんな意識、仕事に対する情熱であるとか、そういうようなことをちゃんと、それは定性的になるのかもしれないけれども、適切に説明してくれないといけないんですよ。そこのところをどういうふうにやるかというのを、私は前から、最近における学生の職業意識の希薄化とかいろんなことを考えると、提言する必要があると考えていました。特に男性に対してもそうですよね。最近アルバイトの男性も増えてきました。そういうことの中でどういうふうに考えていくか。そこらのところは一回、経営者と労働者両方とも意識改革に対する論拠をひとつ皆さん方で、橘木委員と佐藤委員、大沢委員、神田委員と議論して、一回どういうふうに持っていったらいいか、議論していただけませんか。
坂橘木委員
それに関して教育の問題、小学校、中学校のときから、もう大人にいくら言ってもだめだというところがございますので、小学校、中学校、高校のときの教育からどういうことをやらなければいかんかというのも我々にとっては大事なのではないでしょうか。そこは文科省の仕事だから、我々が踏み込めないと言われれば……。
古橋会長
そんなことないですよ。
坂橘木委員
そんなことないですか。
古橋会長
地域において、最近は小学校、中学校の教諭を自分たちのところで採用すると、県とかそういうところじゃなくて。そのためには地域の職業の経験してきた人にいろいろ課外教育でやってもらうとか、いろんな考え方があるんですよね。職業意識というものを小さいときから養うということは私非常に大切なことだと思うし、そういうことが、今の職業意識に関係するので、そういうことも含めてやったらいいと思います。非常に大切なことだと私は思っています。
神田委員
大人も変わらないと困りますので、大人のところも取り上げていく必要があると思います。
古橋会長
大人も子どももあらゆる段階において、そういうことを認識する。しかし、認識しようといっても一般の人たちにそういうことを認識してもらうためには、こちら側から考え方というものを提示しなくちゃだめだと思います。あるいは政治家にそういう考え方をこちらから提示していかなければ世の中リードできませんから、それに対する理論武装をひとつやっていただけませんか。
神田委員
それと同時に、私、意識改革、慣習の改革というのとそれぞれの能力の開発みたいなところ、一つはっきり打ち出して、そしてこの基準にのせていくということが重要かなと。
広岡委員
少子化は非常に気になるのですけれども、例えば次世代育成支援対策推進法ができましたよね。来年の3月末に計画をみんなつくると。あれが男女共同参画とどういう影響を持つかと。計画をつくる側からすると、企業はあまり男女共同参画考えずにつくっちゃうと思うんですけれども、すごく気になるんですね。何かそういうのを取り上げてフォローできないのですか。
鹿嶋委員
あれは均等室と各都道府県の共同参画課は意外と話が通じてないんですよね。だから、そういう問題、育成支援の行動計画つくるときにどうするか、整合性がとれてないような感じがする。
大沢委員
何か熱意が感じられませんでした。
佐藤委員
次世代について、企業の関心は非常に高いと思います。均等室主催のセミナー―大沢委員も行かれたのだと思うけど―に参加する企業の数は非常に多い。断るぐらいに多い。関心は高い。鹿嶋委員が言われたように、次世代法では両立支援がメインですが、均等についての視点も大事だということを広報するかことが大事だと思います。企業の関心は非常に高いですので。
広岡委員
その関心が男女共同参画を促進する方向に向くかどうか。
佐藤委員
そういうことですね。
広岡委員
どういう効果があるか。
佐藤委員
女性が子育てしやすくなるが、従事できる仕事が補助的なものだけといった職場になるのでは困るわけです。
広岡委員
NPOと企業との連携が、この次世代育成支援でできないかと思って、NPOの側から調査してみたんだけれども、今、出たのは調査の結果、NPOだけなんですけれども、企業から一方的にこれやってくれと言われてやらされるのだと、妻がひとりで子育てするのを社会的にやってしまうのと似たようなことになってしまうのではないかということで、NPO側は非常に警戒心が強かったですね。自分たちはこういうことをやりたい、企業もこういうことをやろうというので一緒にやられるのだったら、お互いに次世代育成支援の、例えば事業所内の保育施設にするとかそういうのはできるけれども、一方的にこういうことをやってくださいというと、ちょうど妻が一方的に子育てさせられるのと同じように、NPO側が企業の男性社会の子育てを社会的にやらされるみたいなことになって、それは嫌だみたいな回答が多かったですね。企業の関心というと、そうすると不安はみんな感じると思うんです。
神田委員
その点では、次世代育成支援というのを男女共同参画の視点から見ると、こういう基準が必要なんだよみたいな、そういうことを明確にしないといけないのではないか。
広岡委員
監視ができないことになる。
神田委員
ええ。
佐藤委員
企業の関心は非常に高いのだけど、いわゆる特定事業主行動計画、これは国の府省も自治体もつくらなければいけないのですけれども、行政の方は関心が薄い。もちろん熱心なところもあるのですけれども、全体的に見ると行政の方が後れている。特定事業主行動計画は公表しなければいけないので、来年の4月以降になれば内容を検討することができます。早くつくったところは、例えば厚生労働省はホームページに掲載しているので、内容を確認できます。企業の場合は行動計画をつくったことを届け出る仕組みで、内容自体は外部に公表する必要がなく、我々として内容を検討できませんが、特定事業主行動計画は内容を検討できます。私は、府省や自治体なり行政の行動計画の立案に対して少しプッシュしてもいいのではないかという気がします。
鹿嶋委員
全国中小企業団体連合会とか連合関係、組合とかかなり関心は持っているんですよ。だから3月いっぱいに何とかするということでかなり動いてはいるんだけれど、広岡さんが言ったように、共同参画の意識がやっぱりないことはないんですよね。要するにつくらなくちゃならないと義務づけられていますから、301人以上。そっちが先行していて、その中に共同参画の意識が多少希薄なところがあるんですよ。ただ、それをつくれば、計画の中にも仕事と家庭の両立は大きなテーマだから、だから男女共同参画といえば言えないことはないのですが、基本的な考え方として理解していなくて、それをつくろうという動きがかなりいっていることは確かで、それは組合もそうですよ。
古橋会長
それは次世代の厚生労働省の中の厚生省の方に対して、旧労働省側がそれに対して基本計画の指針を出すときに、そういう指針をちゃんと男女共同参画としても入れてくださいよということを通達して入れればいい。もう入っているのですか。
佐藤委員
基本的には行動計画つくるためのガイドラインはできています。
古橋会長
その中に入ってないんですか。
佐藤委員
それ自体は入ってないです。ただし、均等室では関心を持って情報提供しています。ただ、個々の企業に対して、均等施策と両立支援の両方を同時に推進することがそんな多くはなかったんです。ですから今回、両立の方はああいう法律ができたので、併せて均等についても同時に進めることを、均等行政の中でやらなければいけないと思っています。
 私が講演などを頼まれたときは、そういう話するのですけれども、つまり女性が結婚しても子育てしやすいようにするのはすごく大事なんだけど、補助的な仕事だけに活用するような職場をつくればいいわけではないですよ、と話はするんですけれども、そういう情報提供はした方がいいと思います。
鹿嶋委員
問題は301人以上の企業で、あそこだけが義務づけられたというのは問題で……。
古橋会長
あとは努力義務だから。
鹿嶋委員
あとは努力義務ですから、かなり多いのは300人以下の事業所に女性が多いので、そっちは出さなくてもいいわけですから、そこがやっぱり抜けちゃっているんですよ。
佐藤委員
ただ、認定については300人以下の企業も対象になります。認定を取るためには中小企業も行動計画をつくることができる。ですから認定の意味を中小企業にアピールするということが大事ですね。
古橋会長
認定のメリットは何ですか。
佐藤委員
例えば求人のときに使えるとか、募集のパンフフレットに認定マークが使えます。ですから社会的に認定受けた企業を評価してあげるような仕組みをつくっていけば、認定を取った方が良いと考える企業が増え、中小企業も取得を目指すようになると思います。そうした方向での取り組みが大事だと思います。
古橋会長
ひとつ行政当局の方から、厚生労働省の両部局にその問題について、こっちも関心を持っているよということをよく伝えてください。早くやらないと。
山口委員
鹿嶋さん言われたことと同じことを申し上げようと思ったのですが、全く自治体の小さいところになると300人以下ですよ。その人たちは全然男女共同参画社会なんてわからない。だけど手遅れになっちゃうんですよ。今、県のレベルでしょう、ほとんどは、301人以上となったら。あそこは男女共同参画計画も義務になっている。義務になっているのだから、もっと次世代育成なんていうのもいろんなこと言えばいいけれども、全然それは他の局のやることになっちゃっているんですよ。だから、早く信号出さないと遅くなると私は思いますよ。
佐藤委員
自治体はすべてが対象です。民間企業については、厚生労働省が情報提供したりするわけですけれども、自治体については、一応ガイドラインはできているんですが、それを促進する仕組みはないと思います。
古橋会長
総務省に言って、総務省からこういう問題があるよということで出してもらったらどうですか。地方公共団体に対する指示じゃなく、情報提供、こういうことをやってもらいたいと思います。
佐藤委員
一応ガイドライン、指針のつくり方はできています
古橋会長
それでは、時間が大分迫ってまいりましたので、資料3の関係につきましてはここまでの議論にさせていただきまして、いろいろと御意見は参考にさせていただきたいと思います。
 続きまして、議事次第5の「施策についての苦情の処理状況について」、資料4に基づいて事務局から説明をお願いします。
松原調査官
資料4-1及び4-2に基づきまして、最近の苦情の処理に関する施策の対応状況を御説明申し上げます。
 まず資料4-1でございますけれども、先ほど説明いたしましたけれども、男女共同参画会議決定におきましては、苦情の内容等につきまして定期的に把握することが必要である旨の決定が行われております。この決定を踏まえまして、昨年度分の苦情の内容等につきまして、調査したものが資料4-1でございます。こちらの方の対象とする機関等は、先ほどの男女共同参画会議決定でこのような文言が書いてあるのですが、行政相談制度、各府省の行政相談窓口、都道府県政令市の苦情処理機関に寄せられた苦情を対象としております。
 それから、対象とする苦情についてですけれども、これは苦情の定義ということで、今までと同様でございます。
 (2)期間でございますけれども、一応私どもの調査といたしましては、15年度中に受け付け処理を行ったもの、それから、平成14年以前に受け付けて15年度中に処理を行ったもの、14年度以前あるいは15年度中に受け付けたが未処理のものということで出していただいております。ただ、一部の省庁におきましては非常に膨大であって十分な把握はできていないということで、特定の機関、特定の施策についてのみの苦情を回答してきております。
 3の把握した内容でございますけれども、受付の年月日、申出者、この申出者というのは氏名という意味ではございませんで、個人や団体の別、あるいは個人にあっては性別ということ。それから、男女共同参画基本計画の重点目標のどの目標に該当するかということ。それから、主な内容、処理をしたものについては年月日(未処理だったら未処理である旨)、その結果、施策への反映状況ということでございました。
 それから、その他のところにございますが、先ほど御質問がございましたけれども、この調査に合わせまして苦情の処理の体制についても調査を行っておりまして、これについては既に8月に公表した「地方公共団体における男女共同参画社会の形成又は女性に関する施策の推進状況」の調べの中で発表しております。これの抜粋を今お配りしております。
 1枚おめくりいただきまして、こちらの方が国の制度、行政相談制度ですとか、あるいは各府省の苦情処理の窓口に寄せられた苦情ということでございます。それが4ページ続いておりまして、2枚おめくりいただきますと、今度は地方公共団体の苦情処理窓口に寄せられた苦情ということになっております。全体的に先ほどちょっと申し上げたのですけれども、各府省、各団体ごとに苦情の処理の把握の仕方等が様々でございまして、必ずしも件数というのがどの程度信頼性がおけるものかどうかは定かではない部分もございますけれども、一応寄せられたものを機械的に集計いたしますと、国や地方とも区分の2で、社会制度・慣行の見直しですとか、意識の改革に関する苦情というのが多いという傾向がございます。特に夫婦別氏の話が非常に多く、これは法務省がきっちり統計をとっているということにも関係しているのかもしれません。それから、制度の運用関係で、制度そのものというよりは、運用に際して、接遇がなってないとか、そういったようなお話がかなり多く見られております。
 今のが国と地方に共通しての傾向でございますけれども、国に関しましてはそのほかに、区分の1の政策・方針決定過程への女性の参画の拡大ということで、女性の登用に向けた施策の推進が一層望まれているですとか、あるいは区分5、両立支援ということで、保育サービスですとか、育児休業等の制度の充実がもっと必要だということ、あるいは区分7、女性に対するあらゆる暴力の根絶ということでDVの関係が主でございますけれども、そういった御指摘が多いようでございます。
 一方、地方において独特なものとしては、区分10の教育の分野でございまして、学校の共学化ですとか、教員の採用等の話が散見されております。
 それから、ここでは本来の男女共同参画会議の意見決定の概要、中には触れられておりませんけれども、一応参考までに手元にありました国政モニターということで、国政モニターの数値も一応参考までに併せて記載させていただいております。
 それから、資料4-2でございますけれども、先ほど説明いたしましたけれども、男女共同参画会議の決定において、現行の苦情処理制度を十分に活用するということはあるのだけれども、苦情の処理に当たる担当職員の資質の向上がやはり重要になるというようなお話がございましたので、私どもと致しましては、初めてですけれども、専ら苦情処理を対象とした研修を今年度10月7、8日に行って、結果を20日にまとめたものでございます。
 昨年度も実は都道府県、政令市の課長クラスの職員に対し苦情処理の主として制度面について研修を行ったところでございますが、今年度初めて苦情処理を専ら対象としたような研修を行ったところでございます。この研修におきましては、地方公共団体、都道府県や政令市、それから都道府県から特に推薦があった市の職員のほかにそれぞれ各ブロックごとに中核的な役割を果たしていらっしゃる行政相談員、人権擁護委員の方もお招きする形で研修に参加いただいております。その日程及びプログラムは概要のところにございます。
 1日目は、基本的な知見をお示しさせていただくということで、「苦情の処理とは」ということで苦情処理のガイドブックに基づいた御説明ですとか、あるいは基本法について、最近の男女共同参画に関する状況の調査も併せて御紹介しております。それから、「相談援助技術」関係については、東京フェミニストセラピィセンターの所長にお願いして、その心構えや技術についての御説明をいただいております。それから、総務省からは「行政相談制度について」、法務省からは「人権擁護制度について」、御説明いただいております。
 一方、2日目は、何かテーマを決めてやや高度な内容で講義やディスカッションしていただこうということで、冒頭に兵庫県さんの方から、「教員の採用における男女のバランス」ということで兵庫県の事例を紹介いただきまして、このような採用関係ですとか、雇用関係の最近の動きとして、内閣府からは「女性国家公務員の採用・登用の拡大等について」の決定について経緯や内容についての説明を、厚生労働省からは「雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保について」と題して、各労働局における活動ですとか、最近報告が出されました均等研の報告についての説明を行いました。また、内閣府からは「ポジティブ・アクション研究会における検討状況」についても説明しております。
 その後、各グループでディスカッションしていただいて報告するという形になっています。現在アンケートの結果をまとめているところですけれども、こういった形では初めての研修でございましたので、非常に難しかったという意見もあれば、非常に役に立ったという意見もありまして、各苦情の処理に当たっている担当の職員の方の知識や技能は様々であるなということが改めて感じられた次第でございます。
 以上でございます。
古橋会長
ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問がございましたらどうぞ。
山口委員
ちょっと伺いますが、よろしいですか。
古橋会長
はい、どうぞ。
山口委員
第1日目の総務省とか法務省はちゃんとこういう制度の中で、男女共同参画社会という観点からというのをかなり強調してお話になったみたいですが、どこの課がおやりになったのですか。
松原調査官
総務省は行政評価局行政相談課です。法務省の方が人権擁護局調査救済課です。
山口委員
調査救済課というんですか。そういうのがあるんですか。
松原調査官
はい。
山口委員
ありがとうございました。
古橋会長
ほかに何かございませんか。鹿嶋委員、先ほどの御意見との関係で、今、コメントあれば。
鹿嶋委員
いや、特にありません。
山口委員
男女別ではどうだったんですか、参加者は。さっきから先生がおっしゃっていたと思うけど、参加した方たち、69。大体でいいですよ、正確に言わなくて、男性が多かったとか、女性が少なかったとか。
松原調査官
半々くらいですね。
山口委員
じゃあ、合格ですね。
古橋会長
よろしゅうございますか。
 それでは、続きまして、議事次第6の「平成17年度男女共同参画推進関係予算概算要求について」、事務局から説明をお願いします。
松原調査官
資料5についてでございます。1枚おめくりいただきますと、10月7日に第15回の男女共同参画会議で配布された資料でございまして、まず総括表の3ページ目のところでございますけれども、合計欄にございますとおり、括弧なしの数字は一般会計で3兆1,576億円、丸括弧囲みの数字は特別会計分で7兆4,703億円、二重括弧囲みの数字は財政投融資分で3億円ということになっておりまして、合計いたしますと、10兆6,282億円という形になっております。9兆9,204億円というのが昨年度の当初予算でございましたので、7,078億円の増額という形になっております。
 増額の主な要因でございますが、欄外に(注3)、(注4)がございまして、一般会計については重点目標の6の高齢者等が安心して暮らせる条件の整備の中の、「高齢者が安心して暮らせる介護体制の構築」の増額分2,889億円というのが主要な部分を占めておりまして、そのさらに内訳を申しますと、介護給付費の国庫負担金が1,740億円、地域介護・福祉空間整備等交付金というのが1,090億円の増額というふうになっております。
 一方、特別会計、(注4)につきましても、やはり重点目標6の高齢者等が安心して暮らせる条件の整備の中の(2)の「高齢期の所得保障」の増額分ということで3,396億円というのが主要な分野を占めており、その内訳が国民年金の国庫負担が1,997億円。厚生年金国庫負担分が1,398億円の増額という形になっておりまして、どちらかというと、高齢者の増に伴う自然増というように承知いたしております。
 1枚おめくりいただきますと、先ほどは増額分についてでしたけれども、これは総額分の主な内訳でございます。やはり総額ベースで見ましても、重点目標の6の高齢者等が安心して暮らせる条件の整備ということが合計で8兆9,547億円ということで、予算総額の約8割を占めております。
 2番目に多い予算額ですけれども、重点目標5の男女の職業生活と家庭・地域生活の両立支援ということでございまして、一般会計と特別会計を合わせた予算額が1兆4,334億円、予算総額の約14%を占めるという形になっておりまして、そのうち一般会計分の増額の6,000億円というのはほとんど多様なライフスタイルに対応した子育て支援策の充実ということで、具体的には保育所運営費の国庫負担金、母子家庭等対策費の増額によるということになっております。
 細かい数字が後の分野別の内訳表がございますので、後ほど御覧いただけたらというふうに思っております。
 それから、中仕切りの紙がございまして、16年の10月5日に、私どもの方が開催いたしております都道府県・政令指定都市の主管課長会議で配布されました各省の予算のPR資料が付いてございます。
 こちらの方も後でお読みいただけたらと思いますが、最初に法務省の関係、次に文部科学省の関係が続いております。文部科学省は特に別紙に「女性のキャリア形成支援プラン」と「女性の上へのチャレンジ支援事業」というポンチ絵を付けて御説明いただいております。
 それから、その次が厚生労働省関係の予算でございまして、「雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」の関係、、「男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援」の関係、「高齢者等」の関係、「暴力」の関係ということで説明いただいております。福祉関係の部分が現在地方六団体から一般財源化の要望が出ておりますので、予算の編成過程において変更があり得る旨の注釈がございました。別紙では、地方自治体の積極的な取組の推進という予算の紹介がありました。
 その次には農林水産省関係の予算ということでございまして、それぞれ「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」、「経済的地位の向上と就業条件・環境の整備、「女性が住みやすく活動しやすい環境づくり」高齢者の関係、健康の保持の関係、WID/ジェンダー施策の推進の関係でまとめて紹介いただいております。
 最後に経済産業省の関係のPR資料が付いておりまして、「雇用の分野における男女の均等な機会と待遇の確保」、「男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援」ということで事業の紹介がございました。
 事務局の方からは以上でございます。
古橋会長
ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、どうぞ、御意見、御質問がありましたら、まだ15分程度ございますから、どうぞ。これについて事務局は、一応これを見て、何かこういう点が不足しているとか、こういう点はもう少し発表の仕方を考えたらいいんじゃないかというような点について何かありますか。あるいはこれを見て、これから年度末予算までについてどうしたらいいかということをどういうふうに考えておられますか。
松原調査官
ちょうど国の全体の予算の関係もございますけれども、事務局といたしましては、額的にいいますと、例えば高齢者の関係の予算は非常に多く出ておりまして、全体としたときに傾向がちょっと読みにくい形で整理しておりますので、これは今後の整理上の課題だというふうに私どもも思っております。
古橋会長
要するに予算の事増加について分析するときには、自然増的な経費を外すということは当然私はやるべきだと思います。それから、そのほかに男女共同参画の視点から予算を分析することはまだやっていない。お宅は調整官庁なんですけれども、この予算について、私どもが意見言わなくてはいけないのだけれども、事前にこれを見て、いい点は、こういう点はよく進んだとか、こういう点は悪いとかという評価は事務局としてはまだやっていないのではないですか。
名取局長
お恥ずかしい話ですが、こういう形で一般会計、特別会計、財投も組み込んだ形できちんと取りまとめましたのがことしの1月、初めてでございまして、それで今回、概算要求時点において取りまとめさせていただいたというふうなことで、ようやっとその辺は緒についたのかなと思っております。
古橋会長
監視というときにはいろんな監視の仕方が予算調整という問題もあるし、機構とか人員による調整もあるし、法律・立法の場合における調整というのもあるのですけれども、この予算調整というのは非常に大きなウエイトを占めているので、この予算を見て、ある程度、事務的にはこういう点は各省において進みましたというような報告ができるような評価をしておいていただけると大変私もありがたいし、こういう点が今まで参画会議でこういう点は言われたけれども、この点がちょっと進んでいませんよという予算要求における要求の評価が必要です。
 そして、その後、我々はこれを見た上で、参画会議で概算閣議決定前に一回意見を言うか、言わないかと。これが非常に大きな問題なんですね。それは予算要求に対する私どもの意見の表明。
 これについて、皆さん方は何か御意見あれば。
大沢委員
これは単年度、1年だけの情報、ちょっと時系列的に予算の配分の……。
名取局長
これからはできると思うんですけど、先ほど申しましたように、こういうふうにきちんとした形でつくりましたのは今回が初めてです。これは御承知のとおり、基本計画に沿った形でございますので、また、次の基本計画の方でどういうふうに策定していただくかによってもまた変わってくると思いますが、17年度末まではこれでいくということです。
古橋会長
介護保険なんかのところでも、制度の改正によっての部分はちゃんとわかるようにしないといけない。政策の変更によるようなもの。自然増なんかはそれは外していいんだけど、政策増と当然増と両方あるわけだから、そこのところの分析をちゃんとしてもらった上で評価をするということだと思うんですね。予算当局は当然そういうことをやりますよ。山口委員、何かありませんか。
山口委員
ずっと私どもも40年以上、毎年婦人関係予算を聞く会という形、今やっておりますけれども、今、おっしゃったとおり、高齢者の福祉、高齢者関係というのはたまたま外していますけれども、あれを入れると本当にわかりにくいですね。高齢者関係でも、それと高齢者と女性というところで出てくれば、どのくらいお金がかかっているかなというのはわかりますし。
古橋会長
高齢者も対象が女性という場合、どういうふうに考えますか。
山口委員
そういうふうに取り出さないとわかりにくいのではないかと思いますけれども、今、担当官おっしゃったとおり、それは明確にこれからしていきたいですね。
松原調査官
もともと高齢者に女性が多いということや、高齢者の介護は女性が担っているということで介護保険なども取り上げられています。
大沢委員
よくわからないのですが、離婚世帯、今、離婚率が増えていて、父子世帯とか、母子世帯の生活状況というのはかなり気をつけて見ていかなければいけないのではないか。貧困層がシングルペアレント世帯にこれから、今も移っているかもしれませんが、そういったところでの支援に対して均等政策と同時に、家庭が崩壊しているかどうかわかりませんけど、片親世帯の経済状況について、今後もっと深刻になる可能性があると思いますので、少しその点についての予算とか、今から見ていく必要があるかなというふうに思いました。少し、私パラパラと見たときに項目の中にあったようにも思ったんですが、もし、そういった点について教えていただけたら、これからこの会議の中で見ていく必要かあるかなと思いました。
古橋会長
生活保護世帯の中における父子世帯とか母子世帯の割合というのは、これは生活保護は入ってないですね。
松原調査官
生活保護は入っていないですね。
古橋会長
別途、別の形で生活保護世帯のあと、父子世帯とか母子世帯対策予算が出てくるとすればどういう風に区分しているのですか。
松原調査官
厚生労働省関係の4ページのところが「母子家庭等の自立支援対策の推進」ということでございまして、最近は特に自立を支援する観点が重要だということで、就業の支援について総合的な対策を請ける、特別な法律ができ、計画の策定が行われております。また、児童扶養手当の男性側に稼得能力がない場合に手当を支給するという制度がございます。さらに、母子寡婦福祉貸付金として、母子家庭等が様々な起業を行ったりですとか、あるいは子どもを進学させたりする際に資金を低利で貸し付けるという制度がございます。
古橋会長
それは入っているんですね、この中に。
松原調査官
それは入っています。
古橋会長
従来、去年までこの予算の説明を行ったけど、そのときは、各省が勝手につくっていたもので書いていたんでしたか。
松原調査官
有識者会合で各省がPR資料を持ち込んで御説明した後、質疑応答が行われたというふうに。
古橋会長
そのときの予算分類はどうなっていますか。
名取局長
計画に沿った形で。
古橋会長
計画に沿った形で一応行ってきたわけでしょう。
名取局長
はい、行ってきています。
古橋会長
だから、15年度もわかることはわかる、時系列で。
古橋会長
苦情処理・監視専門調査会で予算のことを2~3回ヒアリングを、あれはどこでやったんですか。有識者会議でやったのですか。
松原調査官
だと思います。
名取局長
去年の秋ですね。
古橋会長
その前に苦情処理・監視専門調査会でやらなかったのですか。
松原調査官
それはなかったと思うのですけれども。
古橋会長
予算というのは、これですべての政策が金銭的にわかるものは全部出てきますから、本当はこれが最大の資料だと思うんです。だから、皆さん方が、初めて資料をいただく方はこれを見ていただいて、疑問点があり、あるいはこういう点をやった方がいいということがあれば、ちょっと事務局の方へいただいて、こういう意見があったということを関係各省に通知するというふうにしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。よろしいでしょうか、この問題は。
 それでは、時間が参りましたので、最後に事務局から何か連絡事項ありますか。
松原調査官
先ほど議事運営規則でお決めいただきましたとおり、議事要旨につきましては、事務局の方で策定いたしまして、会長と御相談した上で、名前のないものをできるだけ速やかに公表するという取扱いにしたいと思っております。議事録の方につきましては、同じく運営規則にございますとおり、事務方で確定いたしまして、皆様に御一読いただいた後に公表するという形になります。
 以上でございます。
古橋会長
それは名前が出るんですね。
松原調査官
議事録の方は名前が出ます。
古橋会長
よろしゅうございますか。
 それでは、これで監視・影響専門調査会の第1回会合を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

(以上)