男女共同参画会議(第36回)終了後記者会見要旨

日時:平成22年11月22日(月)19:15~19:27
場所:内閣府本府庁舎1階 記者会見室

1.岡崎大臣発言要旨

ただいまから記者会見を始めます。

先ほど、第36回の男女共同参画会議を開いてまいりました。本日の議題は、第3次男女共同参画基本計画案についてです。本年7月の「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」の男女共同参画会議答申を踏まえまして、現在、12月の閣議決定に向けて基本計画を策定しているところでございますが、現時点の案につきまして参画会議の議員の皆様に御議論をいただいたところでございます。

初めに、計画案の概要について末松副大臣の方から説明をいたしました。

今回の計画案の特徴は、次のとおりでございます。

重点分野として15分野を設定しまして、経済社会情勢の変化等に対応して、幾つかの重点分野を新設いたしました。第3分野の「男性、子どもにとっての男女共同参画」、第7分野の「貧困など生活上の困難に直面する男女への支援」、第8分野の「高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備」、第12分野の「科学技術・学術分野における男女共同参画」、そして第14分野の「地域、防災・環境その他の分野における男女共同参画の推進」。これらが新しい重点分野でございます。

実効性のあるアクション・プランとするためにも、それぞれの重点分野では「成果目標」を設定いたしました。

また、2020年に指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度にする目標を持っており、その取組として、政治分野あるいは司法分野について、今回初めて女性の参画拡大を働きかけることを記載いたしました。

それから、女性の活躍による経済社会の活性化や「M字カーブ問題」の解消の強調、つまり女性の働き方が、若いときから働き始めて、結婚をして、子どもを産むときに、これは一旦、育児休業を取りながら辞めてしまっている。30歳代に非常に多いということで、底のところになって、またもう一回働き始めるということで、M字カーブと言っておりますけれども、こうした問題の解消を強調したところでございました。

以上の4点でございます。

そして、有識者各議員の皆様から御意見をいただきました。いくつか紹介します。

まず勝間議員の方からは、男女共同参画といいますと女性たちの問題かなと思いがちかもしれませんけれども、実は男性にとっても女性にとっても、生き生きと暮らせて、働くことができて、そして子育てに関わっていくというようなことを考えているわけですので、これは男性のためでもありますということを言ってほしいということでした。また、この基本計画が女性優遇のためではなくて、日本の競争力での強化に資するものである。このことを強調してほしいという御意見でございました。

勝俣議員からは、数値目標に強制力はあるのか、達成のための手段はあるのかという質問でございましたが、これは政府が取組みを行っていく際の成果として目指すものでありまして、強制力はありません。

岩田議員からは、社会制度を男性片働き社会の現状から、共働きが当たり前の社会となるように変えるために政治的なリーダーシップが必要であり、現政権においてこの点に期待をしているということでございました。

加藤議員からは、現在の自治会の役員の皆さんたちには、成果目標がありますけれども、PTAを担っているのは女性が非常に多い。だとすると、このPTA役員についても成果目標というふうにすべきではないか。

こういう御意見をいただきました。

それから、仙谷官房長官にも勿論出席をいただいたわけですけれども、本日いただきました御意見を踏まえまして、各省大臣におかれてはこの計画をより実効性のあるものとするために積極的に取り組んでいただくよう、議長として私の方からも要請するということで発言がございましたが、女性に活躍していただくことが日本の活力のために必要であるということを強調され、各閣僚にこの取組みについてお願いをしたいということの発言がございました。

以上のようなことの内容でございました。

2. 質疑応答

※回答について、○:岡崎大臣、●:内閣府男女共同参画局長

(問)
この基本計画を基に男女社会がどう変わってほしいかという岡崎大臣のコメントをいただきたいということと、あと、これの今後のスケジュールをもう一度確認させていただけますか。12月中に閣議決定ということなんですが。
(答○)

この第3次の基本計画を示すということによって、これまで10年間、男女共同参画社会基本法ができましてから基本計画を5年ごとに改正してやってまいりましたが、なぜこの分野が進んでいなかったのかというようなことについて、しっかりと見直して検討をしていくというようなことですから、具体的に進んでいくだろうと思っております。

そして、男女共同参画といいますと、先ほどの勝間議員の話でもありましたように、どうも女性だけのものというふうに思いがちですけれども、これは男性にとっても女性にとっても、生きやすい、しかも働きやすい、ともに生きていくという、そのことを実現していくためのものです。そして、そういうことを具体的にしていくために新たに重点分野を設けたわけですけれども、男性にとっても子どもにとっても、男女共同参画はとても大事なんだ。

それから、貧困という問題が今、大変な大きな問題ですけれども、生活上の困難にぶち当たっている、直面する男女に対しても支援を具体的にしていきましょう。あるいは高齢者・障害者・外国人の人たちについての、暮らせる側の環境の整備ですから、これまでなかった新分野について、また現在の大変厳しい問題についてきちんと具体的にこうした計画を進めていくことが、やはり本当に男性にとっても女性にとっても、生きやすい、働きやすい、そういう社会を具体的につくっていくことができるであろうと考えております。

スケジュールにつきましては、12月中に閣議決定をしていくわけなんですけれども、現在12月の閣議決定に向けて基本計画を作成しているところでございますが、この閣議決定に向けて今日も御意見をいただきました。12月中に閣議決定をするために、また議論を続けていく。そして、それは政府の中での十分な浸透を図っていかなければなりませんので、その議論がまだまだ不十分な点もありますので、政府や、あるいは各省庁の方にも徹底してやっていってほしいという官房長官のお話もございましたので、そうしたことが閣議決定までになされていくというふうに考えております。

(問)
これは最終案ということでよろしかったでしょうか。
(答○)

現時点での案です。それで、まだ変えることができるんです。先ほどPTAの成果目標とかという話もありましたけれども、そういうことの御意見をいただいて、まだ変更の余地がございます。最終調整をして、閣議決定に持っていく。政府の中、あるいは各省庁に対しても、これを徹底してやっていってほしいという今日の依頼でございました。

(問)
その最終調整について関連で御質問なんですが、この後、また閣議決定の前に会議をもう一度して、最終案を決定すると。
(答○)
男女共同参画の会議はありますね。
(答●)
はい。もう一度、諮問・答申という手続がございます。
(問)
それでは、それをまた12月中に会議を開いて、答申を総理に提出するという手続は閣議決定前に完了する。
(答○)
はい、そうです。
(問)

まだ中身を詳細に拝見していないもので恐縮なんですけれども、7月に受けた答申から、基本的な考え方から、この今回出された基本計画(案)になるときに、答申の出されたものから大幅に変更したものとか、抜いたものと言ったらあれですけれども、そういったものは何か変更点などはございますでしょうか。

(答○)
大幅に変更したものはなかったと思います。
(問)
基本的にはそのままということですね。
(答○)
はい。基本的にはそうです。

(了)