男女共同参画会議(第26回)議事要旨

(開催要領)

  1. 開催日時:平成19年5月24日(水)17:00~17:45
  2. 場所:総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員:
 
安部 晋三 内閣総理大臣
議長
塩崎 恭久 内閣官房長官
議員
高市 早苗 少子化・男女共同参画担当大臣
菅 義偉 総務大臣(代理:大野松茂総務副大臣)
麻生 太郎 外務大臣(代理:岩屋毅外務副大臣)
尾身 幸次 財務大臣
伊吹 文明 文部科学大臣(代理:池坊保子文部科学副大臣)
松岡 利勝 農林水産大臣(代理:山本拓農林水産副大臣)
甘利  明 経済産業大臣(代理:渡辺博道経済産業副大臣)
冬柴 鐵三 国土交通大臣
若林 正俊 環境大臣(代理:土屋品子環境副大臣)
溝手 顕正 国家公安委員会委員長
岩田 喜美枝 株式会社資生堂取締役執行役員常務
植本 眞砂子 日本労働組合総連合会副会長
内永 ゆか子 日本アイ・ビー・エム株式会社技術顧問
鹿島 敬 実践女子大学教授
勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役社長
加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
神津 カンナ 作家
佐藤 博樹 東京大学教授
袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
橘木 俊詔 京都大学教授
谷本 正憲 石川県知事
出席者
久間 章生 防衛大臣(代理:木村隆秀防衛副大臣)

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)政府が実施する施策の監視・影響調査について(多様な選択を可能にする能力開発・生涯学習施策について)
    • (2)仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会の審議状況について
    • (3)配偶者暴力防止法の施行状況等について
    • (4)各専門調査会の今後の調査の進め方について
    • (5)その他
  3. 閉会

    ○ 安倍内閣総理大臣よりあいさつがあり、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現が、男性にとっても女性にとっても重要であるとの考えが示された。また、男女が仕事と生活の調和を実現し、様々な分野で意欲と能力を十分に発揮することができる社会を実現していく上で、男女共同参画会議は重要な役割を果たしている旨が述べられた。

    (1)政府が実施する施策の監視・影響調査について

    鹿嶋議員より、監視・影響調査専門調査会が平成19年3月に取りまとめた報告書について、資料1-1に基づいて説明があり、続いて各議員間での意見交換があった。

    (橘木議員)

    女性が高校、大学等の早い段階で将来の就業に役立つ専攻科目を勉強するように教育する必要がある。そうすれば、就業に役立つし、たとえ就業後に出産・育児による中断があっても復帰しやすい。また、女性の能力開発には男性の意識改革が必要であり、小中学校、高校の段階から男女共同参画社会の意義を教えることから始めなければならない。女性の就業意欲を高めるためには、男性と比較して差別がないよう、同一労働・同一賃金の原則に近づくような政策を取り、能力開発・職業訓練について公的部門が前面に出ることが必要。

    (神津議員)

    食の安全や食育の観点から農業への参加意欲を持つ女性が増えている。このような意識の人々の参加を促進させる工夫がほしい。

    意見交換の後、男女共同参画会議として、資料1-3のとおり内閣総理大臣及び関係各大臣に対して意見を述べることを決定した。

    (2)仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会の審議状況について

    仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会の中間報告について、佐藤議員から説明があった。その後、各議員より以下のような意見が述べられた。

    (植本議員)

    社会全体の持続可能性を維持するためには働き方の改革が必要で、人間を尊重した労働つまりディーセント・ワークが保障されること、従来の男性働き方モデルから脱却することが重要。ワーク・ライフ・バランスを推進する枠組みについては、個々の政策だけではなく、複合的な政策パッケージが必要であり、実現に向けて社会基盤づくりが大変重要である。総合的な政策が実施できるよう、担当大臣の推進力に期待する。

    (谷本議員)

    ワーク・ライフ・バランスの推進が社会的評価につながる環境作りのために、次世代育成支援対策推進法により策定が義務付けられている一般事業主行動計画を公表することで、企業間の競争意識を生み出し、有言実行の意識を持たせることが有効である。また中小企業にも行動計画を策定させるために、行政の後押しや経済団体の指導的役割が求められる。

    (岩田議員)

    中間報告は、企業のマネジメント改革にまで踏み込んだ提言をしており、最も先進的な報告書であると評価したい。ワーク・ライフ・バランスは全ての世代の男女の問題だが、女性の仕事と子育ての両立の問題に矮小化されがちである。企業から見れば、社員の心身の健康管理や、社外活動や自己啓発を通じた新しい価値創造力を生み出す時間の確保といった人材育成など、女性を中心とした人材確保以外にも取り組むニーズがあるということを強調する必要がある。

    (加藤議員)

    まちづくりや防災等の分野は高齢者や女性が担い手となっている。安全でより豊かな持続可能な地域社会の形成には男性の参加が必要である。また、教育や子育ての問題にも父親の参加が不可欠である。そのためにもワーク・ライフ・バランスが必要である。ワーク・ライフ・バランスの進展により、女性の社会進出が進むと、今までの男性中心の働き方が変わり、更にワーク・ライフ・バランスが進展するという好循環が生まれ、日本社会全体に好影響をもたらす。また、長時間労働の是正のため、法律による規制をも含めた実効性のある政策を求めたい。

    以上の意見交換を受け、塩崎官房長官より、政府としてワーク・ライフ・バランスの実現に向けて施策を推進し、また、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)専門調査会に対しては、夏頃を目途に報告をまとめるよう求める旨の発言があった。

    (3)配偶者暴力防止法の施行状況等について

    配偶者暴力防止法の施行状況等について、資料3に基づき、高市男女共同参画担当大臣が説明を行い、施策の一層の推進のため関係府省に協力を呼びかけた。

    (4)各専門調査会の今後の調査の進め方について

    基本問題専門調査会について同専門調査会会長の袖井議員より、次いで監視・影響調査専門調査会について同専門調査会会長の鹿嶋議員より、今後の調査の進め方について説明があり、そのとおり進めていくことが決定された。

    (5)その他

    最後に、木村防衛副大臣より、防衛省における男女共同参画への取組について報告があった。

    (以上)