男女共同参画会議(第22回)議事要旨

(開催要領)

  1. 開催日時:平成18年3月8日(水)17:15~18:00
  2. 場所:総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員:
     
    小泉 純一郎 内閣総理大臣
    議長
    安倍 晋三 内閣官房長官
    議員
    猪口 邦子 少子化・男女共同参画担当大臣
    杉浦 正健 法務大臣
    麻生 太郎 外務大臣(代理:塩崎外務副大臣)
    谷垣 禎一 財務大臣(代理:赤羽財務副大臣)
    小坂 憲次 文部科学大臣(代理:馳文部科学副大臣)
    川崎 二郎 厚生労働大臣(代理:中野厚生労働副大臣)
    中川 昭一 農林水産大臣(代理:三浦農林水産副大臣)
    二階 俊博 経済産業大臣(代理:松経済産業副大臣)
    北側 一雄 国土交通大臣(代理:松村国土交通副大臣)
    小池 百合子 環境大臣(代理:江田環境副大臣)
    沓掛 哲男 国家公安委員会委員長
    大橋 光博 西京銀行頭取
    鹿島 敬 実践女子大学教授
    住田 裕子 弁護士、獨協大学特任教授
    袖井 孝子 お茶の水女子大学名誉教授
    橘木 俊詔 京都大学教授
    林  誠子 日本労働組合総連合会参与
    八代 尚宏 国際基督教大学客員教授
    山口 みつ子 財団法人市川房枝記念会常務理事
    出席者
    額賀 福志郎 防衛庁長官(代理:今津防衛庁副長官)
     
    岩男 壽美子 少子化と男女共同参画に関する専門調査会会長代理

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)国の審議会等における女性委員の割合の新たな目標設定に関する検討状況について
    • (2)少子化と男女共同参画に関する提案について
  3. 閉会

    ○ 国の審議会等における女性委員の割合の新たな目標設定に関する検討状況について
    基本問題専門調査会における現在の検討状況について、猪口男女共同参画担当大臣から報告があった。

    ○ 少子化と男女共同参画に関する提案について
    橘木議員から資料2-1に基づき報告があった。
    続いて、岩男専門調査会会長代理から、提案の趣旨について発言があった。

    以下、資料2-1に基づき、意見交換が行われた。

    (八代議員)

    男女共同参画、少子化対策が進まない最大の理由は、日本的雇用慣行にある。すべての人を対象としたワーク・ライフ・バランスの推進という観点から労働市場の規制改革を更に進める必要があるのではないか。女性の就業機会の拡大と、安心して子育てを行えるような社会をつくることが、この2つの問題を解決するための基本。

    (大橋議員)

    女性を増やすと企業にとっては成績が悪くなるという非常に大きな誤解がある。資料 2-3の5ページの表では、女性を活用すると企業の経営はよくなるということが非常にわかりやすく示されている。また、昨年12月の経団連の報告でも「ワーク・ライフ・バランスの考え方を企業戦略の一環として組み入れることが、長期的に見て、高い創造力をもつ人材を育成し、競争力の高い企業の基盤をつくることになる」とされている。

    (林議員)

    今回の提案のように、働き方の見直しは、基本的に全労働者を対象にするべきという考え方は非常に重要。ただし、提案の書きぶりは、正社員を中心としているように受けとられる恐れがある。あわせてパートタイム労働者と正社員との均衡処遇、そして仕事の価値に応じた処遇の法的整備についても検討をお願いしたい。

    (鹿嶋議員)

    未婚者と結婚した人への支援が異なるわけではなく、仕事と生活の調和が可能な雇用環境の改善などは、共通の対策として考えるべき。職場の内外で、仕事以外の人的ネットワークを持つ機会が必要であり、基本的な社会的支援としては仕事以外の時間を持つことができるような環境を整備する必要がある。また、仕事と生活が両立できるような環境を整えることで、間接的な晩婚化対策にもなる。

    (住田議員)

    第一子出産の際に約7割の女性が仕事を辞めている中で、意欲と能力を持つ女性が再就業したいということに対して、十分に応えられるような政策が大事。特に企業側の年齢制限をなくすことと、女性が育児期に再就職しようとするときに様々なリカレント教育が受けられるような場の拡充が必要。
    子育て支援については、待機児童ゼロ作戦をさらに進めていただきたい。また、共働き、専業主婦に限らず、子育てに対しての不安の相談等を充実していただきたい。

    (山口議員)

    第2次男女共同参画基本計画では男性の参画というのを呼び掛けているのが特色。例えば、男性保育士の割合は、わずか1.3%と非常に低い。実際に働いている男性は大変評判が良いので、男性保育士の増加を奨励したい。  また、NPOなどの市民活動団体でも女性が多く、男性の地域活動促進は必要。団塊の世代の男性にも、男女共同参画の視点を理解し、活躍していただきたい。

    (袖井議員)

    子育て費用の軽減が必要。ただ、経済的支援が、「子育ては家庭で母親だけが担うもの」という方向性をとらないよう配慮すべき。また、出産・子育てによって女性のキャリアが中断されたり、そのために生涯賃金が低下することのないよう、就業継続、再就職のための支援策が必要。さらに、出産、子育てによる機会費用という観点から、税や社会保障制度上の配慮ということも是非考慮していただきたい。また、高等教育に対する奨学金の拡充等も是非お願いしたい。

    (馳文部科学副大臣)

    子どもが欲しいと思っても教育費がかかるという意見が大変多い。文部科学省としては就園奨励費補助金や私学助成奨学金事業などを拡充しているが、より一層検討していかなければいけない課題。また、公教育の充実も必要ではないか。

    ○ 意見交換終了後、小泉内閣総理大臣から、男女共同参画と少子化対策は関連があり、男女がともに働くことができ、かつ、子どもを見守っていく社会をつくるため、良い案を考えていただきたい旨、挨拶があった。

    ○ 続いて、安倍内閣官房長官から、第2次男女共同参画基本計画においても、仕事と家庭の両立支援策の推進等は、重点事項の一つに位置づけられており、同基本計画の実施に積極的に取り組んでいただきたい旨、発言があった。

    ○ 最後に、猪口少子化・男女共同参画担当大臣から、少子化と男女共同参画に関する専門調査会において、引き続き検討を行うこととする旨の発言があった。

    (以上)