男女共同参画会議(第37回)議事録

【開催要領】

  1. 開催日時: 平成22年12月17日(金) 9:41~9:57
  2. 場所: 総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員
     
    菅 直人 内閣総理大臣
    議長
    仙谷 由人 内閣官房長官(兼 法務大臣)
    議員
    岡崎 トミ子 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
    国家公安委員会委員長
    片山 善博 総務大臣
    前原 誠司 外務大臣
    野田 佳彦 財務大臣
    高木 義明 文部科学大臣
    細川 律夫 厚生労働大臣
    鹿野 道彦 農林水産大臣
    大畠 章宏 経済産業大臣
    馬淵 澄夫 国土交通大臣
    松本 龍 環境大臣
    家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
    岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
    鹿嶋 敬 実践女子大学教授
    勝間 和代 経済評論家・公認会計士
    勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役会長
    佐藤 博樹 東京大学教授
    林 文子 横浜市長
    山田 昌弘 中央大学教授
    出席者
    自見 庄三郎 内閣府特命担当大臣(金融)
    玄葉 光一郎 国家戦略担当大臣
    蓮 舫 内閣府特命担当大臣(行政刷新)

【議事次第】

  1. 開会
  2. 議題
    • 男女共同参画基本計画の変更について
  3. 閉会
仙谷内閣官房長官
ただいまから「男女共同参画会議」を開催いたします。
 議事進行は、岡崎大臣にお願いいたします。どうぞ。
岡崎男女共同参画担当大臣
前回の第36回の会議の審議では、男女共同参画基本計画(案)につきまして活発に御議論をいただきました。
 本日は、菅総理より資料1のとおり、第3次男女共同参画基本計画(案)につきまして、本会議としての意見を求められておりますので、御審議のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、計画(案)につきまして末松副大臣から御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。
末松内閣府副大臣
まずもって、関係各位の皆様に感謝申し上げます。
 資料2をお開けください。私に与えられた時間は2分でございますので、簡潔に申し上げます。
 この第3次基本計画の特徴でございますけれども、4つございまして、1番目は重点分野を12分野から15分野に増やしました。
 2番目ですが、実効性のあるアクション・プランとするために、「成果目標」を82項目書いたということ。
 3番目は、女性の参画拡大のための具体的な目標を定め、取組を強化すること。
 4番目は、女性の活躍による経済社会の活性化や「M字カーブ問題」の解消を強調し、きちんと施策として述べていること。
 前回の11月22日の男女共同参画会議で示した案からの修正としては、「成果目標」を8つ追加し、具体的な施策について修正をしたほか、全体の文言修正等をいたしております。
 また、内閣府において、参考指標や用語解説を取りまとめて提示しております。
 以上でございます。
岡崎男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。それでは、御意見のある方はお願いいたします。岡本議員からどうぞ。
岡本議員
おはようございます。連合の岡本です。
 7月の答申(案)の議論の際に、この答申(案)については多くの方々からの意見を伺って、丁寧に時間をかけてつくってきましたので、是非、第3次基本計画の策定に当たってはそれを踏まえてほしいということを申し上げました。この最終の会議がいつ行われるのかなと少しやきもきはいたしましたけれども、この第3次基本計画(案)については、その答申(案)を十分に踏まえているものというふうに受け止めております。
 また、2015年以降までの成果目標も具体的に掲げられていまして、意見や提言を出していただいた多くの方々からも合格点をもらえるのではないかと思います。勿論、当然のことですけれども、これからの具体的な取組が重要でありますし、今回の進まなかった理由を5年後にもう一度書き込むことがないように、政府のリーダーシップの下に、具体的な関連施策、法律の改正や環境整備、それから各方面への指導を、よろしく、しっかりと取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。基本計画(案)の1ページ目の「第1部 基本的な方針」で掲げています、男女共同参画によって「目指すべき社会」が、一日も早く実現することを願っています。
 今日、この後、連合の男女平等推進委員会が開かれます。御存じのように、労働組合も男女共同参画がなかなか進まない分野であります。私も労働の現場で、女性たちが一層幅広く活躍ができるように、しっかりと、この第3次基本計画を周知させていただいて、また自分もきちんと取り組んでいく。そうした決意を申し上げ、発言とさせていただきます。ありがとうございました。
岡崎男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。
 それでは、佐藤議員、お願いいたします。
佐藤議員
どうもありがとうございます。
 今回の第3次基本計画は、1次も2次もそれぞれ大事だったのですが、今回はとりわけ日本の経済社会にとって非常に重要な計画だと思っています。
 幾つか理由がありますが、一つはやはりここに書かれていますように、女性の活躍の場の拡大ということが日本の経済社会の活性化に結び付く。この点が一つ挙げられます。
 御存じのように、国際的に見ますと、OECDの中で日本というものは特異な国で、女性が活躍できていない。つまり、女性の就業率は下の方から数えた方が早いぐらいですし、それだけではなく、管理職比率も、今回の数値目標に入っていますけれども、非常に低いのです。つまり、女性の学歴は高くなっているわけですが、女性の持っているポテンシャルを活かしきっていない社会であるということです。ここを変えていくということが日本の経済社会の活性化にとって非常に大事であることからも、是非、今回の計画の実現に取り組んでいただきたいと思います。そういう意味で、今回の第3次基本計画には、数値目標を書き込み、かつスケジュールも挙げてありますので、先ほど岡本議員が言われたように、この5年間、きちっと取り組んでいただきたいと思います。
 それで、女性の活躍の場の拡大の実現のためには総合的な取組が必要で、一つは仕事と生活の調和による働き方の改革、もう一つは子育て支援です。こういうものと総合的に連携して取り組んでいただければと思いますので、是非そういうふうにお願いしたいと思います。
 以上です。
岡崎男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。
 それでは、男女共同参画基本計画(案)につきまして、本年7月23日に答申しました「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」を踏まえたものとなっており、妥当である旨の答申を行うことに御異議はございませんか。

(「異議なし」と声あり)

岡崎男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。それでは、このとおり答申することといたします。
 それでは、有識者議員を代表して勝間議員と山田議員から、総理の方に答申の手交を行っていただきたいと思います。
 プレスが入りますので、少々お待ちいただきたいと思います。

(報道関係者入室)

岡崎男女共同参画担当大臣
それでは、お願いいたします。
勝間議員
よろしくお願いいたします。

(勝間議員、山田議員から内閣総理大臣へ答申を手交)

(拍手)

岡崎男女共同参画担当大臣
それでは、総理から一言お願いいたします。
菅内閣総理大臣
第3次男女共同参画基本計画について答申をいただきまして、本当にありがとうございます。
 私も、男女共同参画について、かなり古くからいろいろな機会に議論に加えさせていただいておりますけれども、課題の大きさ・幅広さというものの中で、なかなかそれが目に見える形で具体的な変化といいますか、成果をなかなか上げにくい、この日本社会のある意味でのまだまだそういうものに対する抵抗感を私なりに感じております。そういう中で、特に今回は実効性のある計画ということを重視し、そして、目標を明確に提示するということも盛り込んでいます。
 特に、先ほど佐藤先生からも指摘がありましたが、女性の就業率が低い、あるいは政治や経済やいろんな面での女性の能力は明らかに男性と同等、それ以上であるにもかかわらず、そういうところに高いレベルで参加をする方の数がどうしてもいろんな制約で達成できていない。これをどのようにして突破していくのか。幾つかの要素についても御指摘をいただきました。実は、待機児童ゼロの特命チームをつくりまして、今、実行に入っております。これなども、男女共同参画の条件整備という意味では、一つの大きな要素になろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、日本社会がややもすれば衰退に向かうのではないかという心配がある中で、逆にこの国が元気な国として回復していくには、女性の皆さんに逆に引っ張っていただく。我が家などは既にそうなってきておりますけれども、社会全体がそうなっていくことが本当に望ましいと思っておりまして、この計画を、先ほど岡本さんから言われましたように、実効性あるものにしていくために、私たち内閣としても全力を挙げることをお約束して、あいさつとさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。
岡崎男女共同参画担当大臣
ありがとうございました。
 今後も新たな基本計画につきまして、参画会議におきまして御議論・御意見をいただきながら、男女共同参画の推進に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思っておりますので、各閣僚の皆様におかれましても、どうぞ引き続き、男女共同参画の視点をそれぞれの施策に反映させるなど、取組を進めていただきますようにお願いを申し上げます。
 最後に、議長から一言お願いいたします。
仙谷内閣官房長官
大変な御尽力をいただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 昨日、エコノミスト誌主催のシンポジウムがございまして、呼ばれてお話をしましたが、そこでは、「日本の現役の労働力人口が減ってくる中で、当然のことながら名目成長率あるいは名目GDPが落ちてくるのではないか、先行きは暗いのではないか」という問題意識がぶつけられました。
 私は、昨日、来年度予算編成の基本方針や税制改正大綱を決めた際にも、私どもは、「成長と雇用に力点を置いて予算を組んだ。私たちが目指しているのは、アメリカやヨーロッパが現在疲弊している一因である金融資本主義的な、金融に偏った資本主義をつくろうとしているわけではない。つまり、新しい成長を目指すんだ」ということを申し上げました。
 そのために今度の税制でも「新しい公共」というものを掲げて、市民公益税制を柱としながら、市民社会の自由で自律的で、かつ支え合う、そういう新しい公共的空間をつくるということが一つ。
 もう一つは、やはり、アジアの元気、そして、日本の女性の元気を、しっかりとこの経済社会構造の中に取り込むことができる、そういう社会をつくることができれば、必ず日本は全体としても元気になりますし、新しい成長を遂げていくであろう。そういうことを昨日も述べたわけであります。
 私は、やはり日本は、先ほど佐藤議員もおっしゃられたように、女性のポテンシャルをうまく活用できていない、取り込めていないということが、男性の方にも、非常に偏った、無理な働き方が直らない、そして、社会全体としては、ある種の無駄が非常に多いということにつながっていると思います。
 この男女共同参画基本計画に盛り込まれたことを、成果目標に向けて的確に実行していく。実行できないものがあれば、それを乗り越えるためにどうすればいいのかということをあらゆる側面でやっていきますし、それは理論にとどまらずに行動していくということが最も必要であると、この男女共同参画会議の皆様方の議論を聞いて改めて感じたところでございます。
 男女共同参画会議をこのメンバーで開催するのは今日が最後となりますけれども、皆様方の御尽力に感謝しつつ、日本の中で議論・気運を更に盛り上げると同時に、各部署で具体的な実行計画の策定を含め、実行に取り組んでいただきたいと思いますし、我々も腹に据えてしっかりとやってまいりたいと思いますので、御支援や御指導をお願いいたします。
 これで本日の男女共同参画会議を終了いたします。どうもありがとうございました。

(以上)