男女共同参画会議(第33回)議事録

【開催要領】

  1. 開催日時:平成22年2月18日(木)17:30~18:25
  2. 場所:総理大臣官邸4階大会議室
  3. 出席議員:
 
鳩山 由紀夫 内閣総理大臣
議長
平野 博文 内閣官房長官
議員
福島 みずほ 内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
菅  直人 財務大臣
原口 一博 総務大臣
千葉 景子 法務大臣
川端 達夫 文部科学大臣
長妻 昭 厚生労働大臣(代理 細川 律夫 厚生労働副大臣)
直嶋 正行 経済産業大臣(代理 松下 忠洋  経済産業副大臣)
前原 誠司 国土交通大臣(代理 辻元 清美 国土交通副大臣)
中井 洽 国家公安委員会委員長
家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
岩田 喜美枝 株式会社資生堂代表取締役執行役員副社長
岡本 直美 日本労働組合総連合会副会長
帯野 久美子 株式会社インターアクト・ジャパン代表取締役
鹿嶋 敬 実践女子大学教授
勝間 和代 経済評論家・公認会計士
勝俣 恒久 東京電力株式会社取締役会長
加藤 さゆり 全国地域婦人団体連絡協議会事務局長
神津 カンナ 作家
佐藤 博樹 東京大学教授
山田 昌弘 中央大学教授
出席者
仙谷 由人 国家戦略担当大臣
出席者
西村 智奈美 外務大臣政務官
出席者
楠田 大蔵 防衛大臣政務官

(議事次第)

  1. 開会
  2. 議題
    • (1)第3次男女共同参画基本計画について
    • (2)重要課題の最近の動き等について
  3. 閉会

議事内容

○平野内閣官房長官

ただいまから男女共同参画会議を開会いたします。本日は、鳩山総理にも出席をいただいております。 それでは、冒頭、総理からごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○鳩山内閣総理大臣

皆さん、こんばんは。男女共同参画会議にお運びをいただきまして、ありがとうございます。
私は皆様方に大変期待をしております。

それは、もう言うまでもない話でありますが、20世紀は成長の時代だと、21世紀は平和をつくり出す時代であると、私どももいわゆる「ハードからソフトへ」「コンクリートから人へ」という言葉を好んで使わせていただいております。

これからは、医療とか、介護とか、教育とか、あるいは環境問題とか、むしろソフトパワーが大変大事な時代になってまいりました。それを一言で言えば、女性性の時代ではないかと思っております。

今までは、男性本位に政治なども動いておったわけでありますが、これからはむしろ女性の時代、あるいは女性性というものが重要になっていく時代になってきたと思っておりまして、女性性の時代であれば、女性の皆様方がお互いに活発に活躍できる世の中にしていくことが一番望ましいわけでございます。にもかかわらず、まだ、いわゆるM字カーブのようなものが議論されなければならない。

これをいかに解消するかという議論がまだ重要だとされていることは、日本が先進国の中で女性の活躍指数のようなものが一番低いと言われてしまっている理由ではないかと。その原因を何としても除去していくことが日本の、これは女性のためだけではなくて、男性にとっても大変重要な視点だと考えておりまして、男女共同参画の社会を是非皆様方のお知恵によって、本物に仕立て上げていただきたいと、心からそのことをお願い申し上げたいと思います。

そのために私どもは、最強のシフトをつくらせていただいたとも思っているところでございまして、是非皆様方のお力をいただいて、本物の日本の社会をつくり上げていくために御協力いただければと思っております。

改めて、今日皆様方がお運びをいただきましたことに、心から感謝申し上げながら、皆様方の御活躍によって、新しい政権にふさわしい日本のあるべき姿がつくられていきますように、心からお願い申し上げたいと思います。

どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。

(拍手)

(報道関係者退室)

○平野内閣官房長官

これ以降の進行、まとめにつきましては、福島男女共同参画担当大臣にお願いしたいと思います。ざっくばらんによろしくお願いしたいと思います。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

今日は本当にどうもありがとうございます。初めに、第3次男女共同参画基本計画について御審議をいただきます。
まず、基本問題・計画専門調査会会長代理の鹿嶋議員から、専門調査会における議論について御報告をいただきます。

○鹿嶋議員

鹿嶋でございます。資料1-1に基づいて報告いたします。
男女共同参画社会基本法ができまして、昨年が10年。現在、男女共同参画行政のマスタープランである男女共同参画基本計画は、5年ごとの見直しをしており、既にワーキンググループが組織し、第3次計画の検討に入っております。

資料に書きましたように、どういう社会を目指すのかということですが、個性と能力を発揮することにより、多様性に富んだ活力ある社会。第何次計画を策定しようとも、この基本の線は変わらない。そして、男女の人権が尊重され、尊厳を持って生きることが出来る社会を、目指すべき社会の根幹に置いております。

基本法が制定されて10年経ち、また、第2次基本計画策定後5年が経過しましたので、その回顧と反省もしております。第2次基本計画を策定した5年前と今は、情勢がどう変化したのかという点はⅡのところに書いてあります。少子・高齢化の進展、経済の低迷と閉塞感の高まり、非正規労働者の増加、グローバル化と国際的な人の移動の増加というのが、この5年間の大きな変化だろうと見ております。

また基本法が施行されて後、10年間の反省点は、その下の矢印の書いてある四角の中であります。

まず第1に挙げたのが、固定的な性別役割分担意識が非常に根強いということ。

第2に、男女共同参画が、働く女性の支援という印象を与えてしまったのではないかということ。さらには専業主婦に対して否定的な印象を与えてしまったのではないかということ。男性の関心がいま一つであるということも考慮しなければならない点です。

第3に、政策・方針決定過程における強力なリーダーシップが不足していたということですが、言葉を変えれば、男女共同参画社会をつくるのだという強い政治的な意思が、どうも欠如していたのではないかと思っております。そういうこともあって、制度や枠組みの整備がいま一つ進まなかったという印象を持っております。

2ページ目、これは、第3次基本計画を策定するに当たっての基本的な考え方なのですが、一番上に四角が3つあります。その左の箱には、身近な男女共同参画、これは非常に重要なキーワードだと思っております。すべての人にとって、男女共同参画は身近なものでなければならない。神棚に上げておくものでも、あるいは敬して遠ざけるものでもないわけです。

そのためには、意識改革、更には制度改革を積極的に推進する必要があります。

生活困難が大きな問題になっておりますので、そのための新たな雇用・セーフティネットを構築する。その際大事なことは、男女共同参画の視点が欠かせないということです。

男女共同参画の行き着く先は何なのだということをよく問われますが、先に述べたようなことを考えますと、矢印の下ですけれども、それが社会を活性化するのと同時に、男女共同参画という網を張ることによって、わが国が現在直面するさまざまな問題を解決する手がかりが、一つひとつの解決策が見えてくるのではないかと思っております。

そのために必要なこととして、固定的性別役割分担を前提とした制度・慣行の見直しを行う必要性を挙げました。

第2点は、女性に対する暴力の根絶に向けた取り組みを充実させること。

第3点は、「仕事と生活の調和」、「子ども・子育て支援策」のそれぞれの施策との密接な関連を図ること。

第4点は、女子差別撤廃委員会の最終見解等、国際的な規範・基準の取り入れを積極的に行い、国際的な協調を図ること。

第5点は、基本計画に掲げたことを実効性のあるものにするために、できる限り具体的な数値目標を設定してフォローアップを行うということです。

次の3ページをごらんください。第3次男女共同参画基本計画の「重点分野」として14項目を列挙しました。各項目とも、なぜ進捗状況がかんばしくなかったのかという反省をしつつ、何を盛り込むかを議論しております。

14項目を大きく5つにくくり、それぞれに見出しをつけたのも特徴です。「エンパワーメント・多様な視点」とか、「働く場」とかといった見出しがそれです。14の重点分野の順番も少し動かしましたし、新たな項目も登場しました。

例えば、「エンパワーメント・多様な視点」に括っている(3)の「男性・子どもにとっての男女共同参画の推進」は、新たに登場したものです。鳩山総理は前回の男女共同参画会議で、男性の意識がいま一つだとおっしゃっておりました。男性の問題を上位に上げることで、問題も提起すると同時に、男性の関心も促したいと思っております。

2ページに戻っていただいて、「新たな視点」と「喫緊の課題」というのは、3ページの14のいわゆる重点分野を特徴づけるものは何かということで御理解いただければいいと思っております。「新たな視点」としては5つ、「喫緊の課題」も5つ挙げております。

3ページのⅤに、推進体制の強化を書いておきました。私は今、監視・影響調査専門調査会の会長をしておりますが、男女共同参画行政のマスタープランである基本計画を着実に実行してもらうには、監視・影響調査機能を強化して、推進状況を監視し、効果が上がっているのか、制度や慣行が中立的かどうかを検証して、問題があれば参画会議に報告する。そうした体制が十分に機能する仕組み作りを行いたいと思っています。

NPOや女性団体からも、第3次基本計画への要望が多数来ています。それもやはり現政権に対する期待の表れだろうと思っておりますし、「今だからこそ、男女共同参画を推進するチャンス」という意識もあるのだろうと思います。私どもとしては、冷静に吟味して、また本日皆様からいただく意見についても、今後の検討課題に反映させていきたいと思っております。

先ほど総理は女性性という言葉をお使いになりました。これは個人的な意見ですけれども、生産年齢人口がすでに減っております。今9,000万人弱が50年後は5,000万人を切るということも言われております。とにかく今は企業は不況にあえぎ、労働力の過剰感もでていますが、将来に目をやれば働く人がだんだんいなくなることは確かなのです。では、その場合どうするかというと、私は外国人と高齢者、もう一つ女性の3つの選択肢から調整していかざるを得ないと思うのですけれども、やはり確実な労働力というのは女性であると思います。生産年齢人口確保のために男女共同参画を推進するわけではありませんが、男女共同参画の視点というものも十分に盛り込みながら、こうした問題の解決も図っていきたいと思います。繰り返すようですが、問題解決のキーワードは「男女共同参画の視点」であり、ひいてはそれが女性性という問題につながっていくと感じております。

どうぞよろしくお願いいたします。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございました。
今の鹿嶋議員からの御報告に加えて、有識者議員の皆さんから御意見がありましたらお願いをいたします。

岩田議員、お願いします。

○岩田議員

私の方からは、雇用の分野における女性の活躍の問題についてお話をさせていただきたいと思います。女性がもっと活躍できるようにするということは、女性自身が納得できる人生を送るために必要であることは当然のことなんですが、企業経営の立場から、また、産業界全体の立場からも必要であると思っております。

その必要性の1つは、今、鹿嶋さんもおっしゃいましたけれども、労働力人口が減少しておりますので、その減少を補うという量的な側面が一つあります。

もう一つは、女性がもっと活躍することによって企業の中の社員の構成、管理職の構成、役員の構成がもっと多様になり、そのことが企業から新しい価値を生み出す力の源泉になると思っております。そういう雇用の質的な側面からも活躍をしてもらいたいと思っております。

それでは、阻害をしている課題は何かということなんですが、資料1-2をごらんいただきたいと思います。そこに5つの統計をお示ししたんですが、まず第1番目は、総理が冒頭のごあいさつの中で触れられましたM字型カーブについてです。日本の女性は育児期に継続就業が難しいので、30代になると労働力率が下がります。赤字で書かれているものが日本なんですけれども、私が知る限り主要国でM字型カーブをしているのは、日本と韓国だけであるという状況だと思います。

その下の図ですけれども、これはM字型カーブの直接の原因になっている出産退職の多さを示しているわけです。出産の前後で仕事を辞めてしまう人の割合が67.4%、7割近い人が退職をしている。これがM字型カーブの大きな原因になっております。

裏側をごらんください。最初の統計は、男性についてなんですけれども、子育て世代の男性で、週60時間以上働く、これは非常に長時間労働だと思いますが、これが5分の1以上いるということです。これは男性自身の問題でもありますけれども、男性の長時間労働というのは、女性にとっては仕事と子育ての両立を更に困難にしているということで、これもM字型カーブの原因になっていると思います。

次の統計は、正社員と非正規雇用の割合を見たものですが、左側の女性について見ますと、正社員で働いている人は46.5%ですから、非正規の方が半分以上であるという現状になっています。これは、子育てに手がかからなくなった段階で、多くの女性は再就職するわけですけれども、その再就職の際に正社員としての雇用機会はほとんどなく、パートや契約社員や派遣で再就職するということ、このことが男性と比べて女性の非正規雇用率が高い原因になっています。

最後の統計ですけれども、これは管理職として働く女性がいかに少ないかということを示したもので、ここでも日本と韓国だけが特異な数値を示しておりまして、管理職に占める女性の比率が1割にも満たないということになっています。出産でキャリアが中断するということ、そして再就職をする場合ほとんどが非正規雇用であるということが、女性の管理職を少なくしている原因になっていると思っています。

今、5つの統計を見ていただいたんですが、これらの課題は相互に絡み合っておりまして、どこからほぐしていくかということなんですが、それはM字型カーブをなくすことだと思います。これは言わば共働きで、子育てをしながら働き続けるのが当たり前という社会にすることだと思います。

そのためには大きな課題が2つあって、1つは保育所や学童保育の整備という課題と、2つ目は正社員の長時間労働の是正という課題です。基本計画の中では、是非中核課題としてこの2つを取り上げていただいて、それを5年、10年かけるのではなくて、短期間に集中して取り組んでいただきたいと思います。

以上です。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございました。神津議員、お願いします。

○神津議員

それでは、女性に対する暴力に関する専門調査会で議論しているものの中から、特にポイントと考えられる項目について、平成20年男女間における暴力に関する調査という調査を内閣府で行いました。その結果をもとに4点ほどポイントを御説明させていただきたいと思います。御参照いただく資料は資料1-3です。

まず、男女間における暴力に関する調査によりますと、女性の約1割が配偶者から身体的、心理的、性的、いずれかの暴力を受けた経験が何度もあると回答しているわけです。被害経験が1、2度あったという人を含めると、何らかの被害経験があるという人は、女性の約3分の1ということになります。これは決して軽んじる数字ではないということ、それから何らかの対応を必要としていることだというふうに、まず御理解をいただきたいと思います。

次に、10代、20代で交際相手から被害を受けたという、いわゆるデートDVと言われるようなものですけれども、そういうことがあったという女性は1割以上ありまして、こういう数字も出てきております。

それから、異性から無理やり性交された被害の時期というのを調べてみますと、小学校の入学前から中学生までの低年齢のものが2割を占めるという状態で、実は子どもの性暴力被害が少なくないということがわかると思うんです。

児童ポルノを含めて、子ども、それから今、申し上げましたように、10代、20代の若年層での暴力というのは、これはやはりきちんと注意を払わなければならないポイントだと考えられますので、学校での教育の必要性、子どもを性の対象とするような風潮を容認しない社会づくりが必要であると考えられます。

3点目ですけれども、平成20年に警察等によって確認された強制わいせつ、強姦の件数というのは9,000件近くあるんですけれども、これは年々減少傾向にあります。でも、一方で内閣府が行った調査で見ますと、異性から無理やり性交されたことがある女性のうち、だれにも相談しなかったというのが6割以上に上っているんです。これは結局、被害者が警察に届け出ないことによって顕在化しない被害が相当あるんだろうというふうに思います。

皆さんも御存じのように、石巻でものすごく悲惨な事件がございましたけれども、警察へ何度も度重なる相談をしていた、あるいは福祉施設へ入所していたということがありましたけれども、自ら対処するとか、被害届けを出さない、取り下げるとか、いろいろ難しい問題はあるようなんですけれども、これは男女間の暴力と子どもへの虐待のときにもよく起こる、必ずぶつかる壁なんです。ですから、配偶者暴力防止法の2度の改正を経て、支援体制は充実してきているとは思うんですけれども、市町村の取組みとか、相談しやすい体制、相談を受けた後の連携、官と民との連携というような部分はもうちょっと突っ込んで対策を立てていただきたいと思っております。

最後になりましたけれども、メディアにおける性・暴力の表現のことなんですけれども、広告とか漫画、雑誌等の出版物だけではなくて、インターネット上、それから今、非常に問題になっていて国際的に厳しい批判を受けているのが、パソコンゲームなどのバーチャルの世界での激しい表現のようなものがありまして、これは本当に国際的にとても非難を受けている分野でもありますので、表現の自由その他のことはあるとは思いますけれども、児童ポルノも含めて、政府全体で何らかの対策を是非立てていただきたい。国際社会の中での地位ということもありますので、その辺は是非御検討いただきたいと思います。この4点だけ申し上げさせていただきます。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございました。勝間議員、お願いします。

○勝間議員

資料1-5を見ていただきたいと思いますが、ワーク・ライフ・バランスの観点からお話をさせてください。なぜ、ワーク・ライフ・バランスが必要かということも、M字カーブの解消も含めて、やはり女性という性がどうしても子どもは女性しか妊娠できないし、産んだ後も基本的には女性しか母乳を上げられないというところから、長時間労働と女性の育児、家事及び出産の両立は不可能だという観点から来ておりますので、是非このワーク・ライフ・バランスというのは、男女共同参画に必要不可欠であると。ただし、現状では長引く不況の下でサービス残業ですとか、育休切りといったような、非常に厳しい環境が続いていると理解しております。

加えまして、やはり正直申し上げて、財政の財源不足ということで、待機児童の解消、幼保一体化、高等教育の公費負担といったものについて、なかなか遅々として進んでいないということ。

加えまして、なぜ、財源が不足しているかと言いますと、こちらは男女共同参画からは珍しい話かもしれませんが、申し上げているような、デフレ→投資不足→成長力不足→失業増加→少子高齢化→不況→デフレといったような、まさしく不況を起点とした少子高齢化及び成長力不足で男女共同参画を妨げているというスパイラルが働いていると考えております。

したがいまして、さまざまな議論を申し上げても、結局、お金がなくて、長時間労働が続いている限り、さまざまな実現が、絵に描いたり、計画をつくることは可能なんですが、それが実行段階でどうしてもスローダウンしてしまう。ですので、ここで2点申し上げたいことがございまして、1点目がやはり景気回復のためのインフレーションターゲットを0~2%ということで、1%を目安にという議論がございましたが、CPIの方がもともと上方バイアスがありまして、やや上振れで出やすいので、近日IMFのレポートもありましたとおり、もう少しインフレーションターゲットを高めに設定していただいて、それにより成長力の回復を期待して、税収を稼ぎ、その税収で男女共同参画を実現できるような、保育園の拡充であるとか、さまざまな施設設備の導入であるとか、あるいは教育費の補助といったことを、是非実現していただきたいと思います。

2点目が、先ほどの資料1-2の長時間労働比率というところにもございましたけれども、とにかくM字カーブを解消するためには、個人的には長時間労働に対する規制が不可欠だと考えております。結局、Aという企業は60時間働いていて、Bという企業が40時間しか働かなくて同じ給料ですといったら、やはりどうしても企業のミクロ単位では60時間働かざるを得ないという状況が起きてしまう。これは、EUのように1回40にしてしまえば、40の中で各企業がさまざまな工夫をする。これは省エネ対策のときに起きたということは皆さん御存じだと思いますので、CO2の削減もとても大事だと思いますが、やはり長時間労働者の削減というものがない限り、先ほどなぜ女性が管理職になれないかという話があったと思うんですけれども、長時間労働しないと管理職になれないので、女性が管理職になりたくないんです。なぜかといいますと、離婚の危機ですとか、実際にワーキングマザーは離婚が非常に多いです。それはなぜかといいますと、やはり成り立たないからです。

ですので、是非こちらの2点について、男女共同参画とまた違う視点かもしれませんけれども、インフレーションターゲット及び長時間労働規制というのは、切にお願いしたいと思います。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございます。山田議員、お願いします。

○山田議員

2点お願いがございます。家族を専門としているんですけれども、1つは、選択的夫婦別姓に関してです。先日の首相の御発言、非常に心強く感じました。ただ、今の時代に夫婦の姓をどうするかということを、国が強制するというのは、もう国際的に時代遅れになっております。そもそも夫婦別姓は、日本や韓国と同じく日本の伝統でしたし、これを明治時代に強制して同姓に直したというのが現状でございます。

アメリカは勿論、ドイツや中国でも別姓にするか同姓にするかは、結婚する当人の判断に任せられています。先進国で、法律で夫婦の姓を強制するというのは日本だけでございます。その結果、女性の自立の障害になっているだけではなく、結婚をしにくくさせて、少子化を深刻にさせる一要因にもなっております。

もう一つは、雇用システムの問題です。新卒一括採用、再チャレンジしにくい雇用慣行、正規雇用・非正規雇用の間にある大きな壁、これらの女性差別的な慣行が、岩田議員がおっしゃったように、一度正社員を辞めた女性の自立の機会を奪っているのと同様に、今度は正社員になれなかった男性に矛盾が大きくのしかかっております。

本来、女性差別的な慣行であったものが、男性にしっぺ返しのように返ってきて、女性以上に正社員から漏れた男性の希望をなくしております。

ある女性研究者は、女性差別によって男性が被害を受けるのは、自業自得だというふうに言われたことがあるんですけれども、でも、非正規になった男性に責任があるわけではありません。その結果、さまざまな問題等に結び付いています。女性のためではなく、先ほど鹿嶋議員がおっしゃったように、男性のためにも雇用システムの抜本的改革、正規と非正規の二元論的な格差を抜本的に改正していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

総理から何か一言ありますか。

○鳩山内閣総理大臣

非常に駆け足でお伺いして、でも何か答えが見えてきているような気もしますから、やればできないはずはないと思うので、長時間労働の話とか保育所の話、企業側からすると簡単ではない部分もあるのかもしれませんが、我々が政府として担うべき道筋が十分あると、また見えてきたというふうにも思っておりますので、あとは皆さん方の御意見を更に伺う必要がありますけれども、我々の意識の問題、やる気の問題、先ほど冒頭、鹿嶋議員からありましたけれども、結局は今まで不十分な原因の中には、政府自体の意識、やる気の欠如ではなかったかという御指摘がありました。

そう言われないように、福島体制で頑張りますので、我々も全力で皆さん方とともに闘っていきたいと思っておりますので、今日、駆け足でいただいたお話などを十分に参考にさせていただきたいと思います。

次があるので申し訳ありませんが、中座をいたしますが、大変私も勉強させていただきました。ありがとうございました。 ○内閣府特命担当大臣(男女共同参画) どうもありがとうございました。

(内閣総理大臣退室)

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ここで私から、計画策定に当たっての考え方について、ペーパーを提出させていただいておりますので、簡単に申し上げます。資料1-4を見てください。

今度は、第3次基本計画ですので、1つは、実効性のあるものにする。なぜ進まなかったのか分析をして、実効性のあるものにする。

それから、やはり雇用を前面に出す。長時間労働、M字型雇用などありますが、女性が望めば当たり前に働き続けることができ、暮らしていける賃金を確保できるよう、雇用の問題についてきちっと取り組んでいくということです。

ジェンダー主流化。ジェンダー統計やアンペイド・ワークなどについてもきちっと検証し、ジェンダーの主流化を目指す。

企業や経済界を巻き込んだ男女共同参画。女性の活躍は企業にとっての利益や経済社会の活性化につながるという、新成長戦略を菅副総理の下で出していただきましたが、こういう視点も大事だと思っています。

また、個人の人権の尊重、社会的少数者の問題。

先ほど神津議員からも言っていただきましたが、女性に対する暴力の根絶。

国際的な理念の重視。

策定過程の透明化。

以上のことを、今度の第3次基本計画に当たって大事にしていきたいと考えております。

閣僚の皆様も含め、新たな計画に基づいて重点的に取り組むべき事項等について、御意見がありましたらお願いいたします。文部科学大臣、よろしくお願いします。

○川端文部科学大臣

文部科学省です。教育と科学技術と両方ありますので、教育においては、特に学校教育において、こういう男女共同参画社会の求めているもの、ものの考え方を含めて、今まで以上にしっかり取り組んでまいりたいと思います。

同時に、今度の新成長戦略においても科学技術が、いわゆるグリーンイノベーション、あるいはライフイノベーションを支える上で大変大事だという中で、日本は、実は世界の中で女性の研究者が圧倒的に少ないという現実があります。アメリカで34.3%、イタリアで33.3%が女性研究者の割合ですが、日本は13%です。有力な女性研究者を日本に招きますと、必ず子どもの育児・教育の環境が整備できないということで来ていただけません。逆に言えば、それが日本で非常に欠けているということでありますので、女性研究者がしっかりと研究できる環境、先ほど来ありましたように、出産・育児によって休んだ後に元へ戻れると同時に、育てながらでも研究が続けられるという環境整備を、しっかりと重点的に取り組んでまいりたいと思っております。

以上です。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

仙谷大臣、お願いします。

○仙谷国家戦略担当大臣

ちょっと挑発的にお話しさせてください。ここまでの10年間でできなかったことを反省しながら、実効性のあるものにするという組み立てになっているわけですが、今、ここで書かれているような第3次計画で、本当に今後の5年間で事態が進展するのか。これを真剣に考えないと、きれいな文章の計画をつくっても実現できない旨、さっきだれかがおっしゃったけれども、そういうことになり得るのではないかと、私はこれを見た瞬間に思いました。

つまり、全然エッジが効いてない。こんなことを100回繰り返しても、事態の進展はないと思います。もう少しターゲットをちゃんと絞って、それこそ極端なことを言えば、大企業にも女性の管理職員を何%にしないときには、障害者雇用促進法のような話で賦課金を取るぞぐらいの、極論をすればそういうことまでも含めた、エッジの効いたことを5年間の数値目標とともにやると。

特に管理職の問題なんていうのは、公務員の世界も同じです。労働組合の世界も同じ。すべての世界で、なぜ先進国の中で日本だけが女性の管理職が少ないのか。もう今や理屈がつきませんよ。医師不足の問題なんかは、完全にこの問題なんです。つまり、お子さんを産んだら辞めざるを得ないから勤務医をやめる、だから産科と小児科は圧倒的に医師不足になっている。これはもうはっきりしているわけだから、そこに手を入れるために、少々強烈でも義務化をするようなことをやるぐらいのことをここでお決めになった方がいいというのが、ぼくの発想です。

もう一つは、幼保一体化も含めて、本気で企業にも、あるいは公務労働の現場でも、保育をちゃんと保証させる。男の社員が自分の会社へ連れて行って保育してもらえる体制を会社にもつくらせるぐらいの話があってもいいんじゃないかと思います。何かちょっと乱暴なことをやってみないと、事態が進まないのではないかというのが、私が今、考えていることです。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

心強いことで、第3次基本計画に。

○仙谷国家戦略担当大臣

心強いというよりも、そのぐらいのことをやらないと進まないと思います。そのうち、良質な労働力の部分を取り逃がして、生産力人口も減り、良質な労働力がどんどん減ってしまい、絶対成長なんかしませんよ。
幾らインフレーションターゲットをやっても成長しませんよ。労働力の投入量のところが決定的に不足してくるわけですから。ちょっと過激に皆さん議論されたらどうですか。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

はい。総務大臣、お願いします。

○原口総務大臣

国家公務員管理職における女性職員の登用の推進ということで、今、管理職のうち女性の占める割合は2%だということです。これをどう変えていくかということを総務省としても考えていくし、さまざまなところへの超過勤務縮減の取組み、具体的な登用の設定、多様な職務経験の付与といったところで取り組んでまいりたい。

その上で2点。1つは、やはりビジョンを数値化しなければいけないと思います。今の仙谷大臣の問いに対して。それでアドボケートする機能。さっき神津議員がお話になりましたけれども、今もこれはTwitterで、今日は女性に対する暴力の問題をやっていますとやったら、「私はそれでうつになりました」、「私はそれで外に出られません」というのが、だっと来ています。つまり、だれにも言えない。アドボケートする機能が必ず必要であるということ。

もう一つは、ここにも書いてありますが、モニタリング機能。一体どこまでどのように進んでいるのかということをモニタリングする必要があると思います。私はメディアの担当でもありますので、こういう言論の砦のところで、特にゲームや放送通信における広い暴力について、どのようにするかということも考えてまいりたい。

これで最後ですが、やはり「新しい公益」を女性の問題については入れないと無理だと思います。「夢カフェ」というのを京都でやっていますけれども、働きにくさを同じ女性がお互いに少しでも軽くする。これは中央政府がやれることと、新しい公益の部分でやれること。それもしっかり分けた対策をつくっていきたいと思います。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

どなたかほかにありますか。どうもありがとうございます。
今、パンチの効いた意見がそれぞれ出ましたので、起草委員会や第3次基本計画の中でしっかり実現をしていきたいと思っております。

続いて、男女共同参画に関する重要課題に関して、前回の会議で取り上げたものを中心に取組状況の報告や御議論をお願いいたします。民法改正について、法務大臣、お願いいたします。

○千葉法務大臣

この民法改正につきましては、議員の皆さんには中身等を御説明する状況ではないと思っております。既に私どもも基本的な法案を大体煮詰めまして、何としてもこの国会で芽出しをさせていただきたい。

特に次にありますような女子差別撤廃条約選択議定書と併せて、これが今スタートできないようでは、国際社会からも大変厳しい御叱正をいただくことなろうか思います。

いろいろな意見があることは私も承知はしておりますけれども、先ほどお話がございましたように、国が姓を押し付けるという国際的な状況ではないだろうと思いますので、何としてもこの民法について、この国会での進展を目指してやっていきたいと思っておりますので、是非皆さんにも大きな声を出していただければ大変ありがたいと思っております。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございました。次に女子差別撤廃条約の選択議定書の批准について、外務大臣政務官からお願いをいたします。

○西村外務大臣政務官

外務大臣政務官の西村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

個人通報制度についてでありますけれども、前回、第32回の会議でも御報告申し上げました、個人の権利の救済のために非常に注目すべき制度だと考えておりまして、内外からも強い要望をいただいているところです。今日は外務省と内閣府の共催で、第54回国連婦人の地位委員会に向けて、NGOの方々との意見交換会が行われたんですけれども、そこに出席いたしましたら、やはり同様にNGOの方々から、早期批准に向けて強い期待が示されていたところです。

外務省としても各省庁の参加を得て、これまで個人通報制度関係省庁研究会を開催してまいりましたが、ここでの研究会の作業を中心にいたしまして、このスピードアップを図っているところでございます。昨日も第15回を開催いたしました。

この個人通報制度を受け入れるときには、国際人権に関する諸条約の効果的な実施の担保に十分資するような形で受け入れることが重要であると考えておりますので、関係省庁とともに引き続き、真剣に検討を進めていきたいと考えております。

以上です。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございました。それでは、私から何点かお願い事と御報告をさせていただきます。

まず初めに、せっかく大臣に来ていただいていますので、国家公務員の管理職に占める女性割合ですが、さきほど総務大臣からもありましたが、2.0%なんです。資料2-1を見てください。それぞれ府省別女性国家公務員登用状況で、本省課室長相当職以上で合計がやはり2.0%なので、これは202030で30%を目指しておりますし、ゼロというところが結構ありまして、これはどこもそうですが、まず足元からということで、女性をえこひいきせよとは言いませんが、女性の活用に関して是非本当によろしくお願いいたします。また、審議会についてもまだまだ低い状況ですので、閣僚各位におかれましては、目標の達成に向けて、引き続きよろしくお願いをいたします。

先ほど仙谷大臣からありましたけれども、パンチの効いたノルウェーやスペインなどがやっているような管理職の規定をやるべきだという意見もありましたが、1つ御報告として、公契約におけるポジティブ・アクションとして、内閣府で私自身が担当している男女共同参画やワーク・ライフ・バランスに関連する調査を外部委託する際、委託先の選定に当たって、一般競争入札総合評価落札方式によって入札を行う際に、男女共同参画に積極的に取り組んでいるかどうか、例えば、女性雇用率、男女共同参画の推進に関する方針の明文化・従業員の周知の有無などの項目を加点事由として評価項目に盛り込むということを発表させていただきました。これは4月の入札から行います。これから調査以外の広報等の一般競争入札案件への適用の可能性についても、内閣府において検討していきたいと考えています。

関係府省におかれましても、このようなまず男女共同参画やワーク・ライフ・バランスに関連する事業の実施に当たり、是非そういう企業を積極的に評価する仕組みの検討をお願いいたします。これが公共事業などにどんどん拡大をしていくと、日本の企業の態度が全く変わっていきますので、特に各省庁におかれましては、心からよろしくお願いをいたします。  自治体、都道府県では27で、ワーク・ライフ・バランスを加点理由としていたり、何か評価しているところはあるのですが、政府では初めてです。公共調達におけるポジティブ・アクションということで、まず、内閣府の私のところから始めます。是非、他の省庁におかれましても、よろしくお願いいたします。

女性に対する暴力については、専門調査会において積極的な御議論をよろしくお願いいたします。神津議員と総務大臣から発言がありましたが、よろしくお願いいたします。

今日は雇用について、岩田議員と勝間議員からもありましたけれども、M字型雇用の解消、長時間労働の規制、7割の女性が仕事を辞めているということなどの解消に向けてもよろしくお願いいたします。雇用問題の実効性ある取組みをよろしくお願いいたしますし、厚生労働省を始め、関係府省におかれましても、積極的によろしくお願いをいたします。  皆様から何か御意見はありますでしょうか。お願いします。

○松下経済産業副大臣

直嶋大臣が来られませんでしたので、副大臣の松下です。一言だけ。私は8年前に内閣府の副大臣をしておりまして、この男女共同参画社会の問題を坂東眞理子さんたちと一緒にやってきた経緯があります。

そのときと今日提示された資料はほとんど変わっていません。私はどこから始めるかということが大事で、幹が何か、枝が何か。そのときに幹の部分で、岩田さんがおっしゃったように、このM字のへこんでいるところにたくさんの問題が入っていると。

ここの中に何があるかを今2つだけおっしゃいましたけれども、そのほかにも税の問題とか、いろいろな現下の問題がありまして、そこをどうするかをきちんとわかりやすく項目を挙げて、仙谷大臣がおっしゃったように、それを本気で命がけで、どうするかということをやらなければいけない。

して、本当にどうするかが大事だと思います。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございます。ほかの方、どなたかいらっしゃいますか。

○加藤議員

地域コミュニティーのレベルから、1つだけお話をさせていただきたいと思います。大臣からポジティブ・アクションの話がございましたけれども、我が国の男女共同参画が非常に遅れている現状を考えますと、特にポジティブ・アクションを積極的に進める必要があると強く考えております。

地域における男女共同参画の推進は、国民生活における身近な男女共同参画の一歩であると考えております。今回の第3次の計画でも大きな重点項目となっておりますけれども、皆様御存じのとおり、地方議会の議員、自治会長は総務省の所管でいらっしゃいますし、PTAの会長は文科省だろうと思いますし、それから、農業委員。実際の担い手のところは多くの女性たちによって担われているにもかかわらず、こういうところの役員はほとんど男の方でいらっしゃいます。こういう生活のレベルでの具体的な男女共同参画が変わっていかない限り、日本の男女共同参画は変わっていかないだろうと思います。

本日の御説明の中でも、公契約についてポジティブ・アクションの導入がございましたけれども、こうした現状を打破するためにも、政府関係省庁、連立与党におかれましても、地域における男女共同参画の推進も是非念頭に置いて、ポジティブ・アクションのさらなる拡大を御検討いただきたいと思います。

以上でございます。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございます。先ほど私が申し上げた公共調達における男女共同参画の推進は、資料2-2にありますので、是非よろしくお願いいたします。  どうしてもこれだけは言いたいという方はいらっしゃいますか。どうぞ。

○勝間議員

先ほどM字カーブの原因について、2点追加させてください。1点は、新卒一括採用という慣行をやめない限り、このM字カーブの解消はなかなか難しいということです。

もう一点目で、女性への教育投資が不足しているということでして、まず学生の段階で既に大学進学率、大学院進学率に大きな差があるということ。

加えまして、勤務先において十分な管理職になれるような教育、あるいは正社員としての教育も不足しておりますので、制度その他を変えることは必要ですが、やはり新卒一括採用の弊害を見直さない限り、なかなか現実問題として厳しいと思いますので、長時間労働規制と同じくらいのプライオリティーを持って、是非この点についても御議論をいただきたいと思います。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

どうぞ。

○鹿嶋議員

生ぬるいという第3次基本計画の指摘がありましたので、私の反論も含めまして。男女共同参画を推進する上で難しいと思うのは、固定的な性別役割分業が日本社会はまだまだ根強くて、男性が働いて、女性が家庭を守るという意識。これについての支持率が欧米先進国に比べると高いわけです。

問題解決の根っこはそこにありまして、今のように非正規雇用で年収2、300万円の人が1000万人を超す時代になっても、男片働き家庭を基準にまだ発想するわけです。

現在のように、雇用破壊、家計破壊が顕著になってくると、やはり男女が共に働いてという形にならざるをえない。そうなると夫婦、男女の関係も変わらざるをえません。そういう状況を国民に訴えると同時に、そのためにも男女共同参画の視点が欠かせないことも強調したい。

男女共同参画の重点分野として、これだけはと1つだけを取り出すわけにはいかないですが、あえてプライオリティーを付ければ、私は雇用だと思うんですけれども、あらゆる分野に男女共同参画の視点に入ってくるので、どうしても重点分野を広く14項目も列挙せざるを得ないんですが、今、仙谷大臣がおっしゃったように、なるべくパンチの効くようなものにと言うのはその通りだと思います。一番パンチを効かせるとすれば、例えばポジティブ・アクションでクオータ制まで設ける方法もある。国会議員だったら、候補者の女性比率を3割、4割に持って行くということだってあると思うんです。

そうすれば、ジェンダー・エンパワーメント・メジャーも日本は上がってくると思います。今指摘を受けたことは、帰りまして、起草を行うに当たっての議論の材料にしたいと思っております。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございます。官房長官、本日の議題は以上です。

○平野内閣官房長官

ありがとうございます。本当に真剣にこの問題について、取り組んでいかなければいけないということでございます。本日は本当に闊達なる御議論をちょうだいいたしまして、新たな基本計画の策定や各府省の施策の推進に活かしてまいりたい。このように考えております。

また、鳩山内閣におきましては、初めての男女共同参画のマスタープランでございますので、だれもが個性をしっかりと発揮できる社会に向けて、大きく取り組みをしていかなければならないと思いますし、国民の皆さんが本当に実感をすることが非常に大事だと思っております。

特に女性の活躍は新しい成長戦略の一つであるということも踏まえながら、しっかりと受け止めてまいりたいと思いますので、6月の答申に向けて、しっかりと私どもも検討を進めてまいりたいということを申し上げまして、議長としてのごあいさつといたします。ありがとうございました。

○福島内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

ありがとうございました。