国連婦人の地位委員会合意結論等

  1. あらゆるレベルにおける意思決定への女性の完全かつ平等な参画を確保するために、「北京行動綱領」の実施を促進すべきである。
  2. 意思決定への男女の平等な参画という目標の達成と、あらゆる分野への女性の平等な政治的、経済的及び社会的参画の確保が、民主主義の強化に必要な均衡を提供することだろう。
  3. 政府、国連システム諸機関及びその他の国際機関、社会的パートナー及び非政府機関は、紛争の予防と解決の際を含む政治的意思決定における男女の均衡を推進する戦略の実施を共同でも個々のレベルでも促進すべきである。それらの諸機関は、ジェンダー影響評価の利用を含めて、ジェンダーの視点を政策策定及び意思決定のすべての段階の中心に置くべきである。また、多様な意思決定スタイルと組織慣行を考慮に入れて、セクシャル・ハラスメントがなく、女性職員を採用、昇進、勤続させる力が顕著な職場をはじめとする、ジェンダーに配慮した職場を確保するために必要な措置を講じるべきである。意思決定の構造と過程は、草の根レベルの女性を含む女性の参画を奨励するために、改善すべきである。
  4. 意思決定における女性の参画不足を押し止めて世界的な女性議員の減少傾向を逆転させる施策を明らかにするための、選挙制度のジェンダー影響評価を含む調査が支援されるべきである。
  5. 政党は、差別的慣行を廃止し、党綱領にジェンダーの視点を盛り込み、指導的地位、任命によるポスト及び立候補者指名過程へのアクセスを含む、執行機関への女性のアクセスを男性と平等に保障するよう強く求められる。
  6. 男女双方の最低比率の設定など一定の方法及び/又はジェンダーに配慮した施策及び過程を含む積極的参画推進措置(ポジティブ・アクション)が、男女平等の達成を促進するために必要であり、女性の参画が不足している部門及びレベルにおける女性の地位向上のための効果的な政策手段となり得る。政府、民間部門、政党及び非政府機関の責任あるすべての行為者は、男女平等を達成するための包括的戦略を確保するために、指導組織を含む諮問機関及び意思決定機関への採用及び任命に際して用いられる基準及び過程を見直すべきである。
  7. 政府は、なかでも具体的な達成期限を定めた目標を設定することによって、あらゆるレベルの行政官職及び公職、並びに外交官職における意思決定に男女の均衡を達成するという目標の設定を約束すべきである。
  8. 政府及び市民社会は、ジェンダー問題に対する認識を促進し、法律及び公共政策におけるその一貫した主流化を求めるべきである。
  9. 政府は、政治及び公的生活における積極的な女性像の描写を確保するために、自国の報道及び政策を検証すべきである。
  10. イメージを植え付ける手段でもあり、女性候補者がもっと効果的に利用すべき手段でもあるメディアの利用法が、さらに探られるべきである。
  11. 政府、民間部門、政党、社会的パートナー及び非政府機関は、男女の均衡という目標を設定するために、諮問機関及び意思決定機関への採用及び任命の基準と過程を見直すべきである。同時に、実業部門は、あらゆるレベルの職場における男女の均衡を促進することによって事業効率を最大限に高めるため、また仕事と私生活の調和を促進するために、この課題に取り組むべきである。
  12. 政党は、女性が立候補し、選出され、公職者や議員を務めることがうまくできるようにするための、選挙運動、資金集め及び議会手続きの訓練プログラムに資金を拠出するよう奨励されるべきである。男女の仕事と私生活の調和を促進するためには、融通性のある勤務時間や会議設定など、就業環境における構造変革が必要である。
  13. 政府及び国際社会は、権力及び意思決定への女性の参画を可能にするために、女性の経済的エンパワーメント、教育及び訓練を保障すべきである。
  14. 政府は、女児の将来のあらゆる生活領域における意思決定能力を育てる方法として、地域社会内の意思決定に参加する準備をさせる教育プログラムを推進すべきである。
  15. 政府及び国連システムは、女性が平和維持及び平和建設のための仲介者としての参加を含め、国連システムのイニシアティブ及び活動のすべてに政府・非政府代表、特別報告者、及び外交使節として積極的かつ平等に参画する措置を促進すべきである。
  16. 政府、国連システム諸機関及びその他の国際機関は、女性及び市民運動が自らの社会の平和、和解及び再建のために必要とされる環境を創出するために、紛争防止、紛争解決及び復興に関する意思決定過程を含むあらゆる分野に持続的に参画し、平等に代表することを積極的に奨励すべきである。
  17. 政府及び政党は、意思決定への女性の参画を質量ともにクリティカル・マスまで高めることを通じた、政治及び権力構造におけるジェンダーの視点の主流化を積極的に奨励すべきである。代替アプローチと制度的な構造及び慣行の変革が、ジェンダーの視点の主流化に重大な寄与をなし得る。
  18. 政府及び政党、国連システム諸機関及びその他の国際機関、並びに非政府機関は、あらゆるレベルの政府、政党、社会的パートナー、民間部門、あらゆるレベルの非政府機関、また和平及び安全保障への女性の参画状況を監視するために、データと男女別統計の収集・普及を継続すべきである。
  19. 事務総長は、2000年までに特に専門職以上における全体的な男女平等を達成するために、事務局における女性の地位向上のための戦略的行動計画(1995年ー2000年)の完全かつ早急な実施を保障すべきである。国連行政問題諮問委員会(人事及び一般行政問題)(CCAQ/PER)は、管理及び意思決定ポストの女性比率を2000年までに50パーセントにという目標を達成するために国連事務局で取られている措置、及び国連システム全体の男女の均衡を達成するための措置に関して、監視と具体的な勧告を継続すべきである。国連憲章第 101条に従い、事務総長は、事務局への女性の参画が皆無又は不足している国から雇用する女性の数を増加するよう強く求められる。事務総長は、国連システム全体にわたって女性を意思決定地位の主流に置く措置の一歩として、新設が提案されている国連副事務総長ポストに女性を任命するよう奨励されるべきである。
  20. 国際及び多国間機関は、責任の仕組みや報奨措置を含む、諸機関の男女の均衡を達成するための最善の実践や得られた教訓に関し、また二国間及び多国間援助を含むすべての政策及び計画におけるジェンダーの視点の主流化に関し、特に、管理レベルにおけるものを含むワークショップ及びセミナーの開催を通じた、国連システム全体を通しての情報の伝達及び交換の方法を検討すべきである。
  21. 加盟国はまた、安全保障、政治、経済、貿易、人権及び法律の問題を扱う会議を含む、すべての国連会議及びその他の会議に派遣する代表団に女性を加えるとともに、国連のすべての機関、及び女性の参画が著しく少ない国際金融機関などその他の機関への女性の参画を保障するよう奨励される。
  22. 加盟国は、大使級を含むあらゆるレベルの外交官職における男女の均衡を促進するよう、強く求められる。
  23. 参画が不足しているか又は不利な立場にあるその他のグループに属する女性の意思決定地位及びフォーラムへの参画が、政府、国連システム諸機関、及びその他の国際機関並びに非政府機関によって促進されるべきである。
  24. 第17回女子差別撤廃委員会の報告書に収録予定の、公的生活及び意思決定における女性に関する女子差別撤廃条約第7条及び8条に関する同委員会一般勧告に各国政府が注目している。
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