第4節 女性の人権を尊重した表現の推進のためのメディアの取組への支援等

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第4節 女性の人権を尊重した表現の推進のためのメディアの取組への支援等

内閣府,警察庁,総務省及び経済産業省は,インターネット上の児童ポルノ画像等の流通・閲覧防止対策の一環として,関連事業者による実効性のあるブロッキングの自主的導入に向けた環境整備に努めており,平成23(2011)年4月から,インターネット・サービス・プロバイダ等による自主的なブロッキングが開始されている。

内閣府では,「子供・若者育成支援推進大綱」(平成28年2月9日子ども・若者育成支援推進本部決定)等に基づき,青少年を取り巻く有害環境への対応を図っている。また,各都道府県の青少年保護育成条例に基づく規制事項や有害図書類の指定状況等を集約し,内閣府ホームページへの掲載を通じて,地方公共団体や関係機関・団体等への情報提供を行うことにより,地域における有害環境の浄化活動に関する取組を促進している。

また,青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(平成20年法律第79号)及び青少年インターネット環境整備基本計画(第4次)等に基づき,関係省庁や民間団体等と連携して,青少年及び保護者等に対する広報啓発活動や調査等の施策を実施している。

警察では,青少年保護育成条例により青少年への販売等が規制されている有害図書類について,関係機関・団体,地域住民等と協力して関係業界に対して自主的措置を講ずるよう働きかけるとともに,個別の業者に対する指導の徹底や悪質な業者に対する取締りの強化を図っている。

また,少年がインターネット上の有害なコンテンツに接することを防ぐため,携帯電話事業者等に対する保護者へのフィルタリング説明義務等が徹底されるよう周知するほか,入学説明会等の機会を捉えた保護者に対する啓発活動や児童に対する情報モラル教育等の取組を推進している。

さらに,出会い系サイト規制法を効果的に運用し,出会い系サイトに起因する児童買春その他の犯罪からの児童の保護を図っている。また,SNSに起因する被害を抑止するため,スマートフォン等インターネット接続機器へのフィルタリングの普及促進を図るとともに,関係団体及び関係事業者に対して自主的な児童被害防止対策の強化に向けた働きかけを実施している。

加えて,児童ポルノは児童の性的搾取・性的虐待の記録であり,児童の人権を著しく侵害するものであることから,「子供の性被害防止プラン」に基づき,警察庁において,各都道府県警察からの情報を集約・分析した上で,必要に応じ,関係都道府県警察による合・共同捜査の調整や捜査員の技術向上を図るための研修の実施,外国捜査機関等との情報交換・連携の強化等により,児童ポルノ事犯の取締りの徹底を図るとともに,心身に有害な影響を受けた児童の保護等に努めている。

また,警察では,サイト管理者等に対する児童ポルノ画像等の削除要請を行うとともに,児童ポルノ掲載アドレスリスト作成管理団体に対して児童ポルノ情報を提供するなどし,民間の自主的な取組を支援している。

さらに,インターネット上に流通する児童ポルノやわいせつ図画等の違法情報・有害情報を,サイバーパトロール等を通じて早期に把握し,検挙等の措置を講じている。

また,わいせつな画像データ等の電磁的記録を不特定又は多数の者に電子メールで送信して頒布するなどの行為は刑法のわいせつ物頒布等の罪に当たることから,捜査機関においては,同罪等を厳正に適用し,適切な科刑の実現に努めている。

加えて,都道府県単位でのプロバイダ連絡協議会等において,有識者,関係機関・団体,産業界等との連携を強化し,官民が一体となって児童ポルノやわいせつ図画等の違法情報・有害情報の排除を図っている。

総務省では,フィルタリングの導入促進や民間団体等の自主的取組の支援,違法・有害情報相談センターによる対応等を進めている。

また,放送分野における青少年のメディア・リテラシー(メディアからの情報を主体的に読み解き,自ら発信する能力)の向上を目的として開発した小・中・高校生向けの教材や,小・中学校教員向けの授業実践パッケージを,「放送分野におけるメディア・リテラシー」サイト22等を通じて広く公開している。また,インターネット,携帯電話等の情報通信分野におけるメディア・リテラシーの育成のため,教材23やトラブル事例集24をウェブサイト上に公開し,普及を図るとともに,地域における啓発講座等において活用している。

特に青少年のスマートフォン利用が進む中,「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標(ILAS)」を活用して,リテラシー能力を測定するためのテスト及びアンケートを実施・分析し,その結果を令和元(2019)年7月に公表した。

総務省及び経済産業省では,関係者と連携し,フィルタリング等に関する情報提供・普及啓発活動を実施して,保護者や青少年のインターネットを適切に活用する能力の向上及びフィルタリングの普及を行っている。経済産業省では,セミナーの開催等を通じ,フィルタリングの重要性を説明することで,関係者全体のインターネット・リテラシーの向上を促進している。

文部科学省では,子供たちが,情報を主体的に収集・判断する能力や,インターネットを始めとする様々なメディアが社会や生活に及ぼす影響を理解し,情報化の進展に主体的に対応できる能力の育成を図っている。

また,インターネット上のマナーや家庭でのルール作りの重要性を保護者等に対して周知するための学習・参加型のシンポジウムの開催や児童生徒向けの啓発資料の作成・配布等を行っている。

22総務省 「放送分野におけるメディア・リテラシー」サイト https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/hoso/kyouzai.html

23総務省 ICTメディア・リテラシーの育成 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/media_literacy.html

24総務省 インターネットトラブル事例集 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/jireishu.html