第3章 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)

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第3章 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)

本章のポイント


  • 子育て期にある30歳代及び40歳代の男性は,週間就業時間60時間以上の雇用者の割合が,他に比べて高い。
  • 年次有給休暇の取得率は,女性より男性の方が低い。
  • 育児休業を取得する女性は増えているが,出産前後に就業を継続する割合は変わらない。
  • 男性の育児休業取得率は,上昇傾向にあるものの,依然として低水準。
  • 平成27年の保育所等待機児童数及び放課後児童クラブの利用を希望するが利用できない児童数は,いずれも前年比増加。

(共働き世帯の増加)

昭和55年以降,夫婦共に雇用者の共働き世帯は年々増加し,平成9年以降は共働き世帯数が男性雇用者と無業の妻から成る世帯数を上回っている。27年には,雇用者の共働き世帯が1,114万世帯,男性雇用者と無業の妻から成る世帯が687万世帯となっている(I-3-1図)。

I-3-1図 共働き等世帯数の推移別ウインドウで開きます
I-3-1図 共働き等世帯数の推移

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(性別役割分担意識の変化)

「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方(性別役割分担意識)に反対する者の割合(「反対」+「どちらかといえば反対」)は,男女とも長期的に増加傾向にある。平成26年には,女性は反対の割合が賛成の割合(「賛成」+「どちらかといえば賛成」)を上回ったが,男性は賛成,反対共に46.5%となっている(I-3-2図)。

I-3-2図 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化別ウインドウで開きます
I-3-2図 「夫は外で働き,妻は家庭を守るべきである」という考え方に関する意識の変化

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(労働時間及び休暇取得の状況)

週間就業時間60時間以上の雇用者の割合を男女別に見ると,特に,子育て期にある30歳代及び40歳代男性が,他に比べて高い水準となっている(I-特-12図参照別ウインドウで開きます)。

パートタイム労働者を除く常用労働者の年次有給休暇の取得率は,男性は女性より低く,平成26年は,女性53.3%,男性44.7%となっている。(I-3-3図)。

I-3-3図 年次有給休暇取得率の推移(男女計,男女別)別ウインドウで開きます
I-3-3図 年次有給休暇取得率の推移(男女計,男女別)

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(女性の就業継続)

育児休業を取得する女性は増えているが,出産前後に就業を継続する割合は増えておらず,6割以上の女性が出産を機に離職する傾向が続いている(I-3-4図)。

I-3-4図 子供の出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴別ウインドウで開きます
I-3-4図 子供の出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴

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また,「正規の職員」と「パート・派遣」に分けて,平成17年から21年に第1子を出産後に就業を継続した者の割合を見ると,「正規の職員」では52.9%であるのに対し,「パート・派遣」では18.0%にとどまっている(I-特-9図参照別ウインドウで開きます)。

(男性の家事・育児の実施状況)

我が国では,平成23年における6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連に費やす時間(1日当たり)は67分と,他の先進国と比較して低水準にとどまっている(I-特-7図参照別ウインドウで開きます)。

(男性の育児休業取得率)

平成26年度における男性の育児休業取得率は,民間企業が2.3%,国家公務員が3.1%,地方公務員が1.5%で,上昇傾向にある(I-3-5図)。しかし,いずれも女性(民間企業86.6%,国家公務員98.7%,地方公務員93.2%)と比較すると,依然として低水準にあり,男女間で大きな差がある。

I-3-5図 男性の育児休業取得率の推移別ウインドウで開きます
I-3-5図 男性の育児休業取得率の推移

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(待機児童数等の推移)

男女とも仕事と育児を両立でき,多様な選択が可能となるよう,政府は育児の支援基盤の整備を積極的に進めている。厚生労働省によると,平成27年4月1日現在の保育所等定員(保育所及び幼保連携認定こども園の定員)は約247万人で,前年比13万9千人の増加となった。また,同年5月1日現在の放課後児童クラブの登録児童数は約102万人で,前年比8万8千人の増加となった。

他方,保育所や放課後児童クラブの利用を希望するが利用できない児童数の推移を見ると,年により増減はあるが,平成27年は前年に比べ,保育所等の待機児童数が約1,800人増加し,放課後児童クラブの利用を希望するが利用できない児童数も約7,000人増加した(I-3-6図)。

I-3-6図 保育所等待機児童数及び放課後児童クラブの利用を希望するが利用できない児童数の推移別ウインドウで開きます
I-3-6図 保育所等待機児童数及び放課後児童クラブの利用を希望するが利用できない児童数の推移

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