第2節 高齢期の状況

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第2節 高齢期の状況

(高齢化の現状)

総務省「人口推計」によると,平成25年12月1日現在,日本の総人口は1億2727.2万人となっている。高齢化率(総人口に占める65歳以上人口割合)は25.2%に達し,男性では5人に1人以上(22.3%),女性では4人に1人以上(28.0%)となっている。総人口に占める75歳以上人口割合を見ても,男性で10人に1人(9.7%),女性で7人に1人(14.7%)となっており,75歳以上人口の6割以上を女性が占めている。

また,厚生労働省「平成24年簡易生命表」によると,平成24年の平均寿命は,男性は79.94年,女性は86.41年となっている(1-特-1図参照)。

(高齢男女の就業)

60歳以上の男女の労働力率は,それぞれ諸外国に比べると高い水準にある(1-特-13図参照)。

定年前後の労働力率を長期的にみると,女性は男性よりも水準は低いものの,長期的に見ると上昇傾向が続いている。また,高齢女性の労働力率を世代別にみると,若い世代になるほど上昇している(1-特-14図参照)。

(介護の状況)

厚生労働省「介護給付費実態調査」(平成26年3月審査分)によると,介護を必要とする高齢者(要支援1-2及び要介護1-5の受給者総数)は,女性が336.8万人と男性の142.3万人の約2.4倍となっている。女性は長寿ゆえに一人暮らしになる可能性が高いなどの理由により,高齢女性の介護は重要な課題である。

他方,厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成22年)によると,介護の担い手としての女性を取り巻く状況を見ると,介護時間が「ほとんど終日」の同居の主な介護者を見ると,全体の約7割が女性であり,また,全体の3分の1以上を要介護者の妻が占めており,男性の方が平均寿命が短いことなどを背景に,配偶者間の老老介護の負担が女性に偏っている状況がうかがえる。また,介護に当たっている者の立場を見ると,女性では「子の配偶者」が17.2%いるが,男性では「子の配偶者」は0.3%にとどまっており,仕事と介護の両立という意味でも,女性の方が難しい立場に置かれる傾向にある(1-4-5図)。

1-4-5図 介護時間が「ほとんど終日」の同居の主な介護者割合(男女別) 別ウインドウで開きます
1-4-6図 介護時間が「ほとんど終日」の同居の主な介護者割合(男女別)

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こうした介護負担は特に女性の労働供給に影響を与えている可能性がある。総務省「労働力調査(詳細集計)」により,介護・看護の理由で離職した者の推移をみると,女性の方が一貫して多くなっており,再就職しておらず将来的に就業も希望していない者は平成25年で6万人となっている(1-特-9b図参照)。