コラム2 「イクメン」から「イクボス」への広がり

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コラム2

「イクメン」から「イクボス」への広がり


「イクメン」という言葉は,ここ数年でかなり浸透してきているが,子育てに積極的に関わりたいと考える男性の中には,育児休業等の制度を活用しにくい雰囲気や,周囲の人が残っていると退社しにくい雰囲気があると感じている人もいる。そこで,最近のキーワードとして注目されているのが「イクボス」である。

群馬県では,平成24年度から,男性の育児参加・育児休業取得を支援するため,「男性従業員」だけでなく「事業主・上司」にも意識改革を働きかける「ぐんまのイクメン・イクボス養成塾」を開催している。事業主・上司向けに開催するに当たり,「イクメン」に対応する言葉として「イクボス」を使い始めた。

「イクボス養成塾」では,企業の経営者や管理職を対象に,従業員の育児参加に理解のある「イクボス」になってもらうための企業向けセミナーを開催している。セミナーのテーマの設定に当たっては,従業員の育児参加という側面だけでなく,「経営戦略としてのワーク・ライフ・バランス」等,経営層に戦略として捉えてもらえるよう工夫している。

平成25年度は,県全域を対象として,企業経営者,人事労務管理者,中間管理職等向けのセミナーを2回開催するとともに,県内の各地域において,経済団体等と連携して6回開催した。参加者からは,「社内でワーク・ライフ・バランスに取り組むためのヒントを得られた」,「会社に持ち帰って取り入れたい」といった声が上がっている。

また,平成26年3月には,特定非営利活動法人ファザーリングジャパンの主催(後援 内閣府男女共同参画局,厚生労働省,にっぽん子育て応援団)で,同団体が行っている「イクボスプロジェクト」の一環として,「イクボスでいこう!~子育て中の社員を応援する上司が社会を変える~」というイベントが開催された。このイベントでは,実際に「イクボス」として活躍している企業人を含めたパネルディスカッションが行われた。

「イクメン」,「イクボス」のほか,育児に関わる祖父を表す「イクジイ」,更には育児等をきっかけに地域に関わる「イキメン」等,男性と育児の関わりや,地域とのつながりを積極的に評価,応援していく動きが見られる。

「イク○○」,「○○メン」が単なる流行語で終わらないよう,言葉とともに,広く世の中に男性の育児参加や働き方の見直しの意義が浸透し,実際の意識や行動にも影響が生じてくることが期待される。

【群馬県のイクボス養成塾】
【群馬県のイクボス養成塾】