男女共同参画白書(概要版) 平成26年版

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第3節 男女共同参画に関する男女の意識の現状と変化

1 女性の就業に関する男女の意識

(妻の就業と母の就業)

女性の就業に関する意識は,おおむね男性よりも女性の方が肯定的であり,到達した教育段階が高いほど,また年齢階級が若いほど肯定的な傾向が見られる。ただし,男女を教育段階別に見ると,40歳代から60歳代の「大学卒」(高専,短大,大学院卒を含む)の男性と「高等学校卒」(中学校卒を含む)の女性では,ほぼ同水準か,あるいは「高等学校卒」の女性の方が否定的な傾向を示している。

(独身者男女の性別役割分担意識)

「結婚後は,夫は外で働き,妻は家庭を守るべきだ」という考え方に対する独身者男女の賛成者の割合の世代別特徴を見ると,教育段階を問わず,男性の方が世代による差異が大きく,若い世代ほど賛成者の割合がおおむね低くなっている。昭和53年以降生まれの中学校・高校卒業者の男女及び大学卒業者の男性では,賛成者の割合はほぼ同じ水準になっている。大学卒業者の女性では,これらに比べて賛成者の割合は低いが,38年以降生まれの世代は37年以前生まれの世代と比べて賛成者の割合が高くなっている。全般として,若い世代ほど,男女の差が縮小していることがうかがわれる。

2 生活全般に関する男女の意識

(仕事と生活の調和に関する希望と現実)

仕事と生活の調和に関する希望と現実について平成19年から24年の推移を見ると,男女とも傾向に大きな変化は見られない。男女とも,現実に「仕事」が優先の生活になっている者の割合が,「仕事」を優先したいと考える者を上回っている。また,男女とも,「「仕事」と「家庭生活」をともに優先」及び「「仕事」と「家庭生活」と「地域・個人の生活」をともに優先」について,現実の割合が希望を下回っている。一方,「「家庭生活」を優先」については,男性は現実が希望を若干下回っているのに対して,女性は,希望する割合が男性より大幅に高く,かつ,現実の割合が希望を大きく上回っている(第11図)。

第11図 仕事と生活の調和に関する希望と現実の推移(男女別,平成19年→24年)

(幸福度と生活満足度)

幸福度について平成12年から22年の状況を見ると,男女の差に大きな変化はなく,「現在幸せである」と感じている女性の割合が男性の割合を上回る状況が続いている。

平成22年において「現在幸せである」と回答した者の割合を世帯員当たり世帯収入別に見ると,男性は300~450万円未満がピークとなっているが,女性は世帯員当たり世帯収入が高くなるほど幸福度が高い右肩上がりの傾向を示している(第12a図)。また,配偶状況別に見ると,男女とも「現在,配偶者がいる」者の幸福度が最も高くなっている(第12b図)。さらに,「現在幸せである」と回答した有配偶男女を妻の就業状態別に見ると,妻が「自営業主・家族従業者」の場合に夫の幸福度が最も高く,妻の幸福度も4割を超えている。妻が「主婦」の場合に妻の幸福度が最も高いが,夫の幸福度は30.2%と低い(第12c図)。

第12図 幸福度が高い男女の特徴(平成22年)