「共同参画」2025年3・4月号

巻頭言

従業員のハピネス実現に向けて

株式会社トリドールホールディングスは、飲食業を展開する企業で、うどんチェーン店「丸亀製麺」が代表的なブランドです。現在、世界約30の国と地域に約20のブランドを展開しています。

トリドールでは、多くのアルバイト・パート(パートナースタッフ、略してPSと呼ぶ)の従業員の活躍によって店舗運営が支えられています。全国に約3万5千人のPSがおり、女性割合は72%と高く、また学生からシニア世代まで幅広いスタッフが活躍しており、多様性に富む会社です。

店舗で提供する食事は、「手づくり」「できたて」にこだわり続けており、多くの人手が必要となりますが、トリドールではお客様に感動していただくことを最優先に考え、一見非合理に見えるこだわりを貫いています。

当社が持続的な成長を続けていくためには、多くの従業員に長く働き続けていただくための環境整備やダイバーシティ推進など、人的資本への取組が重要です。また、トリドールでは「従業員本人のハピネスがあってこそ、お客様や周りの従業員に感動を与えることができる」という考えのもと、まずは従業員のハピネス実現に向けた取組を推進しています。

経済界全体にとって重要な課題である女性の活躍推進には、多くの企業が力を入れていることと思います。ダイバーシティマネジメントセミナーでも話をさせていただきましたが、トリドールでもその課題解決に向けたさまざまな取組を進めています。

私自身、育児休暇中に苦労した経験がありますが、多くの女性社員も妊娠中や復職後の働き方について、不安を抱えていることが分かっています。それが理由で退職を選択してしまう社員を減らすべく、女性が安心して働き続けられる環境作りを推進しています。

具体的には、妊娠から復職時に専属のサポーターをつけ、定期的な面談や復職後の働き方をサポートする制度の運用や、非正規社員から正社員への登用を促進し、女性のキャリアパスを拡大する取組等行っています。また、女性管理職を増やしていくことも重要だと考えており、ポジティブアクションにより丸亀製麺においてこれまでゼロだった女性課長が複数名誕生し、活躍しています。

女性が継続就業できる環境をつくること、その上で管理職意欲を高めていけるような活動を行うことで、女性管理職割合は上がっていくと考えています。それにより、女性だけでなくすべての従業員にとって、さらに働きやすい環境づくりの促進につながっていくことを期待しています。

引き続き、すべての従業員のハピネスを高めるべく、活動を推進してまいります。

古川 雅代
古川 雅代
Furukawa Masayo
株式会社トリドールホールディングス
ハピネス・ヒューマンサポート本部
ハピネスカルチャー推進部 部長

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