トピックス3
Special introduction:積水ハウス株式会社の取組紹介
社会全体で女性活躍の機運を醸成し、多様性を確保していくことは、男女ともに自らの個性と能力を最大限に発揮できる社会の実現のために不可欠であるとともに、イノベーションの創出と事業変革の促進を通じて企業の持続的な成長、我が国の経済社会に活力をもたらすものです。
今号では、日本の大手住宅メーカーである「積水ハウス株式会社」における女性活躍を推進するための取組をご紹介させていただきます。
内閣府男女共同参画局総務課
積水ハウスのD&Iとは
~仲井社長メッセージ「Value Report2024」より~
当社グループは、経営戦略として、女性の活躍を推進しています。2006年に女性活躍推進グループを設置し、女性営業職の積極採用を開始しました。2024年1月末現在、当社グループの女性従業員比率は29.4%と、最新の建設業界平均の女性従業員比率15.3%と比較すると、約2倍の女性従業員が活躍しています。
この道のりは、決して平坦ではありませんでした。当初は離職者も多く、働きにくい職場環境、長時間勤務、上司の理解不足など、定着を阻むさまざまな課題が浮上しました。それらの要因を洗い出し、従業員の意見を取り入れながら、職場環境や制度の整備を進めてきました。その結果、キャリア採用者や性別などにかかわらず、誰もが働きやすい職場環境や制度改革につながっています。
私も毎年、女性営業の表彰式や交流会などに参加し、直接対話をしています。一般的に女性の管理職志向が低下しているともいわれていますが、嬉しいことに、当社の女性管理職候補者研修への受講者は、全員が自ら参加を希望しています。また、「幸せ度」調査の結果によると、当社グループの女性管理職および女性管理職のいる部署の幸せ度が高い傾向にあることが分かりました。
昨今、企業における女性役員や女性管理職比率が重要視されていますが、やみくもに数を追うのではなく、本人のキャリア自律を支援しながら、女性従業員比率や管理職比率の向上を実現したいと考えています。
(2024年7月16日発行 Value Report2024より)
女性管理職候補者研修の実施
当社グループでは、2021年に策定した女性活躍推進法に基づく行動計画において、2025年度までに女性管理職を310人以上登用することを目標としています。女性管理職を適正に登用するパイプラインとして、管理職候補者研修「積水ハウスウィメンズカレッジ」を2014年に開講しました。自己推薦、または上司の推薦を受けた約20名を毎年選抜し、全員が約2年間のカリキュラムを受講します。1年目は、経営視点を養うスキル学習により、マネジメントの本質を学習します。2年目は、職場の課題を解決する経験学習により問題解決能力などの強化に取り組み、OJTや実践を通じて管理職に相応しい経営視点や実力を備えていきます。カリキュラム終了時には、経営層へ自身の組織課題達成の成果をプレゼンし、多様な視点やアプローチを通じて組織全体のイノベーション力を高めるとともに、一人ひとりの意志に沿った納得性のある育成と登用に努めています。2014年の開講当初から、代表取締役が自ら受講生との直接対話を毎年実施しています。2018年からは、社外女性取締役も参加し受講生と直接対話をする機会を設けることで、受講生の管理職への昇進意欲向上に寄与しています。
図1 年表
図2 積水ハウス ウイメンズ カレッジ 11期生
図3 女性従業員比率のグラフ
女性の積極的採用
多様な価値観や視点が求められる住まいづくりにおいて、当社グループの事業活動におけるあらゆる分野で女性の活躍は重要であるとの考えのもと、当社グループでは、経営の重要課題として女性の活躍推進に取り組んでいます。建設業界では、他の産業に比べ女性従業員比率が低いことが認識されています。男性主導や重労働を伴う業務、キャリアパスの欠如や職場環境の課題などがその要因とされていました。当社グループではこれらの課題に真摯に向き合い、2005年以降、女性の積極的採用、営業職や技術職など職種別の育成と定着に向けたキャリアアップ支援や環境整備、管理職候補者の育成や登用に取り組むとともに、あらゆるライフステージで女性が活躍できるよう、より包括的な職場環境の整備や企業文化の醸成を実施しています。2023年度末時点で女性正社員の割合は29.4%となり、建設業界平均の約2倍の比率の女性が正社員として活躍しています。
積水ハウスのダイバーシティ&インクルージョンへの取組について、詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.sekisuihouse.co.jp/diversity_inclusion/