「共同参画」2025年1月号

巻頭言

地方再生の鍵を握る「女性の活躍推進」

高知県では、昨年11月19日に内閣府との共催により、女性の活躍推進に向けた男性リーダーの意識改革を図る「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会地域シンポジウム」を開催することができました。ご多用の中ご出演いただいた企業の皆様や、会場やオンラインでご参加いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。

これまで、様々な企業の方と対話を重ねる中で、深刻な人手不足が大きな経営課題となっているというお話を幾度となくお聞きしてきました。そのような中、あらゆる分野において女性の活躍を推進することが不可欠と考え、本県においては、女性が働きやすい環境を整えるための企業向け補助金を創設、建設業や一次産業のデジタル化を進めることで女性の進出を後押しするなど、取組を強化してまいりました。

性別にとらわれず全ての社員が活躍できる企業では、多様な価値観や幅広い人脈が活かされ、イノベーションが創出されることからも、「女性の活躍推進」は、企業経営において大きな意義を持つ取組です。

また、地方が抱える人口減少問題を克服するためにも、「女性の活躍推進」が重要な鍵となります。本県では、若年人口、特に若年女性の転出超過が続いており、それが出生数の減少を招き、人口減少に拍車をかけています。そのため、持続可能な人口構造への転換を目指して策定した「高知県元気な未来創造戦略」の下、若者に魅力のある仕事の創出や所得の向上支援、結婚や出産の希望を叶える取組の充実などを総合的に推進しています。

中でも、若年女性に選ばれるためには、働きやすい職場環境の整備と併せて、「家事や育児は女性」といった地域に根強く残る固定的な性別役割分担意識を解消することが不可欠と考え、「共働き・共育て」を推進する県民運動をオール高知で展開しています。社会に根付いた意識を変えていくことは容易ではないため、まずは行政や企業のトップ自らが率先して「共働き・共育て」推進の意思を表明する共同宣言やメッセージの発信を行いました。さらに、これを一過性のものにせず、男性の育児休業の取得率を官民で毎年しっかりとチェックし、着実に実績を伸ばしていくことを原動力として、「共働き・共育て」の生活スタイルを県内に定着させ、「男性が育児休業を取得する(家事・育児をする)のが当たり前の高知」をいち早く実現したいと考えています。

企業における人手不足と地方における人口減少問題、この大きな2つの課題解決の鍵を握る「女性の活躍推進」を、官民協働で、トップの決断と行動によって進めていく。それが社会を変える一手となることを信じて、全力で取組を進めてまいります。

濵田 省司
濵田 省司
Hamada Seiji
高知県知事

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