「共同参画」2024年6月号

トピックス1

第68回国連女性の地位委員会の開催


第68回国連女性の地位委員会(CSW)が、3月11日から3月22日までニューヨークの国連本部で開催され、今年の優先テーマ「ジェンダーの視点からの貧困撲滅、機構強化、資金動員によるジェンダー平等達成と女性・女児のエンパワーメントの加速」を中心に議論が交わされました。我が国からは、大崎麻子日本代表、外務省、内閣府、厚労省、文科省、国際協力機構、国立女性教育会館、NGO代表、ユース代表が参加しました。

内閣府男女共同参画局総務課

一般討論

一般討論ステートメントを発出する加藤大臣
一般討論ステートメントを発出する加藤大臣


加藤鮎子女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)は、各国政府が自国の女性の地位向上のための取組について発言する「一般討論」にて、ビデオメッセージでステートメントを述べました。

加藤大臣はまず、「ジェンダー視点での適切な資金調達がジェンダー平等及び女性と女児のエンパワーメントのためには不可欠であり、男女共同参画社会の実現・女性活躍の推進が、すべての人が生きがいを感じられ、個性と多様性が尊重される社会の実現のために極めて重要である」ことを指摘しました。

さらにジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメントを阻む構造的要因が複雑に絡み合っていることから、それらの実現のためには、女性の経済的自立をはじめとする複合的なアプローチを採ることが必要であることを説明し、この考えの下、日本政府が毎年6月に男女共同参画・女性活躍に関する各省庁の施策を「女性版骨太の方針」として取りまとめていることを紹介いたしました。

閣僚級円卓会合

我が国からは、大崎麻子日本代表が3月13日の閣僚級ラウンドテーブルに出席し、議題「ジェンダー平等と全ての女性と女児のための資金動員:女性と女児の貧困撲滅のための政策と戦略」のもと、日本国内の取組に加え、国際協力機構が発行するジェンダーボンドによる途上国におけるジェンダー平等や女性のエンパワーメントに資する事業への資金調達、「女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi)」を通じた途上国女性の資金や市場へのアクセス改善といった国際的な取組を紹介しました。

合意結論

今回のCSWの成果として採択された「合意結論」では、「北京宣言・行動綱領」や「持続可能な開発のための2030アジェンダ」などに基づく取組を一層強化していく必要性が指摘されるとともに、特に優先テーマに関連して、開発のための資金調達にジェンダー視点を取り入れること、ジェンダーに対応した経済・社会政策を導入するとともに公的機関の役割を強化すること、多元的な貧困に関するデータと統計を強化することなどが各国政府に要請されました。

サイドイベント

会期中、各国、国連機関、NGO等により様々なサイドイベントが開催されました。

日本からは日本女性監視機構、国際婦人年連絡会、国連NGO国内女性委員会、国連日本政府代表部の共催により「女性の多元的な貧困課題と草の根の対応―日本・スリランカ・グアテマラからの報告」と題したイベントの開催などがありました。

※ジェンダーに対応した経済・社会政策 活動、政策、プログラムの設計と実施において、女性、男性、女児、男児等あらゆる性別の異なる状況、役割、ニーズ、関心に取り組み立案・実行される政策のこと。

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