特集2
若年層の性暴力被害防止の啓発について
内閣府男女共同参画局男女間暴力対策課
1 4月は「若年層の性暴力被害予防月間」
性犯罪・性暴力は、重大な人権侵害であり、決して許されるものではありません。政府は、進学・就職など新生活が始まる時期である4月を、「若年層の性暴力被害予防月間」として、若年層が性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための広報・啓発を集中的に実施しています。
月間中は、ポスターや動画を通じて、「同意のない性的な行為は性暴力」「被害者は悪くない」という認識を社会全体に広げるとともに、相談窓口を周知し、被害にあった方がためらずに相談できるように、啓発を強化していきます。
「若年層の性暴力被害予防月間」のウェブサイトでは、3月下旬から、ポスターや動画を随時公開していきます。
ぜひ御覧ください。
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/jakunengekkan/index.html
同意のない性的な行為は「性暴力」
あなたのこころとからだは、あなた自身のものです。いつ、どこで、だれと、どのような性的な関係を持つかは、あなたが決めることです。同意のない性的な行為は「性暴力」です。
相手と対等な関係でなかったり、嫌だと言えない状況であったりしたなら、本当の同意があったことにはなりません。
また、一つの行為に同意をしたとしても、他の行為に同意したことにはなりません。
同意のない性的な行為は、犯罪となる場合もあります。
性暴力とは
例えば…
● 着替えやトイレ、入浴をのぞかれた
● プライベートゾーンを触られた
● 望まないキスや性行為をさせられた
● 避妊に協力してくれない
● アルコールや薬物を使用して性行為をされた
● 下着姿や裸の写真、動画を撮られた
● SNSで知り合った相手から性的な被害を受けた
● 痴漢にあった
性暴力に対するよくある思い込み
性暴力は、年齢・性別にかかわらず、被害にあうことがあります。周りの人が、性暴力に対する誤った思い込みを持って接することで、被害にあった方をさらに傷つけてしまうことがあります。日ごろから性暴力について正しい知識を持っておくことが大切です。
<よくある思い込み>
若い女性だけが被害にあう?
男性も被害にあっています。こどもや高齢者の被害もあります。また、相手が異性でも同性でも、同意のない性的な行為は、性暴力です。
夜遅く、知らない人に突然襲われる?
性暴力の被害は、時間や場所を問わず発生しています。また、加害者の約8割は顔見知りです。友人の間や夫婦・恋人の間でも被害にあうことがあります。
露出度の高い服を着ていたせい?
どのような服装でも被害にあうことがあります。悪いのは加害者です。
被害を相談されたら
性暴力の被害者が、最初に相談する相手としては、友人・知人が多くなっています。大切な人が被害にあうと、家族や周りの人もショックを受け、どのように対応してよいかわからなくなるかもしれません。
被害にあわれた方にとって、周りの人の支えや適切な対応は、大きな力になります。打ち明けてくれた人の気持ちに寄り添うことを第一に、接してみてください。そして、被害を相談しやすい社会をみんなで作っていきましょう。
身近な人に気をつけてほしいこと
次のような言動に気を付けて、接してください。
● 被害者の話を疑ったり、否定したりしない
×「それ本当?」
● 被害者を責めない。
×「そんな服、着てたから」
● 被害を軽いものとして扱ったり、無理に忘れさせようとしない。
×「たいしたことない」
● 自分の動揺した気持ちをそのまま被害者にぶつけない。
×「なぜそんなことになったの?」
● 被害者の意思や気持ちを大切にせず、よかれと思って一方的に助言したり・ 話を進めたりしない。
×「〇〇に相談すべき」
● 安易に共感を示さない、励まさない、鼓舞しない。
×「負けるな」「がんばれ」
2 「性的同意」に関する啓発動画
令和5年7月の刑法改正により、強制性交等罪・強制わいせつ罪が不同意性交等罪・不同意わいせつ罪となったこと等を踏まえ、「性的同意」について、若年層を中心に広く関心を持っていただくため、タレントのSHELLYさん、動画クリエイターのくれいじーまぐねっとさんに御協力いただき、「性的同意」に関する啓発動画を作成しました。
次頁のポイントにあるように、「性的同意」について大切なことは、対等な関係の中で相手の意思をしっかり確認し、それを尊重することです。相手が配偶者や交際相手であっても、同意が必要です。
<「性的同意」の3つのポイント>
【1】“No”が言える環境=状況であるか
無理やり言わされたYesは、同意ではありません。相手がNoを安全に言える環境を作ることが大切です。また、Noと言われたら、相手のNoを受け入れましょう。
【2】「1つのYes=全部Yes」じゃない!
「一緒にお酒を飲んだから」「家に来てくれたから」といって「性的な行為をしてもよい」ということではありません。一つひとつの行為に同意を取ることが大切です。
【3】対等な関係性であるかどうか
断れない状態や立場を利用しての行為は、同意があったとは言えません。
動画は政府広報オンラインにて公開中です。
ぜひ御覧ください。
https://www.gov-online.go.jp/media/commercials/202311/video-270758.html
「もっと話そう、理解しよう #性的同意 ~話し合ってみた編~」(くれいじーまぐねっとさん出演)は、令和7年3月をもって公開を終了しました。
3 相談できる場所があります
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターでは、被害にあった方のこころやからだの回復のために何が必要か一緒に考えます。プライバシーは守られますので安心して相談してください。全国共通番号#8891(はやくワンストップ)にお電話にいただくと、最寄りの相談窓口につながります。
また、「SNS相談キュアタイム」では、性暴力に関する悩みごと、不安なこと、誰にも言えず困っていることなどをチャットやメールで相談ができます。
年齢・性別を問わずどなたでも相談できます。
全国のワンストップ支援センター一覧
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html
性暴力に関するSNS相談Cure time
(キュアタイム)
https://curetime.jp/
下記のウェブサイトでは、被害を受けた方向けに、被害直後と被害からしばらく経った場合に分けて対応方法を紹介しています。また、一般の方向けに、身近な人が被害にあったときの対応を紹介しています。様々な啓発資料も掲載していますので、ぜひ御覧ください。
性犯罪・性暴力とは
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/index.html