性犯罪・性暴力とは
あなたのからだとこころは、あなた自身のものです。
いつ、どこで、だれと、どのような性的な関係を持つかは、あなたが決めることができます。
同意のない性的な行為は、性暴力であり、重大な人権侵害です。
性暴力は、年齢、性別にかかわらず起こります。
また、身近な人や夫婦・恋人の間でも起こります。
相手と対等な関係でなかったり、断れない状況であったり、はっきり嫌だと言えない状況で性的な行為があっても、それは本当の同意があったことにはなりません。
また、一つの行為に同意をしていても、他の行為にも同意したことにはなりません。
同意のない性的な行為は、犯罪となる場合もあります。
つらいこと、不安なことについて一人で抱え込まず、まずは性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに話してみませんか。
あなたはいま安全ですか?
- まずは、安全な場所、安心できる場所を探しましょう。
- 加害者に連絡先や位置情報を把握されていて一人で不安な場合や、どうしたらよいかわからない場合は、警察の性犯罪被害相談電話「#8103(ハートさん)」や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891(はやくワンストップ)」に連絡してください。
妊娠や性感染症が心配
- 被害から72時間以内であれば、緊急避妊薬を服用することによって、ほとんどの場合、望まない妊娠を防ぐことができます。
- 妊娠や性感染症が心配な場合は、なるべく早めに医療機関に相談しましょう。
飲み物や食べ物に薬が入っていたかも
- 「意識がもうろうとした」、「記憶がない・あいまい」、「からだが思うように動かなかった」という場合、それは睡眠薬等のクスリの影響かもしれません。
- 薬物によっては、飲んでから数時間から数日後(3日前後)で体外に排出されます。なるべく早く、検査を受けてください。
落ち着かない、不安、眠れない、
被害がまた起こっている感じがする…
- 突然ショックな経験をすると、こころやからだにいろんな変化が生じます。人によってどのような変化が生じるかは違います。
- 「自分はおかしくなってしまった」と感じることもあるかもしれませんが、このような変化は、ショックな出来事を経験したことによる、自然な反応です。
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターでは、あなたのこころやからだの回復のために何が必要か一緒に考えていきます。
犯人の特定や後で相手を訴えたいと思ったときに 役立つ証拠を採取することができます。
-
被害にあった時に着ていた衣服・下着
(洗わずにそのまま持参してください) -
被害にあう前に飲んだもの・食べたものの残り
(食器があれば、洗わずに持参してください) - また、気持ち悪いかもしれませんが、 警察や病院に行く前に、なるべくシャワーやお風呂でからだを洗わないことをお勧めします。
「証拠となるようなものが何ものこっていない」、「被害から72時間以上経ってしまった」場合でも、相談できます。心配せず、相談してください。
一人で警察に相談したり、病院等で検査を受けることが不安なときは、まず性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに相談してください。同行してもらえる場合があります。
眠れない、食欲がない、吐き気がする、不安や恐怖で落ち着かない、被害がまた起こっている感じがする
- 突然ショックな経験をすると、こころやからだにいろんな変化が生じます。人によってどのような変化が生じるかは違います。
- 「自分はおかしくなってしまった」と感じることもあるかもしれませんが、このような変化は、ショックな出来事を経験したことによる、自然な反応です。
妊娠や性感染症について
- 「妊娠したかもしれない」「妊娠した」という場合、こころとからだの負担を考えると、なるべく早めに産婦人科を受診することをお勧めします。
- 性感染症は、無症状の期間があったり、症状が軽くて気づきにくい場合もあるため、早めに検査を受けることをお勧めします。
※一人で病院等で検査を受けることが不安なときは、まず性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに相談してください。同行してもらえる場合があります。
※「産婦人科の受診や検査をためらっているうちに時間が過ぎてしまった…」という場合でも、あなたのこころとからだのためにできることがあります。
※性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターでは、あなたのこころやからだの回復のために何が必要か一緒に考えていきます。
こどもが性暴力被害を受けたときは、周囲の大人が早期に気づくことが重要です
被害を受けたこどもへの対応
- 「本当なの?」「そんなことありえない」などと、こどもの話を疑ったり、否定したりせずに、 こどものペースに合わせて話を聞いてください。
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話したくないことは無理に聞き出さないようにしてください。
話している途中に気分が悪くなったり、疲れたりしたら、休んでもいいよと伝えてください。 - 「話してくれてありがとう」「あなたは悪くないよ」と伝えてください。
- こどもに聞きすぎることがこどもの記憶に影響(「記憶の汚染」と呼ばれています)等を与える場合があることに留意し、なるべく早く警察、児童相談所、ワンストップ支援センターなどの専門機関や専門家に相談してください。
- こどもの安全を確保して、こどもの同意を得てから、からだに傷などがないか確認してください。
- 被害直後の場合は、すぐに医療機関を受診するようにしてください。(傷の手当、感染症検査、証拠採取等が必要になる場合があります。)
- 大人も傷つき、体調を崩すことがあります。あなた自身のこころとからだにも気を配り、無理をしないでください。
言葉にすることが難しいこどもたちは、トラウマの反応が心身の不調や問題行動として現れることがあります。特に、問題行動については、その背景にあるトラウマを理解することが重要です
- 頻尿、夜尿
- 体調不良(頭痛、腹痛、吐き気、倦怠感など)
- 不眠(夜更かし、怖い夢を見る、ひとりで眠れないなど)
- ふさぎこむ、元気がない、無気力
- 集中力の欠如、学力不振
- 食欲不振、過食
- 不登校
- 性器の痛み、かゆみ
- 自傷行為、リストカット
- 多動や乱暴
- 非行(飲酒、喫煙、家出など)
- 人との距離が近い、不特定多数の人と安全でない性行動を繰り返す
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こどもが小さいときから、次のことを伝えて下さい。
- 水着で隠れる部分(プライベートゾーン)は見せない・触らせないこと
- イヤな触られ方をされそうなときは、「イヤだ」「やめて」と言ってもいいこと
- 自分という存在は大切で安全に扱われる存在であり、また相手も自分のように大切で安全に扱われるべき存在であること
- こどもの異変やSOSに気付けるような関係・環境をつくるために、日頃から家庭内でコミュニケーションをとり、こどもの気持ちをよくきいてあげてください。
- こども自身が保護者には知られたくないと感じる場合でも、ワンストップ支援センターなど、信頼できる大人に相談できる場所があることを伝えてください
被害は性別にかかわらず誰にでも起こりえます。ひとりで悩まず、相談してください。
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以下のようなことは間違った思い込みです。どんな場合であっても、あなたは悪くありません。
「男性や男児が性被害にあうはずがない」
「男性なら抵抗できるはず」
「男性が被害にあうのは恥ずかしい」
「男性の被害は大したことない」 - 勃起や射精は性的な行為に同意したという証しではありません。 からだが反応するのは自然な生理反応であり、あなたの気持ちとは関係ありません。
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被害直後の場合は、すぐに医療機関を受診してください。
(傷の手当、性感染症検査、証拠採取が必要になる場合があります。) - 警察やワンストップ支援センターに相談できます。ワンストップ支援センターでは、医療的支援、心理的支援、同行支援、法的支援、関係機関と連携した支援ができます。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターとは
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターでは、あなたが不安に思っていること、心配していること、迷っていることを受け止め、一人ひとりの状況に応じて、安心できる方法を一緒に考えます。話したい・聞きたいこと、なんでも話してみてください。
性犯罪・性暴力被害者のための
ワンストップ支援センターで相談できること
妊娠や性感染症が心配
- 協力関係にある医療機関において、緊急避妊薬の処方や、妊娠・性感染症の検査等について安心することができるよう、サポートします。
こころやからだのことが心配
- 医療機関等において、必要な治療や心理的支援を安心して受けることができるようサポートをします。
警察に相談したい、相談するかどうか迷っている
- 警察での支援、捜査、証拠採取等に関する情報の提供、警察に同行するなど、相談する際のサポートを行います。
法律や裁判のことがよくわからない
- 弁護士等と連携しながら、法的な手続き等のサポートを行います。
その他(今後のことが心配等)
- その他、安心して安全に生活することができるよう、必要なことを一緒に考えてサポートします。
相談は、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターへ
大切な人が被害にあうと、家族や周囲の方もショックを受け、どのように対応してよいかわからなくなります。でも、みなさんは被害にあわれた方にとって、安心や信頼を与えることができる重要な方たちです。皆さんにできることがあります。
身近な人ができること
被害者の安全を確保してください
- 被害場所にとどまっていたり、加害者に居場所や連絡先を知られていたりしないか確認してください。
- 緊急の場合は、110番するなど、警察に連絡してください。
「あなたは悪くない」と繰り返し伝えてください
- 被害者は、「私が悪かった」、「あのとき、気を付けていたら」、「あんな場所にいかなければ」等、自分を何度も責めたりします。「あなたは悪くない」、「あなたに落ち度も責任もない」と、繰り返し伝えてください。
信じて話を聞いてください、気持ちを丁寧に聞き、そのまま受け止めてください
- 被害者の話は、あいまいだったり、つじつまが合わないと感じる場合もあります。それは、被害のショックで記憶がはっきりしない場合があるからです。また、周囲に心配をかけたくない、理解してもらえない等と思って、全て話せない場合もあります。 まずは、否定したり、疑ったり、無理に聞き出したりしようとせず、被害者の話に、丁寧に耳を傾けてください。
あなた自身のこころとからだも気を配り、無理をしないでください
- 聞いたあなたもショックを受けて、つらくなったり、苦しくなることもあるかもしれません。
- あなたも自分だけで抱え込まずに、性犯罪・性暴力被害者支援のためのワンストップ支援センター等に相談してください。
身近な人の言動により、被害者がさらに傷つくことがあります。つぎのような言動に気を付けて、接してみてください。
自分の動揺した気持ちをそのまま被害者にぶつけない
- 「なぜそんなことになったのか」「聞いているだけでつらい、イヤな気分になる」等
被害者の話を疑ったり、否定したりしない
- 「そんなことありえない」「あの人がそんなことするはずがない」等
被害者の落ち度を責めない
- 「あなたも悪かった」「あなたが不注意だった」「~しなければよかった」等
被害を軽いものとして扱ったり、無理に忘れさせようとしない
- 「たいしたことない」「早く忘れてしまえばよい」等
被害者の意思や気持ちを大切にせず、 よかれと思って一方的に助言したり・話を進めたりしない
- 「警察に相談すべき」「学校・仕事は辞めるべき」「~することにしたから」等
安易に共感を示さない、励まさない、鼓舞しない
- 「あなたなら大丈夫」「絶対できる」「負けるな」「頑張れ」「あなたの気持ちわかるよ」等
- 被害にあった方がなかなか被害を打ち明けられないことはよくあります。
- 中には被害によるトラウマの影響で問題行動と受け取られるような態度になっていることもあります。(急に学校に来なくなった、緊急避妊薬を繰り返しもらいにくる、話すことを拒否するような態度など)
- もしかしたら性暴力被害にあった可能性があることを頭に置いて、丁寧に接していくことで、被害者が被害を打ち明けてくれることもあります。
- 被害を打ち明けてくれた場合には、被害の詳細を聞く必要はありません(特に年少者の場合は何度も被害の状況を訊かない方がいい場合はあります)。
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなど専門の相談機関があり、様々な支援を受けられるという情報を伝えましょう。本人の同意を得た上であなたから専門の相談機関に連絡してもいいかもしれません。
- どうしたらいいかわからない場合は、あなた自身が性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに問い合わせてみることもできます。
※トラウマ・インフォームド・ケア(TIC)という、背景にあるトラウマに配慮した対応の考え方も参考になります。
相談先を案内した啓発カードを作成しました。当サイトからダウンロードして、中学生・高校生が参加する行事等やこども・若者が利用する公共施設・商業施設等で配布していただくなど、ご活用ください。
啓発カード
- 表面
- 裏面
啓発パンフレット
医療機関向けリーフレット
地域の医療機関・医療従事者の方々に向けて、ワンストップ支援センターの周知のためのリーフレットを作成しました。医療機関との連携のため、ご活用ください。
※1ページ形式の「チラシ」も同内容です。
啓発動画(政府広報)
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性被害を受けたこどもは、被害を打ち明けられません。言葉にすることが難しくても、心身の不調や問題行動がサインとして現れます。周囲の大人はどのように対応すべきか、相談窓口とともに紹介します。
下記をクリックしてご覧ください。
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性的同意とは、性的な行為に対して、お互いの気持ちをしっかり確認しあうことです。この性的同意について、大切にしたいポイントをSHELLYさんがわかりやすく紹介します。
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性的同意とは、性的な行為に対して、お互いの気持ちをしっかり確認しあうことです。この性的同意について、動画クリエイター「くれいじーまぐねっと」の3人と一緒に考えながら理解を深めてみましょう。
下記をクリックしてご覧ください。
これらの動画は、政府広報として作成したものであり、政府広報オンラインでも御覧いただけます。
本サイトは、内閣府が専門家や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどの関係者の意見等をもとに、作成したものです。