特集2
G20女性活躍担当大臣会合
内閣府男女共同参画局総務課
G20女性活躍担当大臣会合
令和5年8月2日~4日、3回目となるG20女性活躍担当大臣会合がインド・カンディナガルにて開催され、小倉將信女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)が参加しました。「世代間変革を先導する女性主導の包摂的な開発」を全体のテーマに、以下9つのテーマ別セッションにて女性活躍が議論され、小倉大臣はセッション4に登壇しました。
●主要テーマ:
「世代間変革を先導する女性主導の包摂的な開発」 (Women led Inclusive Development as Cusp of Inter- Generational Transformation)
●セッションテーマ:
①教育、女性のエンパワーメントへの道を変えるもの(Education, a Game-changing Pathway to Women’s Empowerment)
②女性のエンパワーメントのためのデジタルスキル(Digital Skilling for Women’s Empowerment)
③教育とSTEM(Education and STEM)
④女性のリスキリング(Skilling Opportunities for Women)
⑤新技術における女性(Women in Emerging Technologies)
⑥女性と宇宙(Women and Space)
⑦草の根レベルでの女性のリーダーシップ促進に向けたパートナーシップ(Partnership for Promoting Leadership at Grassroots)
⑧気候強靱化行動(Climate Resilience Action)
⑨文化の力と女性のエンパワーメント(Power of Culture and Women’s Empowerment)
会合の様子
小倉大臣の発言のポイント
小倉大臣はステートメント冒頭でロシアのウクライナ侵略について強く非難した上で、以下のとおり日本の男女共同参画の現状と取組を発信しました。
〇2020年に始まった新型コロナウィルス感染拡大により、多くの女性が仕事を失い、女性の経済的基盤の脆弱性が浮き彫りになった。
同時に無償・有償を問わずケア労働は私たちの社会で重要な役割を果たしていること、女性に不均等に負担等を強いるケア労働が女性の経済的自立の障壁となっていることを再認識。
〇本年6月、我が国が議長国を務めた「栃木県・日光男女共同参画・女性活躍担当大臣会合」においては、コロナ禍における教訓を踏まえ、今後の女性の経済的自立の実現に向けた取組等について議論を行い、「日光声明」を取りまとめた。
〇女性役員比率の引上げ、また経済分野における女性のリーダーシップを拡大するため、「女性版骨太の方針2023年」において、プライム市場上場企業に対し2030年までに女性役員比率を30%以上に引き上げるよう数値目標を設定し、目標達成のための行動計画の策定を推奨している。
〇女性のリスキリング支援として、「女性デジタル人材育成プラン」に基づきデジタルスキル向上と比較的高賃金の見込めるデジタル分野への就労支援を実施している。
〇女性の子育て・仕事の両立支援のため、保育の受け皿確保に重点的に取り組み、女性の就業者数は2012年に比べ370万人近く増加。
男性の育休取得促進に向け、育休取得時の手取り10割を保証する等、制度面と給付面双方からの対応を抜本的に強化する。
〇女性の起業促進に向け、政府主導の起業家支援事業における女性比率を20%に増やすほか、支援ネットワークの強化、女性キャピタリストを採用する民間ファンドや女性起業家に積極的に投資する方針の民間ファンドへのJICによる投資を促進する。
〇「意思決定層への女性の参画」に関し、G20大阪サミットで立ち上げられ重要な役割を果たしている(※)G20 EMPOWERのこれまでの活動に敬意を表するとともに、来年以降もEMPOWERの活動が継続されることを強く支持する。
(※)G20 EMPOWERとは
令和元年6月のG20大阪サミットで立ち上げられた民間セクターのアライアンスであり、企業における意思決定層への女性の参画拡大を目指し、G20各国の民間セクター代表が自発的・自律的なネットワークを構築し、好事例の共有や政府への政策提言を行っています。日本の代表は、アキレス美知子 SAPジャパン株式会社人事戦略特別顧問、塚原月子 株式会社カレイディスト代表取締役のお2人で、日本は副議長国を務めています。
面会の様子
令和5年7月21日、小倉大臣とG20 EMPOWER日本代表が面会をし、G20 EMPOWERの活動内容が報告されました。また、G20女性活躍担当大臣会合に向けて、企業における意思決定層への女性の参画の拡大について意見交換を行いました。
議長声明のポイント
会合終了後に公表された議長声明においても、以下の点における重要性などが指摘されました。
○女性のSTEM分野への参画、特に男女間のデジタル格差の解消に向けた教育の重要性を再認識し、安価で包括的、安全な教育へのアクセスの改善、ジェンダーに対応した教員研修等を行う。
○女性の起業を妨げる既存の男女格差と課題を解決するため、ネットワーキングやメンターシップの機会を含む能力開発を促進する。
○適切な公共政策の立案や女性の権利団体の支援等を通じ、草の根レベルでのリーダーシップ、意思決定への参加を制限する構造的障壁を取り除く。
○気候変動対策において女性が参画する重要性を認識し、政策決定への参加、リーダーシップを促進する。
この他、小倉大臣は現地にて各国要人等とバイ会談を行うとともに、デリーにおいて、地下鉄における女性に対する暴力の防止に関する取組の視察、現地で活躍する女性邦人(阿部玲子 株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル インド現地法人 代表取締役会長、池田恵理 インド工科大学デリー校経営管理学部助教、田中美樹子 国連アジア太平洋経済社会委員会 南・南西アジア事務所所長)との意見交換を行いました。
各国G20 EMPOWER代表との面会の様子
会合の詳細や議長声明の全文は、下記に掲載しています。
https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_g20/meeting_202308.html