特集2
ジェンダー投資における調査研究
内閣府男女共同参画局推進課
1.調査の目的
女性の活躍推進は、少子高齢化に伴う人口減少が深刻化する我が国において、多様な視点によってイノベーションを促進し、我が国の経済社会に活力をもたらすものであり、持続的成長のために不可欠なものです。さらに、昨今の資本市場においては企業の女性活躍状況が投資判断に考慮されるようになっており、女性が企業の責任ある地位で活躍することは、グローバルな競争が激化する中で、企業の持続的な成長にもつながります。
女性活躍の要素を考慮したジェンダー投資の状況等について調査し、広く発信することにより、企業における女性活躍を推進することを目的として本調査研究を実施しました。
■調査内容 | 投資活動における女性活躍情報の活用状況等 |
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■調査時期 | 令和4年12月23日~令和5年1月27日 |
■調査方法 | 日本版スチュワードシップ・コードに賛同する国内に拠点を持つ機関投資家等、計255機関に対するアンケート調査(回答率51%)等
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2.調査結果
●投資判断における女性活躍情報の活用状況
投資判断の全て又は一部において女性活躍情報を活用していると回答した割合は約3分の2となりました。
●女性活躍情報の活用用途
女性活躍情報の活用用途として「議決権行使やエンゲージメントにおいて活用」との回答が8割以上でした。
●女性活躍情報を参考にする企業の市場区分
「市場区分は問わず参考にする」との回答が約4分の3を占めました。
●投資判断や業務において女性活躍情報を活用する理由
「企業の業績に長期的には影響があると考えるため」が最も多く、次いで「企業の優秀な人材確保につながると考えるため」となりました。
●投資判断や業務において活用する女性活躍情報
投資や業務において活用している女性情報は「女性役員比率(79.0%)」が最も多く、次いで「女性管理職比率」(65.4%)、「女性従業員比率」(44.4%)でした。また、「執行役員・部長の女性比率」も38.3%と、役員だけでなく様々な役職段階の女性割合の情報が活用されています。
また、それぞれの情報を活用する理由については、「取締役会の決定に意見の多様性が反映されているかを確認するため」(女性役員比率)、「将来的に取締役会の多様性に寄与すると考えているため」(女性管理職比率)等の回答がありました。
●企業の女性活躍情報の開示に求めること
6割以上が企業の情報開示に対して「将来の目標を明示する」及び「経年変化が分かるように過去の情報を開示する」ことを求めています。
また、「開示する定量的な情報の項目を増やす」ことを求める回答も半数を超えています。
3.今後について
現在、小倉内閣府特命担当大臣(男女共同参画)の下で、経済・経営の専門家等で構成する有識者検討会を開催しています。本検討会では、投資において女性活躍情報が活用されている状況なども踏まえた上で、女性役員比率の向上等の女性活躍と経済成長の好循環を実現するための諸施策について幅広く検討しています。
詳細は、こちらを御覧ください。
ジェンダー投資に関する調査研究(令和4年度)
https://www.gender.go.jp/policy/mieruka/company/r4gender_lens_investing_research.html
女性活躍と経済成長の好循環実現に向けた検討会