「共同参画」2022年12月号

トピックス2

令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査結果
内閣府男女共同参画局総務課

我が国における男女共同参画の取組の進展が未だ十分でない要因の一つとして、社会全体において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が存在していることが挙げられます。

内閣府男女共同参画局では、昨年度に続き、本年8月に「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査」を実施しました。

無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)とは自分自身は気づいていない「ものの見方やとらえ方のゆがみや偏り」をいいます。自分自身では意識しづらく、ゆがみや偏りがあるとは認識していないため、「無意識の偏見」と呼ばれます。

本調査では、家庭・コミュニティ領域と職場領域での性別役割、その他性別に基づく思い込みについて、前回調査(令和3年度に実施)の測定項目(36項目)に、新規項目(5項目)を追加した41項目に回答いただきました。回答者には最初に自分の考えにあてはまるかどうか聞き、その後、性別に基づく役割や思い込みを決めつけられた経験を聞いています。

各項目について、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」の4段階で選択、『「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高い(又は低い)』ことを『「そう思う傾向」が強い(又は弱い)』としています。

以下、具体的に見ていきます。

※対象・調査設計

【対  象】
全国男女20~60代 10,906人(男性5,452人 女性5,384人 その他70人)

【調査設計】
全国47都道府県を性別、年代(20代~60代)で分け、均等に回収するサンプリングとし、測定項目を追加し41項目とした。


1.性別的役割意識(全体)

性別役割意識について、男女ともに上位に入った8項目のうち7項目は、「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合は男性の方が高くなりました。

また、今回調査で新規追加した測定項目が上位に入っており、男女ともに「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」が最も高くなっています。その他、男女差が大きく開いたのは「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」、「男性は結婚して家庭をもって一人前だ」、「男性は人前で泣くべきではない」の3項目であり、 前回調査と同様に全体的に男性が高い割合となっています。(表-1参照)


性別役割意識(全体)
[表-1]


2.男女差でみえるアンコンシャス・バイアス

全項目平均では、性別役割の「意識」は男性が強い一方で、直接言われた・言動や態度から感じた「経験」は女性のほうが多くなっています。

男性は女性と比べて、性別に基づく役割を直接言われた、あるいは言動や態度で間接的に接した「経験」は少なく、伝統的な役割観に自身がとらわれていることに気づいていない可能性がうかがえました。(図-1参照)

性別役割について意識及び経験
[図-1]


3.職場項目における性別役割意識

職場項目における性別役割意識では、20代男性で「そう思う」又は「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が高いものが多くみられました。

さらに、「男性は出産休暇/育児休業を取るべきでない」、「仕事より育児を優先する男性は仕事へのやる気が低い」については、20代の男女間でも大きな差がみられる結果となっています。(図-2参照)

また、前回調査と同様に、男性と女性の両方で「そう思う傾向」が最も強い項目は「育児期間中の女性は重要な仕事を担当するべきでない」でした。


性別役割意識(職場)
[図-2]


 

4.性別役割意識(性年代別)における結婚に対する価値観の相違

「女性は結婚によって、経済的に安定を得る方が良い」は、性年代別で大きな差はないものの、いずれの層でも一定数みられており、直接言われたあるいは言動や態度から感じた「経験」では、男性より女性の方が多く、女性は年代が高くなるほどそう感じさせられた割合が高くなっています。特に女性の50~60代が多く経験しています。

直接または間接的にそう感じさせた人として、女性は「母親」が1位で、次いで「父親」となっており、同性の友人や親戚が上位に入っていました。(図-3参照)


性別役割意識(性年代別) 結婚に対する価値観の相違
[図-3]


調査結果はこちらから閲覧できます
「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」
(内閣府男女共同参画局/2022年11月公表)
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/seibetsu_r04.html


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