「共同参画」2021年10月号

トピックス1

G20で初となる女性活躍担当大臣会合の開催について
内閣府男女共同参画局総務課

G20女性活躍担当大臣会合について

令和3年8月26日、G20では初めてとなる「女性活躍担当大臣会合」が開催され、丸川女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)がオンラインで参加しました。議長国イタリアの下、特に取り組むべき分野横断的な取組として、①STEM(科学、技術、工学、数学)、金融及びデジタルリテラシー、環境サスティナビリティ ②労働と経済的エンパワーメント、ワーク・ライフ・バランスの2つのテーマを中心に、女性の経済的なエンパワーメント(自立する力)の課題や取組等について議論が行われました。


議  事

オープニング・セッション
第1テーマ別セッション(STEM、金融及びデジタルリテラシー、環境とサスティナビリティ)
アフガニスタンの女性に関する閣僚会合
第2テーマ別セッション(労働と経済的エンパワーメント、ワーク・ライフ・バランス)
クロージング・セッション


丸川大臣は、オープニング・セッションのラウンドテーブル1に登壇し、女性活躍推進に向けた日本の取組を発信し、各国から理解を得ました。


丸川大臣の発言のポイント

ジェンダー平等は、日本政府の重要かつ揺るぎない、確固たる方針。
経済分野における意思決定層への女性の参画拡大と、その実現のための官民連携が重要。
日本では昨年「第5次男女共同参画基本計画」を閣議決定し、58の女性の登用目標を掲げた。その達成のため、例えば、中小企業への相談対応やアドバイス提供、コーポレートガバナンス・コード再改定による企業の登用目標設定、情報開示やフォローアップ、公共調達において女性活躍を推進する企業の受注増大に向けた取組等を行っていく。
コロナの影響やデジタル化の進展に伴い、女性人材の育成や成長産業への円滑な移動支援のために再教育を行っていくことが重要。日本は、地方自治体における交付金を活用した女性デジタル人材の育成や、再就職・転職の支援に取り組む。さらに、女子中高生や大学生がSTEM分野に興味・関心を持ち進路選択ができるよう支援を行っている。
人生100年時代が到来すると言われている中で、人生の中のあらゆる場面において女性のエンパワーメントを推進していくことが重要。
G20 EMPOWER(※)の精力的な活動に敬意を表するとともに、来年以降もG20の枠組みの下で、G20 EMPOWERの活動が継続されることを強く支持し、来年の議長国であるインドネシアとも連携していきたい。

また、今般のアフガニスタンの情勢を受けて、アフガニスタンの女性に関する閣僚会合もあわせて開催されました。会合後に公表された議長声明においても、アフガニスタンの女性の保護に向けての呼びかけが含まれています。このほか、会合のテーマとなった議題についての議長声明のポイントは、以下のとおりです。


会合の様子①
会合の様子①


議長声明のポイント

<STEM、金融及びデジタルリテラシー、環境とサスティナビリティ>

現状として、男女間でデジタル格差が存在し、STEM分野における女性の参加が少ないと認識。
このため、STEM教育について、幼少期から中高生、高等教育における実施や、雇用のための訓練が重要。
また、デジタルトランスフォーメーションの過程を通じて、新たに生まれる雇用機会を女性が最大限利用できるよう、関連施策を強化・発展する必要性について意見が一致。
その際、固定的性別役割分担意識をなくすことが不可欠。


<労働と経済的エンパワーメント、ワーク・ライフ・バランス>

未だに女性が労働市場に完全に参画するにあたって障壁が存在しており、賃金の不平等の解消を目指した取組の強化や、女性が指導的地位に就くことを阻む全ての障害を取り除くこと、女性の起業を支援することが必要。
リモートワークの活用が女性にとって不利にならないよう対策が重要。
無償ケア労働や家事労働の男女間における公平な分配や、育児休業の広範な適用を促進する手段・制度の促進が不可欠。

会合の様子②
会合の様子②


会合の詳細や議長声明の全文は、下記に掲載しています。
https://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_g20/meeting_202108.html


(※)G20 EMPOWERとは

令和元年6月のG20大阪サミットで立ち上げられた民間セクターのアライアンスであり、企業における意思決定層への女性の参画拡大を目指し、G20各国の民間セクター代表が自発的・自律的なネットワークを構築し、好事例の共有や政府への政策提言を行っています。日本の代表は、アキレス美知子 SAPジャパン株式会社人事戦略特別顧問、塚原月子 株式会社カレイディスト代表取締役の2人で、日本は副議長国を務めています。

令和3年8月20日、丸川大臣とG20 EMPOWER日本代表がオンラインで面会をし、G20 EMPOWERの活動内容が報告されました。また、G20女性活躍担当大臣会合に向けて、企業における意思決定層への女性の参画の拡大について意見交換を行いました。

面会の様子
面会の様子


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