「共同参画」2020年3・4月号

トピックス2

ダイバーシティ・マネジメントセミナーの開催&シンポジウム「企業価値を高める女性活躍推進」の開催
内閣府男女共同参画局推進課

ダイバーシティ・マネジメントセミナー「ダイバーシティマネジメント for SDGs~投資家の視点もふまえて~」を開催

1.セミナー概要

 令和元(2019)年12月16日(月)に経団連会館(東京都千代田区)において、一般社団法人日本経済団体連合会(以下「経団連」という。)及び内閣府男女共同参画局の共催で、企業の経営者及び管理職を対象としたダイバーシティ・マネジメントセミナーを開催しました。2013年度から開始した同セミナーは今年度で7年目を迎え、企業の管理職やダイバーシティ推進担当者等、約200名が参加しました。

 Society5.0の到来や人口減少等、これから大きな変化を迎える日本社会において、企業が持続的成長を実現していくためには、女性、若者、シニア、外国人を含めた多様な人材の能力を最大限引き出し、さらなる生産性向上を図っていくことが不可欠です。こうした中、ダイバーシティの実現に向けた取組は、この数年、各分野において着実に進められてきています。


当日のセミナーの様子

 また昨今、ESG投資が世界的に注目されており、とりわけ「S(Social)」や「G(Governance)」の観点から機関投資家が企業の女性活躍の取組を評価する動きが進んでいます。

 今回は、「ダイバーシティマネジメント for SDGs ~投資家の視点もふまえて~」をテーマとし、先進企業の経営者からダイバーシティに関する問題意識や取組、成果、今後の課題等について話を聞くとともに、企業・投資家からの事例紹介を通じて、企業におけるダイバーシティ推進への理解を深めました。

2.基調講演

経団連審議員会副議長/大和証券グループ本社会長
日比野 隆司氏

 「ダイバーシティ先進企業へのチャレンジ」というタイトルで経団連審議員会副議長/大和証券グループ本社会長である日比野 隆司氏にご登壇をいただき、大和証券グループのダイバーシティ推進についてご講演いただきました。具体的には、2005年に「女性活躍推進チーム」を発足させ、早期から女性活躍を強力に推進してきたことをはじめ、最近の取組として、女性のキャリア形成も含めた包括的な支援を行う「Daiwa ELLE Plan」の導入、役員に占める女性割合の向上を目指す「30% Club Japan」への参画等についてご紹介いただきました。

3.事例紹介 

(1)ゴールドマン・サックス証券株式会社
   副会長 キャシー・松井氏
 「ESGの観点から見たダイバーシティ推進」というタイトルでゴールドマン・サックス証券 副会長であるキャシー・松井氏にご登壇をいただき、女性活躍の効果について数値を用いてお話をいただきました。女性活躍が進んでいる企業ほど株価やROEが高いこと、諸外国のみならず日本の都道府県別のデータを見ても、女性就業率と出生率の間には正の相関があること等ご紹介いただきました。 

(2)株式会社コマツ製作所
   取締役常務執行役員 浦野 邦子氏
 「コマツにおけるグローバル化とダイバーシティ推進」というタイトルで株式会社コマツ製作所 取締役常務執行役員である浦野 邦子氏にご登壇をいただき、女性を活かせる環境とは、すなわち誰もが働きやすい環境と捉え、女性だけの制度から全従業員を対象とした制度への普遍化を進めているとのお話がありました。その上で、明確なトップ方針のもと、採用・育成配置・働きやすい環境・意識の向上の各分野で進めている施策をご紹介いただきました。

 

「企業価値を高める女性活躍推進~ESG投資、SDGs経営に着目して~」を開催

1.概要 

 令和2(2020)年2月4日(火)に名古屋マリオットアソシアホテル(愛知県名古屋市)において、内閣府男女共同参画局の主催で、シンポジウム「企業価値を高める女性活躍推進 ~ESG投資、SDGs経営に着目して~」を開催しました。


手代木氏による基調講演

2.基調講演

塩野義製薬株式会社
代表取締役 社長 手代木 功氏
 塩野義製薬においては、社会とともに成長し続けるために、企業が成長するためのストーリーを示しながら、ESGやSDGsを組み込んだ取組を実施しているというお話がありました。また、経営者として、株主・投資家、顧客、従業員、社会に対して最適なバランスを保ちながら対話をし続けることが重要であり、例えば従業員との対話では、社長自らが若手社員の育成をする「社長塾」や女性発案のプロジェクトを採用した上でリーダーを任せること等を通じて、人材育成や女性活躍を進めているとご紹介いただきました。

3.事例紹介

(1)三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
   環境戦略アドバイザリー部
   チーフ環境・社会(ES)ストラテジスト 吉高 まり氏
 ESG投資は一過性のブームではなく、リーマンショック等を経験した上での進化した投資であることを示されました。また、生産年齢人口の減少に直面する日本企業においては、将来も存続する企業になるために、人材の確保や女性活躍についてどのように考えているのかを開示することが重要であるというお話がありました。

(2)オムロン株式会社 
   グローバル人財総務本部 グローバル人財開発部
   ダイバーシティ推進課長 上村 千絵氏

 オムロンにおいては、企業理念の実践と中期経営計画の策定にあたり、サステナビリティと連動した取組を実施しているというお話がありました。また、女性活躍については、女性一人ひとりの活躍に対して、会社が成長できる場を作ることが重要であるということを、事例を交えてご紹介いただきました。

4.グラフィックレコーディング

 本シンポジウムでは、講演の内容をビジュアル化する手法であるグラフィックレコーディングを取り入れました。完成物は下記のQRコードからご覧いただけます。

 

詳しい開催報告はこちら

【HP】 http://www.gender.go.jp/public/event/2019/020204.html

内閣府男女共同参画局 Gender Equality Bureau Cabinet Office〒100-8914 東京都千代田区永田町1-6-1
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