地域シンポジウム(和歌⼭県)を開催しました︕
令和8年2月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(以下、「男性リーダーの会」)地域シンポジウムを和歌山県と共催で開催しました。
基調講演では、本会参加者である株式会社エーピーシィの安藤社⻑に、⼥性活躍推進への想いと取組についてご講演いただきました。
また、県内企業の組織トップとして⼥性活躍を推進されている⻄⽇本旅客鉄道株式会社和歌⼭⽀社の富澤⽀社⻑、中野BC株式会社の中野社⻑、株式会社紀陽銀⾏の原⼝頭取にご登壇いただき、女性活躍推進における組織トップの役割と題してパネルディスカッションを行いました。当日は、会場とWEB視聴あわせて約90名の方にご参加、ご視聴いただきました。
「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(和歌山県)開催報告
- 日時:
- 令和8年2月10日(火)13:30~15:00
- 場所:
- ハイブリッド形式(和歌山県自治会館2階「大会議室」/ZOOMウェビナー)
- 主催:
- 輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(事務局:内閣府男女共同参画局)
- 共催:
- 和歌山県
プログラム
1.開会挨拶
由布 和嘉子 内閣府大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
由布審議官は、開会挨拶の中で、企業における女性役員・女性管理職の人数が徐々に増えているものの、国際的に見れば、いまだ低い水準にとどまっており、特に地方において固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みが根強く残っていることを述べました。
また、令和8年3月より、本会に新たに女性リーダーの参画が可能となる旨を説明し、女性活躍推進に積極的に取り組むリーダーのネットワークが拡大することへの期待を述べました。
宮﨑 泉 和歌山県知事
宮﨑知事は、ジェンダー平等が特別な理念として意識されることのない社会の実現こそが理想であると述べ、そのためには、ソフトの部分とハードの部分を並行して取り組むことが大切であると説明しました。
また、本シンポジウムを通じて、ジェンダー平等に近づくこと、さらに各企業において具体的な行動につながることへの期待を示しました。あわせて、和歌山県においても、企業等と連携しながら「わかやまジェンダー平等プロジェクト」を推進していることに触れ、まずは意識、そして行動がともなうように重視して取り組むことの必要性を強調しました。
2.基調講演
テーマ:「女性活躍推進への想いと取組」
登壇者:安藤 寛高 氏(株式会社エーピーシィ 代表取締役社長)
安藤社長は、DEIB経営※の考え方を軸に、ポジショニング、MVV(Mission Vision Value)、空間・空気の設計を行い、性別による職域の壁の撤廃や小さい組織のリーダーを女性社員に経験させることで、将来的な人材不足に対応できる組織づくりを進めていることを説明しました。
また、女性従業員の比率の低さを弱みとして捉えるのではなく、女性活躍を推進する会社となることで、競合他社との差別化が実現され、事業の継続につながることを述べました。自社の取組の3つの柱である「ダイバーシティ」「多能工化」「休みやすい職場環境」という価値観をもとに、人材確保を継続的に可能にし、安定的に育成することで、信頼される会社を目指していることを述べました。
※DEIB経営…D(Diversity 多様性)、E(Equity 公平性)、I(Inclusion 包括性)、B(Belonging 帰属意識)の頭文字を取った概念。
3.パネルディスカッション
テーマ:「女性活躍推進における組織トップの役割」
登壇者:富澤 五月 氏(西日本旅客鉄道株式会社 理事 近畿統括本部和歌山支社長)
中野 幸治 氏(中野BC株式会社 代表取締役社長)
原口 裕之 氏(株式会社紀陽銀行 取締役頭取)
小安 美和 氏(株式会社Will Lab 代表取締役)※ファシリテーター
パネルディスカッションでは、女性活躍推進に対する組織トップのコミットメントや、女性活躍をさらに推進していくために今後取り組みたいことについてお話しいただきました。
パネルディスカッションの様子 左上から時計回りに宮澤支社長、中野社長、原口頭取、小安氏
■女性の管理職・役員登用についてコミットしていること、組織トップのリーダーシップについて
・自身は、男女問わず環境や職位が人を育てると考えており、チャレンジする機会やキャリアを継続する機会が公平にあることが重要だと思っている。入社した当初は、そのような機会の差を感じたため、時代とともに会社も変わる必要があると感じ、自分自身もコミットしている。(西日本旅客鉄道・富澤支社長)
・男性ばかりの幹部に女性が意見を言いにくい環境であり、自身が女性社員の意見を代弁することが多かったが、女性中心のプロジェクトを設立・組織化を行った。男性・女性という意識を持たず、スタッフ一人ひとりにいろんな経験をしてもらっている。一番意識をしていることは、「任せること」と「否定しないこと」。いかに性別にかかわらず、スタッフ一人ひとりが生き生きと育つ、仕事をしてもらえるという環境を作っていくかをリーダーとして考えている。(中野BC・中野社長)
・入行当初は、女性は結婚や出産を機に退職することがある意味当たり前の風潮があり、せっかくのノウハウや貴重な人材がいなくなることは、会社にとって大きな損失だと感じていた。頭取就任時に、①安定した会社②信頼できる会社③働いてよかったと思える会社の3つの抱負を従業員に対して公表し、達成感や成功体験などを通じてエンゲージメントを高めることで、生産性の向上につなげ、会社も従業員も幸せになることを考えている。(紀陽銀行・原口頭取)
■これから女性活躍推進のために取り組みたいこと
・女性活躍は、現代の企業経営にとって非常に重要な戦略になってくると思っている。自社においては、女性が長く働いてもらえる環境が整ってきた今、さまざまなプロジェクトへ女性の参加を発展させながら、さらに経営全般、つまり会社全体を俯瞰して見ることができる人材育成が必要なタイミングに差し掛かっていると感じている。さらに女性に活躍してもらえるように、社内外での経験・研修を通じて、個々の能力を最大限発揮してもらえる環境を整えていきたい。(中野BC・中野社長)
・社員を意図して計画的に育成をするということを継続したいと思っている。管理職や課長になる前の女性社員は増えてきているものの、経営層や管理職においては、まだまだ少ないと感じている。リーダーには、「自分はこうでなければならない」というのではなく、いかに自分の良さを引き出しながら、人と組織をつなげるような役割も求められるため、管理職登用前後の女性社員を対象としたメンター制度等を活用しながら、しっかりと社員を意図して計画的に育てていきたい。(西日本旅客鉄道・富澤支社長)
・近年、銀行業界の業務が変化している中、女性が活躍できるフィールドはさらに広がっており、そういった活躍に向けての環境整備や人材育成強化への取組を加速させたい。今後も女性のキャリア形成支援に向けた取組を進めながらも、「D&I」が浸透し、「女性」という冠がついた研修や取組をなくすことが目標である。(紀陽銀行・原口頭取)
■今後の意気込み・シンポジウム参加者へのメッセージ
・和歌山県は、事業所や人口の減少の先進県とよく言われており、その中で企業として今後も持続的に発展していくためには、AIの活用やDXによる生産性の向上、そして女性をはじめとする多様な人材の方々の力を最大限に活かす経営、これが絶対的に必要だと考えている。組織や風土を変えて前向きに動かしていくために、トップであるリーダーの力が重要であり、本シンポジウムを通じて、女性活躍に向けて参加している皆様とともに頑張って参りたい。(紀陽銀行・原口頭取)
・和歌山県は、都心部とは違って人口減少・高齢化をしていく状況になってきており、仕事の定着率も下がっているような状況であると感じている。女性活躍推進をコンプライアンスやコストととらえるのではなく、企業の存続や永続、そして和歌山県の未来のための戦略的投資というような位置づけで、企業側が考えていかなければならないと思っている。多様性を持ちながら企業を発展させていきたい。(中野BC・中野社長)
・多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいきたい。地域の皆様、自治体の皆様と一緒に互いに成長していくことで、活力を生み。和歌山県・地域の発展につなげて参りたい。リーダーのロールモデルがいないのであれば、経験や環境で絶対に育っていくものであるため、自分自身がロールモデルになるつもりで、自信をもって一歩踏み出して欲しい。(西日本旅客鉄道・富澤支社長)
参加者からの声
■基調講演
- 女性活躍というと理念が先行するところがありますが、経営戦略と純粋に昇華しているところが良かった。
- 人口減少ほか解決しなければならない日本の現状の課題に対して、本当に必要な取組を行っていることが強く伝わってきた。
- 女性活躍を「女性の問題」とせず、組織全体の成長戦略として捉える視点が印象的だった。
■パネルディスカッション
- さまざまな業種のトップの意見が聞けて、改めて自組織においてもトップのコミットメントの重要性を再認識できた。
- パネリストの方々も、切実な状況を抱えながらも社内で納得感のあるしっかりとした積み上げを行い、男女ともに活躍できる環境を作られていると感じた。
- 性別等の垣根なく個々が活躍できる組織づくりをしていかなくてはいけないことを改めて学ぶことができた。

