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「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言

地域シンポジウム(香川県)を開催しました!

 令和7年11月、「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」(以下、「男性リーダーの会」)地域シンポジウムを香川県と共催で開催しました。同県では、全市町長が男性リーダーの会に参加しており、男女がともに、職場、学校、家庭、地域などの社会のあらゆる分野で、性別にかかわらず個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に取り組んでいます。
 基調講演では、地域のジェンダーギャップ解消に向けて、女性の雇用創出・リーダー育成等に取り組んでいる株式会社Will Labの小安社長から、地域におけるジェンダーギャップの現状と産官学トップリーダーへの期待についてご講演いただきました。
 また、県内男性リーダーである香川県の池田知事、四国電力株式会社の宮本社長、女性リーダーである富士建設株式会社の眞鍋社長に登壇いただき、女性活躍推進における組織トップの役割と題してパネルディスカッションを行いました。当日は会場とWEB視聴あわせて約160名の方にご参加、ご視聴いただきました

「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」地域シンポジウム(香川県)開催報告

日時:
令和7年11月18日(火)13: 15~15: 00
場所:
ハイブリッド形式(サンポートホール高松4F第1小ホール/ZOOMウェビナー)
主催:
輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会(事務局:内閣府男女共同参画局)
共催:
香川県
チラシ:
こちら[PDF形式:1.04MB]

プログラム

1.開会挨拶
黄川田 仁志 女性活躍担当大臣・内閣府特命担当大臣(男女共同参画)

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 黄川田大臣は、開会挨拶の中で、女性の役員登用を始めとして、女性活躍の推進促進や多様性の確保は、イノベーションの創出を通じて企業を成長させるとともに、魅力ある地域社会の実現につながることを述べました。また、企業経営者や地方公共団体の首長をはじめとした参加者に向け、シンポジウムの中で得られた各社の好事例を持ち帰り、トップ主導のもと、自社の女性活躍を加速してほしいと呼びかけました。


池田 豊人 香川県知事

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 香川県では、「女性に選ばれる県・企業」を重要なキーワードとして捉え、取組を進めており、池田知事は、その中でも柔軟な働き方ができることや男女の性別分担役割に対するアンコンシャス・バイアスの解消が大切であると述べました。また、組織のトップのコミットメントやリーダーシップが重要であり、市町長の賛同のもと、香川県では「輝く女性のかがわ応援団」を発足したことを紹介し、令和8年4月に開設する男女共同参画センターを拠点に、女性が輝く香川県の活動をさらに広げていきたいと述べました。


2.香川県知事及び全市町長による「私の行動宣言」

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 香川県では、令和8年4月に男女共同参画センター「ふらっとぴあ香川」が開設されます。トップ主導のもと女性活躍の取組を加速するにあたり、池田知事をはじめ、輝く女性の活躍を応援する香川県の全市町長による行動宣言の発表が行われました。


3.基調講演
テーマ:「地域における女性活躍推進に向けて~産官学トップリーダーヘの期待~」

登壇者:小安 美和 氏 (株式会社Will Lab 代表取締役)

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 小安氏は、地方の若者と女性の流出の背景には、ジェンダーギャップがあり、根強い性別役割分担意識やアンコンシャス・バイアスなどがその要因の一つとして考えられると説明しました。日本のジェンダーギャップ指数は、特に「政治」「経済」分野が低いことから、その要因とどのように是正していくかについて、トップリーダーが中心となり考えることが大切であり、特に、経済分野における女性活躍の5つの壁を解消するために、地方自治体と地域のステークホルダーとの連携による課題解決が重要であると述べました。
 最後に、決めつけから脱却し、データで実態を把握したうえで、地域ごとの特性、課題を踏まえながら香川県らしい連携モデルを作ってほしい、そして女性活躍の取組だけでなく、男性活躍も進めていくことへ期待の言葉がありました。


4.パネルディスカッション
テーマ:「女性活躍推進における組織トップの役割」
登壇者:池田 豊人 氏(香川県知事)
    眞鍋 有紀子 氏(富士建設株式会社代表取締役)
    宮本 喜弘 氏(四国電力株式会社取締役社長 社長執行役員)
    徳倉 康之 氏(株式会社ファミーリエ代表取締役) ※ファシリテーター


 パネルディスカッションでは、女性活躍推進に対する組織トップのコミットメントや、女性活躍をさらに推進していくために今後取り組みたいことについてお話しいただきました。

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        パネルディスカッションの様子           左上から時計回りに池田知事、眞鍋社長、宮本社長、徳倉氏

■女性の管理職・役員登用についてコミットしていること、組織トップのリーダーシップについて

・中期経営計画2030と合わせて公表した「よんでんグループ人材戦略」では、会社と従業員が共に成長しながら持続的な価値を創造することを基本方針とし、DE&Iの推進を人材マネジメントの重点課題の一つに位置付け、積極的に取組を進めている。自身においては、「『多様性自体が価値を持つ』という考え方を企業文化として浸透させる」ことをコミットしており、現場事業所にも足を運び、社員との直接対話を重ねることで、現場の声を経営に反映させるなど、多様性を認め合う組織風土の醸成に取り組んでいる。特に、トップ自らが具体的な目標の下で積極的に発言・行動することが組織全体の意識を変えていく原動力になると確信している。(四国電力・宮本社長)
・採用からの継続的な取組が重要であると考え、女性職員の積極採用とともに、男女で偏りのないよう幅広い業務ポストへの配置を行うことで、女性職員の割合は上昇している。また、仕事と家庭生活の両立ができる環境整備として、フレックスタイム制、テレワーク、時短勤務など柔軟な働き方を進めている。制度を作るだけではなく、より多くの職員が活用できる職場づくりも進めていく必要がある。(香川県・池田知事)
・自身にトップダウンのリーダーシップはないことに悩んだこともあるが、創業以来の社員の変遷や仕事上で求められることの変化を振り返る中で、「リーダーの形も時代によって変わるもの」と気づいた。父や社員からの声を聞いて、「なんでも自分が一番できなければいけないわけではない」と考えるようになり、リーダーシップに対する価値観も変化していった。(富士建設・眞鍋社長)

■これから女性活躍推進のために取り組みたいこと

・男女の固定的役割分担意識の払拭に向けては、従来より女性社員の職域拡大や管理職への積極登用等を進めており、女性が活躍できる場は広がっている。特に、いわゆる「リケジョ」の採用強化に注力しており、裾野を拡大することで長期的な目で見て、女性社員の割合が増えるよう取り組んでいる。男性育休の拡大を含め、アンコンシャス・バイアスを無くす取組を今後も進めていきたい。(四国電力・宮本社長)
・固定的性別役割分担意識に捉われるのではなく、大切なことは、“性別ではなく個人”を見ることであり、「やりたいと思うことは、誰でも自由に挑戦できる会社」である。男女を問わず、自然と家事や家庭に関わるようになるために、企業の役割は非常に大事だと思っている。(富士建設・眞鍋社長)
・固定的性別役割分担意識は、家族行事の片づけを女性が行うなど身近な家族行事おいても見られる。地域におけるこのような習慣も、短い期間で変えていくことが重要であり、女性にとって魅力的な香川県になるうえでのポイントだと思っている。(香川県・池田知事)

■今後の意気込み・シンポジウム参加者へのメッセージ

・企業の持続的な成長が地域社会の発展につながるためには、地域において各企業・組織が、女性をはじめとする多様な人材の能力を最大限に発揮できる環境づくりを推進し、地域全体が多様性のある先進的地域に変わっていくことが重要であると考える。県内の企業や自治体とともに女性が活躍でき、若者が地元に戻ってきたくなる香川を目指して、さらなる環境整備に取り組んでいきたい。(四国電力・宮本社長)
・「輝く女性とはこうあるべき」といった決めつけや「女性だから」というアンコンシャス・バイアスを持たず、一人ひとりの個性と意思をそのまま認めることが重要だと考える。(富士建設・眞鍋社長)
・女性が活躍するためには、女性の活躍を阻む要因の解消が必要である。女性が活躍できる社会は、男女ともに活躍できる社会であり、まずは、職場や地域でのアンコンシャス・バイアスの解消に努め、誰もが活き活き活躍できる社会を目指していく。(香川県・池田知事)

参加者からの声

■基調講演

  • 小さな企業へのアプローチも積極的に行い、企業の規模に関係なく、男女が共に働きやすい環境作りをしていくことの必要性を感じた。
  • 香川県のジェンダーギャップ状況に視点を当てた講演で大変参考になった。
  • 女性のキャリアアップや仕組み作り、また、男女の固定的役割分担意識の改革、多くの課題があることに改めて考える時間となった。

■パネルディスカッション

  • 業界の違うパネラーのディスカッションはおもしろかった。環境も仕事も生き方も違う人物の話は良かった。
  • 組織や福利厚生など適切な仕組み作りとその仕組みを利用しやすい環境作りを経営トップが積極的に推進することが重要であると感じた。
  • 男性リーダー、女性リーダーそれぞれの目線や考え方を聞くことができ興味深かった。