第15回 苦情処理・監視専門調査会 議事要旨

(開催要領)

  • 日時:平成14年4月25日(木)14:00~17:03
  • 場所:内閣府3階特別会議室

(出席者)

古橋
会長
岡谷
委員
鹿嶋
委員
神田
委員
佐藤
委員
広岡
委員
山谷
委員

(議事次第)

  1. 開会
  2. 平成13年度監視関係ヒアリング(女性国家公務員の採用・登用等の促進)
    • (内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省)
  3. その他
  4. 閉会

(配布資料)

資料1
内閣府説明資料 [PDF形式:204KB] 別ウインドウで開きます
資料2
総務省説明資料 [PDF形式:198KB] 別ウインドウで開きます
資料3
法務省説明資料 [PDF形式:276KB] 別ウインドウで開きます
資料4
外務省説明資料 [PDF形式:207KB] 別ウインドウで開きます
資料5
財務省説明資料 [PDF形式:185KB] 別ウインドウで開きます
資料6
文部科学省説明資料 [PDF形式:240KB] 別ウインドウで開きます
資料7
第13回苦情処理・監視専門調査会議事録

(概要)

女性国家公務員の採用・登用等の促進について、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省からそれぞれ説明を受け、これに対する質疑応答が行われた。

(1)厚生労働省の説明に対する質疑応答

古橋会長
女性の採用については、I、II、III種職員の構成比ということも含めて、それぞれ過去の割合を維持するということが良いのか、情報化の進展と社会経済情勢の変化に対応して 考えていかなければならないのではないか。登用については、内閣府(総合調整機能的な役所)は、特に意思決定への女性の参画の拡大が必要となってくる。ある程度、数値目 標を示す事で象徴的な意味がでてくる。また、研修については、女性の参加割合の統計を各部局長に提示する等して、幹部の意識を高めることが必要ではないか。
内閣府
内閣府が発足間もないときにこの計画が作られており、将来的な議論が明確になってないことも踏まえて、できるだけ弾力的に対応できるように定性的な目標が作られた。
女性の登用については、かつてタイピストとして採用した者が多いなど特殊な事情もあるが、できるだけ若い人も含めてやっていこうと考えている。
研修については、各部局長の意識を高めるために統計的に数値を出していくことについて、検討していきたい。

(2)総務省の説明に対する質疑応答

鹿嶋委員
勤務環境の整備について、具体的なプログラム(例えば、ジェンダー・センシティブな評価法など)はあるか。また、超過勤務の削減について、具体的な目標はあるか。
総務省
具体的には、例えば、新規採用職員に対して、男女共同参画の意識改革のプログラムを設けているとか、管理者研修の中でも意識啓発を図っている。超過勤務の縮減について は、なるべく超過勤務をなくすといった雰囲気を醸成するよう意識啓発を図っている。
古橋会長
参画会議で副大臣に対して、公務員法上、女性についての数量制はできないが、ゴール・アンド・タイムテーブル方式が必要である旨話した。今回の登用5割増についてである が、全体としての課室長ポストは幾つあるのか。それは全体の中で、どの程度の難易度なのかを見たい。また、旧郵政部局は情報化を推進する上で、もっと女性の活力を活用す べきである。そういうことからI種の女性採用割合を増やすといった目標ができないか。総務省は行政管理局でも電子化を進めていることもあり、民間に率先して、情報化、電子化 の推進とI種女性公務員の採用との関係を一度まとめてもらいたい。
総務省
課室長のポストは、大体460である。
岡谷委員
II種採用の女性は平成12年度に24.6%と減っているが、なぜか。
総務省
割合は落ちたが、人数的には大体同じである。
鹿嶋委員
旧自治省のI種の女性比率(人数)はどうなっているか。
総務省
最近の数字では、約20名中女性は2人である。

(3)法務省の説明に対する質疑応答

鹿嶋委員
平成11年度から12年度にかけて、行政のI種採用が約30ポイント増加しているが、なぜか。また、登用について、1割増加という目標は何か根拠があるのか。
法務省
I種職員の場合は、いわゆる法務教官や鑑別技官等に採用されるケースがあり、女性の割合をある程度保つ必要から女性を採用している。登用の1割増加の根拠は、全体の 目標、共通の目標として10%としたものである。
神田委員
女性職員の採用・登用拡大推進会議の中に女性はどのくらいいるか。
法務省
この会議は各部局の総務課長で構成されており、現時点で女性はいない。しかし、その下の実務担当者レベルでは女性がいる。
古橋会長
法務教官採用試験、刑務官採用試験、入国警備官の採用試験は除いているが、ここでは女性は何人ぐらいいるのか。
法務省
例えば平成13年度をみると、法務教官は全部で180名合格し、そのうち男性が130名、女性が50名である。刑務官は、男性が663名、女性が146名である。入国警備官の最終合 格者数は全体で155名中女性は37名である。
鹿嶋委員
I種の女性は45%いるが、どういう配属をしているのか。
法務省
平成14年度でみると、他の省庁に比べて法律行政職以外の職種が多い。12年度試験でいえば、心理、教育、社会、平成13年度試験で言えば、人間科学(1・2)など、これらの 分野の人数が多く採れるということが大きいのではないか。
古橋会長
法律行政の女性の割合はどうか。
法務省
平成13年度7月末日現在、法律職は9名のうち女性が2名、行政職は1名のうち女性が1名、経済職は2名のうち女性が1名である。

(4)外務省の説明に対する質疑応答

鹿嶋委員
35歳以上の女性離職者が多いが、原因は何か。また、文化交流部、条約局、中南米局では、フィーメルトラックがあるのではないか。
III種試験の女性比率が他省庁の合格比率よりも際立って高いが、どういう仕事をしているのか。15年度の内定者が6割を超しているというのは特に理由があるのか。
外務省
35歳以上については、平成2年あたりから女性の採用人数が増えている。結婚、育児といった因果関係はもちろんあるが、絶対数が平成2年以降と比べて少なかったということ が反映している。
フィーメルトラックについては、文化交流部は特にそうなっているわけではない。これ以上増えることは多分ない。中南米局はスペイン語、ポルトガル語を使える女性職員が多いこ とから、どうしても比率が増えてきている。条約局も精緻な仕事であり、静かに条約をひもとく仕事が多い。
III種職員の業務については、基本的に官房中心となっており、それぞれの職能分野の専門家になっていくということが期待されている。
古橋会長
  • 男女共同参画の視点から国際協力におけるジェンダー関係を重視している。経済協力局の中の女性27人中、課長職相当以上は何人いるか。
  • 外務省改革については、ナレッジマネジメントの視点が見落とされている。いろいろな情報を共有し、それをどうやって組み立てて政策に反映させるか。そういうことについて専門職をもっと活用すべきではないか。
  • 夫婦ともに公務員の場合、片方が在外赴任したときには、もう片方はその間は休業できる制度を作ったらどうか。
外務省
経済協力局については、課長レベルの女性はいない。課長補佐レベルまでである。I種職員が課長の年次になれば当然上がってくるので、特にジェンダーの問題はないと思う。た だ、言葉の問題が若干あり、女性職員は、例えば北欧の言葉、あるいはドイツ語、イタリア語が多いが、そういうところでは、経済協力の知識は余り必要がない。基本的には、先進 国の言語の人たちより、途上国の言語を選んでいる人たちを優先して経済協力局に入れるという面があるので、男性が多くなっている。
古橋会長
本省は経済協力の政策を決めていくので、特にジェンダー・ディベロップのような女性の問題を経済協力政策の中で考えていくというような問題意識を持っていくときに、言語の問 題で局に女性が少ないということにはならないのではないか。
外務省
経済政策的な部署や、企画的な部署など途上国の言葉と関係ない女性が配属されるケースはたくさんある。ただ、無償資金協力でアフリカを担当するとか、技術協力でアジアを 担当するなど、国の担当となると、その国の言葉の人たちが配属されるといったことがある。むしろ、そういう一種の人事のローテーションになっている。
ナレッジマネジメントの話は外務省改革の中でこういった問題についても考えていくということであるのだと思う。待遇については、今までの登用制度でいろいろ弊害が出たので、 それは廃止し、職種を問わず適材適所で登用していくという原則が打たれた。これを具体的にどういうふうに実践していくのかという各論の段階に今立っている。
神田委員
部局別にみて総合外交政策局は、参画という意味では重要な局なのではないかと思うが、ここにいる女性26名の級別の内訳はどうなっているか。
外務省
総合外交政策局の中では、国際機関関係、特に人権、環境、軍縮の分野に女性は関心を持っている。そういったところに中堅職員として入っているのが多い。課長補佐、係長ク ラス、8、9級から3級ぐらいまでではないか。
古橋会長
育児休業者の代替要員を確保できないとなってきたときにどうするのか。
外務省
例えば、20人が休業という状態が発生したときには、20人採用する。若干つじつまが合わないところが出てくるかもしれないが、中途採用で増やしていくことで、今試行段階に移っ ている。
古橋会長
大使は民間採用ということはあるが、中途採用はどの程度増えてきているのか。
外務省
外務省は専門調査員や派遣員といった職員定員外制度がある。そういった人たちで、地域の専門性もあって十分に代替できるときには専門職扱いなどで採用するなど、そういう 形の途中採用で賄っていくのも1つの方法ではないかと思っている。

(5)財務省の説明に対する質疑応答

古橋会長
  • 財務省のI種の場合は、法律、経済職が多いが、関税局などでは化学の関係などの分析者については、もっと女性を採用していってもいいのではないか。
  • 税制については、女性の専門家を育てていくことを考えれば、キャリアの中でそういう人たちを入れていくことを考えるべきではないか。  目標設定の中に、問題意識をもっと具体的に書くなど、意識改革をしていく必要があるのではないか。
  • 超勤の問題については、主計局なり人事院で統計をとって、超勤にかかる予算がどうなっているのかを公表したらどうか。
財務省
超勤が非常に大きいことは、各省も実態は同じだと思う。
古橋会長
中央では、予算折衝、法制局審査、国会待機の3つが超勤の主因となっている。予算関係については、コンピュータ化の進展により、もう少し合理化できると思う。法制局は極め て限られた人たちが限られた期間内に立法することなので、ある程度仕方ない。しかし、国会待機の場合は、少し意識を変えるだけでかなりの金額が節約になると思うし、公務員 の勤務が極めて合理化される。女性参画の観点からも、公務員の女性を採用するために超勤が問題になっているということを世間に理解してもらうことが必要なのではないか。
財務省
男女共同参画のテーマを考えるときに、超勤の問題は重要なポイントである。もう一つ定員の問題で、20年で25%定員を削るということが閣議決定されており、I種職員も5年間 で30%削ることが閣議決定されている。これからさき、そういう総定員的なものがシュリンクせしめられている状況と、超勤体質をどう改善するかという問題は全く別な話ではないと 思う。
古橋会長
各省の官房長が、地方出先の定員を本省に持ってくればよい。地方出先機関と本省の定員のバランスを考えて、仕事に合った定数にすることが必要なのではないか。
神田委員
勤務環境の整備で、「超過勤務体質」をどう改善していくかということが各府省共通している。まさに男女共同参画という観点から行政改革の大きな目玉なのではないかと思う。 真っ正面からこれを出していく必要があると思っている。
古橋会長
外国でも女性高級公務員は沢山いるが、高級官僚がサービス残業をすることはあり得ない。それが、日本では過去の惰性でそのままになっている。これを打破するということ は、男女共同参画の視点から直していくことも1つの方法だと思う。

(6)文部科学省の説明に対する質疑応答

古橋会長
計画の中には教育職関係は入っていないが、これについて、文部科学省の指導方針はどうなっているのか。国立大学協会に、文部科学省はどういった指導しているのか。
文部科学省
大学の教員採用は、大学が自主的に決めている。国立大学協会で自主的に目標設定をしているので、当省としては、具体的な指導をするというのはなかなか難しい。何か当省 で出来ることがあるならば、積極的に支援させていただくことになろうかと思う。
古橋会長
文部科学省としては、国立大学が男女共同参画社会基本法の精神でやっていくことを期待するということにとどまるのか。
文部科学省
基本的にはそういうことかと思う。
鹿嶋委員
「かすみがせき保育室」は、皆さんこちらまで子どもを連れて来るのか。
文部科学省
連れて来ている。そのために勤務時間を少し調整し、例えば10時頃から出勤できるような省内の勤務時間体制を組むようにしている。
古橋会長
どのように運営しているのか興味があるし、もっといろんなところで適用できるのではないかと思う。
文部科学省
委託先にお願いして午後10時まで預かるという形にしたり、時間的に1、2時間預かるなど、利用者の声も聞いて、できる限り弾力的に対応しようと努めている。