(開催要領)
- 日時: 平成13年6月4日(月) 16:30~18:00
- 場所: 内閣府3階特別会議室
(出席者)
- 会長
- 樋口 恵子 東京家政大学教授
- 会長代理
- 島田 晴雄 慶應義塾大学教授
- 委員
- 猪口 邦子 上智大学教授
- 同
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
- 同
- 河野 真理子 (株)キャリアネットワーク代表取締役社長
- 同
- 櫻井 るゑ子 (財)日本私学教育研究所選任研究員
- 同
- 佐々木 かをり (株)イー・ウーマン代表取締役社長
- 同
- 島田 祐子 声楽家
- 同
- 田尻 研治 エクソンモービルマーケティング(有)社員
- 同
- 八代 尚宏 (社)日本経済研究センター理事長
(議事次第)
- 開会
- 最終報告について
- その他
- 閉会
(配布資料)
- 資料1
-
保育所入所待機児童数の多い市区からのヒアリング結果について [PDF形式:452KB]
- 資料2
-
保育制度の抜本改革」についての問題提起 [PDF形式:263KB]
- 資料3
- 第6回男女共同参画会議仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会議事録(案)
(概要)
○最終報告について
最終報告案について説明があり、その後議論が行われた。
最終報告については、会長と会長代理が本日の議論を踏まえて修正し、各委員の確認の上、6月中旬に予定される男女共同参画会議に報告を行うことで一任された。
- (樋口会長)
- 最終報告案については、実現可能で迅速性かつ具体性をもったものという観点でまとめてある。これについては様々な御意見があると思うので御自由に御発言いただきたい。
- (八代委員)
- 長期目標と短期目標、各省庁との合意部分とそれ以外の書き分けがポイント。今後増設する保育所を民間主体にすることや保育バウチャーなども、将来的な検討事項として書き込んでほしい。短時間労働者よりも短期間労働者を位置付けるべき。両立支援に積極的な企業の表彰だけでなく、消極的な企業の公表が効果的ではないか。また、公設民営で企業の創意工夫が生かせるよう、利益処分の禁止等の通知撤廃を明記してはどうか。人的な基準は現状維持を明記するとともに、物的な基準の規制緩和についてはもう少し具体論が必要。施設の運用については「極力民間」でなく「原則民間」とすべき。延長保育はその有無だけでなく実施時間についても民間並とすべき。自治体を比較し、良い例だけでなく悪い例も公表すべきで、第3者評価も民間でやるべきではないか。委員からのメッセージについては字数制限をある程度自由にした方がよい。
- (樋口会長)
- メッセージの字数制限については緩和する。。
- (八代会長)
- 短時間正社員は具体的にどのように導入していくことになるのか。
- (坂東局長)
- 厚生労働省で研究会をつくると聞いている。夫も妻も勤務時間、勤務日を減らして収入は減少するが、社会保障では守るというオランダモデルを想定しているのではないか。
- (八代委員)
- 丸投げしてもなかなか進まないので、もう少し詰めるべき。また、オランダモデルは年功賃金の下では成り立たないのでは。
- (樋口会長)
- 提言部分に入れられなかったものは、これからの議題、論点として「専門調査会における議論」に入れればいいのではないか。小見出しをつけてまとめるような工夫をしたい。
- (猪口委員)
- 提言部分は実行されるべきものだが、「専門調査会における議論」は会合における議論そのもの。これに小見出しをつけると十分整理されたものと誤解される恐れがあるので、このままでよいのではないか。 バウチャーについては大きな議論が必要で、提言部分に入れるのは時期尚早。今回は議論の中にバウチャーという言葉が入ったことだけで充分で、再度議論できる機会があれば真正面からとりあげればよい。
- (田尻委員)
- 今実現できることだけでなく、長期的な目標をもう少し明確に浮かび上がらせた方がよいのではないか。例えばパパクォータは、ほとんどの委員が導入に賛成されていると思われるので、長期的な部分で載せるとか。バウチャーについてはもう少し根本的な議論が必要。保育所の人的な質の維持については文面として載せるべき。児童福祉法における「保育に欠ける」という縛りは見直すべきであることを長期的視点として盛り込めないか。
- (樋口会長)
- 提言部分は現実適用。「保育に欠ける」の件については、「はじめに」の部分に書くこともできるが、中長期的な目標としてまとめた方がよいか。
- (厚生労働省)
- 児童福祉法において「保育に欠ける」との要件を取ると、市町村や国の責務、財政上の措置等児童福祉法の体系を根元から見直す議論をする必要があるが、我々の周囲では今すぐ見直しをする体制ではない。
- (田尻委員)
- 幼稚園の預かり保育は、実態は保育所と同じでも、「保育に欠け」ない専業主婦の子が利用できるのか。
- (厚生労働省)
- あくまで幼稚園とて実施している。預かり保育という言葉は児童福祉法における保育とは別。
- (島田会長代理)
- 「専門調査会における議論」には、本日の議論も書き込んでほしい。現在は、「保育に欠ける」人だけでなく保育が必要な人すべてについて保育を提供する必要があることを明確に残すべき。
- (猪口委員)
- 必ずしも両親が働いていなくても支援が必要な場合があり、そういう議論があったことを留めてほしい。 提言部分については確実に実行してほしい。そのためには政治のリーダーシップにより新たに特別な予算措置をつけることが必要であるが、現在の書きぶりでは意気込みを伝えるには不十分なので、付帯決議をつけて思いを表してはどうか。
- (樋口会長)
- 予算の確保をアピールする方法としては、委員からのメッセージの中に書き込む方法や付帯決議や巻頭言などをつける方法が考えられる。
- (佐々木委員)
- 現在の予算措置に関する文言のみで1ページを割けばアピール力が違うのでは。
- (岩男委員)
- 予算措置については、附帯決議とするよりも報告書冒頭に書き込んだ方がよい。今回の報告は対象を絞っているが、対象外の人も納得するように「よびかけ」を工夫する必要がある。3歳児神話に捕らわれている母親のために、母親の就労が子どもにポジティブな影響があることを入れるとよい。
- (島田会長代理)
- 報告本体にも思いはこもっており、別立てにしない方がよい。不足の分をメッセージで書くのはどうか。
- (櫻井委員)
- 報告は実現することが前提であるが、付帯決議をつけると誤解を招く恐れがある。
- (島田会長代理)
- 現在の予算措置に関する文言を特出しして、「よびかけ」およびメッセージを工夫する方向としたい。
- (河野委員)
- 報告では短時間正社員とフルタイムパートの両方について記述があるが、どちらが日本のあるべき姿なのか。このままでは企業が混乱するのではないか。フルタイムパートを社員の就業コースの一つとして捉え、その雇用のあり方(職務内容や処遇)を整理すればいいのではないか。
- (八代委員)
- 報告は正社員主義の色が強い。正社員と非正規社員を対等に置くためには、短期間正社員の記述が必要。
- (樋口会長)
- 雇用形態が流動的であり、書き方は難しい。育休や産休はすべての就業形態をカバーしたいが。
- (田尻委員)
- 3歳児神話について、必ずしも科学的根拠がないことを触れるべき。
- (樋口会長)
- 保育所の整備で終わりではなく、政府で両立の子育てに関する研究を進めてもらいたい。
○内閣官房長官からあいさつがあった。
○事務局から、第5回専門調査会の議事録(案)が提示され、了承された。
(以上)