- 日時: 平成22年1月28日(木) 10:00~12:00
- 場所: 永田町合同庁舎第1共用会議室
(開催要領)
- 出席者
- 会長
- 羽入 佐和子 お茶の水女子大学学長
- 会長代理
- 鹿嶋 敬 実践女子大学教授
- 委員
- 家本 賢太郎 株式会社クララオンライン代表取締役社長
- 同
- 石川 哲也 神戸大学大学院教授
- 同
- 岩井 宜子 専修大学大学院教授・副院長
- 同
- 大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院教授
- 同
- 大隅 典子 東北大学大学院教授
- 同
- 岡本 直美 日本労働組合総連合会会長代行
- 同
- 五條 満義 東京農業大学准教授
- 同
- 坂本 純子 特定非営利活動法人新座子育てネットワーク代表理事
- 同
- 桜井 陽子 財団法人横浜市男女共同参画推進協会理事
- 同
- 辻村 みよ子 東北大学大学院教授
- 同
- 山田 昌弘 中央大学教授
(議事次第)
- 女性に対する暴力に関するワーキング・グループからの報告
- 自由討議
(配布資料)
- 資料1
-
女性に対する暴力に関するワーキング・グループにおける論点 [PDF形式:200KB]
- 資料2
-
答申に向けた論点(案) [PDF形式:265KB]
- 資料3
-
基本問題・計画専門調査会(第52回)における主なご意見 [PDF形式:98KB]
- 資料4
- 基本問題・計画専門調査会(第47回)議事録(案)
(議事の概要)
女性に対する暴力に対するワーキング・グループの岩井主査より、第3次男女共同参画基本計画に向けた論点について報告後、報告内容への質疑や意見交換を行った。
答申に向けた論点についての自由討議を行った後、会長より基本計画の起草ワーキング・グループのメンバーについて報告があった。
第47回専門調査会議事録の内閣府ホームページでの公開について了承を得た。
○女性に対する暴力に関するWGへの質疑
- 雇用の場におけるセクハラの定義に、固定的な性別役割分担意識に基づく言動も含めるべき。
- メディアにおける性・暴力表現の規制に係る自主的取組として、放送業界には放送倫理・番組向上機構(BPO)があり、出版業界にも同様の第三者機関を設けて自主的取組を行っていくことが必要。
- メディアにおける性・暴力表現については、コンテンツへの対応ではなく、流通段階での対応を考えるべき。また、メディアの現場の人間が学校に出向くなどしてメディア・リテラシーをきちんと教えていくことが必要。
- セクハラの定義が曖昧で、教育現場などでは混乱しているところもある。具体的な例示を示すなどの対応も必要ではないか。
- 現行の配偶者暴力防止法の立法趣旨には必ずしも合致しない交際相手からの暴力を、新たに配偶者暴力防止法の対象とするかなどについては、詰めた議論が必要。
- CEDAWの最終見解にもあるように、移民女性や外国人女性など社会的弱者グループへの支援についてもどこかでふれた方がいいのではないか。
- DV被害の実態の解明やDV被害の親を持つ子どもへの影響の調査が必要。施策の実効性については、監視・影響調査専門調査会へのつながりも期待する。
- 高齢女性の暴力や虐待に関して議論されたか。
- 売買春の予防について、学校教育におけるプログラムづくりの推進など具体的な議論があったのか。
○自由討議
- 社会情勢についての現状認識が重要。社会情勢が変化しているのだから、男女共同参画施策も変化していくべき。男女雇用機会均等法施行の頃は、未婚女性はほとんどが正規雇用で、非正規雇用のほとんどは既婚者だったが、最近では未婚者で非正規が増えている。固定的役割分担に賛成する女性が多いのは、そうした現状に対応できていないことが大きな要因ではないか。
- 新卒一括採用や正規・非正規の賃金格差など男性主体につくられてきたシステムによるものが、現在このシステムに入れなかった男性に困難な状況を生み出している。男女共同参画を推進することは女性だけのためではなく、男性の特権から外れた男性にとっても有用なものであることを示すべきではないか。
- 重点事項の考え方について、教育が後退しているように見受けられる。全体として教育における男女共同参画の重要性も強調してほしい。
- 男性のための仕組みが今になって男性特権から外れた男性にとって被害を及ぼしているとのことだが、男女共同参画という視点からは、やはり女性が何層にもわたって差別を受けてきたことを忘れるべきではない。
- 「生涯を通じた健康支援」においては、男女の性差に応じた支援について大きくとらえていきたい。
- 男性と女性が同じである必要はなく、男女を均一化する必要はないと考える。女性であることもひとつの個性であり、そうした個性を輝かせる社会にしていくという視点を持つべきではないか。イノベーティブなものを創り上げていくためには多様な人が関わることが大切であり、だからこそ女性の参画が重要だと言える。「政策・方針決定過程への女性の参画の促進」の中に科学技術も入っているが、もう少し明確に見えるような項目立てにしていくべき。
- 重点分野の分け方については、これまでの踏襲ではなく非正規雇用の問題や貧困層の拡大などにも注目し、3次計画としての新しさを打ち出すべき。また、具体的な成果につながるような推進体制が重要であると考える。
- 男女共同参画についての認識について、世代間で格差があるように感じる。これからの若い世代がどのような意識を持っているのか、世代間のギャップについても注意を向ける必要があるのではないか。
- 昨今、外国人労働者や国際結婚も増え、外国人が日本社会の中に入ってきているが、外国人が日本社会で生活していく上でのニーズ等にも留意すべき。
- 第3次計画を実効性があり、インパクトのあるものにするために、現状認識や課題をしっかりと捉えることが重要。例えば、人口減少社会による労働力の不足、グローバル化による人口流出入、情報化によるインターネットなどメディアの新たな問題の発生など、現状を鋭く分析していくことでいろいろと見えてくるのではないか。
- 貧困や経済格差の二極化など日本の社会情勢や現状から具体の取り組みを導くことで、日本の将来像を伝えることができる。また、推進体制も重要で、いかに省庁間の連携を図っていくかが課題。
- 経営者に、生産性に力点を置くだけでなく、いかに男女共同参画の視点を取り込んでもらうかが課題。
- 新たな計画では、現在・中期・長期に分けた視点が必要。例えば、現在は、経済が低迷する中で、経済的困難の問題への対応、中期的には、例えば、2020年30%の実現や非正規雇用問題への対応、長期的には少子高齢化に伴う労働力不足問題の解消といった課題がある。
- 同一価値労働同一賃金については、現在の問題として対応していかないと、将来的には正規・非正規問題が身分制度につながっていくのではないか。
- 各分野で男女共同参画を推進するための手法や仕掛けを明確にすることが重要。
- 答申の構成については、現状認識を行った上で、基本方針を立てて、重点事項や分野を設定するのではないか。2次計画の重点事項と重点分野の関係は分かりにくい。例えば、新たな計画の構成については、法的根拠やCEDAW勧告、意識啓発、組織など全てに関わるような問題に対し、暴力やワーク・ライフ・バランス、科学技術などの個別の分野を設定するということも考えられる。次回の専門調査会で、構成案を示して欲しい。
- 答申の構成については、シンプルで分かりやすい構成にすべき。また、広報や周知の観点からも、みんなが自分の課題や計画と思えるようなものにすべき。
- 構成の核となるのは、分野であると思う。今暮らしている人たちにとって違和感のない、2010年に作成したことが分かるような分野構成にしたい。
- 男女共同参画への取り組みについては、経営者においても世代間で認識が違うため、ぜひ経営者へのヒアリングを行って欲しい。
- 経営者へのヒアリングについては、事務局と協議して決めたい。
(以上)