- 日時: 平成14年11月19日(火) 9:30~12:00
- 場所: 内閣府5階特別会議室
(開催要旨)
- 出席者
- 会長
- 岩男 壽美子 武蔵工業大学教授
- 委員
- 北村 節子 読売新聞社調査研究本部主任研究員
- 同
- 住田 裕子 弁護士
- 同
- 竹信 三恵子 朝日新聞企画報道部記者
- 同
- 樋口 恵子 東京家政大学教授
- 同
- 松田 保彦 帝京大学教授
- 同
- 古橋 源六郎 (財)ソルトサイエンス研究財団理事長
- 同
- 山口 みつ子 (財)市川房枝記念会常務理事
(議事次第)
- 開会
- 研究分野における女性のチャレンジ支援策について
- 各種団体における女性のチャレンジ支援策について
- 閉会
(配布資料)
- 資料1
-
日本労働組合総連合会資料 [PDF形式:117KB]
- 資料2
-
全国女性税理士連盟資料 [PDF形式:1170KB]
- 資料3
-
地域における男女共同参画状況調査について [PDF形式:3220KB]
- 資料4
-
団体活動における男女共同参画」を語る会について [PDF形式:61KB]
- 資料5
- 第16回男女共同参画会議基本問題専門調査会議事録(案)
「地域社会における男女共同参画状況調査」、「男女共同参画を語る会」について事務局から説明があった後、以下のやりとりがあった。
- 岩男会長
- それでは、推進課長から御説明がございました「地域社会における男女共同参画状況調査」と、ただいまの総務課長の「男女共同参画を語る会」についての御説明について、御質問等がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
- 古橋委員
- 大分進んできていると思いますが、東京のような場合においては、農林省の4省長官通達等によって、そういうことをやっていないところについては補助しないという通達が出たので、最初はある程度進展したのですが、今は、その通達がほとんど実施されていないという話も聞きます。ここで質問したいのは、これらの中の団体において、ゴール・アンド・タイムテーブル方式をとっているところはどれなのか。農協だけなのでしょうか。ほかのところは、ゴール・アンド・タイムテーブル方式による、いわゆる組織改善対策的なものをとっているのか、いないのか。とっていなければ、やはりこういうところにおいては、こういうゴール・アンド・タイムテーブル方式をとることをやらないといけないのではないか。そういう手法をとっていないところについていろいろな助成等をやるときには、やはりそれを条件にする。何もすぐにやれというわけではないので、計画を定めて、毎年少しずつ上げていくということをしないと参画は進まないと思います。このゴール・アンド・タイムテーブル方式をとっているのは、15年は農業協同組合だけでしょうか。例えば国立大学のときには、過去において、大学教員の割合が6.6 %であったものを2010年までに20%にするという国大協の申し合わせによって今進んでいると思います。したがって、やはりこういうものについては、ゴール・アンド・タイムテーブル方式が非常に大切だと思いますので、そこのところの現状を見ていただいて、ないところについてはこれを推進するという提言をする必要があるのではないかと思います。
- 佐藤総務課長
- 私どもが伺った7つの団体の中では、生活協同組合が具体的な目標を定めて取り組んでいるという報告がありました。
- 古橋委員
- 年限も決まっているのですか。
- 佐藤総務課長
- はい。具体的な年限を決めて取り組んでいるということでした。
- 古橋委員
- その規約というのは、現在における規約ですか。生活協同組合は、将来、毎年規約を改定して、少しずつ規約の数を上げていくのですか。女性枠を2名から8名に拡大すると規約を改正すると書いてありますね。
- 佐藤総務課長
- はい。規約をもう改正しております。
- 古橋委員
- そうすると、現在8名いるわけでしょう。
- 佐藤総務課長
- はい。
- 古橋委員
- それをさらに何年後にやるというポジティブ・アクションがありますか。
- 佐藤総務課長
- 今のポジティブ・アクションにつきましては、役員についてもですが、さまざまな段階の職員なり、代議員なり、総代なり、いろいろなレベルがございますので、それぞれについて計画を定めているということでございます。役員については、今のところは8名です。
- 古橋委員
- 生活協同組合における女性の割合は、今どれくらいでしょうか。
- 佐藤総務課長
- 組合員の総代では96%が女性になります。
- 古橋委員
- 96%のときに20%というのは、低い方ですね。そうすると、役員についても、もう少し上げていくポジティブ・アクションをやる必要があると思いますけど、役員についてはポジティブ・アクションはやらないということでしょうか。
- 佐藤総務課長
- 今定めている第2次行動計画は、職員、組合員、あるいは、さまざまな行動について男女共同参画を進めようとなっておりまして、役員の数自体を特に明示はしておりませんので、その次の段階でまた役員をと。
- 古橋委員
- 意思決定の参画ということになりますと、どうしても役員のところが重要なので、そこのところを見落としてはいけないと思いますので、申し上げておきます。
- 坂東局長
- 97年にそれまでの4倍になさったということで、役員の方はある程度進んだけれども、まだむしろ、事務局やその下のレベルの方はそれよりも割合が低いということだと思います。ただ、生協などは比較的取り組んでいますし、それから、JAも県によりますが、本当に努力しようという姿勢を見せておられます。例えば社会福祉協議会や日本経済団体連合会ですとか、そもそも会員がそうだからどうしようもないと、かなりはっきりしておられます。ただ、社会福祉協議会あたりでも、本当に福祉の分野で実際に携わっている方たちは女性の比率が高いのですけれども、そういったことで、特に活動はしていらっしゃらないようです。
- 岩男会長
- いろいろな事情はあるしても、やはり先ほど古橋委員もいわれたような団体に対し時期を設定してポジティブ・アクションをとらないと、なかなか進まないのではないかと思います。
- 竹信委員
- タイムテーブルをおつくりになった団体は、何がきっかけで、どういうことがあればそういうところに走り出すのでしょうか。これは質問です。
- 坂東局長
- 生活協同組合の場合は、社会全体の動きを取り入れるということと、会員に女性が圧倒的に多いことが最大の理由ですし、農協の場合は、農水省の指導があったと思われます。
- 古橋委員
- 0.04%しかいないということを方々で大きな声で我々が言うものですから、これはちょっと恥ずかしいなということで少し努力を始めたということだと思います。
- 竹信委員
- ということは、ほかの団体についても大きな声で言いまくれば効果があるということでしょうか。
- 古橋委員
- 要するに、60%に0.04%でしょう。就業人口の6割が女性なのに0.04%というのはどうなのかということを方々で言いますと、そうだそうだとなりますとね、やはり対応しきれなくなってくるのではないでしょうか。
- 坂東局長
- 樋口先生、社会福祉の分野についてはどうお考えになられますか。
- 樋口委員
- この調査対象に社協も入れた方がいいですね。入っていないですね。
- 坂東局長
- この前、各団体におけるヒアリングにも女性会長の方がいらして、おいでになった中では女性は1人でした。
- 樋口委員
-
これからは変わってくるのでしょうが、今までの社会福祉協議会は行政と大変近く、社協の会長さんは、いろいろ違いはあるものの、元首長さんはもちろん、現首長さんがなっていらっしゃる場合もかつてはありました。社協の職員も横滑り、あるいはローテーションの方ですらある。
ただ、この頃は、つい最近、富山県の滑川市に行ってきましたら、滑川市の社会福祉協議会の会長は行政出身の方ですが、女性でした。という具合に、ぼつぼつ出てきますけれども、社協の会長さんなども一遍ぜひ調べてほしいですね、役員とか。少し前まではそれはもう男性ばかりでしたから。介護保険施行前に、「高齢社会をよくする女性の会」がそれぞれの地域で介護のために何をやっているかという調査をすると、優良介護者表彰、介護嫁表彰というようなことであって、被表彰者を選定するのは地域の社協の役員や老人クラブの男の方々。ところで福祉の分野でも、老人クラブは大分変わってきていますね。老人クラブは、単位老人クラブにも女性の会長はなかなかいらっしゃらなかったのですが、ここもある時期、せめて副会長は必ず女性にしようというような提唱があったり、10年近く前から、確か「女性委員会」が発足し、女性会員のイニシアティブで活動する場をつくったりしておられます。
また、生協についていえば、生協は国際組織にもなっていますから、国際生協連会議などで、外国から来た人がこんなに女性役員が少ないのですかといったりしています。そうすると、生協の活動をしている女性たちは、JAのメンバーよりは少し物が言える。地域のしがらみがなかったりするものですから。生協の場合は、内部的にもそういう不満が出てきやすいのではないかと思います。
やはり地域の中で女性が出てくる仕組みには、制度的な裏付けは大きいと思います。介護保険の場合は制度の中に若干内蔵されていますから、そういうことで、介護保険策定委員会などで見ますと、女性の声が、少なくとも地方議員よりは大分高くなっていると思います。やはり不断の努力で言っていかないとだめですね。 - 岩男会長
- ただいまの御説明についてだけではなくて、団体活動全体における女性のチャレンジ支援策について、御自由に御発言いただきたいと思います。
- 樋口委員
- 追加して言わせていただきますが、こういうデータにはつくりにくいと思いますが、本当に女性が出にくいのは自治会です。それから、商店会。地域に密着し、日常性の高い活動内容でありながら、世帯単位になっているため、本当に出にくいです。
- 村上推進課長
-
御説明させていただきますと、資料の一番上に「論点メモ」をお付けしております。これは、これまで御議論いただいた分野と共通していることが多いのですが、まず、現状は、役員に占める割合が高い団体もありますが、総じて低いです。農村は、今お話がございましたけれども、増加の傾向にあります。阻害要因として、ロールモデルやネットワークの不足、男女の意識の差、仕事と家庭の両立が難しい環境がある。やはり女性であることが不利になって、実力主義が徹底されていない状況があるのではないか。単体としても、所属する女性会員によって組織される女性部会等々、親組織、関連組織等の意識の差があります。税理士のところも女性の部会ですが、女性の部会と本体ではやはり若干の差があるのではないかということもあります。これをどうするか。
それから、女性のチャレンジ支援に関する好事例としては、団体がさまざまな活動をしています。仕事と家庭の両立支援に関する施策に係る提言や取組は、税理士会でもこういうことがございましたし、シンポジウムやセミナー等の啓発事業、調査研究・情報提供、ロールモデルの提供、ネットワークの形成、活躍している女性の表彰、女性だけの活動はなく男女ともに取り組む姿勢を示すというような好事例がございます。
今後の方向性として、行政に期待されることは、まず社会的機運の醸成・啓発活動を行うことです。各種団体に対する協力要請、男女共同参画に関する情報提供、各種団体における男女共同参画に関する取組状況の調査等をして、目に見えるようにしていくことが大事ではないか。それから、各種団体に期待されることとして、実情に応じた男女共同参画に関するさまざまな取組を積極的に推進していただくこと。このほか、我が国におけるポジティブ・アクションの範囲についての検討。どこまでやるべきかという議論がもっとされてはどうかということです。ごく簡単に御説明させていただきました。 - 岩男会長
- ありがとうございました。
- 古橋委員
- 予算で団体補助金をどんどん廃止する方向になっていると思いますが、この中で国から団体補助金が行っているところを調べておいていただけますか。農協中央会とかああいうところには行っていると思います。
- 坂東局長
- 事業委託と運営委託というものがありますが、事業委託も含めてですか。
- 古橋委員
- 委託も含めてでもいいのではないですか。要するに、公認会計士協会には助成は全く行っていないですか。税理士協会も行っていませんか。
- 佐藤総務課長
- 何か研究調査のようなものをしていれば別ですが、一般的な運営費としては‥‥。
- 古橋委員
- 団体助成というのは、昔からあったものだと思いますが。
- 樋口委員
-
ここで考え方を整理しておいた方がいいと思うのは、女性税理士会のようなインナーグループとして女性団体、たとえば「女性部」をどう考えるかということです。私は今の状況としては、むしろポジティブ・アクションとしてどんどん進めてはいかがかと思います。女性税理士会はやはり配偶者特別控除などに対する疑問を、かなり早くからおっしゃっていて、ただ、風当たりが強くてなかなか言えない。今から15年位前でしょうか。大阪で女性税理士会の大会があったときに、竹中恵美子さんと私が呼ばれて本当に慎重に配偶者特別控除への否定的な意見を初めて公式の場で発言した。今の第3号被保険者の問題にもつながる発言を、女性の専門家集団がしているわけで、男性中心の親団体にはできなかったことです。
それも、ただの女性団体というよりも、専門職集団として行ったから効果的だったと思って、この会の活動には敬意を持っています。そういういろいろな職能団体などの内部に置かれた女性会というものの意味を、一概には言えないのですが、検討してみる必要があると思います。例えば民生委員の女性部会がございましたが、それは去年廃止されております。というのは、民生委員に、ある時期までは女性が少なかったけれども、やはり国際婦人年以降、女性の登用が進んで、少なくとも平の民生委員は男女比がほとんど五分五分になっています。ただ、理事会、幹事会となりますと、男女差がある。しかし、御時世は男だ女だという時代ではあるまいということで廃止されたようです。実は、女性の一部には不満があったようですが、解散といいましょうか、男女を問わず頑張っていこうという最後の女性勉強会に私が呼ばれまして、そういう話を聞きました。女性だけの勉強会があったのですが、それもなくなりました。
それから、これも去年の情報ですが、家庭裁判所調停委員に、これまた女性部会というものがあります。家事事件の調停は男女の調停委員がペアで担当する仕組みができています。少年の方はどうなっているかよく知りませんが、少なくとも家事事件に携わる調停委員に関しては、ほぼ男女同数になっているはずです。だけど、やはり女性は女性で、数が少なかった時代に、女性部会をつくり女性勉強会をやってきた。全国で集まると相当な数になります。去年、名古屋で女性調停委員の大会がありましたが、そのときも、調停委員全体の名古屋の会長さんは、裁判官をなさった男性弁護士の方で、その席上で、このような時代に女性だけの勉強会ということが果たして必要であろうかという問題提起をなさって、シンポジウムでもいろいろな意見が出ていました。こちらはまだやめるとは決まってはいませんが、男女共同参画だから女性部をやめようという動きは、老人クラブは例外で全体として強まっていると思います。
これは随分昔の話ですから、今はどうなったかわかりません。文部科学省に詳しい方に教えていただきたいのですけれども、全国PTA連合会も、母親部会とか女性部会がずっとあったと思いますが、それが今はどうなっていますでしょうか。そういうインナーグループとしての女性部会があるからこそ活性化していく手がかりとなる面もあるものを、数が増えたからといってつぶした方がいいのかどうか。御意見を聞きたいです。 - 竹信委員
- 企業内労組の女性部も、一時期、「男女平等の時代なのだから」となくす例が相次いだことがありまして、それも議論になりました。そのときには、今こんなにまだ格差があるのに、女性部をなくしてしまうと、女性要求を持っていく場所がなくなってしまったということが、実は後で結構出てきました。むしろ、男性からは、「なぜ、わざわざ女性を囲い込むのか」と聞かれる例が多いのですが、女性に固有の問題は山ほどあり、これを持っていく場所は、必要ですよね。
- 岩男会長
- なくすのであれば、その全体の組織の中で受け皿をつくることが条件ですね。
- 樋口委員
- 私は民生委員ではないから何も言う資格はないのですが、例えば民生委員会が女性部会をなくすのであれば、民生委員の幹事会の中に男女6・4の方式を取り入れるとか、そういうことをしてからならいいと思いますが、そういうことは全然なかったみたいです。
- 山口委員
-
女性部とか、女性団体とか、女子大学とか、女性センターというものは、私は大きくポジティブ・アクションだと思います。例えば日本青年団協議会は、戦前は男の青年団、女の青年団と分かれていたけど、戦後は一緒になった。しかし、1975年の国際婦人年以降は積極的に女子部から女性部になって、やはりそういう国際的な後押しもあって女性問題を取り上げるようになりました。そして男性の方に還元している。やはりまだそういう時期ですよ。だから、もっともっと積極的に発言していく場所が欲しいと思います。50%になったから安心したという問題ではないと思います。
それから、文部科学省では長いこと、女性団体に、男女共同参画に関する事業に、お金を出していますよね。必ず各県の教育委員会を通して、その委託事業を行う団体を頼んでいるわけですが、その結果、文部科学省で審査して、20数団体ずつ分けて、何百万円の委託金を受けて事業を行う。最近の条件は必ず、男の人も加わるプログラムをすることになっています。ここでは、「阻害要因と好事例」とあるけれども、むしろ、「阻害要因と好事例」の間で苦しんでいる例が、文部科学省の男女共同参画学習支援事業ではあると思います。各地に行きますと、男の人がもっと参加できないかということをさんざん聞かれます。しかし妙案がないです。それぞれ地域によって違うから。やはり私は、男女共同参画を奨励する文部科学省から、その辺の報告を聞いた方がよいと思います。数千万円のお金を出して男女共同参画学習を一生懸命にしているのですから。
それから、実施化プログラムが80点を取れなくても、いかに情報を提供することが大事かを痛感しています。男女共同参画、男女平等、性別役割分担ということを知らない人たちが地域に行くとどれほど多いか。ですから、情報発信の場を網の目のようにつくっていくことが大きいと思います。時間があれば、文部科学省のそういう取組の実例は毎年報告していますから、聞いてはどうかと思います。 - 岩男会長
- 自治会とか商店会の女性が非常に少ないというお話で、どうやってそこに突破口をつくっていくか。どういう人たちが地域にいるかということをよくわかっていないという部分もあるだろうと思います。警察署協議会というものができて、各警察署にそういう組織をつくらなければいけないとなって、地域の状況を知っているのは女性だからと随分主張しましたけれども、やはり女性委員の数はそう多くないと思います。ここも一つの突破口となる可能性があり、それが横に広がっていくこともあると思いますので、警察署協議会も調べていただくといいと思います。
- 坂東局長
- そうですね。あれは新しくできた協議会ですから。
- 岩男会長
- 最初から女性をかなり入れていいはずですが。
- 古橋委員
- 自治会というのは何ですか。
- 坂東局長
- 町内会です。
- 古橋委員
- それは何の根拠やっていますか。
- 樋口委員
- それは総務省が把握していらっしゃるのではないですか。地方自治法で。
- 事務局
- 自治会は、地方自治法の中で担っている団体です。自治会の件につきましては、次回、「地域」のところで取り上げたいと考えております。
- 古橋委員
- そうすると、自治会の性格から解きほぐしていかないと、その対応策はなかなか難しいと思います。
- 坂東局長
- 次回ぜひ、「地域の団体活動」のところでまた御審議いただきたいと思います。先ほどの樋口先生の話の続きでいきますと、団体活動における男女共同参画を語る会について、日本医師会については、おいでいただけるということで我々は予定していたのですが、1週間ほど前に、やはり来られないということで、御参加はありませんでした。御存じのとおり、日本女医会は創立 100周年で、医師会より長い歴史を持っていると。そういう女性の職能団体というのは、今必要な団体ですね。
- 樋口委員
- 女医会の方は、話すのがまずいというわけですか。時間的な問題ですか。
- 坂東局長
- 時間的なものだということだそうです。
- 樋口委員
- 日本医師会の会長さんが、今度初めて2人も医師会に女性理事を入れたと胸を張っておっしゃっていました。
- 坂東局長
- 調査すること自体に意味があったのではないかと思っています。
- 樋口委員
- やはりそれはあると思いますし、実力者もだんだん意識なさるようになってきていますね。
- 山口委員
- その「語る会」というのはずっと続くのですか。
- 坂東局長
- いろいろな分野でお願いをして来ていただくということで、それだけでも1つのアクションになると思っているのですが、そういうことでなかなか、声をかけても来ていただけなかったりします。
- 樋口委員
- 私はこういう調査やヒアリングを続けることはとても大事だと思います。今、岩男会長がおっしゃったことですが、警察の分野でそういう会ができたなんて知りませんでした。警察友の会とか、交通母の会とか、そういうものがありますが、それは結構女性が入っていたりしますが。
- 岩男会長
- でも、上は全部男でしょう。
- 樋口委員
- そうでしょうね。でも、地域安全は本当に大事なことだと思うから、もちろん警察とか、保健所のこともあるでしょうし。それから、行政が直接絡まなくても、世の中、NPOとかNGOにはいい傾向に進んでいると思う反面、行政側からもNPOやNGOが認められると、また上から管理の網をかぶせようとする動きも出てくるから、痛しかゆしだと思っています。これまで女性中心でやっていたところが、また上部に男性がくるのではないかと危惧する声を聞きました。新しい団体がいろいろ出てきていますでしょう、ボランティア団体にしても、今ここに出ているような団体でなくても、かなり全国的ないろいろな組織がございます。全国ボランティア協議会とか。
- 岩男会長
- そういったときの委嘱の仕方ですね。私は、立候補制にすることを提案したのですけど、それは全然取り上げられなかったのですね。そういう立候補制だったら、地域の女性たちが出てくる可能性が大分あったのではないかと思います。
- 樋口委員
-
地域活動で男女の逆ポジティブ・アクションのような話があります。例えば、熊本県に蘇陽町という町があって、そこは医療費が今の世の中なのに縮減しているというめずらしい町です。そこにカリスマ保健婦がいて、私も会って目を見張りました。特養で3歳児健診からゼロ歳児健診をする。子どもと親は必ず特養に行く。地域4世代同居という状況です。その町で、お金は出ないけれど、地域の行政絡みの役員とか役職は無数にある。健康推進委員とか、栄養改善委員とかあるのですよ。人口が2~3万人の町ですが、そこでは50人位委嘱する。いわばヘルスマターです。その50人というのは、今までは女性がやる役職だったのですって。これではいけないということで、保健婦の一存というか、町長を動かして、逆ポジティブねと言ったのですけど、栄養改善委員を全員男にしたそうです。そうしたら、住民の食生活への関心がすごく高まり、男性も変わった。その代わり、別のところで女性を出すようにしてもらわないといけませんが。
だから、女性を増やすことも一方ではある反面、女性がやっていたところを全員男性にしたら、男性が料理教室に集まってくるとか、いろいろなことが変わったと。その保健婦さんは、男女共同参画型の発想でやっている人ではないですが、型破りなことができる人で、男性への呼びかけという点で1つの在り方だと思いました。 - 古橋委員
- 医師会の問題を考えるときに、医師会の構成員の分類をよくしていただかないと間違える。医師会は、開業医だけではなくて勤務医も入っている。私は、勤務医の割合が大きいから、勤務医の意見をもっと反映しろと言っているのですが、勤務医の中には女性も結構いますから、医師会の構成メンバーを、母数を分類するときに、勤務医と開業医、その中において女性と男性の割合をとっていただいて、そして現在の役員数を考えていかないと、あそこはなかなか問題があると思いますので、そこら辺の統計を取っておいていただけるとありがたいです。
- 岩男会長
- 弁護士会は、役員は選挙ですか。
- 住田委員
- 選挙です。
- 岩男会長
- そもそも女性は余り立候補しないのですか。
- 住田委員
- はい。そもそもしませんが、東京のように副会長が何人かいるところは、1人出る方が格好いいというので積極的に吸い上げるようにしていますけれども、いかんせん、まだそこら辺の年数の方が、上の方が少なかったのです。今はどんどん増えていまして、積極的に自ら手を挙げて立候補された方もおられます。
- 岩男会長
-
それでは、本日行われました議論につきましては、女性のチャレンジ支援策にまた盛り込んでいただいて反映していくということで考えていきたいと思います。
- 資料5がございます。これは、第16回専門調査会の議事録をまとめたものでして、御異論がなければ、内閣府のホームページ等で公開するようにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」の声あり)
- 岩男会長
- では、そのようにいたします。本日の会合はこれで閉じさせていただきます。大変お忙しい中、ありがとうございました。
(以上)