計画実行・監視専門調査会(第4回)議事録

  • 日時:令和3年10月20日(水)16:00~18:00
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  1. 開会
  2. 議題
    (1)女性の生理と妊娠等に関する健康について
    (2)OECD閣僚理事会のジェンダーに関する議論について
  3. 閉会

【配布資料】

資料1
女性の生理と妊娠等に関する健康について [PDF形式:1,511KB]別ウインドウで開きます
資料2
フェムテックの推進に向けた取組状況(経済産業省説明資料) [PDF形式:1,050KB]別ウインドウで開きます
資料3-1
フェムテックの推進に向けた取組状況(厚生労働省説明資料) [PDF形式:431KB]別ウインドウで開きます
資料3-2
緊急避妊薬の検討状況(厚生労働省説明資料) [PDF形式:742KB]別ウインドウで開きます
資料3-3
HPV ワクチンについて(厚生労働省説明資料) [PDF形式:1,633KB]別ウインドウで開きます
資料3-4
人工妊娠中絶と経口中絶薬(厚生労働省説明資料) [PDF形式:489KB]別ウインドウで開きます
資料4
OECD閣僚理事会のジェンダーに関する議論について [PDF形式:277KB]別ウインドウで開きます
参考資料1
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:108KB]別ウインドウで開きます
参考資料2
女性活躍・男女共同参画の重点方針2021(令和3年6月16日すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部決定) [PDF形式:1,384KB]別ウインドウで開きます
参考資料3
2021年OECD閣僚理事会第二部 閣僚声明(仮訳) [PDF形式:500KB]別ウインドウで開きます
参考資料4
OECD設立60周年ビジョン・ステートメント(仮訳) [PDF形式:165KB]別ウインドウで開きます
参考資料5
OECD「ジェンダーに配慮した公共ガバナンスのための政策枠組み」(抜粋版)[PDF形式:424KB]別ウインドウで開きます

【出席者】

会長  
佐藤 博樹  
中央大学大学院戦略経営研究科教授
委員  
石黒 不二代 
ネットイヤーグループ株式会社代表取締役社長兼CEO
同   
井上 久美枝 
日本労働組合総連合会総合政策推進局長
同   
大崎 麻子  
関西学院大学客員教授
同   
窪田 充見  
神戸大学大学院法学研究科教授
同   
佐々木 成江 
名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻准教授、お茶の水女子大学ヒューマンライフイノベーション研究所准教授
同   
治部 れんげ 
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授
同   
白波瀬 佐和子
東京大学大学院人文社会系研究科教授
同   
内藤 佐和子 
徳島市長
内閣府 
野田 聖子  
特命担当大臣(男女共同参画)
同   
林 伴子   
男女共同参画局長
同   
吉住 啓作  
大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
同   
杉田 和暁  
男女共同参画局総務課長
同   
花咲 恵乃  
男女共同参画局推進課長
文科省 
三谷 卓也  
初等中等教育局健康教育・食育課 文部科学戦略官
厚労省
山本 史   
大臣官房審議官(医薬担当)
同   
宮崎 敦文  
大臣官房審議官(健康、生活衛生、アルコール健康障害対策担当)
同  
川又 竹男  
大臣官房審議官(子ども家庭、少子化対策、地域共生・自殺対策担当)
同   
木庭 愛   
健康局予防接種対策推進官
経産省 
龍崎 孝嗣  
大臣官房審議官(経済産業政策局担当)

議事録

○佐藤会長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第4回「計画実行・監視専門調査会」を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、徳倉委員、山口委員、山田委員が御欠席というように伺っております。
 まず、本日は、野田男女共同参画担当大臣に御出席いただいておりますので、最初に御挨拶をいただきたいと思います。
 それでは、野田大臣、よろしくお願いいたします。

○野田男女共同参画担当大臣 皆さん、こんにちは。このたび、10月4日ですけれども、男女共同参画担当大臣を拝命しました野田聖子です。どうぞよろしくお願いいたします。
 数年前も同じ仕事をいただいておりまして、また新たな気持ちでしっかり取り組んでいきたいと思っています。御協力よろしくお願いいたします。
 本調査会の役割というのは、第5次男女共同参画基本計画に掲げられた目標の達成、それに向けて各府省の取組を強力に進めることでございます。いわゆる女性版骨太の方針の策定に向けた議論を行っていきます。さらに、この議論は来年春に策定する重点方針2022に直結するものということで、皆様方からの御意見は大変重要なものだと考えます。
 今回のテーマは女性の生理と妊娠等に関する健康です。若い女性の生理や妊娠、結婚を取り巻く環境が以前に比べて大きく変化をしています。やはり子供をたくさん産める時代には生理も少ないわけで、私たちの時代、子供を産むチャンス、望んでいてもなかなか産める機会がなくて、かつての女性よりもはるかに長く生理と付き合わなければならなくて、当たり前のように思っているのですけれども、出産をしないことによって例えば様々な病気、子宮筋腫であったり内膜症であったりという、かつて過去にはなかったような病で女性が苦しむし、また、それによって不妊ということになっていることがあまり知られていないように思っています。
 そもそも、私も国会議員になって29年なのですけれども、国会内で男性議員から生理という言葉を聞いたことがありません。なかったものにされてもう数十年、ようやく若い男性議員はじめ生理という言葉をきちっと言葉にしてくれるようになった今こそ、過去の負債を取り戻さなければならないなという、そういう思いで取り組んでいるところであります。
 大事なことは、やはりこれまではややもすると受け身であったその女性が、自分の体に対する取組、これをしっかり自立して自分の意思で自分の身体を守っていけるような、そんなことが実は女性活躍の大前提であろうということを改めて分かち合いたいと思います。こういう認識を持っていただく中で、この6月に政府決定した重点方針2021では、予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性が、緊急避妊薬を処方箋なしに薬局で適切に利用できるよう検討を進めること、生理や更年期などの女性特有の悩みについて、先進的な技術を用いた製品・サービスにより対応するフェムテックの推進、そして、経済的な理由で生理用品を購入できない女性がいるという生理の貧困への支援などを盛り込んでいて、関係府省において具体的な取組が進められているところです。
 本当に世界に知られたくない話がいくつかあって、避妊にしても日本はコンドームなのですね。そんなことは先進国ではあり得ない話である、そういうことも実は私たち、あまり学んでいません。結果として望まぬ妊娠をしたときには、もう全て女性の側に責任を押しつけられてしまっている。そこはやはりしっかり改善していきたいなと思いますし、あと生理や更年期、実は最初、生理だけだったのですけれども、林局長に言って、私たち、生理が終わった女性たち、終わろうとしている女性たちの更年期というのは大変苦しいもので、これもこれまでの政治の中で議論されていません。きちっと位置づけられていないのですね。これについてもしっかり、これからやはり高齢化になって中高年の女性が増えていきますから、生理と併せて同じぐらいのボリュームで更年期についてもしっかり取り組んでもらいたいなと願っています。
 最後の生理用品ですけれども、素朴な疑問として、小中学校のトイレにトイレットペーパーはただで置いてあるのに、なぜ生理用品が置いてないかということを考えたことが誰もありません。そこもやはりスタートラインに立って、女性だけが使用するからこれは有料だというのはちょっと理屈がよく分かりません。そういうこともしっかり有識者の皆様方にまとめていただいて前へ前へと進めていただきたいなと願っています。
 本日は、内閣府、経済産業省、厚生労働省から現状の取組について説明をした上で皆様方より議論を行っていきたいと願っています。議論を通じて、女性がそれぞれ十人十色でございまして、希望に応じた生き方をしっかりと選んで伸び伸びと力を発揮し、生きていけ、そして、社会づくりに貢献できる、そういうものを目指していきたいと思います。
 最後に、フェムテックというのを骨太に押し込んだ張本人は私でございます。申し訳ございません。ただ、やはり未知の領域にチャレンジすることは男女の別なく非常に明るい歩みだと思っています。ややもすると女性政策というネガティブな事の解決に当たりがちですけれども、やはりこれまで取り組んでない未知の領域に私たちが男女とも理解し合って、フェムテックという言葉を通じて新しい日本をつくれることができればとても幸せなことだと願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

○佐藤会長 野田大臣、どうもありがとうございました。皆さんも大臣のお話を踏まえてこれから議論していただければというように思います。
 それでは、議事に入りたいと思いますが、最初は議題(1)女性の生理と妊娠等に関する健康について、各府省から御説明いただいて議論することになります。先ほど野田大臣からお話がありましたように、これは生理の回数なのですけれども、データが取れる範囲、かつてだと生涯、女性50回ぐらい経験。出産が多かったのでね。現在、450回から500回となっていて大臣御存じのように10倍に増えているのですよね。そういう意味では、女性がよく仕事と生活の両立といいますけれども、働く女性が増えてくるとやはり仕事と生理の両立ですね。健康で意欲的に働ける非常に大事なテーマだと思います。
 それでは、まず最初に、内閣府と経済産業省、厚生労働省、それぞれ担当の方においでいただいていますので順に御説明いただきます。最初は内閣府の林男女共同参画局長から御説明いただければというように思います。よろしくお願いします。

○林男女共同参画局長 ありがとうございます。内閣府男女共同参画局長の林でございます。
 資料1に沿って御説明をしたいと思います。画面を共有させていただきます。女性の生理と妊娠等に関する健康についてということで、先ほど大臣からもお話がありましたように女性の健康に関する課題は思春期から更年期まで本当に様々ございます。ここでは若い女性をめぐる状況を見てみたいと思います。
 今の50代、60代の方々が青春時代を送った1980年代と比べると、相当に今の若い女性は異なった環境にあると言えると思います。例えば、1980年代当時の女性は平均22歳で夫となる男性に出会って、2年半くらいお付き合いをして25歳で結婚していました。また、9割の女性が30歳までに結婚をしていました。現在は、出会いはほぼ25歳、結婚は29歳と20代後半で、平均交際期間も4年以上に及んでいます。また、30歳までに結婚する女性は約6割で、50歳時点での未婚率も約15%となっております。このように女性や結婚をめぐる状況は一世代前、30年前と様変わりしております。出会いから結婚までの交際期間が長く、かつ遅くなり、性経験がある未婚の女性の割合も高くなっております。このような状況におきましては、リプロダクティブ・ヘルス、リプロダクティブ・ライツの視点がますます重要になっていると考えております。
 こちらはバックデータなので割愛させていただきまして、こうした中で未婚の女性の避妊について見ますと、9割弱の方々が避妊はしていますが、その方法はコンドームが圧倒的に多く、男性に避妊をしてもらっているという形になっています。これは諸外国とは異なっていまして、例えば下のほうに書いてございますように、先進国の中でも女性の活躍と高い出生率が両立している国としてフランスやスウェーデンが挙げられますが、フランスやスウェーデンではピルやIUDのように女性自身が自分で行う避妊で、かつコンドームよりもより確実な方法が広く使われております。
 このように女性自身が妊娠など自分の体のことについて自己決定するということができる状況にあれば、女性が男性と交際する際に妊娠したらどうしようという不安感なくお付き合いができると考えられます。その点で避妊に関わることはカップル形成の上でも、また、女性のキャリア形成の上でも重要な論点ではないかと考えております。
 ちなみに、日本では1年間の人工妊娠中絶件数が15万件となってございまして、そのうち半数以上が20代以下の若い女性の中絶となっております。
 ここでは諸外国の女性が普通に手にしているのに日本の女性にはないと国会の審議などで指摘されているものを挙げております。例えば緊急避妊薬は性交後72時間以内に服用すれば高い確率で妊娠を妨ぐことのできる飲み薬ですが、これは日本では医師の診察を受けた上で処方されることになっております。他方、多くの国々では薬局で処方箋なしに購入することができます。また、妊娠中絶の方法や子宮頸がんワクチンについても指摘を受けているところであります。
 特に緊急避妊薬につきましては、昨年、第5次男女共同参画基本計画を策定する際に若い方々から大変多くのパブリックコメントをいただいたので、私どもは厚生労働省と議論し検討していくということを計画で決定した次第であります。
 さらに、今年の6月に閣議決定をいたしました骨太の方針におきまして、緊急避妊薬を処方箋なしに薬局で適切に提供できるようにすることについて、本年度中に検討を開始し、国内外の状況等を踏まえ検討を進めるということを政府として決定をいたしました。後ほどその検討状況について厚生労働省から説明をしていただきます。
 また、フェムテックの推進につきましても決定をいたしました。この点についても推進状況を後ほど経済産業省と厚生労働省から説明をしてもらいます。
 また、生理の貧困、すなわち、経済的理由などで生理用品が買えない女性がいる問題への取組についても決定をいたしました。この点につきましては私ども内閣府男女共同参画局が担当しておりますので、現状を御説明したいと思います。
 こちらが私どもで全国の自治体を調査した結果であります。生理の貧困に取り組む自治体は今年の春以降急速に増えまして、今年の5月時点で255、さらに7月には私どもの交付金を活用した取組を合わせると623団体まで増えました。全国の3分の1以上の自治体が取り組んでいるということになります。
 特に生理の貧困では、単に生理用品を配るだけでなく、その背景にある経済的な困窮やネグレクトなどの問題にアプローチし、相談支援につなげることが重要だと考えております。各自治体での取組、例えば生理用品とともに相談窓口の案内を渡したり、また、公共施設や小中学校のお手洗いに置いたり、無料のナプキンディスペンサーを設置するなど各自治体で創意工夫を凝らした様々な取組が見られます。内閣府といたしましては、引き続き予算を確保しまして、このような取組をしっかり支援してまいりたいと考えております。
 以上です。ありがとうございました。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 それでは、続けて、経済産業省の龍崎大臣官房審議官から御説明をお願いいたします。

○龍崎大臣官房審議官 経済産業省の龍崎でございます。
 私どものフェムテック推進について御説明します。
 最初のページですが、まず、私どもの基本的な考え方でございます。プラットフォーマーの台頭や、産業構造の変化、ビジネスモデルの変化が激しいときに日本人、しかも男性を中心とする同質集団で対応できるはずもないということで、ダイバーシティ、とりわけ女性の活躍が必要であります。しかし、女性は月経とか更年期といった特有の健康課題によって、パフォーマンスの低下や本当は望んでない離職を余儀なくされる状況にございます。
 これは女性職員に教えてもらったことですけれども、生理は病気ではないとか、我慢しなさいと教えられてきたということであります。フェムテックはテクノロジーで女性の健康問題に対応して、個人の我慢に委ねることなく女性が生き生きと活躍できるよう支援するツールであると考えており、私どもとしても、積極的に推進してまいりたいと思ってございます。
 次のページは、フェムテックが経済に与え得るインパクトを私どもとして考察してみたものでございます。これは2025年時点の逸失給与総額といいまして、女性の健康問題が解決されて、離職、昇進辞退、勤務形態の変更を余儀なくされなければ得られたであろう給与が2025年時点でどうなるかを試算してみたものです。月経と妊娠・不妊分野、更年期、それぞれ試算をしてみましたけれども、合計で年間2兆円ぐらいの逸失給与がこのままいくとある。これをフェムテックで乗り越えていくことができるのではないかということでございます。
 次のページになります。先ほどの試算は逸失利益というマイナス面を防ぐことによるインパクトですが、新たな産業の成長というプラス面から見た場合、アメリカの調査会社によるものですが、世界のフェムテック市場は今後急激に拡大をしていくであろう。全人口の半分をターゲットとする産業だということでございました。ただ、足元は、フェムテック企業への投資額というのはまだ数百億円レベルにとどまっていまして、市場拡大に従って恐らくこの投資額も急激に増えていくであろうと期待されています。
 次のページ、私どもの取組は、先ほどの基本的な考え方に基づいて、今年度から予算を確保しましてフェムテックのモデル事業を全国20か所で実施しています。成功事例が出てくれば、ヨコ展開を図るべく、フェムテック企業のみならずユーザー企業、自治体、医療機関から成るコンソーシアムの形にしていただくことを基本的には要件にしています。そのコンソーシアムの実施費用の3分の2を補助する形を取っています。
 なぜコンソーシアムなのかということですけれども、持続的に回っていく仕組みとしてはフェムテック企業だけに支援をするのでは足りないだろうということです。少しまとめてございますが、それぞれに課題があります。女性社員を抱える企業、ユーザー企業は、生理休暇も不妊治療も知らないまま社員が突然辞めていくような状況にあり、課題としては、まさにワーク・ライフ・バランスをどう取るのか、それから、ダイバーシティ経営をどう確保するのかという課題があります。
 それから、左下の医療機関、これは先ほど申し上げた我慢とかプライベートなことという認識もあることから、女性の方に聞いてみると、やはり婦人科はなかなかハードルが高いということで、ぎりぎりまで我慢する。医療機関を訪れたときには、例えば高度の鬱になっていて、お医者さんとしては、これはもう仕事を辞めるしかないねと、手の施しようがないような状態になってようやくアプローチされるというような課題がある。
 それから、右上です。女性個人でいいますと、当然我慢をしなければいけないと思い込み、仕事との両立が図りにくい、そういう課題があります。
 それから、フェムテック企業。これもプライベートな悩みでなかなか女性側からのアプローチがないということで、面的なリーチが難しいということであります。
 それから、自治体も住民の健康維持、病気の予防を図りたいわけですけれども、女性の方と自治体との健康に関する接点というのは、妊娠して手帳を受け取る場合などに限られ、非常にリーチが難しい。フェムテックが普及してきますと、それを横軸にして更年期の問題まで含めて自治体として追えるようになる。こういうことでございまして、それぞれの課題を一体として解決できるアプローチを、ぜひ成功事例として世の中に見せることで進めていきたいということでございます。
 全国20か所、関東、関西、それから、中国、四国。選定した企業としては北海道が含まれていませんけれども、実証地が北海道のところもございます。それから、九州の場合には離島でもやる。全国バランスよく選定をしており、実証事業をしていただきます。
 2つ例を紹介します。一つは、Kids Publicという会社が実施し、ユーザー企業としてはパソナの女性職員を対象に実施します。先ほど言いましたようになかなか受診する気にならない婦人科、それから、妊娠されている場合には小児科の方とオンラインで結ぶような取組をやるものでございます。
 ネットには情報があふれており、女性の方からするとどれが自分の今の症状に適合するか分からない。このサービスは、24時間質問を受け付けて24時間以内に回答があるような非リアルタイムのものから、特定の時間帯には必ずリアルタイムで相談できるような枠組みを設ける取組、こういったものをパソナの方に使っていただいて効果を検証します。
 それから、もう一つはシャープが検討中で、女性社員を対象にやろうとしているものです。シャープが持つIoT先進技術を使ったもので、生理用品の収納箱にIoTセンシング機能をつける。生理用品を使っていきますと、なくなってきたときに買ったほうがいいですよとアラートしてくれたり、生理用品を普段よりも多く使っているような場合には病気の可能性に気づくきっかけを与えてくれたり、ということです。また、生理用品の使い方から基本的には次の生理の開始、終了日を推定して記録をすることもできます。
 以上、私どもの取組の一端を御紹介させていただきました。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 では、最後に厚生労働省から、お三方から御説明いただけるということで、山本大臣官房審議官、宮崎大臣官房審議官、川又大臣官房審議官からそれぞれ御説明いただけるということですので、それでは、山本審議官から御説明をお願いいたします。

○山本大臣官房審議官 私、医薬担当の山本でございます。
 それでは、私のほうから、まず資料3-1に沿って、今、経産省さんから御紹介がありましたフェムテック推進に向けて厚生労働省の取組状況を御説明させていただきたいと思います。今、ご覧いただいている資料、この資料でご覧いただければと思います。先ほど野田大臣からも御紹介いただきましたように重点方針2021あるいはその後の成長戦略フォローアップなどにおきましてフェムテックを推進するとされておりまして、特に私ども厚生労働省医薬・生活衛生局では薬事規制を担当しておりまして、このフェムテックの課題について薬事規制の側から取り組んでおります。
 このフェムテックにつきましては、Femtech振興議員連盟の皆様から令和3年3月に提言という形で具体的な課題と方針というものも御提示をいただいております。その中で、この議連提言の具体的内容を御紹介しております。端的に言いまして薬事規制で医薬品や医薬部外品、医療機器といった製品群を規制担当しているわけでございまして、このフェムテックに関連しましては、フェムテックと一言で言ってもいろいろな製品がございますし、また新しいアイデアのものも多うございます。その薬事規制の中でそういった製品がどういった位置づけになるのか、規制の中なのか、外なのか、あるいは中にあるときの標榜できること、あるいは満たさなければいけない基準、それから、外にあるときに標榜をしていいのかどうか、そういったところにお悩みというか、よく分からないのでどうしていいか分からないという事業者様の声をいただいたと。高いハードルを感じているとここに記載させていただいておりますが、そういったところが課題だと私どもも捉えております。
 その上で、提言の中で特にいただいたこととして、まず1つは経血吸収を目的としたショーツということで、これはいわゆる従来は生理用ナプキンという形で非常に女性の生活にごく自然に常に存在するものでございますが、近頃の新しいタイプとしてショーツの形態を取っての恐らく繰り返し使用ができるような製品というコンセプトだと思います。こういったものを清潔で性能や品質が担保できているものという観点で、生理用ナプキンと同様に部外品でどうやって評価していけばいいのか、あるいは承認申請をしていただく際にどういうことに気をつけて、あるいは示していただくのか、申請していただくのかというところが端的に言うと分からないという御意見もあったかと思います。こういったところを検討するようにと。
 それから、経血吸収を標榜せずに、いわゆる部外品ではなくて雑品として製品を作り、流通させるというスタンスの業者さんもいらっしゃるかと思います。そういった場合に、どういった範囲まで広告ができる、あるいはここからは広告は雑品の範囲ではできないから、もしやろうとしたら部外品できちんと承認を取っていただきたい、そういった仕分について分かりやすくお示しをできるように検討する。
 それから、月経カップというものについては生理用タンポンと似た製品として同様に扱われているわけでございますが、体の中に置くということで性能や品質が客観的に担保されるよう、業界自主基準を策定する。
 それから、それ以外の各種デバイス、セクシャルウェルネス関連製品として本当に多岐にわたる製品あるいはアイデアがある分野でございますが、そういった部分について医薬品あるいは医療機器あるいは部外品の場合もあるかと思いますが、これは各国で様々にやはり製品がある中、ここは、取扱いはグローバルスタンダードに整合しながらの我々の規制を分かりやすくお示しをしていくということが課題だと思っております。
 私どもの検討状況でございますが、社団法人のメディカル・フェムテック・コンソーシアムのほうに事務局をつかさどっていただきまして、産官のワーキングを今年6月から開始しております。開始以降6回、ワーキングは開催されまして、業界側の参加者はここにお示ししているような団体の皆様あるいは関心のある個別製品の事業者様などに御参加いただいておりますし、官のほうは厚生労働省が参加をして、具体的にはここに3つ書いておりますが、個別状況をお示ししております。
 まず、経血吸収を目的としたショーツにつきましては、部外品で出していただく、承認を取っていただくための評価の観点あるいは広告表現の考え方についてこのワーキングで御議論いただき、取りまとめをしております。近くというか、本当に近く、メディカル・フェムテック・コンソーシアムのウェブサイトにおいて公表予定のところまで来ております。
 それから、月経カップにつきまして、現在、業界自主基準について同じく社団法人の日本衛生材料工業連合会の皆様が中心となって策定の作業を進めていただいているところでございます。
 3つ目の各種デバイス、セクシャルウェルネス関連製品につきましては、ここは提言の中にもいただいているように非常に多岐にわたる製品がございますので、先ほども申し上げましたように諸外国、グローバルスタンダードでどんなカテゴリーで扱われているか、あるいはどんな品質あるいは性能というものが必要かということも含め、どうやって検討をまずどんな順番でしていこうかということについて考えさせていただいているところでございます。
 フェムテックにつきましては以上でございます。

○佐藤会長 では、続きまして、宮崎審議官かな、よろしくお願いします。

○山本大臣官房審議官 すみません、3-2、緊急避妊薬につきまして、続きまして、私、山本が。

○佐藤会長 では、お願いします。

○山本大臣官房審議官 すみません、よろしくお願いいたします。 
緊急避妊薬の検討状況でございます。これも先ほど御紹介いただきましたように男女共同参画のほうで各種御提言をいただいております。厚生労働省におきましては、まず少し前でございますが、平成28年にスイッチ会議と私どもは言っているのですが、医療用の医薬品から、いわゆる薬局で処方箋なしで買えるようにできるかどうかということを検討する医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議というところで緊急避妊薬のスイッチOTC化について議論いたしまして、この時点では時期尚早という御判断で見送りとなりました。
 その際の指摘された主な課題というのは、この囲みの中で書かせていただいておりますが、インターネットでの販売などで安易な販売が懸念される、あるいは悪用や乱用などの懸念もあるといった点、あるいは避妊を含めた性教育の遅れなど使用者のリテラシーが日本は不十分であるのではないかといった御指摘、あるいは処方箋なしになりますと販売を行うのは薬剤師が想定されますが、その当時の薬剤師がいわゆる緊急避妊、女性の性や避妊といったところについて緊急避妊薬を扱える専門知識あるいは薬局の環境などが整っているかというような御指摘をいただきました。
 これらについて各方面が取り組んでいくべきだということで、一旦その会議が終わっております。この課題の一つとされた例えば薬剤師の資質向上につきましては、現在、薬剤師の団体あるいは関係する学会に御協力いただいて、この女性の性、避妊、緊急避妊薬等について薬剤師の研修を展開しているところでございます。
 令和3年5月にこのスイッチ会議に再検討の要望ということで、市民団体のほうから緊急避妊薬のスイッチOTC化の再検討の要望が提出されたところでございます。この平成28年から令和3年の間に、別途、先ほども申し上げましたように令和2年12月に第5次の男女共同参画基本計画で緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師の十分な説明の上で処方箋なしに緊急避妊薬を適切に利用できるよう、薬の安全性を確保しつつ早々と検討するよう御指示をいただいているところでございます。
 これを受けまして、本年6月に再検討というプロセスを始めております。具体的にはスイッチ会議で海外調査を実施したいということで、その詳細、具体について御説明をしました。それから、先般の10月4日に、平成28年に指摘された課題に対して、今、どんな状況かといったところを御紹介した上で、各団体、各関係者の皆様にプレゼンテーションもしていただきました。
 先にその様子を御紹介したいと思いますが、今、ご覧いただいているスライドでございますが、まず再検討を要望してこられた市民団体の皆様から緊急避妊薬が女性には必要なのだといった内容の御要望を会議で御紹介をいただきました。その上で平成28年当時の指摘された課題について、例えば性教育につきましては文科省より御紹介をいただき、それから、薬剤師の資質向上の取組状況につきましては厚生労働省から、日本産婦人科医会あるいは日本産科婦人科学会の先生方から産婦人科における緊急避妊薬の処方状況について御紹介をいただいたり、また、日本薬剤師会より薬剤師の研修内容あるいは薬局で提供をしようとするときの考え方などについて御説明いただきました。その上で海外状況調査について事務局より予定を御説明して御議論いただきました。
 海外調査、現時点でこのように考えております。調査目的は緊急避妊薬のOTC化再検討に資するためにいろいろな諸外国の状況を確認しようということでございます。できるだけいろいろな、諸外国の状況といってもいろいろございますので、あまり時間もかけず、ただし、主要な国がある程度範囲に入るように6か国以上を選定しつつ、調査スケジュールとしては来年の1月までに調査を実施して結果をまとめていただきたいと考えております。調査項目はその国での販売状況、使用状況あるいは環境、周辺状況などを調べていただこうと思っております。その上で、その調査結果も踏まえつつ、先ほどのスイッチ会議において緊急避妊薬のスイッチ化について議論をしていこうと考えております。
 以上でございます。

○佐藤会長 では、また続けてお願いいたします。

○宮崎大臣官房審議官 それでは、厚生労働省健康局を担当している宮崎でございます。
 女性の健康に関わるテーマの一つ、課題の一つとしてHPVワクチンに関わる問題がございます。これに関する最近の動きについて御報告をさせていただきます。
 HPVワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチンに関しましては積極的勧奨の取扱いに関する議論がございました。日本では、この関連で、資料を見ていただくとお分かりのように、現在年間で1.1万人の女性が子宮頸がんに罹患をして、年間で2,800人が亡くなられるという状況でございます。40歳までの女性でがん死亡の第2位がこの子宮頸がんということでございますので、女性の健康ということを考える上でこのテーマは非常に大きなテーマだと考えております。
 ヒトパピローマウイルスワクチンにつきましては、このHPVへの感染を防ぐことで子宮頸がんの罹患を予防することができるということで、WHOはこのワクチン接種を推奨しております。先進各国においても公的接種として位置づけられているという状況にございます。
 一方で、我が国、国内におきましては、このHPVワクチンは平成25年の4月1日に定期接種化をされたところでございますが、予防接種後に生じた多様な症状が報告をされまして同年6月に積極的勧奨が差し控えられたという経緯をたどっております。以降、3つの課題、下の枠にありますように、ワクチンの安全性と有効性をしっかり整理する、また、接種後に生じた症状に苦しんでおられる方々への寄り添った支援をきちんと行う、安全性・有効性に関する情報提供をしっかり進めていく、これらの課題について整理をしていくということで、この間、議論をされてまいりました。
 このような中、先日、10月1日に厚生労働省の審議会におきまして、このHPVワクチンの積極的勧奨の取扱いについて課題を整理するとともに議論が行われたところでございます。1から4、書いておりますけれども、1、2、3が今、申し上げた3つの課題に関する現状でございます。
 安全性・有効性に関する最新のエビデンスについては、ここに記載のとおりでありますけれども、接種後に報告された多様な症状とワクチンとの関連性について、国内外の調査では明らかになっておりません。また、国内外においてワクチン接種によるHPVの感染と前がん病変である子宮頸部異形成の予防効果あるいは持続有効性を示唆する結果が示され、さらには海外の大規模調査においては子宮頸がん自体の予防効果も確認されてきております。
 また、寄り添った支援につきましては、ここに記載のとおり、①から⑤と各種の施策、支援策を講じているところでございまして、これらが継続して行われているという状況でございます。
 3点目の情報提供につきましては、接種対象になっている方々が情報に接する機会を確保して接種についてそれぞれ検討、御判断いただけるように自治体からの情報提供の資材、リーフレット等をお配りしているところでございます。
 4番にありますように、接種状況といたしましては過去2、3年でこのワクチンの接種数は増加傾向にある一方で、副反応疑いの報告の割合はおおむね横ばいであったという状況でございました。こうしたことを踏まえて御議論いただきまして、10月1日の審議会では、現在、HPVワクチンの積極的勧奨が差し控えられていることに関してどのように考えるかということで、論点の提示があり御議論いただきまして、結果として積極的勧奨の差し控え、終了を妨げる要因はないという結論になっており、その一方で、医療体制の整備ですとか情報提供のより一層の充実あるいは接種機会を逃された方々への対応などについて、なお幾つか課題が出されておりますので、引き続き審議会において議論をしていく予定になっているという状況でございます。また次の審議会の場で引き続き議論するという状況でございます。
 私からの報告は以上でございます。

○佐藤会長 では、あと川又審議官ですか。よろしくお願いします。

○川又大臣官房審議官 厚生労働省の子ども家庭局、川又でございます。
 引き続き厚労省の最後になります。画面を共有させていただきます。
 最後のテーマですが、人工妊娠中絶と経口中絶薬ということでございます。
 まず人工妊娠中絶の術式をめぐる状況でございますけれども、件数としては令和2年に実施された人工妊娠中絶数が14万5340件、その外科手術の手技の方法として掻爬法、かき出す方法と吸引法がございますけれども、WHOでは安全性の観点から吸引法を推奨しているところでございます。ただ、我が国ではまだ掻爬法が多いということで、今年の7月2日でございますけれども、私どもから関係団体のほうに通知を発出いたしまして、国際的な動向を踏まえて吸引法の周知をお願いしたところでございます。
 その表は2019年の我が国の実態でございます。左側は件数ベース、右側は医療施設ごとに最も選択されている手術の方法ということで、左側の件数、人工流産というところを見ていただければと思いますけれども、掻爬法が23.5%、電動吸引法29%、電動吸引プラス掻爬法が37.3%、手動吸引7%、手動吸引プラス掻爬法が3%というのが我が国の現状の実態となっております。
 2つ目の○ですけれども、経口中絶薬の薬事承認に向けた今後の見通しということでございます。経口中絶薬のうちミフェプリストン及びミソプロストールにつきましては、現在、企業において治験・開発中ということで、今後、企業のほうから薬事申請が行われれば有効性・安全性について審査を行われる予定ということになっております。
 私のほうから以上でございます。よろしくお願いします。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 ちょっと報告の時間が長くなって、これからの進め方なのですけれども、こうさせてください。先ほどの各府省からの説明について、御質問、御意見、皆さんあると思いますので、今日はいつもと違って質問のある方、手を挙げていただいて御意見を伺うというようにしたいと思います。それで御意見なり質問はどの役所のとか、どの資料にということを明示していただければありがたいなというように思います。それで質問、意見をずっと出していただきます。ある程度まとまったところで各府省から特に御質問についてはできる範囲内で御回答いただこうと思います。そういうように報告していただいた各府省の方は、これは自分の役所の報告について質問であればメモしておいていただいて、まとめて御回答いただくというようにさせていただければと思います。
 それと、本日は内容的に文科省に関わる部分もあるかと思いますので、文部科学省初等中等教育局の三谷文部科学戦略官にも御出席いただいていますので、関連した質問、全然関係ないことは困りますが、関係した質問で文科省に関わることは御対応いただけるというように思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、いつも参加していただいている委員の方はお分かりのように、私のやり方としてはオンラインの会議、結構疲れるので、1時間ぐらいで5分休憩なのですね。ちょっと早いですけれども、ここで5分休憩して55分再開ということで、背伸び、お茶を飲んでいただいて55分再開。では、5分休憩です。これも健康のために5分休憩です。

(休憩)

○佐藤会長 大臣も戻っていただいて、どうもありがとうございます。
 それでは、次の時間、50分ぐらい取れます。ですので、こうさせてください。手を挙げていただいて、大体1巡、20分ぐらいたったところで、そこまでに出た質疑について各府省からまとめてお答えいただくというようにしたいと思います。それが終わったらまた2巡目ということですので、1回にあまり長く質問というか、2回ぐらいチャンスはあるということで御質問いただければいいと思いますので、それでは、最初にある方。みんなありますか。では、大崎委員、お願いします。

○大崎委員 皆さんおありですよね。なので、いいですか。

○佐藤会長 いいですよ。お願いします。どなたに、どの資料に対して。

○大崎委員 ありがとうございます。私は、どの資料に対してというよりも全体的にまずコメントをしたいのですが、それでもよろしいですか。

○佐藤会長 結構です。全体のテーマで。

○大崎委員 分かりました。ありがとうございます。
 女性の健康で特にリプロダクティブ・ヘルス、性と生殖に関する健康というのがこのような形でしっかりと政策課題化されてきているということは大変喜ばしいことだと感じております。それを踏まえて、まず強調したいのは、担当省庁問わず、国が行う全ての女性の健康に関連した政策と施策は、リプロダクティブ・ライツ、つまり、女性の自己決定権、人権を土台にすべきであるということ、その考え方をどの施策にも主流化すべきであるということです。
 今、日本も一生懸命取り組んでいるSDGsでございますけれども、ゴールの5番目がジェンダー平等と女性、女の子のエンパワーメントですが、今日のこれまでの御報告を伺いますと、避妊方法の選択肢の狭さ、緊急避妊薬が入手しにくい、人工妊娠中絶の件数の多さとその方法として掻爬法というすごく女性の体に負担をかけるような、その後の妊娠にも影響の出かねないような非常にプリミティブで懲罰的な方法をまだ使っているという事実、HPVワクチンの接種率の低さ、これは国際的に見てリプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツの分野で日本は大変遅れているということを再認識しなければいけないのではないかと思います。
 女性の健康に関しましてはグローバルジェンダーギャップ指数で健康に関しては順位が高いのであるというようなことが言われがちなのですけれども、そうではないという認識を政府内でも共有していただくことが大事かなというように思っております。
 それから、5次計画のほうでも第7分野の冒頭のところで「男女が互いの身体的性差を十分に理解し合い、人権を尊重しつつ、相手に対する思いやりを持って生きていくことは男女共同参画社会の形成に当たっての大前提である」ということが言われていまして、ここでもやはり人権を土台とするのであるということがちゃんとうたわれておりますので、この専門調査会としては、その理念が省庁問わず女性の健康に関連した国の施策に反映されているかどうかをチェックするのが私たちの責任であるということを改めて強く感じているところです。
 緊急避妊薬の議論の中で、性教育の遅れが課題の一つとして指摘されているというようにお伺いしております。先ほど来出ている課題に鑑みますと、「包括的な性教育」を同時進行で進めなければいけないのかなと思います。
 今、性暴力の防止という観点から文科省が中心になって命の安全教育ということを展開され始めて、それは大変すばらしいと思いますが、それをもう少しちゃんと広げて、今、申し上げているようなセクシャルリプロダクティブ・ヘルス・アンド・ライツのところをベースとした教育が必要なのではないかなと思います。
 それに関して、緊急避妊薬の議論に資するために海外の状況調査をおやりになっていて、その中で性教育ということも調査されるということなのですが、もう少しユネスコが提唱する包括的な性教育の内容であったり、その実践例であったりとか、それを行うことによってどういう効果が上がっているのかというような実証的なそういうリサーチというのをぜひやっていただきたなと思うのですけれども、いかがでしょうか。それにより、議論がもう少しエビデンスベースになっていくと思います。その辺り、どのようにお考えかということです。ありがとうございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。性教育については後でもしあれば文科省の方からもちょっとお答えいただければと思います。
 では、佐々木委員、お願いいたします。

○佐々木委員 画面を共有いたしますけれども、私の娘がちょうど今、高校3年生でHPVワクチンを打ちました。その打とうと思ったきっかけは、それまでちゃんとした科学的な情報を知らなかったのですが、中日新聞である記事を見て打とうと思ったのですね。その記事というのは本庶佑先生のノーベル賞授賞式のときの記者会見で、このワクチンが日本で進んでいないという危険性を取り上げられたというものでした。本庶先生のおっしゃっているのは、やはりワクチン報道、メディアの報道が非常に悪かったということと、あと科学に対するリテラシーの問題があるということ。やはり日本はまだまだそこを向上させなくてはいけない。黒か白かという、科学ではゼロということを証明するというような、そういう危険性がないというのを証明するというのは悪魔の証明と言われているぐらい難しいもので、それは科学ではない、科学というのはどういうものかということをきちんと発信していかなくてはいけません。
 あとはちょっと細かいことになるのですけれども、先ほどちょっとお話が出ていたのですが、HPVワクチンを打ちそびれてしまった方々へ無料接種ができるようにぜひ進めてほしいです。これは3月ぐらいの記事ですが、署名を集めて厚生労働省のほうに行かれたメンバーの人と知り合いでいろいろお話を聞いたのですが、やはりそういう人たちが自主接種だと4、5万かかってしまって打てないということです。また、接種の時期が一番ベストなのは、性交渉の前なのですけれども、性交渉したからといってウイルスに感染しているとは限らないので、その後でも打つことで予防効果というのはもちろんある、そういうちゃんとした情報を広めるということも必要だなと思います。
 また、公費接種のことなのですが、ワクチンには、2価と4価以外に、子宮頸がんの予防効果が高い9価というのもありまして、娘には9価のほうを打ったのですけれども、今、9価は一応打てることにはなったのですが、自費でしか駄目で、10万円以上しました。なので、この9価ワクチンを公費接種にするという取り組みの検討がすでに始まっているのかということを、厚生労働省の方に質問したいです。
 以上です。

○佐藤会長 ありがとうございました。
 それでは、石黒さん、続いてお願いいたします。

○石黒委員 ありがとうございます。ネットイヤーグループの石黒です。よろしくお願いいたします。
 私も個別のことではなくて包括的なことになるのですけれども、野田大臣が奇しくも冒頭の言葉でおっしゃったように、例えばほかの議員の方が生理という言葉を使ったことがないという。これら、今日、議論をさせていただく全てのことが結局日本全体でアジェンダになっていないということが非常に問題だというように私は思っています。
 実は、今日のコンテンツで出てきたものの中にも私がやはり知らないことも結構ります。緊急避妊薬の効果であるとか、コンドームの利用が日本に多く、諸外国との差があるとか、こういった背景には、やはり女性特有のこと、例えば生理というのが恥ずかしいものであるとか、もしくは女性の中だけで解決すべきもので話してはいけないものであるというような社会通念がまだあるのだというように私は思います。
 こういったものは、避妊具ですとか生理の理解に対する遅れにつながっているというように思うので、ピルの安全性に対する不安、緊急避妊の存在、中絶の吸引法の違い、そして、掻爬法が日本で行われていて、ほかではもっと安全なことが行われて、そういう事実を本当に知らないということがすごく問題であり、また、こういうことに限らず女性自身の体の理解、例えば妊娠可能年齢だとか出産可能年齢だとか、私も前の委員会でやりましたけれども、少子化につながる女性のことをアジェンダにしなくてはいけないと思うのです。
 私の意見は、これらに対する教育と周知の仕方というのを変えていかなくてはいけないと思っています。アジェンダになるように、具体的には本当に政府機関でもっと発信をしていくとか、教育機関、例えば今、私は知らないのですけれども、私の時代は小学校で生理を学ぶということがありましたが、女子生徒だけ集められて、男子生徒が外でわいわい騒いでいるという状況がありました。あれ自身、本当におかしなことだと思うのですね。男子は生理のことを知らなくてはいけないし、また、その波及効果としてマスコミがこれを積極的に取り上げるというような循環ができると思います。
 ということで、周知の仕方、国民に届くようなコミュニケーションを問いかけの部分から含めて国民を巻き込んでやっていくことがいいと思っています。具体的には、私も再三申し上げたようにウェブでプル型でこの議事録がPDFで発信されるけれども、誰も見ていない。こういうプル型のコミュニケーションではなく、メディアを使ったり、それから、アプリでプッシュ型でこちらから発信していく。また、ソーシャルメディアみたいなものを政府機関がまず政府のサイトにソーシャルな形でみんなが参画できるようなものがあればいいし、当然、各省庁がツイッター、フェイスブックのアカウントを持ち、発信していくというようなことをしていかなくてはいけないと思います。
 あと1つ、これと違うことです。例えばHPVワクチンとか卵子凍結みたいなところをアメリカのIT企業は補助金などで、企業自身が女性に対して女性の負担を減らすようなことをベネフィットとして提供しています。これを言われてしまうと、では、ネットイヤーグループもこれができるかということで、予算も限られているのですが、もう少し公平な形で企業が女性の社員をサポートできるような制度というのがあったらいいなというように思います。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。先ほどの佐々木委員も同じように適切な情報発信、あと女性だけではなくて男性も、男女がということはすごく大事かなというように思いました。
 治部委員、お願いします。

○治部委員 ありがとうございます。
 私も最初にこれは内閣府の方にお礼を申し上げたいと思うのですけれども、大崎委員おっしゃったようにこのテーマは国際的にはセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、性と生殖に関する健康と権利によって女性の基本的人権の中でも最も重要とされる分野であります。こういったことなくして活躍も何もありませんので、この最もベーシックなことですが、ともすれば結構コントラバーシャルな話題でありますので避けがちなことをきちんと正面から取り上げてくださった男女局の覚悟というものにまず感謝申し上げたいと思います。
 それから、ほかの委員の皆様からも、また、野田大臣からも、生理に関する議論がこれまで避けられていたということがありました。本当にそのとおりだと思います。ですが、関心はすごく高いなというように思います。実はちょうど先日、10月11日に私、朝のNHKラジオに出ておりまして、生理をもっと率直に語りましょうというテーマで、元NHKのアナウンサーの三宅民夫さんという、彼は70代の男性なのですけれども、一緒にお話をしました。三宅さん自身もお嬢さんがいらっしゃるのですけれども、全然PMSということを知らなかったとか、でも、知ることができてよかったということで非常にいい感じでお話をくださって、これに物すごくたくさんの聴取者からの声が、メールが寄せられていて、担当のプロデューサーもすごくびっくりしています。ちなみにプロデューサーも男性なのですが、男性もきちんと関心を持ち、身近に女性と暮らしていたりするところに対して優しさとかそういうのを持って考えるということはすごく大事なことなのではないかなというように思いますということが一つあります。
 もう一つは緊急避妊薬、経口薬に関連して、これは厚生労働省の方に御質問なのですけれども、このことについて主に産むか産まないかの選択の問題という議論として語られることが最も多くて、これは女性の基本的人権として重要なのですが、実はもう一つ重要な視点として流産や死産の対応ということがあります。
 私、今日、こういう会議がありますということを知り合いにいっぱい拡散をしましたところ、ぜひ言ってほしいという伝言を預かっています。私の友人なのですが、働く女性で流産、死産を経験されています。大変それ自体は悲しいことなのですが、そのときにやはりある程度大きくなっていますので自然に赤ちゃんが出てくる、流れてくるということではございませんので、彼女は掻爬と吸引と2回流産をされているので経験をしています。それが大変身体的にもつらかったし痛かったということを話してくれました。ただでさえ、流産、死産というのはつらい経験であるにもかかわらず、体に非常に負担がかかるようなことをしなくてはいけないということ、そういうことを避けるために、より負担が少ない方法としてやはり薬を飲むという選択肢をぜひお願いしたいという伝言を預かってきたので、この場を借りてお伝えするとともに、厚生労働省でこの辺りのことをどのように議論されているのかということをお伺いしたいと思います。
 あと関連しまして先ほど厚労省の方のお話の中で、緊急避妊薬の評価検討会議の中でまだリテラシーが不十分であるということが二の足を踏む理由として挙がっていたのですが、リテラシーが不十分であるのは、これはこれまで性教育をちゃんとしてこなかったという教育行政の問題であろうと思いますので、この責任は第一義的には教育行政が負うべきものであって、これ以上、女性の体に負担をかける方向での解決というのは合理的ではないだろうというように思います。
 ただ、私自身、子供は小中学生がいまして、大分昔よりよくなったなと思ったのもありますのでちょっと申し上げておきたいと思うのですが、昔は先ほど石黒委員もおっしゃったときに生理のとき、女子だけ呼ばれて話を聞いたのですけれども、私の娘が小学校4年生でおります。少し前に生理の話を学校で聞いてきました。都内の公立の小学校に通っております。そのときには男の子も女の子も一緒に話を聞いたということを言っておりましたし、また、ちゃんと先生は男の子に対して、女の子は生理という大変なことがあるから、そういうときには優しくしてあげてねというように先生は言ってくれたそうで、これはやはり昭和の時代と比べると物すごく人権感覚ですとか個の尊重ということが進んでいて私はうれしく思いました。
 ということで、教育はどうしても文句ばかりということが多いかもしれませんが、とてもよくなっているところもたくさんありますので、ぜひ包括的性教育の導入といったことも踏まえてさらによくしていっていただけたらと思いますので、その辺も後ほど伺えたらと思います。ありがとうございました。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 それでは、窪田委員、お願いいたします。

○窪田委員 私のほうから、今まで出ていた質問とも重なりますし、ちょっと細かい質問になるのかもしれませんが、資料3-2の緊急避妊薬の再検討の経緯という部分についてちょっとお聞きしたいと思います。
 私自身、どうして我が国では認められないのかなということについて不思議に思っていたのですが、今日、そうした部分についても理由が御説明されるのかなと思っており、また今日、実際に御説明をいただいたのかなというように思います。ただ、やはりこれは見てみると何か奇妙な感じがするのですね。例えば医療用から要指導・一般用への転用という場合に医師が関わらない形で用いた場合に例えば非常に大きな副作用が起こった場合に対応できないとかそういうリスクがあるとかという理由で示された場合には、なるほど、一般用への転用というのは難しいのだなということが分かるのですが、ここで挙げられている3つの理由というのは、1番目のインターネットでの販売を含めて安易に販売される懸念とか悪用や乱用等の懸念があるというような、これは全てのお薬について多分該当するのだろうと思います。
 それから、2番目の避妊も含めた性教育の遅れなど使用者のリテラシーも不十分であるということなのですが、これは確かに今、御指摘あったように教育を進めたらいいと思うのですが、恐らく完全な状態になるというのはあり得ないものなのではないかなと思います。到達点がどこかにはっきりとあるわけではない。
 それから、3番目が一番よく分からなかったのですが、薬剤師が女性の生殖や避妊等に関する専門知識を身につける必要があるということなのですが、身につけたらいいだけの話なのだろうなというように思います。
 そうしますと、そこで終わってもいいのですが、一体こういうところで認められてこなかった理由は何なのだろうなということが気になります。これは平成28年のものですが、もう令和3年になっていますから、すでに物すごく時間がたっているわけですね。少なくとも薬剤師の教育にそんなに時間がかかるはずがありませんし、ある種、どんなものがあったとしても何か障害があると言うことは簡単ですから、先ほどの子宮頸がんのワクチンの話でもそうなのですが、ちょっと問題があるということで動きを止めることは簡単なのですが、一方で、それがもたらすメリットとかというのがやはり十分に検討されているのかなということと、こんなことを聞かれても厚生労働省のほうでも困るのかもしれませんが、ここでやはり実質的に前に進めなかった理由というのは何かこの3つ以外にあるのだろうなという気がするものですから、その話が聞けたらいいなと思いつつ、大勢聴衆がいるところでは難しいだろうなというようにも思いながら発言いたしました。
 以上です。

○佐藤会長 普通に皆さんが思うことをちゃんと言っていただいてよかったかなと思います。
 では、白波瀬委員、お願いします。

○白波瀬委員 よろしくお願いいたします。
 やはりこれはどこかですごく議論のバランスが悪いというようにまず感じました。ということはどういうことかというと、リプロダクティブ・ヘルスとか、すみません、具体的な質問もあるのですけれども、ちょっと前振りとして、やはりここでの議論というのはセクシャルな行為における究極的な男女間の平等な選択の問題なのですね。もう一つは、選択の問題であり、自らの身体をコントロールできる、コントロールすることができるという、これもまた極めて重要な選択の問題なのです。それが保障されていないというところで、特に女性については子供を産む、あるいは妊娠してしまった等々の一連の結果についてもあるということになります。
 それで緊急避妊薬の話についてもすごく一般的な話で話されているのですが、これは間違いなのですよ。要するに、そのことを言うと、みんな緊急避妊薬が飲めるからすぐやったらいいんじゃんと言っているのではないかとかいう、そういう議論をされるのですね。決してそうではないのですね。やはり中絶の話にしても、今回のデータにも出てきますけれども、10代でこれだけの子が中絶を経験しているというのは極めて深刻。彼女たちの健康のことを考えるとですね。ですから、やはり究極的には非常に重要な一つの点は科学的な知識をしっかり教育として早い時期から入れていただくということです。
 そういう意味でHPVワクチンについても基本的な数字がないので分からないのですけれども、副作用が出る確率ですね。これはどれだけのものか数字が出ていないのですね。これは教えていただきたい。少ないからいいというわけではなくて、逆に9割のものがベネフィットを受けていたら1割についてどういう付加的な措置が必要であるかという政策的な議論を同時進行でやっていくということだと思うのですね。
 ですから、これはやはり日本人的なワクチンに対する忌避感ということもあるかもしれないのですけれども、情報の出し方と説明の仕方、究極こうだというようにすごく思います。ですから、逆に言えばいろいろなもうデータが各国には出ていて、緊急の避妊薬ももう既に2割の子が2010年の段階でフランスなんかでは1回やったことがあるよというように答えているという実際のデータもあるのですね。
 申し訳ないのですけれども、厚労省の方々、そこら辺の足元のデータを積み上げていただいて、日本の中で一体何ができるのか、一連の正確なこういう今、教育について文科省の方、かなり小さいうちからやはり早く男女ともに入れていただくことが非常に重要だと思います。そういう意味で、スウェーデンは予期せぬ妊娠率が非常に低いのです。これは何といってもやはり性教育が早くから公の教育のところで入っている。ただ、アメリカとかイギリスについてはそういう教育をちゃんと受けられない子たちが経済的な状況と直接的にリンクしているので緊急の貧困対策としてやはり展開しなくてはいけない。こういうやはり多層的な問題をうまくバランスよく提示していただいて、被害となる女の子については緊急の対策を早急にしていただきたい。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 では、井上委員、お願いいたします。

○井上委員 井上です。よろしくお願いいたします。
 連合でも政策の中にリプロダクティブ・ヘルス/ライツの確立を入れています。女性の月経困難症であるとか妊娠、出産あるいは女性特有の疾病などについての周知や、あるいは全ての都道府県に女性健康センターの設置などを政策として求めています。
 今、現場の中では、女性が生理休暇を取得できないという実態がとても多いです。特に若くて管理職になったりすると、例えば会議が長い、でも、体がつらい。これは私も実際に経験をしましたけれども、そういうときに、生理だから会議をちょっと中断させてくださいとなかなか言いづらいですよね。ですので、職場の環境の改善というのも必要になってくるのではないかと思っています。
 そして、この生理の問題は特にコロナ禍における生理の貧困がいろいろなところで話題になっており、連合としてもそれぞれの地方に連合会がありますので、加盟単組と協力して生理用品を調達しています。例えば札幌であればすすきので生理用品を寄附するなどの取組をしていますが、地方自治体でも同様の取組をしているところも見られるのですが、用意した生理用品がなくなったらそれで終了というところも多くなっているのではないかと思います。
 その意味では、生理用品は学生にとってとてもお金がかかることから、食べるものを切り詰めるのか、生理用品を切り詰めるのか、それぐらい追い詰められています。NHKで、生理になるとティッシュペーパーを丸めてそれをナプキンの代わりにして家から動かないでじっとしている、それでもいろいろなものを汚してしまうのだという実態を放映していました。その意味でも、まずは無償で配布をするとか、あるいは海外では生理用品には課税をしないという国もあると聞いているので、そのような対策なども必要なのではないかと思います。
 それから、緊急避妊薬ですが、これも若い女性にとってはコロナ禍でパートナーによる性暴力などが増えているという実態があります。実際、私が女性の相談会で担当した大学生の女性は、家庭の事情で地元にいられなくなり、新宿歌舞伎町に出てきたところ、風俗の男性に、「暖かいところがあるよ、そこで寝られるよ」と誘われた。そこに行ったら若い女の子がたくさんいて、3万円で仕事してくれないかと言われた。実際お店に出たら性暴力の被害に遭って、でも3万円もらえず、やむにやまれず翌日に相談会に来た。
 緊急避妊薬が欲しいのだけれども、東京都は無料で支援してくれるところがあるので、そのつてを使って72時間以内に服用できたということがありました。今、そのようなことが何か当たり前のようになっているのではないかと思います。万が一のときに緊急避妊薬があって少しでも安心できる、そういう環境ができればいいのではないかと思いますので、ぜひそれは早急に認めていただきたいと思いますし、5次計画のパブコメのときにも同様の意見はとても多かったと思いますので、実現に向けてお取組をいただきたいと思っています。
 以上です。

○佐藤会長 では、この後、内藤委員に御意見を伺って、その後、そこで一応意見が1巡しましたので、内藤委員の後、各担当の質問が出たところについてはそれぞれの方から可能な範囲で御回答いただければと思いますので、では、内藤委員、お願いします。

○内藤委員 ありがとうございます。
 まず皆さんがおっしゃられていたことにすごく賛同するのと同時に、自治体として少し意見を言わせていただければなと思います。
 まず私自身、生理の話とか生理の貧困の話とかがこうやって表に出てきたというのは非常に喜ばしいことだと思っている一方で、生理の問題と貧困の問題は分けたほうがいいのかなというのが自治体の肌感覚としてはあります。野田大臣も先ほどトイレットペーパーは無料なのに女性が生理用品は負担しないといけないものだというようにおっしゃられていましたけれども、それは生理の貧困というよりは女性の生理の問題だと考えます。現在、徳島市では今、中高の全てのトイレにNPOと連携して継続的な寄附を頂けるということで全てのトイレに生理用品を置いています。
 実際、ここでは生徒同士でどのような生理用品を置くかだったり、生理の周期の話だったり、どのような使い方をするのがいいのかだったり、そういった議論も起きたというようにフィードバックが出ていますので、生理の話をしやすくなった、今までは生理の話、お互いあまりする感じではなかったということもあって、こういったところから性教育につなげる、自分たちの思考をしていくという意味で教育につなげていくということは女性の生理を考える上で重要であると思います。
 次に生理の貧困の話なのですけれども、徳島市は生理の貧困対策として相談窓口で生理用品の配布をしていることに加えまして、誰でも生理用品がもらえるようにスマホをかざせば、広告を見て生理用品が出てくるというものを導入しています。しかし、そういったものを導入したときにそもそもそんな生理用品をちょっともらえたぐらいで生理の貧困、もっと言うと女性の貧困問題が解決するのかとか、機械の電波が悪くて、メンテナンス中である者に対しても上げ足をとるように使えない機械自治体が置いてどうなるのだとか、チャレンジングな動きに対していろいろな批判が実は来ました。これはジェンダー問題に対する批判や生理の貧困対策という一点をみて、「女性の貧困」問題が解決できてないことに対する批判であったりすると思います。
 実際、結局、生理用品だけ配布して相談窓口で相談につなげたとしてもそもそもの解決にはならないだろうとか、スマホを貧困者は持ってないのではないか。だから、結局もらえるのは普通の一般の人ではないかとか、何か誰かが得をするのも嫌だし、なんで女性だけという思いも根底にはあると思うんですよね。私が生理用品をもらうのは別に生理の貧困で困っている人だけではなくて、女性の生理の問題ととらえて、それこそ女性全員がもらえればいいと思っていますし、生理用品がないときにたまたま生理になってしまったという人がもらってもいいと思っていますし、そのように主張をしていますが、メディアの方たちでさえ、「生理の貧困」と「女性の生理の問題」をごっちゃにしているような状況だと思いますので、やはり生理の貧困対策ということに加えて女性の貧困に対していかに向き合っていくかというスタンスをきちんと発信していくことが必要なのかなと思います。
 やはり生理の貧困だけではなくて、徳島市であれば女性の所得向上支援策だったりとかいろいろな政策をやっていますので、そういったことも広く周知はしているのですけれども、生理の貧困という言葉が独り歩きをし過ぎるとちょっと生理用品を配っているだけなのでしょう、自治体はそれだけやっているのでしょうというように思われてしまうので、そこの情報発信をやはり国と一緒に地方も頑張っていきたいなというように思いました。

○佐藤会長 非常に大事な点で、それは貧困対策しなければいけないし、生理の場合は貧困とは別に女性全員の話ですので、確かに話題性はあったのだけれども、それが混同されてしまうような形になっているのは大事な点で、それは踏まえながら取り組まなければいけないなと私も今、思います。
 それでは、これまで委員の皆様からの御意見と御質問が出ました。各府省の方は質問については可能な範囲で、御意見は承っていますということでもいいと思いますが、もちろんお答えいただけるのは歓迎ですので、厚生労働省が一番多かったなと思いますので、厚生労働省の方から、あと文科省も性教育関係が出てきたと思いますので。その後は経産省から何かあればということですね。
 では、まず厚生労働省からお願いいたします。

○山本大臣官房審議官 私、山本からまずお話しさせていただきたいと思います。
 幾つかいただきまして、文科省さんからもお話があるかもしれませんが、緊急避妊薬について海外調査、大崎先生からいただいた一つでございますが、海外調査でその国の性教育を調べるということだけれども、ユネスコのプログラムとかそういうところにも少しタッチして深く何か実証事業みたいなことをできないのかというようなお話もありました。実証事業まではまだ私どもが果たして文科省さんと何かできるか、ちょっとそこは心もとないのですが、いずれにしろ、海外調査なり、あるいは海外の性教育のプログラム、そして、その効果、海外での例えば実証の結果などがあったら、そういったものは幅広に集めてみたいと御意見を聞いて思いました。
 それから、緊急避妊薬と、それから、流産、死産のときということで話もいただきました。私どものほうも流産、死産の際の胎児を体の外に出すというかなりつらいところで、やはり女性の体に負担をできるだけかけないという意味での人工の経口の中絶薬というものが非常に待たれているということは各方面からもお声をいただいております。
 先ほど子ども局からの説明の中にもありましたが、近く、今、開発中のものが薬事申請されることも期待されますので、そういったものが申請されましたら、その審査の中でそういったことも検討していくと思いますし、有効性、安全性を確認した上でできるだけ早く承認していくことができるのではないかと思っております。それが経口中絶薬ですね。
 それから、緊急避妊薬で性教育、終わりがなくてそれがうまく全て完璧になるまで終わり切らないのではないかと、それまで待っていられないからもう少し頑張れという御指摘をいただいたと思っております。実は先日のスイッチ会議でも性教育の重要性というのは非常にどの先生方もおっしゃった一方で、やはりそれを全て完璧というか、切りがないからどうやっていくのだと、それはそれで進めながら緊急避妊薬について取り組んで使えるように合意形成を目指すべきなのではないかという声も相当にいただきました。そういう意味で、性教育にまだまだやることがあるから緊急避妊薬は足踏みをするというようなことはないように関係者でいろいろな御意見をいただきながら議論を進めていきたいと思っております。
 それから、窪田先生からどうして遅いのという御意見というかつぶやきもいただきまして、私も何で遅いのだろうと思わなくもないのでございますが、事実的には医療用の緊急避妊薬が日本で初めて承認されたのも実はなぜか分からないのですが、なぜか分からないというのは先に言わせていただきますが、欧米よりも相当に遅い。2010年ちょっと過ぎぐらいだったと思っています。間違っていたら大変申し訳ないのですが、欧米よりも相当遅い。何かが緊急避妊薬だったりピルだったり、実は日本に登場するのが遅い。すみません、理由は分かりません。ということで、ただ、緊急避妊薬のいわゆる処方箋なしでという、先ほど東京都の取組も御紹介いただきましたが、切望されている女性のすぐ手に届くようにということは非常に私ども、切実だと思っておりますので、何とか必要なことをやって皆様に届けたいと思っております。
 私からは以上でございます。

○三谷文部科学戦略官 では、文科省からよろしいでしょうか。
 性教育に関して非常にいろいろと御意見ありがとうございました。治部先生がおっしゃってくれたのですけれども、4年生のお嬢さんのお話、まさにあそこにも尽きるかなと思っているのですが、我々としてもいろいろなところでいろいろな取組というのをやっております。我々の性教育の考え方というのは、やはり発達段階に応じてやっていくべきだろうというのがまず一つ。学校の中できちんと全体の御理解だとか保護者の御理解だとか、そういったものを得ながら計画的に、また組織的にやっていこうというのがまず全体としての考えとしてあります。
 それと、あともう一つは、まず治部先生の御紹介の中でもやはり相手を思いやるとか、単に体のことを理解する、それから、発達のことを理解する、妊娠のプロセスみたいなようなことを理解するということだけではなくて、生命の安全教育の御紹介もいただきまして、まさにああいった中でも言っていますけれども、やはり保健体育の授業だけではなくて安全教育の場であったり人権教育の場であったり、道徳というのが教科としては出てきますが、そういった学校教育全体を通じていろいろな形でやっていこうというようなことで今、進めているところでございます。
 そういった中で我々も厚労省さんといろいろと御相談をしながら、いろいろな形で、例えば厚労省さんがいい資料を作っているというような場合であれば、そういったものを指導参考資料の中で書いているような場合もありますけれども、我々文科省が作るような例えば子供向けの資料、学校で先生が指導に使っていただくような資料の中で例えば紹介をしていくとか、先ほどの経口避妊薬の話であったり、アフターピルの話なんかも実は高校生向けの指導資料の中でも触れたりもしているということもございます。なので、やはり全体のバランスを見ながらできること、そういったものは少しずつでも前に進めていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

○佐藤会長 どうもありがとうございます。
 それでは、宮崎審議官、お願いします。

○木庭予防接種対策推進官 厚生労働省でございます。
 いただいた御質問につきまして審議官の宮崎に代わりまして担当から回答を申し上げます。
 2点、御質問をいただきました。まず佐々木委員から9価のワクチンについて、そして、白波瀬委員からはHPVワクチンの接種後に生じる副反応の頻度について御質問いただきました。
 まず9価のワクチンでございますけれども、御承知のとおり、9価のワクチンにつきましては認可されてございますが、まだ厚生労働省の手続の中で定期接種の対象とはなってございません。ただ、現在、定期接種化の是非について厚生科学審議会の下にありますワクチン評価に関する小委員会という審議会の場で専門家の先生から科学的な見地から議論いただいておりまして、その状況を踏まえて対応を検討することとなります。現在の見通し等についてお話しすることはできませんが、そういう状況でございます。
 続きまして、HPVワクチン接種後に生じる副反応の頻度でございます。こちらにつきましては、私ども、HPVワクチン接種後に何らかの症状があったとして報告をいただきました頻度につきましては、1万人当たり9人という数がございます。こちらにつきましては、必ずしもHPVワクチンと関係があるもの、因果関係があるものに限らず、接種後に生じた症状として業者ないしは医療機関から報告が上がった数になります。こうした接種後の症状、副反応の疑いがある症例につきましては、審議会の場において定期的に評価を行っておりまして、現在のところ、有効性と比較して高いリスクは認められないとの評価が維持をされておりまして、御承知のとおり定期接種が継続されているという状況でございます。
 情報発信の重要性についても御指摘をいただきました。今、申し上げた副反応疑いの報告数等は私どものほうでリーフレットを作っており、掲載をしてございますが、こうしたリーフレットの中にも有効性、安全性についての情報を十分に記載させていただいて、接種対象となる方々に、その接種の是非について適切に御検討、御判断いただけるような情報提供にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 ほかに川又審議官のほうでありますか。いいですか。

○川又大臣官房審議官 大丈夫ですが、掻爬法と吸引法につきましては安全性、それから、母体への負担という観点から引き続き吸引法の周知、努めていきたいと思います。

○佐藤会長 経産省から何かありますか。

○龍崎大臣官房審議官 いえ、特段、御意見、コメント、残念ながらなかったのでフェムテック、頑張ってまいります。

○佐藤会長 では、内閣府はもし何かあれば。局長のところでいいですか。

○林男女共同参画局長 ありがとうございます。
 この議題、思い切って取り上げて本当に先生方のお話を伺ってよかったと改めて思います。また、生理の貧困については、確かに女性の貧困そのものの問題にきちんと対応するというのは、私、すごく大事なことだと思います。また、国際的にも今、経済的なエンパワーメント、女性の経済的な自立ということが大事だという指摘がされています。日本は毎年60万件の婚姻に対して20万件の離婚があり、ひとり親が増えているという状況にもありますので、経済的なエンパワーメントについてしっかりまた議論をしていきたいと思います。ありがとうございます。

○佐藤会長 時間ももう限られているのでもう一巡は無理なのですけれども、どうしてももう少し今の御回答、レスポンスを受けてもう一度というのがあれば1人ぐらいかな。
 では、佐々木さん、どうぞ。

○佐々木委員 今、生理とか出産とかそういう目に見える問題についての話がなされていて、フェムテックはそういう問題をいろいろ話し合ういいきっかけになっているとは思うのですが、それではなくて皆さん気づいていないけれど、我々研究者が気づいている生理とか出産があるために生じている隠された問題というのがあります。それは、薬の臨床試験が、女性は出産などがあって被験者が少ないということ、また、我々、生物の研究者は実験に雄を使いなさいというように習っている。それは、雌が性周期があるためにデータがぶれやすいからです。自分もあまり意識しないで雌をつかっていたのですが、それが原因で男性側のデータが一般化されやすく、女性の病気に関する知識が少ないというのが問題になっています。
 実際にこれは医療品の例ですが、睡眠導入剤なのですけれども、服用から8時間後に居眠り運転の経験は女性のほうが15%、男性が3%となっています。これは女性のほうが薬が排出されにくいということが原因です。アメリカは2013年だったと思うのですが、男性は10グラム、女性は半量というように服用量が訂正されています。今、日本でもこのお薬が使われているのですけれども、ちゃんと男女で差をつけているのかというのが、処方箋を見てもよく分からなかったです。また、これもアメリカですけれども、1997年から2000年の間に生命を脅かす健康被害の10の薬が撤退したのですが、そのうち8個は男性よりも女性のほうが健康上リスクは高勝ったという報告があります。性差解析を入れていない研究というのは女性の命を犠牲にする確率が高くなる傾向があるので、やはり性差を考慮した研究開発というものを、文科省のほうとか厚生労働省のほうの管轄になると思うのですが、海外ではちゃんと研究費を助成するときに性差解析を求めたりする例がどんどん増えてきているので、日本も早急にそういう形にしていただきたいです。
 以上です。

○佐藤会長 確かに私も治験の段階から男性が多くなってしまっていて女性のデータが取りにくいという、その結果、男女差があるものが反映されるというのは確かに重要な点で、厚生労働省、何かその辺、もし今、分かればですけれども、その辺のことは議論されているのか。していなければしていないで結構ですが、急だから無理か。厚労省、いらっしゃる、山本さんかな。

○山本大臣官房審議官 山本です。
 医薬担当でございますので、薬の開発なり治験を担当しております。難しくて、頑張っていきますというのが本音なのですけれども、臨床試験のときはやはり初めての分からないお薬をヒトに投与するということで、もちろん男性であろうが女性であろうが注意深くやっていくというのが大前提、そのために非臨床で動物を使って、あるいは試験管を使っての生殖毒性とか催奇形性とかといったところも調べた上でヒトの臨床試験に移っていくというのが原則でございます。
 ただ、どうしてもやはり女性の特に妊娠可能な世代というのは、その中でも非常に一旦は避けて臨床試験をやるというのがどうしても特に胎児に対する影響をきちんと、もちろん妊婦さんにも使える薬を増やしていくというのが進むべきところであるのですけれども、一番最初の、あるいはその次ぐらいの、いわゆるまだお薬として成功するかどうか安全性が確保されるかどうかというのを調べ始めたときにどうしてもやはり妊娠可能な女性というのを一旦はリスクを回避するというようなことがあり得る。それはそれでやるべきことというようになっております。
 その上で、でも、いつまでも置き去りにせずに、妊婦さんでも飲んでいただけるお薬というのを増やしていくために胎児への影響とかというのもどのタイミングかはいろいろなのですけれども、やはりしっかりとデータを取って、それで使えるお薬を少しずつでも増やしていくということも非常に大事だということで、そこは医療の関係者の皆様あるいは製薬企業の皆様もそれを認識しながら、まずはアンメットの分野にお薬を登場させる、そして、妊婦さんにもという、そういうロジックで取り組んでいただいております。御指摘は私どもも受け止めて、これから改善できるところは各方面に改善をお願いしていきたいと思います。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございます。
 それでは、あと大崎さん、ちょっと短めでお願いします。

○大崎委員 すみません、性教育等の現状に関する各国の状況の調査に関してお願いなのですが、各国の状況とともに、やはりグローバルなところを見るのは大事だと思います。ユネスコの包括的性教育で、これはまさに発達段階に合わせてとか、あと性と健康の知識だけではなくて人権とか性の多様性だったりとか、そういったことも含めて包括的に見ているものです。2016年、2018年にユネスコがエビデンスベースで包括的性教育のインパクトがどう出ているかという調査研究をやっているはずなのです。
 例えば性的パートナーの人数が少なくなるとか、コンドームの避妊、使用が増えるとか、ちなみにコンドームは世界的にはもう避妊具ではなくて性感染症、STDの予防手段であるということも日本ではあまり知られていないと思うのですが、また、初交年齢が遅くなるとか、そういったインパクトがどう出ているかというのを調査してますので、これは日本語で皆さんに知見が共有されるようにしていただければなと思います。ありがとうございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。そういうことを踏まえながらこれから調査研究をやっていただければと思います。
 それでは、まだまだ御意見あるかと思いますが、2番目の議題もありますので、すみません、ここまでで1つ目の議題にさせていただければと思います。
 では、議題の(2)で「OECD閣僚理事会のジェンダーに関する議論について」、事務局から御報告をお願いいたします。

○林男女共同参画局長 それでは、内閣府男女共同参画局長の林でございます。
 資料の共有をいたします。OECD閣僚理事会のジェンダーに関する議論がございましたので御紹介したいと思います。OECDは先進国を中心とする38の加盟国による国際機関で、経済、税制、貿易、政府開発援助など幅広い分野でデータと分析に基づいて国際的な政策調整を進める国際機関であります。現在、その各国代表である各国のOECD代表部大使は3分の1以上が女性となっているという状況になっています。こうしたこともありまして、OECDではジェンダーに関する議論が大変盛んになっております。今月5日、6日にはOECD閣僚理事会が開催されまして、その中でもジェンダー平等が民主主義とか法の支配、人権などと並ぶOECDの共通の価値、Shared Valuesの一つとして議論がされました。
 また、今年はOECDの設立の60周年に当たる年でございます。今後10年の理念を示したビジョン・ステートメントを閣僚理事会で採択をしています。その中でOECDは全ての分析、そして、全ての研究、政策助言においてジェンダー平等の視点を取り入れるということを決めています。
 さらに、OECDの公共政策ガバナンス委員会でジェンダー主流化、つまり、全ての政策、施策、事業においてジェンダーの視点を取り込むことについて議論が行われまして、ジェンダーに配慮した政策枠組みの在り方が共有されました。例えば政府がジェンダーに配慮して政策を進めていく上で重視すべき価値として、誠実さ・パブリックインテグリティー、開放性と透明性・オープンネスとトランスペアレンシー、また、包摂性・インクルージョン、参画・パーティシペーション、ジェンダー平等と多様性・ダイバーシティー、また説明責任・アカウンタビリティー、法の支配、こういったことを挙げています。いずれも民主主義国家として当たり前といえば当たり前のことなのですが、全ての役所においてこうした価値を大切にすることがジェンダー平等を進める上での基本ということであります。
 さらに、各国でジェンダー平等を進めるための政策について好事例の掲載を様々しています。日本の取組につきましても公共調達で女性の活躍を進めている企業を加点評価する仕組みがありますが、これを紹介しております。また、災害時に避難所などで女性の視点を取り入れた災害対応をしております。これは内閣府のガイドラインに基づいてやっておるのですが、こうした災害対応における女性の視点の事例などについてもこちらで紹介されているところでございます。
 私からは以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 もし事務局の今の御説明について御質問があれば。よろしいですか。
 では、大崎委員、どうぞ。

○大崎委員 ありがとうございます。国際協調の中でのジェンダーの扱いというのはこの5年で大きく変わっているということを日本国内でも認識する必要があると思います。今までですと女性閣僚会合とか女性・男女共同参画担当部会ですとか、そういったところでジェンダー・アジェンダは扱われてきましたが、2018年にはG7、G20でそれぞれ首脳宣言の中で言及されましたし、OECD理事会ももちろんそうですし、トップのコミットメントのところでジェンダー平等が主流なアジェンダとして位置付けられるのが国際的な潮流となっています。ジェンダー主流化の必要性、つまり、これはもう省庁問わずやっていかなければいけないというような議論が定着しています。
 先ほど日本の好事例としてポリシーインプリメンテーションのところで災害のガイドラインのことを発表していただいたということなのですが、これは大変すばらしいガイドラインだと私も思っております。ただ、ポリシーインプリメンテーションという文脈ですと、その進捗を測る指標は「この災害ガイドラインがどれだけの自治体でちゃんと活用されているか」ですので、その辺りも含めて今後フォローアップしていただければいいかなと思います。ありがとうございます。

○佐藤会長 大事な点をどうもありがとうございました。
 ほかにはいいですか。それでは、本当、今日、2つの議題について熱心に御議論いただいてどうもありがとうございました。
 それでは、最後に、野田大臣から御発言がございますでしょうか。あればよろしくお願いします。

○野田男女共同参画担当大臣 ありがとうございました。
 じっくり皆さん一人一人のお話を聞かせていただきまして、ありがとうございます。
 個人的な話になってしまって恐縮なのですけれども、私は50歳のときに出産をして、息子と共に子宮も摘出をしました。結果、生理とグッバイしたわけですね。それ以降、今、61歳になりますけれども、なんて快適な日々なのだろう。特に仕事をするに当たって、もうすぐ生理が来るかなとか、生理になったら漏れてないかなとか、臭ってないかなとか、何かそんなことも全く考えずに非常に日々安定して仕事ができるという快楽を得ています。
 正直、男の人が羨ましいなと思ったとともに、やはり若いときのほうがよく仕事ができたかなというと意外とそうでもなく、1か月のうちの4分の1は生理との葛藤があるので、大分そこは生産性が落ちていたのかなと、生理前、生理後で非常に自分を通じていろいろ思うところがございました。ですから、これは今のテクノロジーとかフェムテック、そうですけれども、これから私たちの時代以上に社会でニーズが求められている女性たちがそこで引っかかりがないようにぜひ便利な、そして、快適な人生を送ってもらうサポートをしっかりしていきたいと思います。
 ピルなんかも先ほどから山本さん、グッジョブという感じでしたけれども、どうしてか分からないというのはいい答えだと思う。私の方に答えがあるのではないかと、そのくらい思っているのですけれども、昔、普通のピル、もうすごい引き延ばされるのです。副作用があって死者が出るかもしれないとか長い長い間、私たちとすればピルを飲むことができなかった。その背景には、やはり女性の自由イコールふしだらみたいな、そういう道徳観が横たわっていたことは事実だと思います。
 今回の緊急避妊薬はそういうようになかなか科学的に言えないので、悪用、乱用は女性が入手する主体なのに私たちを悪者扱いすることはいかがなものかと、そういう行間の嫌らしさを感じますし、あと性教育に関してですけれども、これは当然やっていくべきことだが限界があります。例えばうちの息子も小学校5年生ですけれども、知的障害なので教えても教えても体はどんどん男の体になっていくが頭がついていかない子というのはいるわけですよね。だから、性教育を待ってなんて、そういううそを言わないで、今ある現実をしっかりやっていく、2本立てでやっていかなければいけないと私自身は現実的に思っているところでございます。
 いずれにしても、あともう一つ言うならば、HPVを諸外国では男の子もそれによって喉の方のがんになるという兆候があるということが言われていて男女ともに、子供たちが打つようになっている国もあるやに聞いています。先ほどの緊急避妊薬の今やることは調査とか言っていますけれども、もうインターネット上、たくさん情報はあって、調査もたくさんしているから1日で終わりますよ。私だったら1日でできる。スマホを見て調べれば。だから、そのくらい、言い訳にしないで山本さんが迅速に取り組めるよう、みんなで応援していければと、そんな気持ちでいっぱいです。これはフェムテックのことだよ。経産省。やはり医療というように分断せずに、医療は製造だからね。製造するということはやはり経済、経済産業省は昔やっていましたでしょう。それのやはり集合体なので、ぜひ大協力してもらって取り組んでいただければと願っています。
 佐藤会長はじめ皆さん、本当にとても快適な前向きな時間を過ごせたことを心から感謝申し上げます。またよろしくお願いします。

○佐藤会長 大臣の率直な御意見、本当にありがとうございました。それと2時間出席いただいてどうもありがとうございました。
 それでは、まだまだ議論を続けたいと思いますが、一応時間ですので、本日の会議はここで終了させていただきたいと思います。大臣はじめ皆さん、どうもありがとうございました。