計画実行・監視専門調査会(第33回)議事録

  • 日時:令和6年2月29日(木) 14:00~16:00
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  • 1.開会
  • 2.議題
    • (1)地域における女性活躍・男女共同参画の推進について
    • (2)こども政策における男女共同参画の視点について
  • 3.閉会

【配布資料】

資料1
地域における女性活躍・男女共同参画の推進、こども政策における男女共同参画の視点等について(内閣府男女共同参画局説明資料) [PDF形式:3.9MB]別ウインドウで開きます
資料2
デジタル田園都市国家構想における女性活躍・男女共同参画の推進に関する取組(内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局説明資料) [PDF形式:3.3MB]別ウインドウで開きます
資料3
地域の経済 2023 説明資料 (内閣府政策統括官(経済財政分析担当)説明資料) [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
資料4
国土形成計画における女性活躍(国土交通省説明資料) [PDF形式:1.1MB]別ウインドウで開きます
資料5
「観光分野における女性活躍推進に向けた検討会」及びシンポジウム・事例集等(観光庁説明資料) [PDF形式:608KB]別ウインドウで開きます
資料6
兵庫県豊岡市におけるジェンダーギャップの解消の取組(兵庫県豊岡市説明資料) [PDF形式:6.7MB]別ウインドウで開きます
資料7
こども政策における男女共同参画の観点について(こども家庭庁説明資料) [PDF形式:2.2MB]別ウインドウで開きます
参考資料1
「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024(女性版骨太の方針2024)」の策定に向けて(令和5年12月25日 第71回男女共同参画会議配布資料) [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
参考資料2
第5次男女共同参画基本計画中間年フォローアップの結果について(令和5年12月14日 第30回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:326KB]別ウインドウで開きます
参考資料3
想定される検討項目(令和5年10月13日 第27回計画実行・監視専門調査会提出資料) [PDF形式:112KB]別ウインドウで開きます
参考資料4
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:108KB]別ウインドウで開きます
参考資料5
女性版骨太の方針2023(概要) [PDF形式:1.3MB]別ウインドウで開きます
参考資料6
第5次男女共同参画基本計画(説明資料) [PDF形式:1.7MB]別ウインドウで開きます


【書面回答】

内閣官房(デジタル田園都市国家構想実現会議事務局) [PDF形式:152KB]別ウインドウで開きます

兵庫県豊岡市 [PDF形式:221KB]別ウインドウで開きます

【出席者】

会長   
山田 昌弘  
 中央大学文学部教授
委員   
石黒 不二代 
 ネットイヤーグループ株式会社代表取締役  チーフエヴァンジェリスト
同    
井上 久美枝 
日本労働組合総連合会副事務局長
同    
大崎 麻子  
(特活)Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授
同    
小林 哲也
  小林総合法律事務所弁護士
同    
佐々木 成江 
 お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授
同    
白波瀬 佐和子
 東京大学大学院人文社会系研究科教授
同    
治部 れんげ 
 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授
同    
徳倉 康之  
 NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長
同    
内藤 佐和子
  徳島市長
同    
山口 慎太郎
 東京大学大学院経済学研究科教授
同    
山本 勲
  慶應義塾大学商学部教授
内閣府  
林 伴子 
  政策統括官(経済財政分析担当)
同   
 岡田 恵子  
 男女共同参画局長
同    
小八木 大成 
 大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
同    
大森 崇利  
 男女共同参画局総務課長
同    
上田 真由美
  男女共同参画局推進課長
同    
中山 奈津美
  男女共同参画局推進課企画官
内閣官房 
西 経子  
  デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官
同    
中村 智瑛  
 デジタル田園都市国家構想実現会議事務局参事官補佐
こども家庭庁   佐藤 勇輔 
  こども家庭庁長官官房参事官(総合政策担当)
国土交通省
平井 滋   
 国土政策局計画官
観光庁  
石塚 智之  
 審議官
同    
栃原 裕幸  
 産業課長補佐
同    
清水 章名  
 産業課長補佐
同    
田端 義宏  
 参事官(国際関係)付 課長補佐
同    
山下 奈美世 
 参事官(国際関係)付 主査
同    
笠原 遼子  
 参事官(国際関係)付 主査
豊岡市  
原田 紀代美 
 くらし創造部ジェンダーギャップ対策室長補佐

議事録

○山田会長 皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまより第33回「計画実行・監視専門調査会」を開催いたします。
 今回も6月をめどに策定する「女性版骨太の方針2024」に実効性のある対策を盛り込めるよう、取組の具体化に向けた議論を行ってまいりたいと思います。
 本日は、地域における女性活躍・男女共同参画の推進、こども政策における男女共同参画の視点について議論していただきたいと考えております。
 それでは、議事に先立ちまして、本日の議題に関するデータ等について、事務局より説明をお願いいたします。
 内閣府の岡田男女共同参画局長より、まず資料1の説明をお願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 内閣府の男女共同参画局でございます。
 資料1をご覧いただけますでしょうか。
 本日の議題に関連しまして幾つかデータを御紹介いたします。
 まず1番の1つ目の議題の地域における女性活躍・男女共同参画の推進に関してでございますけれども、私ども男女局におきまして定期的に把握しております数値をお示しいたします。こちらでは市区町村における男女共同参画計画の策定の割合の推移でございます。市区町村全体では89.3%となっておりまして、市区では98.8%ということでございます。
 次のスライド3であります。
 都道府県ごとに見た男女共同参画の状況でございますけれども、こちら、下にいろいろな指標が出ておりますが、都道府県ごとのそれぞれの都道府県の値を丸、小さなドットで示しておりますが、地域差が生じておりまして、それぞれの分野においてその程度も異なるという状況でございます。
 一番左に管理的職業従事者の男女比を載せておりますけれども、次のスライド4では女性の割合ということで地図に載せております。高いところを濃い色にしております。
 次のスライド5であります。
 地域での活動の観点から、ここでは自治会長及びPTA会長に占める女性の割合の推移をお示ししております。PTA会長に占める女性の割合は17.4%、自治会長に占める女性の割合は6.8%ということでございまして、次のスライド6では、この自治会長に関して都道府県別に見たものをお示ししております。先ほどのスライドと同様、比率が高い都道府県に関して濃い色でお示しをしてございます。
 次のスライド7でございますけれども、ここからは人口移動に関するものを幾つかお示しいたします。
 まず、このスライドですけれども、地域における10代~20代の女性の人口に対する転出超過数の割合。ほかの女性と男性、両方とも出しておりますけれども、地域における転出超過の割合ですが、男性よりも女性のほうが高いということで、女性の三大都市圏への転出超過が続いているということでございます。
 違った年代で見てみましたものが次のスライド8でございます。30代、40代でありますけれども、こちらの割合につきましても男性よりも女性のほうが高くなっているわけでありますが、コロナ禍以降、男女ともに三大都市圏以外への転入が超過する傾向が見られるということであります。
 次のスライド9では、少し意識に着目にしたものでございます。これは私どもで令和4年度に実施した意識調査でございますけれども、地方から東京圏に移動された方、かつ進学あるいは就職で移動経験のある方の移動理由を見たものでありますけれども、男性より女性で高いものとして「娯楽や生活インフラが充実している」ということとともに「他人の干渉が少ない」ですとか「多様な価値観が受け入れられる」というものが男性より女性のほうが高かったという結果が出ております。
 次のスライド10であります。
 こちらは後半の議題でございますけれども、「こども政策における男女共同参画の視点について」でございます。
 このスライド11でありますけれども、基本的な視点としてどのようなものが私どもの男女共同参画基本計画に盛り込まれているかということを示したものでございます。計画では、赤字でしておりますけれども、無意識の思い込みが男女どちらかに不利に働かないように幼少期から広報啓発活動に取り組む必要があるということを計画に盛り込んでおります。
 また、昨年の6月にまとめております女性版骨太の方針でも固定的な性別役割分担意識、アンコンシャス・バイアスの解消ということで、児童生徒のときから解消するための取組などが必要であるという旨の記載を女性版骨太の方針にも盛り込んでいるということでございます。
 最後に、今日の先生方に御議論いただくときの論点につきまして1つ出させていただいております。
 最後のスライド13でございますけれども、1つ目の議題といたしましては、これから各省庁からの御発表、御報告がございますが、地域の実情に応じて女性活躍・男女共同参画を推進するための具体的な取組についてですとか、また、幾つかグラフをお示ししましたが、転出入のバランスという観点からは、地方からの女性の転出超過を緩和するために、取り組むべき女性活躍・男女共同参画に関する課題とそれに向けた対策というような形で御議論いただいてはいかがかというように考えてございます。
 また、2つ目の議題でありますけれども、こども政策を推進するに当たりまして、男女共同参画の視点を踏まえて、特に考慮すべき事項に関して御議論いただければというように考えてございます。
 以上でございます。

○山田会長 岡田局長、ありがとうございました。
 それでは、議事に入らせていただきます。
 まず議題「(1)地域における女性活躍・男女共同参画の推進について」です。
 まず内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局の西審議官より、資料2の説明をお願いいたします。

○西審議官 ただいま御紹介いただきました内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局で審議官を務めております西と申します。
 本日は「デジタル田園都市国家構想における女性活躍・男女共同参画の推進に関する取組」について御説明をさせていただきます。
 まず「地方創生に関する現状等について」でございます。
 地方創生の取組の歴史を少し御紹介したく存じます。このデジタル田園都市国家構想とは、デジタルの力を活用して地方創生の取組を加速化していこうということで、このページにもございますとおり、2021年11月、岸田政権発足後に検討が始まったものでございます。他方で、地方創生自体は2014年の11月、12月にまち・ひと・しごと創生法が施行されたことをもってまち・ひと・しごと創生本部、まち・ひと・しごと創生担当大臣設置、そして、まち・ひと・しごと創生本部事務局が設置をされて政府を挙げて取組が始まったというわけでございますが、その前に2014年の5月に日本創成会議から、いわゆる「増田レポート」が公表されて、ここで日本において東京一極集中の流れに歯止めがかからず推移した場合、若年女性人口が2040年に5割以上減少する市町村は全国で896に上り、多くの地域は将来消滅するおそれがあるといった試算が提示をされ、そして、東京一極集中の流れに歯止めをかけるために地域の活性化を一層進めていくにはどうしたらいいかということでまち・ひと・しごと創生法が制定をされ、施行されたということでございます。
 本年、2024年でございますので、地方創生10年ということになるわけでございますが、この間、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、社会のありように大きな変化があり、デジタルの利用というのが大きく進んだという中で、岸田政権下でデジタルの力を使っていかにして地方創生を加速化していくかという議論が始まりまして、2022年の6月にデジタル田園都市国家構想基本方針、12月に総合戦略が閣議決定をされました。そして、昨年の12月には2022年の策定以降のさらなる進展を踏まえて総合戦略が改定をされたところでございます。
 続きまして、日本の人口の長期的推移でございますけれども、こちらで人口の推移と高齢化率を掲げております。皆様御案内のとおり、現在、人口減少社会であること、そして、高齢社会であること、これが課題であるわけでございます。その課題に加えまして、東京圏への過度な一極集中、これがまた大変な課題になっておると思います。先ほど男女共同参画局のほうからの御説明にもありましたとおり、東京圏の転入超過数にも留意が必要と考えております。
 赤囲みのとおり、2023年の東京圏の転入超過数は11万5000人、その年代が10代後半、20代の若者ということで、進学や就職が一つのきっかけなのではないか。これは先ほどの内閣府からの御説明にあったとおりでございます。
 そして、さらに東京圏の転入者数と転出者数、実数を見ると男性が多いのですが、転入と転出の差、転入が超えているという実数は女性が多い。つまり、女性は東京圏に入ってきてから、また、東京圏にずっと住んでいる方が地方圏に出ていかないという事情がありまして地方圏での女性の減少ということにつながっていると考えております。
 これに関しまして、なぜ女性は東京圏にとどまって地方圏のほうに転出をしないのかという背景を知ることが非常に重要だとデジ田事務局においても考えてございます。内閣府の調査資料を確認しますと、地元と異なる地域に進学した理由は、男女ともに親元を離れた生活の希望と学業における興味関心分野、学力などの理由の比率が高いわけですが、男女差に着目をいたしますと、女性の回答比率が高い回答として、自分が関心のある分野が学べる学校が地元にはなかった、地元を離れて新しい人間関係を築きたかった等が挙げられておりまして、先ほど内閣府からの御説明にもあった点にも近しいかと考えてございます。
 そして、就職を契機に離れた理由ということにつきましても、やはり女性の理由は何だろうかということを注目する必要があるかと考えてございます。女性は親元を離れた生活の希望、また、私生活の充実への希望の回答比率が高い傾向にあります。こうしたことも踏まえて、地方創生における女性の活躍推進の在り方を考えなければいけないと考えてございます。
 続いて、先ほど御説明した総合戦略、地方での総合戦略について御説明を申し上げます。
 まず総合戦略、2022年の12月に閣議決定をされた基本的な考え方は上の四角に書いてございますとおり、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会をデジタルの力を活用して進めていこう。そして、地方の創意工夫を生かした地方創生をデジタルの力で加速化・深化し、各地域の優良事例をデジタルも活用しながら横展開を加速化していこうという取組でございます。
 施策の方向としては、まち・ひと・しごと創生総合戦略の頃と同じ4本柱でございます。こちらに4つ書いてございますが、そのうちの一つ、「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」におきまして、結婚・出産・子育ての支援、そして、少子化対策の推進等の施策を位置づけてございます。これについてデジ田事務局でどのような施策を講じているかは、こちらのQRコードからリンクに飛べますのでぜひご覧いただければと存じます。
 昨年の12月に改訂版を閣議決定しましたが、これは2022年の当初の総合戦略から様々な取組が進展したものを盛り込んでございます。例えばデジタル行財政改革の取組、国土形成計画での地方創生の位置づけ、そして、デジタルライフライン全国総合整備計画、こうした大きな流れの動きを反映してございます。
 そして、地方公共団体は国の総合戦略を勘案し、都道府県版のまち・ひと・しごと創生総合戦略、そして、市町村の総合戦略、我々、地方版総合戦略と呼んでございますが、これを策定するよう努めなければならないとされております。
 そして、各自治体の地方版総合戦略においても、各地域の事情に応じた女性活躍に関する取組が盛り込まれているところでございます。秋田県や高知市の事例をこちらで御紹介させていただいております。
 引き続きまして、私どもデジ田事務局において女性活躍の推進に向けてどのような具体的施策に取り組んでいるか、御紹介申し上げます。
 大きく5つの柱を本日御紹介いたしたく存じます。
 デジ田交付金における支援、これが2タイプございます。全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」の推進、優良事例の表彰を通じて横展開するDigi田甲子園、そして、地方における安心して子育てできる地域づくりの推進、この5つについて御紹介をさせていただきます。
 まず、デジタル田園都市国家構想交付金でございますが、デジタルを活用して生活を便利にしていく、課題を解決するというデジタル実装タイプのほか、道の駅など施設整備を可能とする地方創生拠点整備タイプ、そして、いわゆるセミナーやシンポジウム、ソフト事業に取り組むことができる地方創生推進タイプ等の分類がございますが、本日はこの地方創生推進タイプを活用して地域の創意工夫を生かした取組への支援、また、就業型ということで女性等の新規就業等の支援を行っている取組を御紹介申し上げます。
 まずデジ田交付金の中の先駆型・横展開型・Society5.0型、これは交付要件によって分かれているわけでございますが、四角の中の2つ目のポツに書いてございますとおり、働きながら子育てをしやすい環境整備をするとか、アンコンシャス・バイアスの解消に向けた取組など、地域の事情に応じて地域の創意工夫を生かした取組を支援してございます。
 こちらに太田市の事例ですとか鯖江市の事例を記載してございますが、経営者の意識改革を進めるようなセミナー等、女性活躍の推進に取り組む優良事例を事例集として取りまとめて、こちらのURL、サイトにおいて発信をしてございます。
 また、新規就業等支援事業におきましては、都道府県で官民一体となってプラットフォームをつくり、掘り起こし、職場環境の改善支援、働きたい人・採用したい人のマッチング支援、就労訓練・研修など、こうした一連の取組を進めていく。こうしたプラットフォームを都道府県がつくることに対する支援を行ってございます。この優良事例もこちらで事例集を作成してウェブで発信してございます。
 3点目の全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」は、四角に書いてございます女性、若者、高齢者、障害者など、誰もが居場所と役割を持って活躍できるコミュニティづくりをしていく地方自治体を支援していこうというものでございます。
 これにつきましても優良事例を取りまとめてウェブで発信してございますが、例えば岡山県奈義町の事例、皆様、御案内のとおり、令和元年に2.95の合計特殊出生率を実現しているところでございますが、子育て世帯等の若者を支援することで高齢者にとってもいい社会づくりを目指しており、少しの時間だけ働きたい女性などと、短時間であるが人手が必要となる仕事がある企業などをマッチングする「しごとコンビニ」や、奈義チャイルドホームでは、高齢者も子育てに参加する仕組みを構築するといった取組をしているところでございます。このような奈義町を含む優良事例を発信してございます。
 また、「生涯活躍のまち」づくりについては、デジタル活用の事例集を作成するとともに、地方公共団体同士の意見交換会を実施し、取組を推進するにあたってお悩みを相談し合い、優良事例を聞くことによりノウハウ等を横展開しております。これらを通じて、各地域の取組推進につながるよう活動しております。
 そして、4つ目の取組のDigi田(デジでん)甲子園でございます。デジタル活用で地域の課題を解決している事例を官邸で総理の下、表彰事業を行っております。こちらもURLでどんな事例が表彰されているかということをご覧いただければと思いますが、ここでも女性活躍に関する事例を多数選定してございます。後ほどご覧いただければと考えてございます。こちらに掲載をしております。
 最後に、デジタル行財政改革会議におきましては、現在、人口減少下での公共サービス等の持続的な提供に向けて、デジタルを活用して利用者起点で課題を解決するという取組を進めております。デジ田事務局は、そうしたデジタル行財政改革会議の成果を横展開していく、そして、地方創生を進めていくというミッションを担っております。その対象分野に子育ても位置づけられておりまして、昨年12月の中間とりまとめにおいても、妊娠・出産・子育てという時間の流れ、地理的移動の中にあっても切れ目なく安心して子育てできる環境の整備も位置づけられてございます。こうした施策を全国の各自治体に発信をし、全国の各地域で子育てのしやすい環境をつくっていくということが地方創生にも資すると考えてございまして、そうした優良事例の発表、また、全国の国民各世代を対象としたイベントでの発信、こうしたものに取り組んでいるところでございます。
 以上、デジ田事務局の取組を御説明申し上げました。どうもありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、内閣府の林政策統括官、前局長でいらっしゃいますけれども、経済財政分析担当様より、資料3の説明をお願いいたします。

○林政策統括官 内閣府政策統括官の林でございます。
 皆様、大変御無沙汰しております。2022年の夏まで男女共同参画局長を務めておりました。本当にその節はお世話になりましてありがとうございました。現在は旧経済企画庁調査局長に当たるポスト、省庁再編後は経済財政分析担当の政策統括官というポストを務めており、70人ほどの部下を率いて、日本経済の情勢、海外経済、地域ごとの経済を分析いたしまして、毎月、総理官邸で総理以下、関係閣僚や日銀総裁などに月例経済報告として経済情勢を報告する仕事をしております。また、経済財政白書をはじめ経済の各種レポート、報告書をまとめる仕事もしております。
 本日は、「地域の経済2023」という昨年末に私どもが取りまとめて公表いたしましたレポートの内容について御報告を差し上げたいと思います。
 「地域の経済」は地域経済の構造問題を分析して公表するもので、今回のテーマは、「地域における人手不足問題の現状と課題」ということでございます。 まず、経済の状況で、今、一番大きな課題は人手不足でございます。コロナ禍から回復し、特に2023年に入ってから宿泊・飲食サービスを中心に新規の求人が増加して、今はバブル期以来の人手不足という状況になっております。3頁目左側、図1に日銀短観「雇用・人員判断DI」という指標が出ております。これは企業に対して人手が過剰ですか、不足ですかと聞いて、不足と過剰の差を出したものです。グラフの下の方に行けば行くほど人手不足ということでございます。特に非製造業では不足感が大変強くなっておりまして、バブル期以来という状況になっています。
 また、そうした中で、労働力の供給について、図2(2)で女性に注目をしていただきますと、女性の労働力人口は2012年を100とすると増加が続き、特に南関東では2012年を100とすると120以上、近畿でも115という状況で、女性の労働力供給自体は増えておりますけれども、しかし、人手不足感が大変に強いという状況でございます。なお、南関東、近畿以外の地域では2019年頃をピークに横ばいか減少ぎみという状況でございます。
 4頁目で労働力の増加余地について試算をしますと、全国で546万人分はあるということが分かりました。特に女性では308万人ということであります。これはどういう計算かといいますと、左側図1にございますように、まず、仕事を探している人(完全失業者)があります。それから、今、仕事をしていて仕事時間の追加を希望していて実際に増やせると答えている人(追加就労希望就業者)があります。そして、今、働いてないけれども、就業希望がある非労働力人口の人がいます。就業の希望はあるのですけれども、具体的な仕事探しをしていないので完全失業者としてはカウントされていない人と言い換えることもできます。
 左下の図1(2)にありますように女性は全国で308万人で、各地域でそれぞれ相当数いるということがよく分かるかと思います。特に女性では、この斜めのオレンジの線、追加就労希望就業者、つまり、今働いており、仕事時間の追加を希望しているという人がこれだけ各地域にいるということでございます。
 こうした方がなぜ追加就労希望をかなえられていないのかというと、一つやはり「年収の壁」という制約があります。別の調査では有配偶女性の非正規雇用者の4割程度は就業調整をしていることが分かっております。また、別のアンケート調査では就業調整を実施している人の8割近くは「年収の壁」を超えても働き損にならないなら、今より年収が多くなるように働きたいと回答しています。
 「年収の壁」の関係で就業調整の割合がどういう地域で高いのかというのを見たのが右側図2でございます。やはり賃金水準が高い都市部の方が就業調整を行っている傾向があります。また、経年変化を見ますと、2017年から2022年にかけて賃金上昇に伴い就業調整をする人の割合が高まるわけですが、その傾向線の傾きが緩やかになっており、「年収の壁」を超えて働くことを選択している労働者の割合が上昇している可能性はございます。
 いずれにしても、「年収の壁」を意識せずに働ける環境づくり、簡素で分かりやすく公平な社会保険制度の設計により、「年収の壁」を理由とした就業調整の是正が進められることがとても大事だと考えております。これは経済の発展という観点からも、もちろん男女共同参画という観点からも重要だと考えております。
 また、労働供給の観点からもう一つ、女性のキャリア継続という課題がございます。いわゆるL字型カーブというものがございます。5頁目左上の図1にありますように、女性の正規雇用比率は25~34歳で高いのですが、年齢を経るに従って下がっていくという、いわゆるL字カーブでございます。これは実は地域差がございます。L字カーブで一番正規雇用比率が高いのは北陸と東北でございます。これはどうしてなのかということで色々見てみますと、右側、図3にありますように東北や北陸は三世代同居率が高いということでございます。ちなみに、東京都は一番低いということであります。
 ということは、やはり女性の育児・家事が負担になっている、女性と男性の家事・育児分担の問題がやはりこの正規雇用との関係で大きな課題になっていることが地域間比較でも改めて分かるところでございます。
 右下、図4にありますように、男女間の家事時間差と女性の有業率の関係を見ますと、男女間の家事時間差が大きいほうが女性の有業率が下がるという関係になっています。やはり女性の労働供給量の増加、希望する女性が正規で働けるようにするためには、当然のことながら男性の家事・育児参加による女性の負担軽減、そして、ベビーシッターや家事支援サービスの普及による男女双方の負担の軽減が重要だと考えております。
 6頁目、もう一つ、労働供給側の課題として、若い女性が東京圏に流出するということがございます。先ほど来、岡田局長や西審議官からも御説明がありましたように、若い女性の東京圏への流出が進んでいますが、特に東北、北関東、甲信越からの流出が大きくなっています。この結果、性別による人口の不均衡が発生しています。右上の図2にありますように、20~34歳で未婚者の男女比を取りますと、女性1に対して例えば福島では1.35男性がいるということであります。1.2を上回る県は24県、1.3を上回る県は7県あるという状況でございます。
 なぜ女性が地元を離れていくのか、色々な理由があるかと思いますけれども、地方から東京圏に移動した人へのアンケート調査結果を見ますと、地元の集まりでお茶入れは女性がやっていたとか、地元では住民間のつながりが強かったとか、地元では世間体を大事にする人が多かった、そういうようなことで女性が性別による無意識の思い込み、アンコンシャス・バイアスを避けて多様な価値観が受け入れられるような都市部を選好しているということが東京圏への流出が進む一因になっている可能性があると思います。
 ちなみに、この未婚者の男女比を年齢別にさらに細かく見たのが7頁目でございます。30~34歳の未婚者の男女比率を見ますと、右下のところにあるとおり、山梨県、群馬県、愛知県、栃木県、富山県、静岡県、茨城県、福島県はいずれも未婚女性1に対して未婚男性が1.6以上いるという状況でございまして、これは少子化にもつながっていると思いますし、地域経済の存立を危ぶませる要因の一つになっているのではないかと考えられ、危機感を覚えております。
 ちなみに、今御覧いただいた7頁目は2020年時点、直近の国勢調査に基づくものですが、2000年時点はどうだったかというと、必ずしもそういう絵ではないのです。8頁目、例えば左端、20~34歳の未婚者の男女比を見ますと、女性1に対して男性未婚者が多いのは実は東京圏の方でありました。神奈川県で1.44というのが左下の図でございます。この2000年から2020年までの20年間の間に大きな変化が起きている可能性があるのではないかと思います。
 9頁目で示しておりますが、その一つの要因は地方から東京の大学に入学した学生数の男女比、男女の差があるのではないかと思います。長期的にはこどもの数は減っていますので男性の東京都の大学に入学した学生数を見ると減少傾向で、1980年頃は5万人いたのが今は2万5000人になっています。一方、女性は1980年時点では1万3000人でしたが、今は2万1000人と増えている。こういったことがやはり女性の方が多く東京圏に出ていっていることの背景にあるのではないかと思います。このように、東京圏に行きたい大学がある、行きたい職場があるというのも一つ大きな要因、背景だと思います。
 11頁目、そして、もう一つ、労働需要側の課題がございます。労働需要で、今、一番増えているのは医療・福祉分野でございまして、高齢化の進展で介護サービス需要が恒常的に増加していることは皆様、御承知のとおりだと思います。コロナ禍でも一定の雇用を医療・福祉分野は吸収してきておりますので、コロナ明け後、宿泊・飲食サービス業で就業者を確保する動きがございますけれども、その動きを圧迫する要因にもなっているという状況であります。
 特に都市規模別、男女別に見ると右下図2(2)でございます。女性で特に都市部以外の就業者の増加はどういうところで起きているかというと、大部分が医療・福祉分野が中心になっております。新たな働き口はやはり医療・福祉に非常に多いというのが地方圏の現実だと思います。こうした中で、医療・介護ではない分野に進みたい女性は地元から出ていくということもあるのではないかと推察をしているところでございます。
 以上、まとめますと、私どもの「地域の経済2023」は人手不足全体について議論しておりますが、特に、女性の視点、男女共同参画という視点から見ますと3つのことが言えると思っています。
 1つは、現在の人手不足は「年収の壁」との関係が相当にあるので、この点は早急な解決が必要で、政府としても「年収の壁」を超えるためのプログラムを昨年の秋からやっておりますけれども、さらに根本的な解決についても検討をしていく必要があると思います。
 2点目、女性が減少し、そして、地方で人口減少が進む状況は非常に構造的だと思います。女性が大都市圏に出ていく、それによって地元での出生数が減る。出生率は高いですけれども、それは分母の女性が減るから出生率が高いのであって、そもそもの出生数は減っていってしまうので、構造的に人手不足になるという状況にあります。
 3つ目、それが悪循環を起こしていると思います。地元にある仕事は介護労働などケアに関わる仕事が多くなり、力を十分にもっと別のところで発揮したいと思っている女性は発揮できない。したがって、外に出ていくということが起きているのではないかと思われます。やはり介護などケア労働以外の場でも女性が大いにその能力を生かして発揮をしていける場が地域に多くあることが、女性が地元に残る、そして、活躍する上でとても大事ではないかと思います。
 産業の立地政策との関係でも、この点は重要だと考えています。今、例えば熊本県や北海道など半導体工場の大規模な投資などで急激に人手不足になり、また、様々な新しい雇用の場ができてきております。こうした産業立地の政策も含めて経済開発の分野で女性の視点をきちんと生かして、そして、女性が地元に残って活躍できることも大事ではないか。そういう意味では、経済、産業政策の分野で女性のメインストリーミング、ジェンダー・メインストリーミングが大変重要だと改めて思っております。ありがとうございました。

○山田会長 林統括官、ありがとうございました。
 続きまして、国土交通省国土政策局の平井計画官より、資料4の説明をお願いいたします。

○平井計画官 国土交通省計画官の平井と申します。
 簡単に御説明させていただきます。
 昨年7月、8年ぶり3回目となる国土形成計画の閣議決定を行いました。国土形成計画、おおむね10年間を見据えて国土の利用とか整備、保全を推進する計画ですけれども、いわゆる全総から数え8回目になります。
 今回の第3次国土形成計画のポイントとして、国土計画らしいものとしてはシームレスな拠点連結型国土して、リニア中央新幹線、新東名といった三大都市圏を結ぶ中央回廊を形成し、全国的な回廊ネットワークをつくる話もある一方、最近の動向として地域生活圏として地域づくり、人口減少の中で地域をどういうようにしていくか、地域を支える人材の確保という観点から男女共同参画、女性活躍を盛り込んだものとなっています。
 内容、データ的なところはもう既に御案内もありましたので簡単に御紹介させていただきますが、1ページ目です。時代の重大な岐路ということで、人口減少を非常に危機感を持って捉えていることを国土計画の中でも書かせていただいています。
 左側は長期で見ても人口がついに減少するという歴史的な岐路に我々が立たされていること。
 図2は、人口1億500万人ということで1970年と2050年で大体同じなわけですけれども、それがちょうど人口ピラミッドで見るとほぼ逆転した形になっている。
 非常に重要なポイントとして、図3のところでメッシュで、これまで人が住んでいたところで人が住まなくなり、2050年には2割ぐらいが無居住化してしまうと私どものほうで推計していますが、こうした中でどのように地域を維持していくのかというところが非常に大きな課題になっています。
 次のページの2ページ目ですけれども、これも先ほど御説明ございましたとおりでございます。東京一極集中長期的なスパンから見ますと、1980年代にも社会移動のピーク、東京流入はあったわけですが、そのときは男性の流入が多かった。ただ、2000年以降で見ると女性の流入のほうが多くなっている。先ほど御紹介がございましたように、東京圏の転入超過を性別、年齢別で見ると20代の前半で就職の関係の方が多い形になっています。
 次のページは既に非常に詳細な御紹介がありましたので省きますけれども、こういったデータを示して国土計画の策定過程においても国土審議会の計画部会で女性活躍に関するセッションを開催し、先ほど御説明いただきました、当時の林局長にも御参加いただき、活発な御議論をいただきました。
 例えば東京でないとシンクタンク的な職業がないであるとか、情報系の産が賃金が非常に高いけれども、そういった仕事が東京圏に非常に集中しているということ。あと教育のリソースも非常に東京に集中しているというような御指摘をいただき、国土計画でも、これまでの量と比べても非常に多い量を記載させていただきました。
 ちょっと簡単に御紹介させていただきますと、4ページ目です。
 地域を支える女性活躍の促進として、国土形成計画の中で先ほど御紹介させていただきましたようなデータ、20歳代前半の女性の地方からの流出が非常に顕著であるということ。その背景として地方で女性の就職の選択肢が少ない、それを増やしていく必要があるというようなことを指摘させていただいております例えば若い女性の多様な価値観を地方で発揮できるようにする必要があるだとか、または職場環境の整備をしていく必要。男女の勤務体系等が同等でないとなかなか女性が居着いてもらえないというような話。あと男女共同参画政策を地方においても取り入れていきましょうということを記載させていただいています。
 次のページからの各論の中でも女性の観点を重要視して書かせていただいています。包摂社会として地域社会にとどまっていただくかという中で、やはり女性の方にも御活躍いただけるようになる必要であるとか、次のページでも、地域産業の稼ぐ力というのをどういうように維持していくかという中でも女性にとって魅力的な就業機会、雇用促進が大事だということを書かせていただいています。
 こういった国土計画の内容を閣議決定し政府全体で進めていくわけですけれども、国土政策局とては、最後のページになりますが、東京一極集中への対応、地域への人の流れをつくっていく。地域を支える人材を拡大するという観点から、東京と地方、東京以外の都市圏と地方で、移住を含めて二地域居住を進めていこうとしています。これまで引退した高齢層中心と思われていたわけですけれども、人口減少の中でそれだけでもないだろう。コロナ禍の中でテレワークも非常に広がって、若年の地方移住の関心も非常に高まっているというアンケートが出てきています。
 こうしたことも受けて、30歳代も含む現役層もターゲットにした二地域居住を広げるという観点から、今国会に法案を提出させていただいています。左側のほうが今回の国土計画を受けて推進部会や専門調査会で議論した、例えば二地域居住にどういったことが障害になっているか。住まいの問題、例えばファミリー向けの住宅がないであるとか、あと仕事の面で見るとテレワークができると家族で行くことができる、コミュニティーの中に入っていこうと思うと例えば教育問題が一つ問題になってくるというようなことを指摘しています。こういったことを踏まえて、今国会に法案を出させていただいております。
 私どもとしても、女性活躍とも非常に密接な関係があると考えていますので、関係省庁とも連携しながらこういった計画の実装に向けた取組をさらに進めていきたいと考えています。
 私のほうから以上です。ありがとうございました。

○山田会長 平井計画官、ありがとうございました。
 続きまして、観光庁の石塚審議官より、資料5の説明をお願いいたします。

○石塚審議官 観光庁審議官の石塚です。よろしくお願いします。
 資料のほう、お願いいたします。
 観光庁からはマクロ政策というよりも個別のトピック的な話になります。
 まず最初のページですけれども、「観光分野における女性活躍推進に向けた検討会」についてであります。
 観光は女性の質の高い雇用と起業創出への貢献が期待される分野でありまして、2019年に我が国で開催いたしましたG20観光大臣会合においても大臣宣言附属書1「観光分野における女性活躍推進に向けた行動」が採択されております。
 こうした状況を踏まえまして、観光に関する幅広い分野を対象に、女性活躍の現状と課題を把握するとともに、今後の女性活躍の推進に向けた取組について検討を行うため、2019年から2か年にわたって観光庁において取組を実施いたしました。
 初年度には「観光分野における女性活躍推進に向けた検討会」を実施いたしまして、様々な業種の関係者から現状や優良事例をヒアリングし、取組の方向性を整理いたしました。また、検討会と並行して「観光業でキャリア再発進プロジェクト」として、ライフイベントとキャリア形成の両立を目指す女性人材と多様な人材活躍の実現を目指すホテルのマッチングを実施いたしました。
 2年目にはシンポジウム「観光しごと博覧会」を開催いたしました。シンポジウムでは、観光業において活躍する女性の登壇者から、取組事例やロールモデルの情報発信を行うとともにパネルディスカッションや交流会を実施し、参加者からは女性のロールモデルを身近に感じられた、女性のキャリアパスやコロナ後の観光業についての新たな気づきが得られた等、好評をいただきました。
 シンポジウムで発表された事例を中心に「観光分野における女性活躍事例集」として取りまとめ、観光庁ホームページで公表しております。
 次のページ、お願いいたします。
 続きまして、地域における観光産業の実務人材確保・育成事業でございます。国際競争力を高め、観光産業を我が国の基幹産業とするため、トップレベルの経営人材、地域の観光産業を担う中核人材、即戦力となる現場の実務人材と、観光産業の担い手を三層構造に分けて人材の確保・育成に取り組んでまいりました。そのうち、実務人材確保の取組として、全国複数地域において、女性など多様な人材が働きやすい環境づくりや新たな働き方の提案等を行うことで、観光産業の人材不足の解消を目指す、観光人材の定着・確保に向けたモデル事業を実施いたしました。
 次のページ、お願いします。
 そのうちの一つ、このモデル事業で採択した長野県の蓼科においては、子育て中の女性が観光産業で活躍できるように、保育所が休みの土日、祝日に自治体、観光協会、事業者、地域住民が協力して「子育てシェア拠点」を置くなど、女性の働きやすい環境づくりやキャリア維持を図り、観光業の人材定着・新たな人材の確保に取り組んだ事例がございます。
 次のページ、お願いします。
 また、観光業においても喫緊の課題である人手不足を解消するため、令和5年度補正予算において大型の合同企業説明会等における宿泊業の魅力発進イベントの実施や、事業者の採用活動を全面的に支援しております。
 次のページ、お願いします。
 この人手不足の取組の一環として、九州運輸局においては、女性を対象に、旅館・ホテルなど宿泊業界で働く女将等の女性リーダーから宿泊業の魅力を伝え、業界のイメージ向上を図る「女性のための宿泊業セミナー」を昨年12月に実施いたしました。観光庁としては、今後も女性を含めた多様な人材が活躍できるよう取り組んでまいります。
 以上です。ありがとうございました。

○山田会長 石塚審議官、ありがとうございました。
 最後に、自治体における具体的な取組の事例について御紹介いただくために兵庫県豊岡市に御参加いただいております。原田ジェンダーギャップ対策室長補佐より、資料6の説明をお願いいたします。

○原田室長補佐 画面共有できていますでしょうか。

○山田会長 見えております。

○原田室長補佐 では、豊岡市役所ジェンダーギャップ対策室の原田です。
 豊岡市のジェンダーギャップ解消の取組について説明いたします。よろしくお願いします。
 豊岡市は、兵庫県の北部に位置します人口7万7000人のまちです。面積は700平方キロメートル、東京都23区よりも広いです。
 2015年に8万2250人だった人口が2040年には約30%減少します。ちょうどこの頃、高齢者人口が生産年齢人口を上回る推計となっておりまして、まちの消滅など大きな危機感を持っています。
 本市では、高校を卒業すると8割以上が進学や就職などを理由に多くの若者がまちを出ます。10代で失った人口を20代でどれだけ取り戻しているか、その割合を若者回復率と呼んでいます。2015年の国勢調査結果では、男女合計では39.5%、ところが、男女別に見てみますと男性は52.2%に対し、女性はその半分の26.7%。言い換えれば、男性は2人に1人に帰ってきているのに対し、女性は4人に1人しか帰ってきていないという衝撃の事実が明らかになりました。このことに気づいた2017年から、豊岡市でジェンダーギャップ解消の取組がスタートしました。今までは合計数値を見ていたのですけれども、ジェンダー統計というところで、やはりジェンダーの視点で数値を見ていくことの大切さに気づいたというところです。
 若者が豊岡に帰ってこない理由なのですけれども、やはり都市部と比べて給料が安いなど経済的魅力に乏しいこと、また、文化的な魅力に乏しいこと。それは男女ともに言えるのですけれども、女性に限って言えば豊岡が男性中心の社会であってジェンダーギャップが大きいことが理由だということが、豊岡へ帰ってきていない女性へのインタビューなどで分かってきました。
 ジェンダーギャップの問題は、人口減少の加速に加えまして、女性が女性であるという理由だけで能力を発揮できないとすると、経済的、社会的にも大きな損失です。そして、一番の問題は、同じ社会の構成員として公正さに欠けているということです。
 まず職場から変えていこうと、2019年にワークイノベーション戦略をつくりました。そして、2021年にはまち全体のジェンダーギャップ解消戦略を策定しまして、ジェンダーギャップ対策室を設置して、戦略的、体系的に取組をスタートしています。
 ワークイノベーション戦略の体系です。目指す将来像を「ありたい姿に向かって、いきいきと働く女性が増えている」として、大きく4つの手段で取り組んでいます。下にKPIを入れていますけれども、女性の従業員の3分の2以上が働きやすくて働きがいがあると評価している事業所の数を増やしていこうとしています。目標値は2023年度に15社、2027年度に50社としています。
 2018年10月に、市内の経営者有志で、豊岡市ワークイノベーション推進会議を立ち上げています。若い女性が生き生きと働ける企業を増やさないと企業の未来、そして、豊岡の未来はないのだと、企業の皆さんも危機感を共有しながら、女性も働きやすく働きがいのある職場への変革を目指す取組を進めています。参加事業所は、現在、111事業所まで増えています。
 こちらは昨年の7月に総会を行ったときの写真なのですけれども、多くの企業の皆さんに参加いただきました。意見交換の中で皆さんの取組、課題感などを共有していただきながら、企業が組織として取り組むことなどをフリップボードに書きまして、皆さんに、宣言をしていただいています。
 こちらは市内事業所向けのセミナーです。まずは経営者の実践セミナーというところでは、無意識の偏見、思い込みなどに気づいていただいて自分ごと事にしていただくような研修なども行っています。また、管理職向けには多様な人材のモチベーション向上、性別や世代間ギャップ、そういったものを理解してマネジメント手法なども学んでいただいています。
 また、女性従業員のキャリア形成支援なども行っていまして、ワークショップ形式で2回コース、3回コースなどで実施をしています。自身のキャリアビジョンを描くということやロジカルシンキングやプレゼンなどのスキルを学びながら、もう一つ大きな目的としましては、会社を超えた女性同士のネットワークを広げていく、このようなことも行っています。
 豊岡市では、働きやすさと働きがいに関する従業員意識調査を行っています。こちら、2019年度から5年間で、延べ46社2,348人に回答していただいています。従業員一人一人、全従業員が対象になっているのですけれども、働きやすさ、働きがい、性別役割分担などの調査に対して回答をしていただいています。女性の従業員の3分の2以上が働きやすく働きがいがあると感じている事業所が18社となっています。
 また、豊岡市独自の表彰制度を設けています。先ほどの従業員意識調査の結果、男性、女性双方の3分の2以上の評価を得ていないといけないというような厳しい基準もあるのですけれども、そういう基準をクリアしていただきました企業を表彰しています。3年間で4社、受賞されております。
 市内企業の取組事例です。
 こちらは中田工芸株式会社様です。左上の中田社長ですが、お子さんがお生まれになったときに自ら育休を取得されました。自分が取ることによって従業員が取りやすくなるだろうというような配慮をもされています。また、会社独自のペアレント休暇を創設されていまして、お子さんが誕生した社員を対象に6年間で30日間有給休暇を付与されています。お子さんが小学校の入学式を迎えられる年の4月20日までにこの休暇を取っていただけるようになっていまして、当初は1日単位で付与されていたのですけれども、従業員の声を反映して1時間単位で取得可能にされています。
 また、海外戦略チームを立ち上げられたことによって、語学を生かしたいという女性がIターンで就職をされるなどにより、女性のチームができていると聞いています。
 こちらは株式会社東豊精工様です。こちらの岡本慎二社長が豊岡商工会議所の会頭をされていまして、先ほどの豊岡市ワークイノベーション推進会議の会長も務めていただいております。豊岡市内の経済界のリーダーが率先して牽引していただいております。こちらも男性育休の取得促進をしておられまして、社長から応援メッセージを手渡しされています。取組以降、対象となった方のほとんどの皆さんが取得されていると聞いています。
 また、市が行っているセミナーなどにも積極的に参加をしていただいています。セミナーに参加をされた女性従業員の方ですけれども、自分だけでなく同じ会社の女性従業員に声をかけて8人が国家試験の金属ばね製造検定を受けられました。今まで男性しか受けてこなかった試験なのですけれども、皆さんでチャレンジをされて半数の4人が合格されたということです。
 こちらは豊岡市役所の男性の育児休業の取得状況です。2019年からスタートしておりまして、今年度、2024年2月1日現在で100%を、達成することができました。平均取得期間では、2019年では2週間程度だったのですけれども、今では6週間ぐらいと徐々に延びてきています。
 こちらは男性の育児休業取得に対する意識の変化です。2018年、一番初めに調査をしましたときには、ぜひ取得する、取得してほしいと答えた方が47.7%、取得したいが難しい、難しいだろうと答えた方が46.1%ありましたけれども、2023年には77.9%が取得する、取得してほしいと回答しています。
 取組がスタートしましてから、市長から辞令交付を行って応援メッセージを送ったり、それぞれの所属の中でも取りやすい雰囲気づくりなどを行ってきているというようなことがございまして、そのような組織風土が根づいてきているのではないかと思っております。
 こちらはまち全体のジェンダーギャップ解消戦略の策定になります。ジェンダーの専門家である目黒依子先生と大崎麻子先生にお世話になりました。今まで豊岡市が様々な調査をしてきていたのですけれども、それに加えていろいろなヒアリング調査なども行っていただきまして、ジェンダーギャップ解消戦略を策定することができました。
 策定に当たりましては、高校生や20代のワークショップを行いまして、ジェンダーギャップが解消したまちの姿を皆さんに描いていただきまして、その姿の実現のために必要なアクションを考えていただいています。
 こちらが出来上がった戦略になります。10年間の計画期間で、上位目的を「固定的な性別役割分担を前提とした仕組みや慣習が見直され、お互いを尊重し、支え合いながら生き生きと暮らしている」としています。そして、「地域において男女がともに意思決定、方針決定に参画している」など、大きく6つの手段を掲げています。
 地域の啓発につきましては、萩原なつ子先生にお世話になりまして、2021年から地域コミュニティや学校関係、区長会などを対象に取組をしております。
 このような形で各地域に出向いていきまして、身近なジェンダーギャップを見つけ出し、意見交換をするというようなことや、女性や若者が参加・参画しやすくするにはどうしたらいいのか、そのようなことを皆さんで考えていただきまして地域で実践することを発表していただきながら、それぞれ取組を進めていただいています。
 こちらはコミュニティたけのの事例になります。地域づくり計画の策定やコミュニティの組織の見直しなど女性の参画を得ることを意識して取り組んでおられます。2023年度には会長、副会長、会計の三役が男女半々になったと聞いております。また、幅広い年代層でも研修を計画実施されていまして、まずは役員、マネジャー向け、そして、各自治会に下ろしていく。さらには、今後、学校のPTAなど若い世代に聞いていただきたいというところで地域に徐々に広げていっておられます。
 地域における組織や住民の変化というところで挙げておりますけれども、会議などでは役職や性別にかかわらず、誰もが発言しやすい雰囲気づくりをしようということや、また、祭りや運動会における性別役割分担の見直しなども行われております。
 こちらは政治、経済、地域など各分野で活躍する女性のリーダーを育成しようということで、2022年度から豊岡みらいチャレンジ塾を全5回シリーズで行っております。2022年、2023年で延べ57人が受講を修了しておりまして、受講修了生の中から地域で初となる財産区議会の議員になられた方、また、ゲストハウスや社会保険労務士事務所を開業されたり、職場でのリーダーにチャレンジされるような方も出てきています。
 こちらは女性の経済的自立を視野に入れまして、女性のデジタル人材の育成などを行っています。5か月間のオンデマンド研修と希望者には2か月間のインターンシップなども行っております。出口戦略も行っておりまして、起業相談、キャリア相談、就職相談などを行っています。2021年から3年間で24人が受講を修了されていまして、起業または準備中の方が55%ありますけれども、その他、就職をされたり、また、今いらっしゃる事業所の中で身につけたスキルを活用されまして事業の売上げアップなどに貢献をされています。
 こちらは家庭の中のジェンダーギャップの実態ということになりますけれども、高校生までのこどもを持ち、働いている方を対象に、平日一日の時間の使い方を調べています。男性は家事・育児に2.1時間、女性が6.3時間、女性は男性の3倍、家事・育児をしている結果が出ています。女性の時間を見ますと、本当に残りは睡眠時間ということで自由な時間がないような現状が見られます。
 家事分担の理想について尋ねてみました。男性の8割が現状のままでいいと考えているのに対し、女性の5割はもっと夫が担うべきと考えています。
 育児のほうも男性の8割が現状のままでいい、女性の4割がもっと夫が担うべきというように考えており、このような分担になっている理由を尋ねましたところ、特に決めたわけではないが何となく分担が決まっている、そのような回答が男性も女性も5割近く占めておりました。そういったところで、やはり(家事・育児の分担が話し合いではなく何となく決まっているところに課題があり、)夫婦間のコミュニケーションがとても重要であると専門家の方からも指摘を受けております。
 そのような中で、豊岡市では、今年度、家庭向けのコミュニケーションシートを作成しています。家事・育児の分担を考えるときに男性、女性でけんかにならないかというような意見があるのですけれども、しっかりとコミュニケーションを取っていく、楽していいというような視点で見ていく、家事・育児を見直していこうというような切り口で検討しているところです。
 また、こどもの頃からのジェンダー教育などは本当に重要だと考えておりますので、今年度、オリジナル絵本の制作なども行っております。保育士・保育教諭の皆さんと一緒にワークショップ形式でストーリーなども検討をしております。出来上がった絵本は、学校園や図書館、子育てセンターなどに配付をしまして、こどもたちとの対話に活用していきたいと考えています。
 豊岡市のジェンダーギャップ解消の取組は、未来に向けた取組だと考えております。過去の社会のありようや人々の生き方を決して否定するものではありません。取り巻く環境など、時代の変化に対応しながら、常に仕組みやルールをアップデートしていくというところで、全ての人にとって生きやすく、また、持続可能な地域社会をつくるための取組だと考えています。事業所の皆さんや地域の皆さんとの対話と共感を大切にしながら、小さな歩みになると思いますけれども、地道に一歩ずつ一歩ずつ進めていきたいと考えております。
 御清聴ありがとうございました。

○山田会長 原田様、ありがとうございました。
 それでは、ただいま説明のあった内容を踏まえて、地域の実情に応じて女性活躍・男女共同参画を推進するための具体的な取組や地方からの女性の転出超過を緩和するために取り組む課題と対策などについて議論を行いたいと思います。
 申し訳ないのですが、今の時点で予定より20分、時間が押しております。時間、限られておりますので、委員の皆様からお一人当たり2分程度、長くても3分以内で御意見、御質問をコンパクトにまとめていただいて順に頂戴できれば幸いに思います。
 まず石黒さんはいらっしゃいますか。石黒委員、よろしくお願いいたします。

○石黒委員 よろしくお願いします。ちょっと早く出なくてはいけないので、どうぞよろしくお願いします。
 今回の地方と東京、特に東京に流入してという問題の中で資料を拝見して私がちょっと問題意識として思ったのは、流入した女性がその地方と東京を比べると東京のほうがその後、いわゆる出産をしにくい状況にあるというか、しないのではないかという仮説で、内閣府のほうにお願いしたら、そのような資料を出していただいたのでそれをちょっと共有できればしたいと思っているのですけれども、よろしいでしょうか。
 こちら、見られますでしょうか。見られますか。

○山田会長 見えております。

○石黒委員 ありがとうございます。
 これは合計特殊出生率といって、いわゆる15歳から49歳、妊娠可能な女性、その人たちがいろいろな統計で一生の間に出生をする割合なのですね。これを見ていただくと、東京はやはり極端に低いのですよ。ほかの都市が1.4とか1.3とか1.2ある中で東京は一番最近の統計で2021年で1.08。つまり、東京に流入した女性が地方に帰らないだけではなくて、そこにとどまり、何らかの理由で、比較的充実したキャリアがあるのでそのキャリアをやはり伸ばしていきたいとか充実した私生活を送りたいとか、もしくは昨今、こども庁でも非常に問題になっていると思うのですけれども、こどもにお金がかかるということですね。特に東京なんかはいわゆる進学の塾が非常に盛んですので、塾なんかに入れると本当にお金がかかる。そうすると、こどもを産まないという選択肢だとか、やはり一人っ子でいいというようなことがあるということが今、問題になっていると思います。
 では、結局、流入して帰らないだけではなく、それが将来の人口減少につながっていくというのがここで恐らく見てとれると思うのですね。これをやはり解消しなくてはいけないというように私は非常に問題意識として持っております。
 こどもを持たない選択というのは様々な理由が考えられるのですけれども、お隣の韓国でもそうですが、やはりこどもにすごくお金がかかるということがあると思いますし、ただ一方で、私、アメリカでずっと子育てをしてきて、ここが非常に不思議なところなのですが、アメリカは広いので地域によっていろいろ差はあるのですが、少なくともカリフォルニア州、シリコンバレーでは日本の進学塾に相当するものがないのですね。全て学校で教育が賄われています。
 当然、その学校の選択というのもあるのですけれども、私はなぜか自分の同級生というとスタンフォードの両親なのですが、その人たちは比較的やはりコンペティティブな競争的な人が多いであろうというように思うのですが、こどもが日本のように東大一辺倒とか、むしろ東大、それに匹敵するところに入れたいとかそういう意識があまりないのですね。それは学校の得意分野が分散しているということもあると思いますし、自分たちで塾のようなもう点数で競うような受験制度が点数だけではない。点数よりもエッセイ、望まれる資質というのが頭がいいだけではなくてリーダーシップとかボランティアとか。そうすると、日本でいう東京と地方の差というものは何かあまりなくなるのではないかなというように思うのですね。
 ですから、まだまとまっていないのですけれども、流入と帰っていかないという現状のほかに、その後のいわゆる自分の人生の過ごし方というところが東京、地方というところでかなり違った環境に置かれているというのが、自分だけではなくて自分たちのこどもを持つという選択にも影響してくるかなというように思いましたので、ぜひこういうところも考慮に入れていただきたいなというように思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、井上委員、お願いいたします。

○井上委員 井上です。ありがとうございます。
 まず内閣府の資料1に関し、防災の観点に関する評価、検討が不足しているかと思います。昨年の11月にも本会議で防災復興環境問題に関して議論いたしました。その後、1月に能登半島地震が発生しましたが、石川県の19市町のうち、防災・危機管理部局に女性職員が1人もいない自治体は10市町です。また、被害の大きかった輪島は防災担当部署に女性の職員はいませんでした。この間、災害発生が起きたときに女性が関わっていくことが必要だということがもう知見でもありますし、我々の経験にもある中で全くそれが対応されていないということに関しては、やはりしっかり防災担当に女性が参画するなど対応するべきだと思います。
 また、同じく資料1の8スライド、地域における30代、40代女性の人口に対する転出超過数の割合に関し、コロナ禍を経て再び三大都市圏への転入者が増えつつあるものの、そのまま戻らず地方にとどまっている方もいらっしゃると認識しています。地方に残ることを選択した方々に関して、その理由を分析してみることも地方からの女性の流出の流れを変えるという点で重要なヒントがあるのではないかと思いますので、次回、検討のときにそれを踏まえて調査いただければと思います。
 それから、デジ田なのですが、9ページに結婚・出産・子育ての希望をかなえるということでQRコードがあり、婚活事業にかなりの予算が使われていると思います。出会いの場をつくるよりも、やはり安心して働ける雇用の場、安心して生活できる生活保障の環境整備がまず大前提だと思いますので、国、地方自治体における予算の活用、使い方についてもう少し見直しをしていただければと思います。
 それから、19ページの事例でちょっとだけ働きたいとかちょっとだけ企業のお手伝いをしたいというのがありました。きっかけづくりは大変大事だと思うのですが、その根底には性別役割分担意識があって、それでちょっとだけ働くとかちょっとだけ手伝うという仕事に行ってしまうのではないかと思いますので、働くに当たっては男性の家事・育児の教育についても併せて取り組むことが必要だというように思います。
 それから、林統括官の資料でスポットワークの話がありました。マッチングがとても大事だと思うのですが、こういう隙間で仕事をしたときに、社会保障をどうするのか課題があります。年金の問題や、あるいは健康保険の課題も含めて働くということを考える必要があるのではないかと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、大崎委員、よろしいでしょうか。

○大崎委員 ありがとうございます。皆様、御報告ありがとうございました。
 人口減少に対する危機感と、その背景に若年女性の都市部への移動という問題があるという認識を皆さん、共通してお持ちだということはよく分かりました。それに対してどのようなアプローチを取るかということが重要だと思うのですけれども、林政策統括官と、それから、豊岡市の原田さんからは、ジェンダー不平等という構造的な問題というものを見ていかなければいけないのだという御指摘があったと思います。私は全くそのとおりだと感じております。そうした構造的な問題の変革なくして女性活躍というのをやってきて、ずっと日本は失敗してきていると思います。ジェンダーギャップをいかに解消していくかというところが重要で、そのアプローチ、方法論が、林さんにもおっしゃっていただいたとおり、まさにジェンダー主流化ということかと思います。
 ジェンダー主流化の基本というのは2つありまして、一つは、男女別データ、ジェンダー統計を活用して男女間のギャップを可視化し、その背景にある要因をちゃんと分析すること。ジェンダー分析に基づいて政策、施策、事業等を考えていくということです。
 そして、もう一つが女性の参画。方針決定過程に少なくとも3割は参画していく。それが基本でございます。
 その観点から質問したいのですけれども、まず豊岡市の原田さんには、ジェンダーギャップ解消に向けた施策で先ほど御報告いただいたもの以外にどのようなデータを活用していらっしゃるのかということと、あとはデジ田の西審議官には地方創生の施策ではどのようにジェンダー主流化をシステマチックに行っていらっしゃるのか、地域の実情というのはまさにデータで見ていくことが必要ですが、施策を地域に落とし込むときにどのようにデータを活用しているかということを教えていただきたい。
 私も資料を見ていただきたいてのですけれども、私も今、地方の6地域で、豊岡のモデルを横展開するということを民間の団体と一緒にやっています。若い人たちと、その地域の行政、金融機関、商工会議所等の経済団体、それから、教育機関など、マルチステークホルダーで、ジェンダーギャップのない社会というものをイメージして、そこからバックキャスティングでどういうアクションが必要かというロードマップをみんなでつくるということをやっています。
 その際に、最初に見るのは、その地域のリーディングカンパニーの男女間賃金格差です。これを見ますと、いかに女性が働く場所というのがジェンダーギャップにまみれているかということがはっきりと可視化されます。こういうデータの活用。それから、男性育休取得率に関しても地域のリーディングカンパニーのデータを見ています。
 ほかにも市役所の職員は女性がすごく多いのですが、管理職にはこんなに男性が多いということですとか、市議会における女性の比率ですとか、先ほど話題に上りました防災・危機管理担当部署に配置されている女性職員の割合ですとか、それから、デジタルトランスフォーメーションが地方の活性化とジェンダーギャップの解消には非常に重要ですが、地域のデジタル化を支援する人材というのは本当に女性がいないというようなことですね。こうしたデータを見ていくと、何が問題かということが非常によく分かってきますので、こういったことをおやりになっているかということも含めてぜひお話を伺いたいです。よろしくお願いします。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、小林委員、お願いできますでしょうか。

○小林委員 御説明ありがとうございました。
 時間がないとのことですので、何点かだけということで、デジタル活用、デジ田のほうも、それから、国土形成のほうでもお話がありました地域の安全・安心という点について、医療の問題がどうなっているのか。人口減少によって基幹病院とかが地域によっては減少している。話を聞くと、もう救急車では間に合わない。ドクターヘリを要請しなければいけない。医師の方に聞くと、ほとんどは今、医師のキャリアの中で専門医というものができる。その専門医の研修を受けられるのが地方にはない、そういう基幹病院がない。だから、東京等の大都市に行かないといけないということになっているので、そうすると、そういう基幹病院のないところに本当にみんな安全・安心だといって行けるのだろうか。補助金等があるのであれば、そういうところにも何かできないのかな。特に地方の医学部を出たのに地方に残らずに大都市部に行ってしまうということがあると私は聞いていますので、その辺も考えていただきたいなと。
 それから、デジ田交付金ですか。それがデジタル技術活用でなくても出せるのか。デジタル技術の活用でないと交付金は出せないのか。その辺はちょっとお聞きしたいなと思いました。
 もう一点あるのは、デジ田のほうはサテライトオフィスの企業の誘致ということと、それから、国土形成のほうでも若い世代が選択するというような企業誘致、考えてらっしゃるようですが、実際どうするのだろう。本当に地方の中でも都市部というところではいろいろなところがあるかもしれないけれども、本当の地方になりますと工場労働とか工場単純労働ですね。それとか都市部から言うとテレフォンセンター、日本全国、どこにあってもいいようなところで農閑期にそこで働いている。そういうことになると、やはり選べる対象がないので、それをどういうようにしていくのだろう。今現在考えられていることを教えていただければというように思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、佐々木委員、お願いできますでしょうか。

○佐々木委員 どうもありがとうございます。
 ちょっと画面をまた共有させていただきます。これは先ほど出てきたデータなのですけれども、その技術者というところがかなり低いというところが気になりました。実際に本当にそうなのですけれども、こちら、富山大学の学生による研究結果なのですが、富山大もどんどん女性が流出してしまうということで、富山大学の学生がいろいろ調べてデータを調べたところ、地方とかでは、富山のほうでは、製造業など第2次産業が中心の富山は文系出身の女性の働く場や能力を生かせる場が少ない上、女性管理職割合の低さが転出につながるというような見解を出しています。そのことから、女性管理職登用率の改善を優先的に行うこと、第2次産業に結びつく理系教育の強化という、ここでも理系教育の強化ということで、ぜひ地元における産学官連携をした理系教育の強化というのを進めて入れてほしいなというよう、そういう視点を入れていただきたいと思います。
 あと今回お話、やはり女性が何かいろいろ学ばなければいけないとかキャリアアップのために必要なことはというのはあるのですけれども、やはり男性のところをもっと力を入れていただきたくて、女性版骨太の方針2022年でも「男性の家庭・地域社会における活躍」というのが入っていたのですが、23年のところでは抜けてしまったので、2024ではぜひ入れていただきたいというように思っています。
 こちら、やはり男性の家庭内活躍に関する研修というものをしっかりやはり学んでもらわないとできないような気がします。我々世代というのは家庭科とか男子は取っていなかったりするので、そういう研修はまず必要なのではというようにも思います。
 これをリーダーになるために必要だという、そういう名目にして、家庭内のことでも家庭と企業が分かれてしまっている感じがあるので、企業の問題として家庭内活躍というものを入れていっていただければと思います。これは福井県の事例なのですけれども、福井県、共働き三世代同居が多いこともあって共働き世帯1位なのですが、女性管理職になると平均以下になって、ここはやはり女性が家庭のお仕事を背負ってしまっているということで、福井県は家庭内労働に関する講座として男性限定の料理教室とか、あと育児休業を取るため、しっかり福井県から様々な企業を訪問させて育児休業が進むような、そういうしっかり企業の中での家庭内活躍に対する研修を男性がもっとたくさん男性に対して実施するような体制というのをつくってもらえればというように思います。
 あと、これは前回の会議のところで出てきて、このくるみんとかえるぼしとかが入ると税制が控除されるみたいな、すばらしいなと思って、地元の中小企業の方にお話ししたのですが、やはりくるみんとかえるぼしを取るのがなかなか難しいということで、特にそのときに聞いてこれは変えたほうがいいのかなと思ったのは、このえるぼし認定のところで課長以上の管理職割合というのを出さなければいけないのですけれども、組織が2つの係以上から成り、もしくは構成員が10人以上となるとかなり大きな企業でないとここに当てはまってこないということで、えるぼしとかを取ることができず、この税制の控除を受けることができないということで、やはり中小企業向けにもう少しえるぼし認定の条件を検討する必要があるのではというように思いました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続いて、治部委員、お願いできますでしょうか。

○治部委員 ありがとうございます。
 私からは豊岡市をぜひ地方創生と女性活躍のお手本にしていただきたいということを政府にお願いしたいと思います。今日御発表いただきました原田様の前任者の上田さんという方がいらっしゃるのですが、上田さんに私が責任者を務めましたEUと日本のジェンダー政策に関するワーキンググループがあったのですが、そちらで豊岡市の事例を発表していただきましたところ、非常に高い評価を得ました。ヨーロッパでもやはり地方では人口流出が加速している、若い女性の流出が加速している中で男尊女卑のようなことは問題になっています。そういう中で豊岡市がやってきたことというのは非常に根本的かつ普遍的で、世界に通じるものであるということで高い評価を受けておりますので、これをぜひ政府としてもお手本としていただきたいということがあります。
 それから、もう一つなのですが、私が今、勤めております東京工業大学の大学院でやはり豊岡市の事例についてオンラインでお話をしていただきましたところ、東工大は男性の受講生がとても多いのですけれども、非常によく受け止めてもらいました。社会人の受講生からもよく分かると。また、留学生からも人口流出の問題は中国なんかの方からもとてもよく理解できるということでいい反応がありました。
 先ほど原田さんのお話の中で豊岡市の男女間の無償ケア労働の格差がおおむね3対1ぐらいだというお話があったと思います。これは日本全体で見ますと5.5対1ぐらいかと思いますので、豊岡市はこの点でも既にギャップを解消しつつあるというように言えます。釈迦に説法ですが、OECD平均の男女間の無償ケア労働の格差、おおむね2.1ですというところで、やはり豊岡市はいろいろな意味でお手本になると思うのです。
 ここからが本題なのですが、なぜこれができたかということで、私もちょっと取材をさせていただいたことがございますが、前市長にお話を伺ったときに、前市長がこういうことを言っています。私は市役所の経営者として彼女たちに済まなかったと思いました。つまり、市役所の職員でも女性がケアに近いような労働を押しつけられてきたということについて真摯に反省をなさっています。豊岡市がなぜこれだけいろいろなところから注目されているかというと、様々なことに取り組んでいるというのもあるのですが、率直に過去を反省しているところから、根本的な施策を取っているというところがあるのではないかなというように思います。
 私、記者として様々な組織のジェンダーに関することを取材しておりますが、経営者がこのように過去を反省する、率直に反省する組織というのはほとんど見たことがございません。少し前に亡くなりました厚生労働省の赤松さんがいらっしゃるのですけれども、赤松さんの残された『均等法をつくる』という御本があります。その本の中に、読んでいただくと分かると思うのですけれども、当時、均等法に経済団体が反対をしていた経緯というものが書かれています。何と言っているかといいますと、当時、日経連なのですが、女に選挙権なんかを与えるからいけないということを言っていました。今ではとても言えることではございません。こういった過去を真摯に反省することなしに女性活躍ということはあり得ないのではないかなというように思いまして、この2点、過去の率直な反省と豊岡市のお手本としての可能性ということを申し上げたいと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、白波瀬委員、お願いできますでしょうか。

○白波瀬委員 全体としてあまりに情報が多過ぎて何かうまく消化できていないのですけれども、それぞれ非常に相対的に結果としては目標値から遠いという現実を前に、もちろん地方の問題というのは非常に足元ではあるのですが、何かもう一つうまく突破口がないかというのが今日、本当にいろいろな詳しい分析並びによい好事例も含めて、こういう言い方をしたら大変問題かもしれないが、やはり内容的には結構同じことをずっと言い続けている感があるのですね。それをどうしてこれだけずっと言い続けなければいけないのかということはそれだけ問題の中身が深いと思うのです。
 ただ、1点だけ、やはり地方との話になりますと、ある意味で女性だけの問題ではないのに女性だけがどこかに行ってはいけないみたいなメッセージにどうしてもなりがちなので、それだけはやはりないように、思いっきしいろいろなところに動いていただいて展開をしていろいろなところで仕事ができるようになるというのが一番よいので、そのバランス感覚も含めて少しうまい広報の仕方というのは御検討いただきたいということになります。
 すみません、中身がなくて、よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございます。
 徳倉委員が帰国したばかりということで、ちょっと今回、スキップということで、内藤委員、お願いできますでしょうか。

○内藤委員 ありがとうございます。
 私からは2点、申し上げたいと思います。
 先ほど佐々木委員がおっしゃっておりましたが、えるぼしとかくるみんとかも地方から見るとやはり中小企業は取りにくい部分がどうしてもございますので、中小企業向けのものをつくっていただきたいなというように思います。私自身も市長になる前は中小企業の経営者もしておりまして、そういったものにもチャレンジしたいと思ってはいたのですけれども、やはりうちでいいますと従業員25名の男性、製造業で男性ばかりというような会社ではなかなか難しいなというところが実際のところでしたので、そういった部分も含めて検討していただけると非常にありがたいなと思います。
 もう一点目は、私自身も男女共同参画という部分に課題感を感じて今、徳島市の市長をやらせていただいております。自分自身も徳島出身で東大に進学したという部分もあって、自分自身がそもそも徳島にいたくなかったです。戻ってきたくもなかったです。なぜなら、ここで挙がっているようなアンコンシャス・バイアスの部分ももちろんございますし、ほかにも多々理由もあるのですけれども、遊ぶところがないとか若者としては魅力的な進学先がなかったとかいろいろ理由はあるのですが、それで今は地元に戻って市長をやらせていただいていますが、豊岡市さんなどの取組とかも含めていろいろ勉強もさせていただいて、ジェンダーギャップの解消策という部分を豊岡市さんほどではないかもしれませんが、いろいろ多層的に取り組んでいます。
 こどもから高齢者までジェンダーギャップ解消の研修をさせていただいたりとか、防災分野でも研修をいろいろさせていただいたりとか、ダイバーシティー認定企業をつくらせていただいたりとか、本当に意思決定の部分でも審議会の委員を増やしたりとかいろいろやっているのですけれども、4年間、たくさんいろいろなことをやってみて、なかなか動かないなというのが正直なところです。
 やはり私自身も今、39歳の女性首長というところで、女性だからやっているのだろうとか、女性だから女性にげたを履かせたいのだろうとか、いろいろなことを言われています。理解をしてくださる男性の経営者さんとかいろいろな政治家の方とかももちろんいらっしゃるのですけれども、やはり本当に日本全体としての非常に大きな問題だと思っていますし、全体として課題を持たなければいけない中で何か徳島で、理解していただける方もいらっしゃるのですが、まるで1人で闘っているような気持ちになることも実際あります。
 なので、やはり女性の首長さんもすごく2%、3%と言われている中で非常に少ないですし、女性の首長さん全体が男女共同参画、ジェンダーギャップの解消にすごくやられているわけでもないですし、豊岡市さんみたいに、もちろん男性首長さんでもこういうことに関心を持たれてやれている首長さん、たくさんほかにもいらっしゃるのはいらっしゃるのですけれども、やはり首長さんが本当に1,700自治体ある中で危機感を持ってみんながこういったことに取り組めるように市長会、町村会含めて危機感を持てるような研修というか講演会みたいなものをやはり男女共同参画を特にはやっていただきたいなと思います。
 すみません、最後、意見になってしまいました。よろしくお願いします。以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、山口委員、お願いできますでしょうか。

○山口委員 ありがとうございます。
 地方から女性の流出が激しいということですが、男女問わず流出そのものはちょっと仕事面とかがあってなかなか難しい点はあるのかなとは思うのですが、一方で、実際に地方にとどまって住んでらっしゃる女性が十分に活躍できていないという点がかなり気になりました。自治会長ですとかPTA会長について女性、非常に少ないということなんかが統計に表れていたと思います。
 それに対して、豊岡市さんの取組の中のスライドにあったコミュニティたけのでは、代議員にクオーター制を導入したとか役職について男女ほぼ同数を達成したということですばらしい取組だなというように感じたのですが、この委員会でも何度かこういうコメントは出ていると思うのですが、そういう女性の自治会長やPTA会長誕生なんかに対して経済的なインセンティブというのをつけられないのかなというのはよく思います。難しいなら、それはそれで理由をちょっと理解しておきたいですし、あるいは導入したところであまり反応しなさそうだと思っているのならそれはそれで理解しておきたいなと思いますので、その点、教えていただければというように思います。
 もう一点、ほかの委員の先生方からも御指摘ありましたが、女性の職場での活躍と男性の家庭での活躍というのは完全に表裏一体だというのはそのとおりだというように思っています。特に男性の育休取得は都市と地方部でかなり大きな差がついています。男性の子育てについて職場の理解というのは乏しいのではないかというのはいろいろなアンケートにも表れていますので、男性がもっと子育てに参加できるということは女性が職場で活躍できることにもつながるので、そういった点についてももっと強調されてよいのかなというように感じました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 山本委員、ありますでしょうか。

○山本委員 ありがとうございます。
 大変勉強になりました。女性の特に転出超過に関して林統括官のほうから構造的なものだというのは本当にそのとおりだなというように思いまして、構造的でなかなか変わりにくいものだからこそ、取扱いは難しいなと。今、目標になっていますけれども、そこはやはり白波瀬委員が言われたように取り違えられる可能性もあるので、そこの扱い方、非常に難しいというように感じました。
 目標を変えないまでも女性の転出超過につながるような要因をデータでもう少し分析されたほうがいいのかなというように感じました。今日の御発表の中でも幾つかもう既に出てはいますけれども、例えば性別役割分業意識が強い地域では女性の転出超過は強いとか、あるいは賃金がそういう地域では男女間で賃金格差が大きいとか、あるいは男性の長時間労働の雇用慣行が非常に強い地域だったりとか、あるいは産業構造の問題、中小企業が非常に多いとか、その辺りのことは都道府県データとか市町村レベルのデータを使うとある程度エビデンスが出せると思うのですよね。そうした上で、どこが相関が強いかというのが分かってくれば、転出超過はもちろん大事なのですけれども、そこにつながるような一歩手前の数字がどうなってきているのかとか、そこに注目していくほうが何となく実効性が高いのかなというように思いました。
 もう一つが、働き方に関連するのですが、やはり地方は中小企業が多いので中小企業の問題でもあると思います。そういう意味では、豊岡市さんの取組というのは非常に効果的だなというように思いまして、中小企業というのはやはりノウハウが蓄積しにくいという問題があって横のつながりが大事だと。それを自治体が主導して促していくということがとても大事だということが今日分かりました。
 では、ほかの市にもそういうことをしてもらうにはどうしたらいいかというと、やはり中央だと思いますので、中央政府のほうからそういう各自治体に豊岡市さんのようなことをやるような何か働きかけということを検討していただきたいなというように思いました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 最後、時間が限られているのですけれども、私からコメントを1つと御質問を1つ、お願いさせていただきます。
 やはり林統括官のデータを見せていただいて、特に今回、私にとっては新しいデータ、私は少子化、結婚問題をやっておりますのでそのデータを見せていただきまして、なるほど、2000年は東京都は男性の割合がすごく多かったのがここ20年で完全に逆転したと。ちょっと私も共有いたしますと、このように東京区部はこどもの数は減っていないのですけれども、ほかの地方は圧倒的にこどもの数はここ20年の間で、秋田県などは半分以上減少しているというようなデータが出ております。これも多分20年の間で東京で女性の活躍の環境が整い、子育てしながら働ける環境が整う一方で、地方はあまりそこが進んでいなかったからではないかなというように私、感じております。
 あと質問なのですけれども、豊岡市の御発表でやはり女性の働きがいというものに注視したというのは非常に大きな視点だと思います。ただ、女性はこどもを持って働くことができればいいのだということではなくて、やはり働きがいがないと女性は一生懸命働いてくれないし、地方に残ってもくれない。では、その働きがいの中身は何だろうなというようなことに関して実はお聞きしたいのですね。
 私、海外に脱出した日本人女性のインタビュー調査を15年ほど前にやっていて、そこで言われたのは、男性はできなくてもどんどん出世するのに女性はそうではない、やる気をなくして辞めた。男性上司は英語もパソコンも何もできないのに私より数倍給料を取っている。それでやる気をなくして海外に行ったら大活躍できたといったような声が聞こえてきます。その意味で、働きがいというのをどういうように捉えたらいいのか、もし何かヒントがありましたら原田様、よろしくお願いいたします。
 ということで、すみません、時間が押してまいりましたけれども、今、これまでの御意見、御質問等について説明いただいた省庁や豊岡市から何かコメントがありますでしょうか。特に時間が限られていますのでコンパクトにお答え、コメントいただけたらありがたいと思います。いかがでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 ほかの発表者の方々がお答えになる前に内閣府の男女局から一言申し上げます。

○山田会長 お願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 今日は地域活性化ということでいろいろ御発表いただきまして、私どもから提出させていただいた資料も防災に関係する資料、前回お出しした、11月頃にお出ししたということで今回の資料からは外しておりますけれども、井上委員から御指摘いただいたこと、そのとおりかと思いますので、この専門調査会で取り上げるかどうか、また座長、先生と相談させていただきたいと存じます。
 すみません、山口先生から経済的インセンティブのお話がありました。ちょっと今、手元にございませんので調べましてまた先生にお返しさせていただきたいと存じます。
 今日、いろいろな先生方からよい事例、どうやって展開していくかということをしっかり考えるべきというようなこと、いろいろ御指摘いただきましたので、また今後、どのようなことができるか関係省庁ともよく相談いたしまして取り組んでまいりたいと思います。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。コンパクトにまとめていただければありがたいのです。
 西様、では、まずお願いできますでしょうか。

○西審議官 デジ田事務局、西でございます。
 豊岡市さんへの質問、たくさんあったかと思います。また、私も地方創生の観点からぜひ豊岡市さんから補足のコメント、お伺いしたいと存じますので、デジ田事務局にいただきました御質問については後日、文書でお答えをさせていただいてまたいろいろなやり取りをさせていただければと思います。たくさんの御示唆をいただきましてありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございます。
 では、林統括官、お願いします。

○林政策統括官 3点ございます。
 1点目は、井上委員に御指摘をいただいたスポットワークの話でございます。これは今日、資料には載せているのですが、説明を飛ばしてしまったのですけれども、隙間時間で、アプリでマッチングをして仕事を見つけて働くという働き方で、その場所に行って約束された時間、働いて、約束されたお金をもらうという働き方のものでございます。これは現在、メジャーな4社のアプリでは1100万人の人が登録をしており、急速に増えているものでございます。
 この点について、実際にどうなっているのかというお話でございましたが、大手については、雇用条件の通知書をそのアプリで交付をして、労災保険は入っていて、雇用保険、健康保険などは適用がないという形で雇用条件通知書には書いてあります。
 様々なアプリが今、広がっておりまして、例えば農繁期に農作業の人手が足りないのでアプリで募集するといったものも見られるようになっています。あるいは飲食・宿泊業でまさに地元で必要な人のマッチングをするものも増えております。こういった形で働く方々の雇用法制面での保護は大変重要ですので、これは厚労省が担当になりますけれども、きちっと見ていくことは大事だという御指摘は私も同感でございます。
 それから、2点目ですが、山本委員から女性が転出する理由をしっかり経路的にも分析せよというお話は私も大変大事な御指摘だと思います。理由のデータを集めるほうがなかなか難しいのですね。転出数の方は国勢調査とか住民基本台帳人口移動報告を見るのですけれども、理由の方はアンケート調査、あるいは東京に来た人にアンケート調査をするというものなのでなかなか難しいのですが、そこをしっかり見ていくというのは重要な御指摘だと思います。
 そして、3つ目でございます。山田会長から、まさに2000年から2020年に変わったのではないかと。東京の方には女性活躍の場ができたけれども、地方の方はそうでもないということで、その差が現れているのではないかという御指摘がありました。だからこそ今、分岐点なのではないかと思っています。ここで地方が女性活躍ができる場になっていけば、東京も地方も発展していきますし、ここで地方が変われなければ、さらに女性が東京に出てきて、それで消滅する市町村が増えてしまうという、そういう分かれ目にある大変重要な時期に我が日本国は来ている、そう思っております。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 ほかにあるかと思いますが、よろしいでしょうか。
 では、すみません、ちょっと時間が限られておりますので、次の議題に進めさせていただきたいと思います。ちょっと休息の時間が取れないで申し訳ございません。議題2「こども政策における男女共同参画の視点について」、こども家庭庁の佐藤長官官房参事官(総合政策担当)様より、資料7の説明をお願いいたします。

○佐藤長官官房参事官 ただいま御紹介いただきましたこども家庭庁で総合政策担当の官房参事官をしています佐藤といいます。
 今日はお話しいただく機会をいただいてありがとうございます。
 事務局の方、恐縮ながら資料の投影をお願いいたします。資料7です。
 「こども政策における男女共同参画の観点について」ということで、これから、昨年12月に閣議決定したこども大綱というのがあります。それの中でのジェンダーに関する御説明をしたいと思います。
 次のスライドをお願いします。
 昨年の4月にこども基本法で新しい法律が施行されました。ジェンダーの分野というのは男女共同参画基本法と同じものですけれども、それに基づく我が国初めてのこども大綱が昨年12月22日に閣議決定をされています。男女でいう5次計と同じですけれども、ここは第1次のこども大綱であります。これまで少子化に関する大綱、子供・若者の大綱、子供の貧困の大綱という3つぐらい大きな大綱があったのですが、それを1つに束ねる。こどもに関する施策の基本的な方針と重要事項を一元的に定めるのがこのこども大綱であります。
 全体の作りが第1から第4までありますけれども、第1の「はじめに」のところで、目指すべき「こどもまんなか社会」として、全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会と掲げています。ウェルビーイングという言葉も本文では使っています。
 第2に、その大きな基本的な方針として6つ掲げています。後ほど、特にジェンダーに関係する部分、御紹介をします。
 第3の重要事項というのは、そうした基本的な方針の下でやっていく各政策分野の重要事項です。ここでもジェンダーの話、出てきます。また後ほど述べます。
 最後の第4の必要な事項というのが共通の取組となる基盤で、とりわけこどもや若者の参画、意見反映というのを特出しで記載をしています。それも後ほど述べます。
 次のスライドをお願いします。
 大きな基本的な方針の中のいの一番に掲げているのは、こども・若者を権利の主体として認識し、多様な人格・個性の尊重、権利の保障、こども・若者の今とこれからの最善の利益。その中で太字と下線にしていますけれども、固定的な性別役割分担意識や特定の価値観、プレッシャーを押しつけられることなく、主体的に、自分らしく、幸福に暮らすことができるよう、乳幼児期から心身の発達の過程においてジェンダーの視点を取り入れるというのをまず明記をしています。
 注釈もつけていまして、SDGsのことに触れています。2030アジェンダで全ての目標とターゲットの進展においてジェンダーと女性・女児のエンパワーメントが死活的に重要だということをこのこども大綱の中でも確認をしています。
 次、お願いします。
 もう一つ、5本目の基本的な方針、若い世代の生活の基盤の安定、若い世代の視点に立った結婚、子育ての希望の形成のところで、これも下の下線と太字のところですけれども、固定的性別役割分担意識等を前提とした働き改革の見直し、子育て当事者の女性と男性がともにこどもと過ごす時間をつくることができて、仕事などで自己実現を図りつつ、相互に協力しながら子育てができる。自らのキャリアを犠牲にしない、むしろ子育てを仕事に生かすなど、それを職場が応援し、地域社会全体で支援する。これも大事な基本的な方針として掲げています。
 次、お願いします。
 そうした基本的な方針の下である重要事項の中で、こども・若者の可能性を広げていくためのジェンダーギャップの解消というのを1つ項目として立てています。その中で男女平等の理念を推進する教育・学習の充実、アンコンシャス・バイアスを持つことがないような研修や周知啓発、また、リケジョの支援もそうですし、様々な世代で固定的な性別役割分担意識を解消していくのだということを掲げています。
 次、お願いします。
 もう一つ重要事項として、共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの主体的な参画促進・拡大を掲げています。ここの太字、下線にしているような形で、しっかり女性も男性もともにキャリアアップと子育ての両立ができるとか、いわゆるワンオペを解消するのだということを明記しています。
 以上がこども大綱の関係でありまして、このこども大綱はこどもや若者の意見をかなり取り入れながらつくりました。次のスライド以降でこども・若者の意見反映というのが出てきます。これまでの専門調査会でもユースの参画というのが話題に出たというように承知をしています。
 ちょっとお時間がないので一つ一つのスライドは御説明しませんけれども、次の次の次、見ていただきます。いけんぷらすという。こども基本法では、こども施策について、こどもや若者の声を聴くというのを義務づけが国にも自治体にもなされています。そのために私どももこども若者★いけんぷらすという事業を例えば始めていて、今、4,000人ぐらいの小学校1年生年代から29歳までのこども・若者が参画していて、関係省庁の施策にコメントができるというのをやっています。その意見を反映させるというのをやっていて、こども家庭庁以外にも関係省庁にも広く使ってもらっています。
 そのこども基本法で国にも義務づけられているということを踏まえつつ、ジェンダーの施策はそれが全てこども施策ではありませんけれども、かなりのところ、こども施策と重なる部分があります。そうしたものがこども基本法にこども・若者の意見反映、参画というものの義務づけの対象になります。5次計画をつくるときにはユースの声をしっかり聴きながらつくられたというように承知をしておりますけれども、ぜひ私からのお願いとしては、これからの女性版の骨太の方針ですとか、また、6次計画のときにはこども基本法の趣旨も踏まえて、ぜひ若者もそうですが、小学生年代も含めてこどもたち、若者たちの意見を聴きながら取り組んでいただけると、豊岡の話の事例なんかも出たと思いますが、やはりこどもや若者の視点というのはこれからのジェンダー施策にとってもとても大事になるのではないかなというように僭越ながら考えます。
 駆け足で恐縮ですけれども、私のほうからの御説明は以上になります。

○山田会長 佐藤参事官、ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に関して委員の皆様から御意見、御質問をいただきたいのですけれども、時間が限られておりますので挙手でお願いできますでしょうか。
 では、まず徳倉委員、治部委員、大崎委員の順番でお願いいたします。

○徳倉委員 徳倉でございます。
 すみません、ちょっと帰国便が遅れたせいで少し参加が遅れてしまいました。私、今日、キャッチアップだけと思っていましたが、子ども・子育て支援分科会の委員もさせていただいて、この大綱にも関わらせていただいて、皆さんに一言申し上げさせていただきたいなと思います。
 この大綱には、これまでと違って、今も御説明いただきましたけれども、ジェンダーの視点がきちっとといいますか、やっと反映されたものが出来上がりました。ただ、これができて、それをどういうように活用するかというところが例えば各それぞれこどもや若者の政策に携わったり、支援をしているような、例えば幼稚園、保育園、こども園をはじめとした、また、小学校や中学校、教諭、こういうところにどう浸透させるかというところになると、まだそこが掲げられたところをどう実行していくかというところになってまいります。
 ぜひこの委員会の中でも、では、それをどういうように実行していくのかという、今度、掲げたものをどう動かしていくのかというところを実際に様々、皆様の知見をいただきながら、また、今日、御説明いただいたものを今後もそれぞれどういうように動きがあったのかというのを逐一、参事官にはお手数にはなってしまうのですけれども、御報告いただきながら、様々子育て施策の「こどもまんなか社会」をどう実現していくのか。
 これはもちろんジェンダーの観点がなければなし得ないという点がやはりこどもや若者からも出ているということですので、先ほどの言葉を借りると、都道府県をまたぐだけではなくて国を変わっていくという時代、様々今日、午前中まで違う国にいたので非常に思いますけれども、国を軽々と越えていくような世代もやはりどんどん出てきている時代ですので、ぜひこの掲げたものをどう政策にだけではなくて各団体が実行できるかというところまでまた見ていきたいと思っております。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 続いて、治部委員、お願いできますでしょうか。

○治部委員 ありがとうございます。
 御説明ありがとうございました。非常にいい内容だなというように思いました。
 お伺いしたいのは、こども・若者の意見を施策に反映していく仕組みをおつくりになったということで、とてもすばらしいことだと思います。私も大学等で政策の話とかをしまして学生、興味を持ってくれるのですけれども、政府は結構若者声を聴きたいのだよと話しても、どうやって言えばいいの、どこに言えばいいのということで、パブコメというのがあってねと言うのですが、それを一々なかなか探していくのが素人には難しいものですから、例えば今、お示しいただいたような仕組みに参加したいなとか自分もそれを見てみたいなというようにこども・若者が思ったときに何を見ればいいかというのをちょっと今日のところは教えていただけたらというように思いました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、大崎委員、お願いします。

○大崎委員 ありがとうございます。
 こども大綱、基本法で明確にこども・若者を権利の主体と位置づけたというのは画期的といいますか、子どもの権利条約を批准してから30年たってやっとという気がしていますけれども、こども大綱を今、御説明していただいただきましたが、しっかりとジェンダーが主流化された、そういう政策であるなというように思っております。大変喜ばしいことだと思っています。ですので、次はどういうようにインプリメンテーションしていくかということで、しっかり我々とも、この専門調査会とも連携してやっていければと思います。
 あとこどもの意見を聴くというところでファシリテーターの養成や、それから、何かプログラムのひな形みたいなものというのも提供されるのだと思うのですが、先ほど私のお話の中で紹介させていただきましたが、今、いろいろな地方自治体でユースとこどもの未来ワークショップというのをやっています。そこでその地域の様々な男女別のデータを明示しますと、それをベースにいろいろなすばらしいアイデアとか発想とかというものを出してくれます。ですので、どんな政策領域に関しても男女別データとかジェンダー統計というのを提供した上で、こどもたちにこれをどう思うか、どのように改善できるか、どのようにこの地域をよくしていけるか、政策をよくしていけるかという問いかけをすると、すばらしい発想が出てくるので、そういったこともぜひ考慮してやっていただければなと思います。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、井上委員、お願いできますでしょうか。

○井上委員 ありがとうございます。
 連合では2022年に子育てに関するアンケートを実施しました。その結果では、多くの保護者が子育てを通じてこどもから元気をもらっていると感じる一方で、先ほどから出ている根深いジェンダーバイアス、アンコンシャス・バイアスや子育てと仕事の両立が難しいという実態が明らかになりました。現役子育て世代の働き方は将来の子育てを担う世代のこどもを産み育てることに対する意識に大きな影響を与えていると思います。子育て世代に限らない全ての世代における働き方の見直し、良質な雇用の確保、就業環境の改善を図ることは大変重要であると思いますので、こども家庭庁におかれても関係各省との連携を行いながら、その観点からの取組もぜひお願いをしたいと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 ほかにありませんでしょうか。
 私からは一言、お願いなのですけれども、若者やこどもの声を聴くというときに聴きやすい人となかなか声を上げられない人がいらっしゃると思います。特に地方で非正規雇用で働いてらっしゃる人とかそういう人とか、あまり恵まれない立場にいる人の声をぜひ聴いていただきたいと思います。若者やこどもの状況は非常に多様化しているので、そちらをお願いしていきたいと思います。
 ほかにありませんでしょうか。
 では、こども家庭庁のほうから何か今の御意見、御質問に関して佐藤参事官、ありますでしょうか。

○佐藤長官官房参事官 ありがとうございます。
 我々もまさにこども大綱はゴールでなくてスタートなので、これからはどういうように浸透させていくか。その中でジェンダーの視点というのもとても大事になってくると思っています。
 治部委員からお話のあった意見を言いたいときに何を見ればいいかですけれども、まず我々がやっているこども若者★いけんぷらすという事業は小学校1年生年代から29歳まで誰でも参加が可能です。意見が言いたいときに意見が言えるということになるので、自分たちが考えたテーマについても関係省庁に意見をぶつけることができるということになっています。まずは何かそうしたところにぜひ参加をしていただいて、今、4,000人を超すこどもたちがいるのですけれども、行く行く1万人ぐらいにしたいと思っているので、ぜひそんなのも参加していただければと思いますし、また、我々もこども家庭審議会の下に専門委員会を設けて意見反映や参画をさらに進めるにはどうすればいいかというのも検討しています。そうした中で、今の治部委員のお話なんかも踏まえながらいろいろなことまで検討していきたいなというように思っています。
 また、山田座長のほうからお話のあった声を上げられない恵まれない人、まさにそのとおりでありまして、我々、今、様々な立場に置かれたこどもや若者からどう意見を聴くのかに関しても調査研究をやったり、それを今、行政職員向けのガイドラインをつくっています。年度末につくって関係省庁と自治体に通知をしようと思っているのですが、その中でもちゃんと工夫や配慮をするということを書こうと思っています。あわせて、我々がやっているこども若者★いけんぷらすでも出向く型と言っているのですが、児童養護施設に行ったり、障害児支援施設に行ったりとかそういうことで意見を聴くというのを先ほどのこども大綱も障害児支援施設、児童養護施設、ひとり親支援団体のところで一緒に暮らしているようなこどもたちのところに我々が出向いていって意見を聴いたりしました。まさに誰一人取り残さないというのがとても大事だと思っています。これからもさらなる努力を重ねていきたいと思っています。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 ジェンダー視点を取り入れて恵まれない人たちの意見を聴くという、本当に進めていただきたいと思っております。佐藤参事官におかれましては、御対応いただき、ありがとうございました。

○佐藤長官官房参事官 ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 時間になりましたが、どうしてもという方、いらっしゃいますでしょうか。あと豊岡市の原田様のほうからは後でメールで御回答いただけるということで、後で回していただければ本当にありがたいと思います。
 では、意見交換はこれで終了したいと思います。関係府省におかれましては、本日の議論も参考にしながら、今後の取組について検討を深めていただければと思います。
 次回取り上げるテーマと出席省庁については、事務局において調整をお願いいたします。
 最後に、事務局から何かありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 先生方、今日も長時間、どうもありがとうございました。
 ちょっと私どもの議題の進行の立て方で途中で休憩時間がなくなってしまいましたこと、おわび申し上げます。次回以降もよろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございます。
 では、本日の会議は以上となります。皆様、どうもお疲れさまでした。ありがとうございます。失礼します。