計画実行・監視専門調査会(第29回)議事録

  • 日時:令和5年11月27日(月) 13:30~16:00
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  • 1.開会
  • 2.議題
    • (1)ジェンダー統計整備状況調査について
    • (2)「地域における男女共同参画の推進」、「防災・復興、環境問題における男女共同参画の推進」について
    • (3)企業における女性登用の加速化について
  • 3.閉会

【配布資料】

資料1
「ジェンダー統計整備状況調査」実施について [PDF形式:231KB]別ウインドウで開きます
資料2
地域における男女共同参画の推進に関する農林水産省の取組 [PDF形式:4.2MB] 別ウインドウで開きます
資料3
防災・復興における男女共同参画の推進に関する内閣府の取組について [PDF形式:2.5MB]別ウインドウで開きます
資料4
経済産業省における男女共同参画推進施策 [PDF形式:1.1MB]別ウインドウで開きます
資料5
金融庁説明資料 [PDF形式:1.0MB]別ウインドウで開きます
資料6
企業における女性登用の加速化について [PDF形式:1.2MB]別ウインドウで開きます
参考資料1
第5次男女共同参画基本計画における成果目標の達成状況 [PDF形式:853KB]別ウインドウで開きます
参考資料2
中間年フォローアップシート
  ①第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画拡大 [PDF形式:788KB]別ウインドウで開きます
  ②第3分野 地域における男女共同参画の推進 [PDF形式:386KB]別ウインドウで開きます
  ③第6分野 男女共同参画の視点に立った貧困等生活上の困難に対する支援と多様性を尊重する環境の整備 [PDF形式:307KB]別ウインドウで開きます
  ④第8分野 防災・復興、環境問題における男女共同参画の推進 [PDF形式:276KB]別ウインドウで開きます
  ⑤第9分野 男女共同参画の視点に立った各種制度等の整備 [PDF形式:212KB]別ウインドウで開きます
  ⑥第10分野 教育・メディア等を通じた男女双方の意識改革、理解の促進 [PDF形式:346KB]別ウインドウで開きます
  ⑦第11分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献 [PDF形式:217KB]別ウインドウで開きます
  ⑧推進体制の整備・強化 [PDF形式:225KB]別ウインドウで開きます
参考資料3
計画実行・監視専門調査会委員名簿 [PDF形式:108KB]別ウインドウで開きます
参考資料4
女性版骨太の方針2023(概要) [PDF形式:1.3MB]別ウインドウで開きます
参考資料5
第5次男女共同参画基本計画(説明資料)[PDF形式:1.7MB]別ウインドウで開きます

【出席者】

会長   
山田 昌弘  
 中央大学文学部教授
委員   
井上 久美枝 
 日本労働組合総連合会副事務局長
同    
大崎 麻子  
(特活)Gender Action Platform理事、関西学院大学客員教授
同    
小林 哲也
  小林総合法律事務所弁護士
同    
佐々木 成江 
 お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授
同    
白波瀬 佐和子
 東京大学大学院人文社会系研究科教授
同    
徳倉 康之  
 NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長
同    
内藤 佐和子
  徳島市長
同    
山本 勲
  慶應義塾大学商学部教授
内閣府  
岡田 恵子  
 男女共同参画局長
同    
小八木 大成 
 大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
同    
大森 崇利  
 男女共同参画局総務課長
同    
池上 紗矢香
  男女共同参画局総務課調査室長
同    
片山 貴順
  男女共同参画局総務課防災担当課長補佐
同    
上田 真由美 
 男女共同参画局推進課長
同    
中山 奈津美 
 男女共同参画局推進課企画官
同    
中尾 昇史
  政策統括官(防災担当)付参事官(総括担当)
金融庁
  新発田 龍史
  企画市場局参事官
同    
野崎 彰
  企画市場局企業開示課長
農林水産省
勝野 美江
  大臣官房審議官(兼経営局)
同    
伊藤 里香子
  経営局就農・女性課女性活躍推進室長
経済産業省
井上 誠一郎
  大臣官房審議官(経済産業政策局担当)

議事録

○山田会長 定刻となりましたので、ただいまより、第29回計画実行・監視専門調査会を開催いたします。
 まず、議題(1)「ジェンダー統計整備状況調査について」です。内閣府の岡田男女共同参画局長より、資料1の説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○岡田男女共同参画局長 本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、資料1を御覧ください。「ジェンダー統計整備状況調査」の実施について御報告を申し上げます。
 次のスライドでありますけれども、ジェンダー統計につきましては、第5次男女共同参画基本計画におきまして、具体的な取組として、赤字の部分でありますが、「男女の置かれている状況を客観的に把握するための統計(ジェンダー統計)の充実の観点から、各種統計の整備状況を調査し、公表する」と記載されてございます。
 下のほうでありますが、令和4年3月に各種統計を使いまして調査分析を行っている研究者、大学教員、学生などを対象としてニーズ調査を実施いたしました。今回、上の赤字の部分に沿って、公表資料を用いまして各種統計における男女別データの有無などの状況を把握するということで、ジェンダー統計整備状況調査を実施いたします。
 調査結果につきましては、各省にフィードバックをして確認を取った上で取りまとめをすることといたしております。また、有識者で構成される検討委員会を開催しまして、調査設計、調査結果の分析などを行い、結果を公表させていただきたいと考えております。
 検討委員会の主査は、この専門調査会の委員でいらっしゃいます白波瀬先生に務めていただくこととしております。
 報告は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山田会長 ありがとうございました。
 では、検討会の座長である白波瀬先生から何かありますでしょうか。

○白波瀬委員 よろしくお願いいたします。
 局長からありましたように、分析といっても中身は深いのですが、2点ございます。1点目は、今回は公表されている統計を対象とするということ、つまり、e-Statに掲載されている政府統計を対象といたします。
 内容としましては、調査票上の男女別表章の有無という形で、まず基本的な調査を進めたいと思っております。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 では、次に議題(2)「『地域における男女共同参画の推進』、『防災・復興・環境問題における男女共同参画の推進』について」です。
 今回も、令和2年12月に策定された第5次男女共同参画基本計画の計画期間の中間年フォローアップを実施してまいります。各省から説明を聴取した上で、残された課題や今後の取組について御意見を頂戴できればと思います。
 では、農林水産省の勝野大臣官房審議官より、資料2の説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○勝野大臣官房審議官 よろしくお願いいたします。農林水産省大臣官房審議官の勝野です。
 本日は、農林水産省の男女共同参画推進の取組につきまして説明をさせていただける機会を設けていただきまして、ありがとうございます。
 では、早速、説明をさせていただきます。
 まず、農業分野におきまして女性が経営に関与している場合には、経常利益の増加率が高いというデータが確認されています。2016年の少し古いデータではあるのですけれども、御覧いただけますように、例えば女性経営主または女性が役員・管理職になっている事業者では経常利益増加率が126.6%と、経営に関与していない事業体に比べて71.4ポイントも高いという結果が出ています。
 次のページをお願いします。
 女性の活躍事例として3点お示ししております。この3ついずれの事例も、女性が参画し、女性ならではの視点を生かすことで、活動や経営の発展に貢献をしているということです。
 次は、男女共同参画基本計画の数値目標、成果目標です。まず、農業委員、農協役員、土地改良区理事といった地域の方針策定への参画の推進の目標が上の3つです。そして、認定農業者に占める女性の割合、家族経営協定の締結数といった女性の経営参画の推進の目標を掲げております。現状は、真ん中の部分に数値を掲載しております。
 成果目標の達成に向けまして、まず、地域の方針策定への参画推進ということで、国から地方公共団体、農業団体などへの働きかけと、地域のリーダーになり得る女性農業者の育成を実施しているところです。また、経営参画の推進についても、地域のリーダーになり得る女性農業者の育成と、認定農業者の経営改善計画のメリットの周知、それから家族経営協定の締結メリットの周知を併せて実施しているところです。
 本日は、主な施策として、国からの働きかけと女性農業者の育成について御説明をさせていただきます。
 働きかけにつきましては大きく3つの取組を進めているところです。農業委員会、農協につきましては、それぞれの機関に女性登用の目標や取組計画の策定をお願いしているところです。その結果、令和4年度末時点で、農業委員会を設置する市町村の98%、農協の86%で目標が策定されているという状況です。また、土地改良区におきましては、都道府県単位で設立する土地改良区運営基盤協議会に目標や行動指針の策定をお願いしておりまして、直近で39協議会において目標が設定されております。
 登用を進めるためには、トップを含めた各組織の取組の機運を高めることが重要であることから、各県に設置をしております農林水産省の出先機関、地域拠点などが直接、都道府県、市町村、農協などに出向きまして要請・助言を行っているところです。令和4年度は全国約3,000か所に対して実施をしたところです。また、地域拠点では、各地の課題を踏まえまして、農協と女性農業者の座談会などの独自の取組も行っております。
 このような働きかけの場で活用可能なツールとして、各種事例集を作成して活用しているところです。また、女性農業委員の地域での活動の様子などを紹介する動画を作成しております。こういった動画を作って御覧いただけるようにしているのですけれども、女性農業者はもちろんのこと、農業委員会や地域の男性の皆さんにも女性登用の理解を深めていただくために出演をいただいて、こういったものを御覧いただいて機運を醸成しようとしております。
 次に、地域のリーダーとなり得る女性農業者の育成の取組です。組織側が登用を進めたいと考えても、候補者がいないとか女性に受けてもらえないという声もありますことから、女性の意欲や能力を向上させることも必要だと考えております。都道府県が女性農業者を対象に実施する研修の開催をこれまで補助事業で実施をしてきておりまして、こちらは高知県の例ですけれども、コミュニケーション能力の向上などをテーマに研修を行っていて、研修後もフォローアップを行っているところです。
 また、女性リーダーの育成や、男性も含めた農村地域の意識の改革を推進する動画も作成して、こういったものを研修でも活用いただけるようにしております。
 さらに、全国の女性農業者のメンバーとなる農業女子プロジェクトというものを10年前から実施しておりまして、今年10周年ということで、メンバーも1,000名を超えております。こういったメンバーは、自主的な活動ということで、全国各地でネットワークを結びながらそれぞれ存在感を増す取組を実施してくださっているところです。また、企業との連携なども積極的に行っております。
 最後に、日本地図で都道府県ごとの登用の状況をお示ししております。こういったものを各都道府県、農協などの幹部の方が農水省を来訪された際に、あなたの県はこういう状況ですよというものを御覧いただいて意識を持っていただこうという働きかけもしているところです。
 今後の取組として、登用については、改選期が近い、目標等が設定されていない、登用が進んでない組織に対して重点的に働きかけを行っていくことにしております。また、女性農業者の育成につきましては、他分野の女性リーダー育成手法も取り入れながら、研修コンテンツを充実させるとともに、都道府県に加えて全国段階での研修も実施していくこととしております。引き続き、成果目標の達成に向けて取り組んでまいります。
 以上です。ありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、内閣府の岡田男女共同参画局長より、資料3の御説明をお願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 内閣府男女共同参画局でございます。
 資料3を御覧ください。
 次のスライドでありますけれども、防災・復興に関しましては、今計画の第8分野として目標が設定されておりまして、ここに記載しておりますのはそれぞれの項目と目標値、現状でございます。これまでどのような取組をしてきたかということについて報告をさせていただきます。
 地方防災会議の女性の比率を引き上げることそのものに関係することに加えまして、地方公共団体の取組を進めていただくという観点がいかに必要かということを学んでいただく取組とか、好事例を広める取組をしてまいりました。
 令和2年5月には、「災害対応力を強化する女性の視点」のガイドラインをつくりまして、これが起点となって様々好事例の展開につなげているところでございます。
 令和3年5月は、今申し上げましたガイドラインを使いながら、男女共同参画の視点の必要性を学んでいただくためのプログラムをつくっております。
 令和3年6月でありますが、内閣府の男女共同参画局と防災担当の連名で、女性委員の登用促進について通知を発出してございます。
 次のスライドでありますけれども、令和4年には、先ほど好事例と申し上げましたけれども、地域の好事例を横展開するということで、例えば地域で女性が防災活動をするに当たっての課題とか、地方公共団体、自治体、自主防災組織などの先進的な取組について調査あるいは分析をしておりましたので、それを基に女性の防災リーダーが地域で活躍するためのノウハウの事例集をつくっております。
 令和5年、今年でございますけれども、学んでいただくために、2月には防災分野での女性の参画促進に関して地方公共団体の職員向けの研修をさせていただいております。
 4月ですけれども、令和3年に引き続きまして、自治体に地方公共団体の防災会議の女性委員の登用加速を促す通知を出させていただいております。
 好事例ということでは、今年の5月、地方防災会議の委員に占める女性の委員の比率が向上している例、あるいは防災・危機管理部局への女性職員の配置といった、防災分野での女性の参画拡大に積極的に取り組んでいらっしゃいます自治体を紹介するということで、好事例集をつくって公表させていただいてございます。
 そのほか、四角の部分でありますけれども、内閣府が主催しております研修におきまして、私ども男女局におきまして防災・復興での男女共同参画の視点について講義をさせていただいてございます。
 今考えております課題と今後の取組でございますけれども、次のスライドでありますが、先ほど農水省さんが見える化ということをおっしゃれましたけれども、各自治体の取組の進捗状況を見える化していくことが必要かと思っておりまして、毎年、取組状況を調査しておりますけれども、それが一目で分かるようにビジュアル化して公表するということで、全国的にどのようにやっていらっしゃるかということが分かるような取組を加速していきたいと考えております。
 課題の2つ目でありますけれども、これも先ほど農水省さんがおっしゃっておられましたけれども、こういった取組にはトップの方の理解が非常に重要でございます。私どもは、研修はしておりますけれども、防災部局への女性職員の配置とか災害対策本部の構成員などについて決定権を持っておられる首長さんとかそれぞれの庁内の管理職の方々を対象にオンラインのシンポジウムを計画しておりまして、年明けに実施をしたいと考えてございます。
 次のスライドでありますけれども、このようなことをやらせていただいているということで、それぞれの県の防災会議にどれぐらいの女性の委員の方が入ってらっしゃるかというようなことを私どものホームページでお示しをして、見ていただけるようにしております。幾つかスライドを参考につけさせていただいておりますけれども、それらは私が先ほど説明させていただいた資料の概要でございますので、御参照いただければと思います。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、お一人当たり3分程度ずつ御意見を順に頂戴できればと思います。ただ、地域社会の男女共同参画の問題は、御説明のあった農業や防災にとどまりません。私、第5次計画の地域担当の取りまとめだったのですけれども、地方からの女性の流出、特に若い女性の流出が大きな課題となっております。これらを踏まえまして、地域における男女共同参画の推進に関して幅広く御意見をいただければありがたいと思います。
 順番としましたが、内藤委員が御都合により退席されるとのことですので、まず内藤委員からお願いできますでしょうか。

○内藤委員 ありがとうございます。
 所用がありまして30分ぐらいで退席しなければなりませんので、先に御意見だけ言わせていただきたいと思います。
 徳島県はどういった男女共同参画の施策にしても比較的数値が高めに出ているような県ではあるのですけれども、県とか市はある程度意識は高いにしても、全体としてほかの小さい市町村レベルでいけばまだまだな部分もありますし、他県の首長さんと話をしていても、首長さんの意識次第でこれだけ変わるのかと思うことが非常に多いです。
 そういった中で、私自身も女性の首長として男女共同参画とか多様な視点というものをいろいろな施策に生かしていきたいという中で、防災もそうですし、農業分野もそうですし、これから出てくるダイバーシティ経営企業のところもそうですけれども、全体として取組を進めていかなければいけないというのは常に自治体の長として本当に思っているところです。ただ、それをどういうふうに真剣に横展開できるかというのは、いつも全国市長会でほかの首長さんとお話しするときもすごく意識をしているところです。
 あまり意識がない首長さんからすれば、何でそこに女性の視点が必要なのか、何でそんな多様な視点が必要なのかということを直接的に言われることもあるので、いろいろなトップセミナーを開催されているとは思うのですが、本当にそこの意識を高めていくためにも、市長会とか町村会といったところで、講演とかをいろいろな省庁さんがやられていると思いますが、こういった男女共同参画の取組をぜひ全国市長会とか全国町村会で御講演、御研修いただけると、私もいろいろな首長さんに対して言いやすい部分も出てくるので、ぜひそういった御検討もよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 石黒委員が御欠席ですので、五十音順で井上委員、よろしいでしょうか。

○井上委員 ありがとうございます。井上です。
 3点ありますので、簡潔に発言させていただきたいと思います。
 まず1点目ですけれども、地域における男女共同参画の推進で、これは内閣府への質問になるかと思うのですが、令和5年度版の男女共同参画白書で、東京、名古屋、関西の3大都市圏を除く道と県における10~20代の女性の転出超過数の割合が同年代の男性よりも高いこと、町村では男女共同参画計画を策定している自治体の割合が市や区と比較して低いことが示されています。先ほどの山田会長の発言にもありましたけれども、女性の転出は重大な課題だと思うのですが、計画を策定していない自治体のほうが女性の転出が高いなど、計画策定と相関関係があるのかどうか、もし把握をされていれば教えていただければと思います。
 男女共同参画計画の策定とそれに基づく取組は、地域におけるジェンダー平等の風土醸成に寄与するのではないかと思いますので、計画策定を積極的に促していく必要があると思っているのですが、なければ調査をしていただければと思っております。
 2点目は、防災・復興のところですけれども、資料3の9スライド目に市区町村の防災・危機管理部局の女性職員がいない市区町村数が出ていました。阪神・淡路大震災以降、防災に関しては女性の参画をずっと継続して取り組んできていると思うのですが、いまだに部局に女性職員がいないというのが本当にいいのか。また、女性職員がいないということで非常勤の職員に負担がかかっているということはないのか。もし仮に有事があったときには、非常勤職員の方々は権限がないので動けないというのも、今回のコロナ禍においても問題となり、以前からも課題としてあがっていますので、これについては早急に取り組む必要があると思いますので、要望として述べておきます。
 3点目は農林水産省に質問です。資料2の1スライド目ですが、農業分野における女性参画の効果として、女性の経営への関与を後押しするデータを提示していただいておりますけれども、経常利益増加率は、女性が経営に関与しているかどうかという観点だけではなく、法人化や企業規模など、ほかの要素と相関関係があることは考えられないでしょうか。女性が経営に関与すると経常利益の増加率が高くなるというのは大変重要なデータだと思いますけれども、ほかの要因が寄与しているかどうかについても精査をする必要があると思います。もし現段階で把握されていることがあれば、教えていただければと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 御質問にはまとめて御回答ということで、続きまして大崎委員、よろしくお願いいたします。

○大崎委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 まず、農林水産省の御報告に関して、今の井上委員がおっしゃられたこととも関連しているのですが、女性が関与しているところのほうが経常利益が71.4ポイント高い。こういったデータを示すのは、女性の参画を増やすことにはメリットがあるということを意思決定のポジションにある方々に働きかけたいという理由だと認識しております。
 私の質問は、それは果たして本当にそうなのかということです。例えば企業ですと、経常利益にこれだけプラスになるというのはそれなりにレバレッジがかかると思うのですが、農業分野においてはどういうデータが意思決定ポジションにある方々にとってのレバレッジになると御覧になっているか。
 つまり、いろいろなデータを提供したとしても、意思決定者にとって本当にメリットがあるのだということにならなければ動かない可能性が非常に高くて、例えば農業分野だったら、本当に増やしたいというのであれば、それこそ交付金のようなものを分配するときの条件のほうがもしかしたらレバレッジとしては非常に大きな力を持つのかとか、分からないですけれども、その辺りはどういうことを提示すれば女性の参画をやっていこうというような意識づけにつながるのかということに関してもう少し教えていただきたいです。
 それから、防災・復興に関して、内閣府さんでおつくりになった防災・復興のガイドラインは非常に包括的で実践的なガイドライン、研修プログラムになっていると思っていますし、これは世界的に見ても実践的ツールのグッドプラクティスだと思っています。
 私は、WPS、外務省の女性・平和・安全保障に関する行動計画の評価委員もしているのですが、日本のWPS行動計画の特徴は、紛争予防・紛争解決・平和構築だけではなくて、災害復興を柱にしているという点でして、その点においても既に国際的な評価は高いということがございます。このガイドラインはグッドプラクティスだと思いますので、私は高く評価しています。
 問題は、これをどのように現場といいますか、市区町村レベルにまで落とし込んでいくかというところかと思います。そのために、防災・危機管理担当部局と男女共同参画部局が連名で働きかけをしてくださっていて、これは非常に重要だと思いますので、引き続き働きかけをお願いしたいと思います。
 もう一つすばらしいなと思うのは、ガイドラインに基づく地方公共団体の取組状況調査です。私もよく見てみましたが、これは大変重要なデータを収集していただいていると思いますので、女性参画の現状の可視化、自治体間で比較ができるようになっているというのは大変重要だと思います。これは有効なモニタリングツールだと思いますので、ぜひ使っていただきたいです。私の質問は、これをどう活用するかということです。
 先ほど井上委員からもありましたけれども、今の地方自治体の最大の問題は人口減少だと思います。特に若年女性の流出ということが言われています。女性とか若年層に向けて、防災会議にどれだけ女性がいるのか、農業分野はどうか、こういったデータは、自治体の意思決定者だけではなくて、むしろ若い世代に積極的に発信していただいて、若い世代がどこで暮らすか、どこで働きたいか、そういったことを選択する際の指標にしてもらう。そういうことを積極的にやっていただくと、いい自治体には若い層が集まってきますし、そうでないところはどんどん淘汰されていくということで、それぐらいやらないと地域でのジェンダーギャップの解消は非常に難しいと思います。なので、どういうふうにこのデータを啓発に使っていくかというようなことが何かあれば、ぜひ教えていただきたいです。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 続いて、小林委員、お願いできますでしょうか。

○小林委員 御説明ありがとうございます。
 私のほうでは農水省にお聞きしたいところですが、井上委員と大崎委員も触れられていた女性参画の効果について、説明の中では対象を業者とか事業体とおっしゃったのですが、実際に例えば農事法人とか農協というところに限定されているのかどうか。そうでないとすると、2つ目の棒グラフでいくと営業・販売というのがありますよね。そうすると、例えば商社とかで他の分野の営業成績も入っているものを比較しているとすると、万が一そういうことがあればミスリードになってしまうので、その辺を確認したいと思いました。
 2つ目は、農業委員会や農協に対して女性登用の理解を進めていただくためにいろいろな取組をされているというお話で、さらに続けて女性の育成の取組もされている。その中で、女性の意欲の醸成のために研修をいろいろされているということなのですが、これは農業分野ということで私なりの考えなので申し訳ないのですが、各農家における男性の理解が進まない限り女性の進出は農業分野ではあり得ないのではないかと思っているものですから、そうすると、いただいた資料からは女性に対する研修はいろいろあって、意欲を高めていただくというようなことはあるのですが、男性の農業従事者、つまり配偶者に対しても、経営に参画するような活動を配偶者に積極的にやっていただくというような理解を進める研修もやってらっしゃると思うのですね。その辺について紹介いただければと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 佐々木委員がまだお見えになっていないので、白波瀬委員、お願いできますでしょうか。

○白波瀬委員 ありがとうございます。
 御説明ありがとうございました。
 もう幾つか問題が出ているのですけれども、農業というのは昔から三ちゃん農業と言いまして、実質的には物すごく女性化が進んでいるのですけれども、意思決定を含めて権力がないという極めてアンバランスな状況があるわけです。
 全体の方向性として攻めが足らない。全てある中で女性割合は幾らですかというような感じはあるのですけれども、そこの中で、統計の意味というか、全体的な枠組みですけれども、第一次産業は全体の就業人口の中の5%しかいないのです。産業と言っても非常に少ない。ここのところで話を展開することの意味。
 もう一つは、統計の意味というのもたくさんあるのですけれども、個人営業主みたいな話になってくると、そこでの個人営業主は、男性もそうですけれども、林業、漁業なんかはもっと高いけれども、平均年齢は60才以上というのが現状です。
 統計は結局、現状を確認して、それをベースに何を出すのかという議論だと思うのですけれども、何を出すのかというところまで行くところが弱い。
 最後に1点だけ、お願いがあるのですけれども、女子の人口の流出の背景に何があるか、そのとおりです。ただ、足元のところで、私の学生なんかにこのことについては言ってくださいと言われたのですけれども、何で流出したら悪いのかということです。男性も女性も流出もよし、ただ、戻ってきたらよいし、行ってくれればよいということでございますので、流出するというところだけに焦点を当てなくて、自分の力を持つために流出をする可能性はどんどんあってよいであろうと。ただ、持った能力をいろいろな地域に還元できるような環境なり受入れをお願いしたいというのが一つ。ですので、流出についての表現の仕方というか、フレーミングはお考え願いたいというのがお願いでございます。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 治部委員が御欠席ですので、徳倉委員にお願いできますでしょうか。

○徳倉委員 徳倉です。御説明ありがとうございました。
 かぶっているところはありますが、追加で補足したい点を幾つかお伝えさせていただきます。
 農業分野のところで先ほど小林さんもお話しされていましたが、私は女性に対してのみの研修にフォーカスされているということが非常に気になりました。ふだん、私は企業で研修等々をさせていただいていると、10年ぐらい前に女性に向けた研修が主流になった時期がありまして、ただ、結果的に何が必要だったかというと、組織風土をどう変えるか、そこでイニシアチブを取っている、企業で言うと経営者や管理職の意識をどう変えていくか、そこにどうインセンティブを持っていくかということによって、私はこの言葉は好きではないですけれども、女性活躍の様々な指標もまだまだ低い点はありますけれども、改善をされていった。この御説明だけを見ると、農業をされている女性の能力が足らないから女性の比率が上がっていないという見方もできますので、研修がよくないとは思いませんが、もう少し国が主導してやるべきは、意思決定権者に対する意識を変えるような研修や、先ほど大崎さんも少しおっしゃっていましたけれども、そこにお金をどう絡ませていきながら、横並びではなくて、情報公開をしながら、よいところはしっかり広報し、厳しいところにはそれなりのというところは非常に大切かなと思いました。
 続きまして、防災のほうでございます。私は四国の香川県に住んでおりまして、前回、レクで御説明いただいてから自分なりにデータを引っ張っていろいろ見ていましたが、防災の9ページのところで、例えば香川県を見ていただきますと17ありまして、女性職員がいないというところですけれども、実は人口5万人以下の香川県の基礎自治体では12あります。3万人以下になると10個の自治体になります。町ですと数千となるのですけれども、そもそもの自治体の規模が非常に差があると思います。
 そういう中にあって、全体の人口や全体の職員数の中で割ける人員というのがありまして、先ほどどなたかお話もありました、私自身も女性職員ゼロはまずいなと思っていろいろ調べていたのですが、ふと自分の自治体を見たときに、そもそも庁舎がすごく少なくて、そもそも人がいないからゼロになっているのではないかというところに目を向けていきました。
 ですので、人口規模によってどうなっているのかというところまで突っ込んでいただいた場合には、例えば、もっと大きな都道府県単位の中で、防災に関してはこういうふうなフォロー体制をとって人をこういうふうにしていくみたいな先導ができるのではないかなと感じましたので、その辺のデータが今後出るようであれば、ぜひ付け加えていただきたいなと思います。
 以上になります。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、山口委員、お願いできますでしょうか。

○山口委員 ありがとうございます。
 農水省と内閣府から御説明をいただきまして、ありがとうございました。
 最初に印象についてコメントいたします。
 特に農水省から御説明がありましたように、女性の参画で組織が高い成果を上げられるようになるという可能性は非常に高いのかなと思っています。大きな理由としては、消費者や労働者には女性が多いので、そういった人たちによりよくサーブするためには経営層、幹部層に女性が必要になるということは様々な領域で確認されてきました。特に、今日の話とは直接関係しないのですが、完全な男社会だと思われていたような警察組織において女性の登用を増やしたときに、よりよく市民にサービスを提供できて治安がよくなるというエビデンスも出ていますので、女性が幹部層に増えることのメリットは間違いなく高いかなと思います。
 そして、御報告いただいた幾つかの取組、例えば次世代女性リーダーのための育成のプログラムとか、進捗を可視化する、さらに教育・研修による意識改革、そういった様々な取組はすばらしいものばかりだと思うので、ぜひそのまま続けていただきたいなと思っています。
 ここから2つ質問をさせていただきたいと思います。1つ目は、まずどういう問題があって女性の幹部への登用が阻まれているのかということについて、原因を正しく把握できているのかという点がちょっと気になりました。恐らくいろいろな方に聞き取りなどをされていると思うのですが、現に幹部に就いていらっしゃる方から聞き取ってしまうと、男性側の意見に偏ってしまうので、女性・男性双方の農業従事者とか防災関係の方にアンケート調査などを行って、女性側の視点と男性側の視点でかなり異なったものが出てくると思うのですが、何が問題でどうやれば解決できると現場の方たちは思っているのかということについて、体系的に情報を収集することがすごく大事ではないかなと思います。
 ひょっとしたら偏った意見だけを集めてしまっている場合には、様々な努力をされても、それが高い成果を上げられないことにつながってしまいますので、問題の把握は非常に重要かなと思っています。こうした取組について何かなさっているのか、農水省と内閣府の両方に伺いたいと思います。
 もう一個の質問ですが、様々に有効と思われる取組をしていらっしゃるというのはよく分かったのですが、要請、助言、研修、教育によって果たして本当に変わるのだろうかとやはり疑問に思うわけです。様々な日本の領域でそういったことに取り組んできたけれども、遅々として進まなかったというのが反省点というか、現状認識としてあるわけです。
 大崎委員もコメントしてくださっていましたが、より強い働きかけが必要なのではないか。例えば経済的なインセンティブが必要なのではないか、あるいは、クォーターのようなもっともっと強いものが必要なのではないかと。農業とか防災以外の領域で実施して一定の成果を上げているようなものは報告されていますので、そういった強い介入を考えていらっしゃるのか、あるいは有効だと見ていらっしゃるのか、あるいはそういったものはうまくいかないよとお考えでしたら御意見をお聞かせいただければと思います。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 順番だと私ですけれども、私は最後なので、山本委員、お願いできますでしょうか。

○山本委員 ありがとうございます。
 御説明ありがとうございました。大変勉強になりました。
 まず、農林水産省さんからの御説明で、最初にデータで女性の関与というところと成果を示していただきましたけれども、こういうデータを見せるのはとても重要なことだと思います。
 ただ、ほかの委員からもありましたけれども、どういう対象なのか。政策金融公庫の融資先だと思うので限定されているのと、少しデータが古いと思いますので、積極的にいろいろなデータを出していって、そのデータがどういう位置づけにあるのかというところまで御説明いただくといいのかなと思いました。
 それから、白波瀬先生が年齢について言われていましたけれども、私もすごく気になっています。特に農業分野ですので、地域によって登用状況の濃淡はあって、年齢とどういうふうに関係があるのかというのが、例えば女性の平均年齢、男性の平均年齢はどっちが高いと登用が進んでいるとか進んでいないとか、何かありそうな気もするので、現状分析をする上で何か御存じでしたら教えていただきたいと思いました。
 それから、私は委員になったばかりなので目標値の詳細をよく存じ上げていないのですが、農業も防災にも言えることなのですけれども、都道府県レベルでの目標値はあるのかというところを知りたいと思っています。あるのであれば、そこを比較するとか、そもそもマクロでの国全体の目標値には到底届かないという地域がどれぐらいあるのかというところも加味したほうがいいのかなと思います。それから、目標値がもしあるのであれば、そこに向けてどれぐらい現状行っているのかとか、その辺り、個別の目標も見てみてもいいのかなとシンプルに思いました。
 それから、私も防災も農業もインセンティブをつけたほうが進みやすいのかなと思いました。経済的なインセンティブもそうですけれども、表彰制度とか、そういうのが自治体間の競争に何かうまくつながるようなものがあるのかどうかというところが分からないのですけれども、いろいろなことを試してみてもいいのかなと思いました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございました。
 あとは私だけだと思うのですけれども、私から御意見を述べさせていただきます。
 まず、農業の点なのですけれども、日本の家族農業の問題点が一つ表れているのではないかなと思っています。御存じだと思いますけれども、私は婚活を専門としておりますので、地方の嫁不足、結婚難というものを調べているわけですけれども、やはりいまだ多くの地域では跡継ぎが男性で、嫁を取る。幾つか調査をする中で、自分の娘は農家には嫁がせたくないけれども、自分の息子には何でも言うことを聞く嫁が欲しいといった意見がまだまだ見られる。つまり、嫁の立場を嫌って結婚難が起きるということがあるのだと思います。
 その中でも、私はいろいろなところに調査なり、ボランティアで結婚支援などの活動をしている中で、例えばある村では結婚したら別の棟を必ず建てなくてはいけないように申し合わせたり、農家の嫁ではなくて、牧場の共同経営者という形で募集したら、都会から何件も成婚したといったケースもあります。つまり、家族農業の古い体質が女性の流出を促進させているのではないかという気がします。徳倉委員がおっしゃったように、女性だけの研修というよりも、今の家族農業の男性の問題を何とか改善するような研修などをすればいいのかなと思っております。
 あと、御報告にもありましたけれども、新しく農家以外のところから就農する人、株式会社なども増えてきていると聞いております。私が調査に入った中では、ある村では共同のシェアハウスを村が運営して、そこで農業をしながら生活するところで何人か成婚して、そのまま定着したというケースもあると思います。そのように、家族農業の改善と新しい形での農業の推進。若い人に接しておりますと、農業に対するイメージはだんだんよくなっておりますので、そういうところを推進していただければと思います。
 あとは全体ですけれども、地域は農業だけではないので、地域での雇用の問題、特に人口規模が少ない過疎のところでの男女共同参画の推進。これはどこが扱うのかよく分からないと私も第5次計画のときに言ったのですけれども、そういうものも重要だと思っておりますので、何らかの調査、手だてなどをしていく必要があると思っております。ありがとうございます。
 では、これまでの御意見、御質問について、お答えできる範囲で結構ですので、農林水産省、内閣府から何かありますでしょうか。

○勝野大臣官房審議官 農林水産省から回答させていただきたいと思います。
 まず、委員の皆様からは貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。取り入れられるところはぜひ参考にさせていただきたいと思っております。
 多くの委員の皆様から御指摘をいただきました資料の1ページの経常利益増加率のデータについてですけれども、こちらは平成28年、2016年のデータということで少し古いデータを使わせていただいておりました。また、対象についての御質問もいただいておりましたが、日本政策金融公庫が融資をした先ということで、法人が1,499、個人が2,442ということで、私のほうで事業体などと回答しましたが、法人も多く含むということで、経営体というイメージでお示しをさせていただいたところです。
 皆さんから御関心をいただいて非常にありがたいなと思いながら御質問を聞いていたわけですけれども、必ずしも女性経営主または女性が役員、管理職だから経常利益が増加するという因果関係の分析は十分できているわけではございません。ただ、データの結果から一定の相関が見られるということ。それから、このときの回答の事業体と経営の業種として、例えばキノコ製造業、酪農、養豚、養鶏、ブロイラーといったところが経常利益の増加率が非常に高かったという結果が出ておりまして、そういったところで女性の経営者の方がいらっしゃるという形態もそれなりの割合で出ていたということはありました。
 ただ、詳細な分析が十分できておりませんので、御指摘を受けて、もう少し精緻に分析をして今後の対応に生かしていきたいと思います。
 また、これが本当に役員の登用などに直接効くものなのかというような御指摘もいただいたと承知をしております。
 多くの農業委員会の農業委員さん、あるいは農協の役員、理事の方は、農家の方がなっていらっしゃるということで、女性農業者の方の地位が向上し、管理職にまず御自身の会社なり、個人の農家さんの中で地位が高まると役員への登用というステップにもつながっていくという意味で、こういったデータを関係者の皆さんに御覧いただいて、女性の活躍ということに理解を深めていただこうという趣旨で活用させていただいております。
 一方で、インセンティブというお話もあったかと思います。農水省の補助事業などで、女性の登用、女性が社長をされている会社は補助金を割り増しして多くあげましょうみたいな施策が現状ではできておりませんで、JAさんといったところへのインセンティブということも少し検討するべきなのかなと思いながら御指摘を聞いておりました。
 それから、現状、女性を対象とした研修が非常に多いのではないか、男性の意識を変える必要があるのではないかという御指摘をいただきました。男性の意識改革の取組として、資料の13ページで動画の活用について御紹介をさせていただいたところです。こういった動画は、むしろ男性の職員の皆様、幹部の皆様に見ていただこうという趣旨で作成をしましたし、研修の場で活用してくださいという形で、全国に普及させようということで声かけをしているところです。
 また、補助事業でも、都道府県が男性の農業経営者を対象に開催する女性活躍の理解促進や、家族経営協定の締結の意義などを学ぶ研修会の開催に対して支援をしておりまして、数は少ないのですけれども、令和4年は9県で補助事業を活用いただいております。
 御指摘のように、男性の理解、女性の農業者の方、それがいいとは言わないのですけれども、通常、いろいろな自治体なり、いろいろな団体の会合とか研修会の蓋を開くと、ほとんど男性ということが多くて、やはり女性をターゲットに研修会をするという意義はまだまだあるなと思っておりまして、両方のバランスを取りながら事業を実施していく必要があるのかなと思っています。
 あとは、まだまだ農業の世界は三ちゃん農業で、女性の地位が低い、あるいは女性が下に見られているみたいなことがあるのではないかというような全体的な御指摘があったかと思います。私どもも、農業女子プロジェクトということで、若い女性たちを中心に、もちろんいろいろな年齢の方がいらっしゃるのですけれども、女性の活躍ということで、全国の元気な農家の方が集まる会を先週の土曜日も開催をいたしました。
 農業女子という形でくくって、意欲ある意志の強い農家さんが、横のつながりで、こんなところにも頑張っている農家さんがいるのだ、仲間がいるのだということで勇気を持って外に出ていって活躍するという活動を我々は応援させていただいております。こういった取組で、役所が招待状を出して、ぜひ会議に参加してくださいと言うから、やっと家から出てくれるみたいな話もまだまだ実はありまして、そういった家族全体でも変えていけるような取組をこれからも継続していきたいなと思っております。
 いただいた意見でお答えできていない部分については、今後、我々のほうでも検討して生かしていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 内閣府のほうからありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 本日もいろいろ御指摘いただきまして、ありがとうございます。
 井上委員から、計画の策定の状況と転出ということで御指摘がございました。現時点ではそういった分析をしておりませんけれども、今後検討していきたいと思っております。
 また、防災部局の女子職員の話でございますけれども、井上委員からは、いないところは非常勤の職員というのもいるのではないかとか、徳倉委員からは、そもそも自治体の規模が少ないので、割ける人員にも差があるのではないかという御指摘もいただきました。私どもはこれも今後よく見ていきたいと思っております。
 大崎委員からは、防災だけ、農業だけということではなくて、啓発にどうやって使っていくのかという御指摘をいただきました。私どもは今、防災は防災部局に女性を入れましょうということで防災のページに紹介しているわけですけれども、先生がおっしゃるように、地域での女性活躍ということで、私どももいろいろ説明していく際に、トータルとして皆さんが分かっていただくような形で啓発させていただくように進めていきたいと考えております。
 白波瀬先生からの流出の説明の仕方は、先生からの御指摘はごもっともかと思いますので、これも今後よく考えていきたいと思います。
 山口先生から、原因の把握を体系的にやっていくことが必要なのではないかという御指摘をいただきました。私どもも集めているつもりではありますけれども、本当に漏れがないかという観点を忘れず、どのようにやれば体系的にいろいろな意見、現場での意見を収集できるかということについてよく考えていきたいと考えております。
 助言、研修で変わるのかという御指摘をいただきました。確かに、防災部分では職員向けの研修を実はやってきておりました。ただ、それだけだとうまくいかないのではないかということもありまして、本日提出させていただきます資料のスライド4に今後の取組ということで出させていただきましたけれども、今回は首長さん向けのシンポジウムを開催しようと考えております。
 シンポジウムでは、私ども内閣府が説明するということではなくて、都道府県の中で、防災会議に女性委員の比率が高い都道府県の首長さんにおいでいただきまして、どのように工夫をなさったかということをお話しいただこうと思っております。
 また、それ以外も、少し企業の規模の小さい、例えば市区町村のレベルの担当の方で、こういうふうにやって工夫ができた、こういうことができたのだという生の声をお聞きいただくことによって、それぞれの首長さんがこういうことができるのではないかと思っていただけるのではないかと考えております。先ほどお話もありましたけれども、トップの方がやる気になっていただくことが必要ではないかと思いますので、今回はその工夫をしていきたいと考えております。
 山本先生から、個別の目標はあるのかという御指摘がありました。この目標では日本全体でございますが、そういったものは全体では目標を立てておりますけれども、例えば今回の防災会議ではそれぞれの都道府県ごとで考えていただく必要もあるものですから、見える化などをいたしまして、都道府県別の地図をつくって、どこの県が高いとか、どこの県がまだなかなかというようなことをお見せいただいて、それぞれの都道府県で考えていただくということをさせていただいてございます。
 山田先生から、地域での雇用の問題とか、過疎のところの男女共同参画も重要だということで、第5次の計画のときからの議論であったということを御指摘いただきました。今のお話を受け止めて今後検討させていただきたいと考えております。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 それでは、議題(2)「『地域における男女共同参画の推進』、『防災・復興、環境問題における男女共同参画の推進』について」の意見交換を終了したいと思います。

○大崎委員 先生、1点よろしいでしょうか。

○山田会長 どうぞ。

○大崎委員 申し訳ございません。
 御説明ありがとうございました。
 冒頭に、地域における男女共同参画の問題は農業と防災だけに限らないとおっしゃっていただいたと思うのですが、地域の労働市場におけるジェンダー不平等の問題も非常に大きくて、ここはどこが担当なさるのか。画面共有をさせていただきたいのですけれども、男女間賃金格差の情報開示の義務化によって、労働市場のジェンダーギャップの状態がかなり可視化されていると思っています。
 最近、地方へ講演などに行くときは、必ずその地域のリーディングカンパニーの男女間賃金格差のデータを提示するようにしています。そうしますと、皆さん本当に驚かれるのです。私の講演の後に、例えば地域で女性活躍に熱心な企業が集まってパネルディスカッションをするみたいな感じで、そういった企業でも、実はこのデータを見ますと非常に賃金格差があるということで、地方における労働市場のジェンダー不平等の問題は女性のエンパワーメントにとっては非常に大きい問題でして、ここをどこが見るのかということを何かあれば教えていただきたいのですが、どこが担当されるのでしょうか。

○山田会長 多分、次の企業における女性登用の加速化と連動する問題ではないかなと思っているのですが、岡田局長、いかがいたしましょうか

○岡田男女共同参画局長 今の地域での女性活躍というのは、今年の6月のいわゆる女性版骨太の方針の中でもどのようにやるかということで項目を立てさせていただいて、それぞれの省庁でやっていくということにさせていただいております。
 例えば中小企業でありますと、今、山田先生からお話がありました経産省とか、それぞれの中小企業の中でどのようにやっていくかということでありますと、厚労省とか金融庁ということもございます。
 私どもは、地域女性活躍推進交付金というもので各地方自治体の取組を支援させていただくということもやっておりますので、先生がおっしゃるような、どこの省庁でということではなくて、それこそいろいろな省庁がそれぞれの観点でやっていくということでありますが、もちろん地方交付金では男女共同参画担当だけではなく、そこがいろいろなステークホルダーを巻き込んで地域全体で取組を進めていただくということもやっておりますので、先生から御覧になるとまだまだ不十分ということかもしれませんので、また一層取組を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 多分この問題は次の企業における女性登用の加速化についても課題になると思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 では、会議開始から1時間経過しましたので、ここで5分ほど休息時間としたいと思います。今、私の時計で2時33分ですので、申し訳ありませんが、2時38分に再開したいと思います。5分間休憩をよろしくお願いいたします。

(休  憩)

○山田会長 皆様、お戻りになりましたようなので、会議を再開いたします。
 次に、議題(3)「企業における女性登用の加速化について」です。経済産業省の井上大臣官房審議官より、資料4の説明をお願いいたします。

○井上大臣官房審議官 経済産業省の井上でございます。
 御説明させていただきます。資料4となります。
 まず、計画の第1分野の成果目標のうち、経済産業省に関係する部分でございますけれども、本日は企業における女性の登用の拡大ということでございましたので、目標の項目としては、「東証一部上場企業役員における女性の割合」ということで、こちらは2022年の12%という目標のところに関連してでございます。
 厚労省、内閣府、金融庁、それぞれの施策を講じているわけでございますけれども、経済産業省は計画のときには、2つ目の列のところでございますけれども、「女性をはじめ多様な人材の能力を最大限発揮させるダイバーシティ経営について『ダイバーシティ2.0行動ガイドライン』や企業事例の普及等を通じ、企業における取組を促進する」と記載させていただきました。
 その後、令和2年12月のこの計画を踏まえまして、経産省としてダイバーシティ経営の推進のさらなる施策ということで、こちらの画面にございます、以前作成していた「ダイバーシティ経営診断ツール」の改訂版を令和3年3月に作成して公表させていただきました。
 それぞれ、経営者自身、そして人事制度、そして現場の管理体制などの取組につきまして、社内でチェックシート的な感じで検討いただくためのツールを新たにつくりまして、その手引などもつくって、右下にございますけれども、企業の中で検討していただく素材を提供させていただき、左にありますように、リーフレットなどもつくりまして啓発を実施してきたところでございます。
 それと、ダイバーシティ経営のうち、特に女性活躍の推進が重要というところで、次のページ、こちらは以前からやっていた施策でございますけれども、なでしこ銘柄を経済産業省と東京証券取引所さんの共同で平成24年度から実施してきております。こちらは御存じかもしませんが、2つ目のポツのところでございます。「女性活躍推進」に優れた上場企業を、「中長期の企業価値向上」を重視する魅力ある銘柄として選定をさせていただくことで取り組んでいるものでございまして、今年度は12回目となります。
 今年度は、これまでの女性活躍に加えまして、3つ目のポツのところでございますけれども、「共働き・共育てを可能とする男女問わない両立支援」も車の両輪として進めていこうということで、なでしこ銘柄とは別途、名前としては「Nextなでしこ共働き・共育て支援企業」ということで、今年度は新たに20社程度を選定する取組を実施しておりまして、「なでしこ銘柄」のさらなる充実を図っているところでございます。
 続きまして、女性のリーダーの育成ということで、特に役員の比率を高めていく上ではその候補となる女性リーダーの育成が急務になっているということでございますので、こちらも私どもが平成27年からやっている取組でございますが、WIL、Women‘s Initiative for Leadershipという経済産業省主催の女性リーダー育成のための研修がございます。こちらにつきましては、平成27年の第1期から始めまして、現在で8期目という形になっております。
 2つ目のポツのところでございますけれども、昨年の第7期までで、この研修に部長等をされている245名の方に参加いただきまして、その後、私どもの追跡では、245名のうち59名の方が、執行役員以上として御活躍いただいます。
 当初はなでしこ銘柄に選定された企業を中心に選出をさせていただいたのですけれども、昨年度からは公募枠ということで、今年度は中小企業5社を含む形で、様々な改善や工夫を図りながら取り組んでいるというものでございます。
 研修の中身としては、様々な企業経営者の方々などにお越しいただいた勉強会で、リーダーシップを発揮するための高い視座を持っていただけるような機会を提供しようということですとか、また、せっかく経済産業省がやっているリーダー研修でございますので、様々な政策提言もしていただこうということで、今年度でいくと5つのグループに分かれて政策提言のための研究ということで活動していただいています。
 経済産業省からは以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 続きまして、金融庁企画市場局の新発田参事官より、資料5の説明をお願いいたします。

○新発田企画市場局参事官 金融庁の新発田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私のほうからは、企業における女性の活躍に関する金融庁の施策ということで御説明をアップデートさせていただきたいと思います。
 まず、大きく2つございまして、1つは有価証券報告書における情報開示の好事例の収集ということですけれども、こちらございますように、金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループ報告を踏まえて内閣府令を改正いたしまして、2023年3月期の有価証券報告書から、女活法または育児・介護休業法に基づいて、女性管理職比率、育児休業等比率、賃金格差といったものを公表している企業については、有価証券報告書にも開示をしていただくことをお願いしているところでございます。
 具体的なイメージとしては、2ページにあるような形になっているということでございます。
 3ページ目を御覧いただきまして、まさに2023年3月期ということでございますので、この6月からちょうど開示が始まったところでございます。そういう意味で、まだまだばらつきがあるというか、どう開示に取り組もうという会社もあろうかと思いますので、ここにもございますけれども、これまでもやっておりますが、開示の好事例集ということで特徴ある取組をまとめているところでございます。今年もこの秋からやっているところで、まだやっているところでございますけれども、今お手元に示せなくて大変恐縮でございますが、できますれば、例年と同様のスケジュールで、年明けぐらいには出せるかなと考えてございます。この中で、具体的な取組について幾つか御紹介できればということでございます。
 4ページ目以降は昨年のものでございますので、具体的な説明ははしょらせていただきますけれども、今年の開示を見ていましても、例えば賃金格差ということでございますと、それぞれの企業のコース別あるいは職位別ということで、さらにブレークダウンした数字に基づいて、なぜ、あるいはどこで差があるのかということを分析した上で、具体的な施策につなげているといった事例がございましたり、あるいは女性管理職の比率ということでございますと、タレントパイプライン全体を通して徐々に割合が増えている、そこに向けてさらに施策を打っていく。そういったきちんとストーリーのあるような開示をしているような事例が、投資家なりアナリストからすると大変特徴があるというか、よい開示なのではないかといった話をいただいておりますので、そういったところを横展開というか、参考になるような形でできればと思っております。
 また、前のセッションで大崎委員から地方についてお話がございましたようですけれども、好事例ということで、決してグローバルな大企業にとどまらずに、中堅とか中小企業の中でも、よい開示をしているといったところについてもできる限り拾って、そういう形で地方にあるような企業でも参考になるようなことができればと考えているところでございます。
 ページをおめくりいただきまして、もう一つの固まりとして、コーポレートガバナンス改革と関連して、右のところを赤枠で囲っておりますけれども、「サステナビリティを意識した経営」ということで、女性役員比率の向上というところでございますけれども、最後の8ページ目を御覧いただきますと、女性版骨太の方針2023ということで本部決定してございますので、これを受けて東証さんのほうで、下のほうにございますとおり、2030年までに女性役員の比率を30%以上とすることを目指すということで上場規程を改正していただいたところでございます。
 金融庁からの御説明は以上でございます。

○山田会長 ありがとうございました。
 最後に、内閣府の岡田男女共同参画局長より、資料6の説明をお願いいたします。

○岡田男女共同参画局長 資料6をお開きください。
 スライド2では、第5次の計画、先ほど経産省さんからも御言及がありましたけれども、その成果目標を記載しております。
 スライド3でありますが、先般の6月の女性版骨太の方針でどのようなことが盛り込まれたかということで、今、金融庁さんからも御指摘がございましたけれども、1つ目としては、プライム市場上場企業を対象とした女性役員比率に関する数値目標を設定するということ、2つ目としては、5次計画での役員に占める女性割合に関する成果目標を設定するということが盛り込まれてございます。
 スライド4は、今まさに御言及がありましたとおり、上場規程の「望まれる事項」に規定が追加されたということでございます。
 次からは、最近の女性役員の登用状況についてデータをお示しさせていただきたいと存じます。
 スライド6であります。日本の女性役員比率の推移でございますけれども、2023年7月現在の数字を計算いたしまして、ここに記載しております。いわゆるプライム市場でありますけれども、昨年は11.4%でございましたが、今年の数値は13.4になってございます。全上場企業で見てみますと10.6%となってございます。日本を除くG7諸国とかOECD諸国との平均とのギャップがまだあるということでございます。
 スライド7は、女性役員がいないプライム市場の上場企業の数であります。女性役員が1人もいない企業の数は減少してきております。2022年の時点では344社、18.7%でございましたけれども、2023年では199社でございます。
 スライド8でございます。女性役員が社内か社外かということで調べてみますと、今13.4%でありますけれども、右側の円グラフ、男性役員は60.4%が社内登用でありますのに対しまして、左のグラフ、女性役員は87%が社外という状況になってございます。
 スライド9であります。先ほどの折れ線グラフは市場全体でありましたが、企業ごとの比率を見てみますと、プライム市場上場企業の女性役員が一人もいない企業の割合は10.9%でありますけれども、女性役員割合が10%以上20%未満の企業の割合が、やや濃いオレンジでありますけれども、最も多いということと、全体を見ていただきますと、20%未満の企業が全体の約8割となってございます。
 スライド10であります。機関投資家さんは投資判断に女性活躍情報を活用しているということで、活用されているのは3分の2に及ぶわけでありますけれども、その活用する割合が最も高い情報として、下の棒グラフでありますけれども、女性役員比率を挙げておられる回答が8割に上っているということでありました。
 スライド11でありますけれども、これは女性役員や女性取締役が不在の場合に国内外投資家の反対率が大幅に上昇をしていることを示した表でございます。
 次は、昨年に引き続きまして、今年も「執行役員又はそれに準じる役職者」における女性割合について調査を行いましたので、その結果を報告させていただきます。
 スライド14を御覧いただければと思います。調査結果として、上の円グラフでありますけれども、回答企業のうち執行役員を置いている企業について、女性の割合は4.7%でありました。また、執行役員等を置いている企業について女性の執行役員等がいない企業の割合は、左下の円グラフでありますけれども、59.3%であったという結果になっております。
 以上、報告させていただきます。

○山田会長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から、お一人当たり3分程度ずつ御意見を順に頂戴できればと思います。
 また、五十音順で行かせていただきまして、井上委員、よろしくお願いいたします。

○井上委員 ありがとうございます。井上です。
 まず、今の内閣府の企業における女性登用の加速化と、金融庁からの説明箇所とも関係してくるのですが、プライム上場企業への女性役員比率ということでいろいろとデータを説明していただきましてありがとうございました。
 ただ、日本の場合、中小企業が大変多い国ですから、プライム上場企業での女性役員の登用を進めるというのも当然必要なのですけれども、中小企業でどれだけ女性の役員を含めて役職者を増やすかというところもやっていかないと、なかなか底上げができないのではないのかなと思っています。となると、そこをどこの省庁がするのか。先ほどの男女間賃金格差をどこの省庁がやるのかということで、各省庁横断的にという話がありましたけれども、例えば、男女の賃金の差異ということであれば、女性活躍推進法を管轄している厚生労働省になるのでしょうし、責任の所在を明確にしていくべきなのではないかと思います。横断的はいいのですが、何となく責任感がないような感じがするので、その辺はどこが責任を持ってきちんと統括するか、例えばデータベースでしたら、それぞれのデータベースもいいのですけれども、厚労省の女性の活躍推進データベースに全て全部まとめてもいいのかなと思いました。
 もう一つは、前回の調査会でも発言をしていますけれども、女性の役員登用の数値目標の達成も重要ではあるのですが、女性役員を外部から登用するというのがどうしても多くあるのではないかと思いますので、内部登用を進めるための内部の人材育成をぜひお願いをしたいと思います。そのための企業の取組を、例えば経産省なのか、どこなのかというのはあると思うのですけれども、やはり政府として企業に対する積極的な後押しをしていただければと思います。
 女性役員比率に関しての調査を行うとき、女性役員登用の社外・社内別の割合というのを、説明があったのかもしれないのですけれども、役員登用している場合にどれだけ社外から登用しているのか、あるいは社内でちゃんと登用しているのか、その辺も明確にデータが分かるような形で出していただければと思っております。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、大崎委員、お願いできますでしょうか。

○大崎委員 ありがとうございます。
 御報告ありがとうございました。
 先ほど述べましたとおり、私は地方の労働市場におけるジェンダー不平等をどう解消していくのかというのは男女共同参画推進上の大きな課題だと思っていますので、その文脈で御質問をさせていただきます。
 経産省さんのお取組の中でも、地方の企業も含めて様々な研修等をおやりになっていると思います。WILに関しても、地方の企業にも積極的に働きかけていると私も承知しております。それから、ダイバーシティ経営の推進に関しても地方にどう展開していくかということをお考えになっているかと思いますので、その辺りのことをもしよろしければ御紹介いただきたいと思います。
 それから、金融庁さんですが、先ほどお示ししたのですけれども、地方の企業でもリーディングカンパニーは、やはり銀行。地方の銀行の男女間賃金格差は非常に大きいですよね。ここがちゃんとやると、それが地方の中小企業にも波及していくところがありますので、いかにそういったリーディングカンパニーを動かすかというところで、やはり金融庁さんのお力は大変大きいと私は思っております。
 これは報道ベースで承知しているだけなのですけれども、昨年末に地銀100行に対して人的資本の情報に関する調査を行われて、その中で地銀の男女間賃金格差、特に40代での格差の大きさを指摘されていると伺っておりますので、今日でなくてもいいのですが、そういった調査はすごく重要ですし、そういった働きかけを地方で銀行さんになさっているというのは大変重要なことだと思いますので、その辺りのこともまた機会があればぜひ教えていただきたいですし、働きかけを積極的に行っていただきたいなと思っております。
 先ほど白波瀬座長から若年女性の流出ということのフレーミングには注意しなければいけないという御指摘がありまして、私はそのとおりだと思います。ただ、地方においてはいろいろな人たちにこの問題について考えていただくときに、人口減少に関して皆さん危機感をお持ちですので、その背景に若年女性の流出があるとなったときに、なぜ若年女性が流出するのかというと、そこにはジェンダーの問題があるということがはっきりしてきます。そのうちの一つは、労働市場における不平等といいますか、働きがいがある、働き続けられる、フェアに評価される、そういう職場が少ないというのが女性たちが移動することの大きなきっかけになっています。
 そういったことを含めて、地方のジェンダーの問題を分析していくに当たっては、なぜ若い女性たちが流出して戻ってこないのだろうというのは非常に重要なポイントかなと思いますし、その文脈においては地方の企業のありようは大変重要な課題になっております。そういった意味でこういったことをお伺いしております。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 続きまして、小林委員、お願いできますでしょうか。

○小林委員 御説明ありがとうございました。
 まず、経産省さんにお聞きしたいのは、ダイバーシティの普及用リーフレットを作られたということで、啓発を実施されているということなのですが、これは具体的な利用状況についての数値はどうなっているのかなというのが分からなかったものですから、教えていただければと思います。それによって、またフィードバックして各企業等にさらなる進展を求めるということがあるのかなと思っております。
 2つ目として、女性リーダー育成のWIL、研修です。これは、なでしこ銘柄企業を中心にということで、今年度は中小企業が5社入っているということですが、むしろなでしこ銘柄に入らないところに研修をしたほうがいいのかなという気はするのです。あと、30社に限定しているのですけれども、経産省が乗り出して研修をやるのであればもっと集まると思うので、広くやっていただけたらどうかなと思いました。
 それから、金融庁さんですけれども、今年から有報への多様性のディスクローズができるようになったというのは非常にありがたい話で、これは私が役員をやっている会社だけではなくて、顧問先等にもしっかりやっているかということが非常に言いやすくなったというところがあります。
 もう一つ、東証の上場規程の中に2030年30%を入れていただいたというのはいいことだと思うのですが、むしろこれはガバナンスコードのほうに明記したほうがいいと思うので、そういう働きかけは多分されているとは思うのですけれども、その辺、これからプライムに入ってくる企業だけではなくて、今現在プライムまたはスタンダード以下の企業に対してもさらに進めてくださいという意味で、ガバナンスコードのほうに明記をするような働きかけができないのかなということを考えました。
 さらに、現在はプライムだけですけれども、スタンダードやグロースの企業に対してもどういうふうに広げていくのか。この点は内閣府のほうにも、同じ問題だと思うのですけれども、どういうふうに取り組んでいくのだろうということがあります。
 さらに、内閣府のほうでは、執行役員等の割合の上昇ということで割合の数値は出されているのですが、結局、役員のダイバーシティを、女性比率をどう上げて維持していくかということを考えていったときに、執行役員等の女性割合というのは非常に重要だと思うのです。ですから、これをどういうふうにさらにダイバーシティサイクルが出来上がるように取り組んでいかれるのか、その辺も少し御説明いただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

○山田会長 ありがとうございます。
 佐々木委員が入られましたので、後回しにしますか、それとも今で大丈夫ですか。

○佐々木委員 後にしていただけると助かります。

○山田会長 後回しですね。ありがとうございます。
 では、続きまして、白波瀬委員が退室なされたので、徳倉委員、お願いいたします。

○徳倉委員 徳倉でございます。
 先ほど井上さんか大崎さんもおっしゃっていましたけれども、各種企業に関わるデータをどこか一元化で見られると、企業側もそうですし、自治体担当者にとっても非常にメリットが大きいかなと。似ていて違うデータとか、ほぼほぼ同じようなデータが違うところに点在するよりは、様々な情報開示がなされる時代にあって、ここで一括で見ていくというところのほうが国として非常にメリットが大きいのではないかなということで、そういう動きができないかなという意見提起が一つです。
 続きまして、経産省さんの部分で、そもそもの話をするのですが、なでしこ銘柄は、私がこういう会議に参画し始めた頃、2011年か12年ぐらいからスタートしていて、もう10年ちょっとたっている認識です。その認識が間違っていたらまた話が違うのですが、「なでしこ銘柄」という言い方をやめませんか。ありていに言うと、ジェンダー的にもという感じがすごくします。
 確かに大分普及をされまして、例えば投資信託なんかもなでしこ銘柄でと組み入れられていることがあるのですが、この表記のままだとなかなか進まないなと。では、何がいいのかという議論はもちろんあるのですけれども、先ほどの農業のほうでもちらっと言いましたけれども、名は体を表すといいますか、まだまだ立ち後れている感が非常に強くて、強く推進するということにちょっと欠ける感覚が私にはあります。
 なので、新たに「Nextなでしこ」とつけていくのも悪くはないと思うのですけれども、思いっきりベースの名称からまた検討するといいますか、次のステージに来ているのだよというところを一つ表したいなというのが一意見でございます。
 続きまして、これは内閣府さんも金融庁さんも含めて全てに関わりますけれども、女性役員の社外取締役の割合が圧倒的に多くて、金融庁さんの資料8の最後の改正のところで、「1名以上選任するよう努める」云々とあるのですけれども、ここが社外取締役だけになっている場合だと、「目標を達成するための行動計画の策定を推奨する」というよりは、もう行動計画を策定してくださいよ、きちっと達成をして女性役員を生み出すのですよというような割と強いメッセージが、実際、金融庁さんとか経産省さんからの意見は企業はしっかり聞きますので、そういう強めのトーンで、推奨というよりはこれをやってくださいねというところまで踏み込んでもいいのかなと感じています。よろしくお願いいたします。
 以上になります。

○山田会長 ありがとうございます。
 内藤委員、山口委員が退室なされたので、山本委員、お願いできますでしょうか。

○山本委員 ありがとうございます。
 御説明ありがとうございました。
 印象として、上場企業、特にプライムに偏って、そこを強調されている御報告が多かったなと思っていますので、まずはそこからというところはあるとは思うのですが、ほかの企業の取組にどう結びついていくのかというところがもう少し見たいなという印象を受けました。
 例えば、経産省さんのなでしこ銘柄を中心とした取組はとてもすばらしいと思うのですけれども、有価証券報告書への開示もそうですけれども、上場企業の話にとどまってしまうので、関連企業、系列企業、取引先企業の女性活躍推進との関連みたいなところを表彰する判断材料に入れているのかどうか、そういうことで波及効果を促していくような取組は、健康経営か何かではされていると思うのですけれども、私はなでしこについてまだ追えていないので、その辺りもどうなっているのかということを知りたいと思いました。
 それから、金融庁さんからの御説明もとても有効な策だと思いましたけれども、中小企業、地方企業への対策をどうするのか。直接金融ではなくて間接金融に頼る企業が多いというところで、融資資金調達のところ、銀行とか政府系の政策金融公庫などの取組で、そこに働きかけをされているとは思うのですけれども、女性活躍推進を進めている企業への融資を優遇するとか、その辺りの施策をもう少しクローズアップされてもいいのかなと思いますし、どういうプランがあるのかというところも教えていただければなと思いました。
 それから、今日はほとんど役員比率とかそういう話が多かったのですけれども、そういう目標を達成するには働き方自体を変えていかなければいけないと思っています。そういう意味では、働き方での男女間格差はどういう状況になっているのか、上場企業への有価証券報告書の開示のところで少し御紹介もありましたけれども、例えば労働時間がどうなっているか、働き方改革が中小企業でどういうふうに進んでいるのかといったところもいろいろとデータを示していただければなと思いました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 佐々木委員、準備はよろしいでしょうか。

○佐々木委員 大丈夫です。
 今、来たばかりなので、全体のお話を聞いていないのですけれども、いただいた資料や皆様のお話を聞いて思ったところをお話しさせていただきます。
 まず、2030年までに役員比率30%以上というのを目標に掲げられている点についてです。目標をまず入れる、入れてもらうという、そこだけでも大きな進歩だと思っていたのですが、昨年、この会議で出していただいた資料で、海外では目標を定めたらちゃんと達成しているという例をたくさん見せていただきました。いただきました。また、ペナルティーを入れているところも多く、例えば、ノルウェーでは2007年までに40%を達成しようという目標が達成できなかった会社を公表したり、裁判所が会社の解散を命じることができるとか、ドイツでは役職を空けておかなければいけないとかが紹介されていました。このような厳しいペナルティーができるという国の風土もすごいと思うのですけれども、日本もそういうことを検討していかないとなかなか目標達成が難しいのではと思っています。例えば、私の分野だと女性研究者割合の目標が何回も更新というか、達成できずにまた次に持ち越すということを繰り返しているので、何らかの施策を今回は考えておられるのかというのをお聞きしたいと思います。
 あと、先ほど徳倉委員から社外取締役の話が出ていたと思うのですけれども、社外取締役の女性役員も、女性役員の数値として入っているのかというところをお聞きできればと思います。大学でも女性研究者を増やすために、1人の女性研究者がいろいろな大学にエフォート管理によるクロスアポイントメントで雇用されています。ぱっと見、女性教授の数値が急激に上がったように見える大学は、ほぼクロスアポイントメントで、実際は日本全体の女性教員数が増えていないという問題があります。そういうことが起きないように、女性役員の例もちゃんと社外取締役を区別できるような形にする必要があると思います。
 また、地方の問題ですけれども、最近、富山大学の学生さんがなぜ女性が流出してしまうかという研究を発表して、ニュースになっていました。富山県に関しては、製造業が多いため、理系分野の仕事が多いけれど、理系の女性が少ないという点。さらに、ロールモデルとなる女性管理職が低いという点です。女性の理系出身者が少ないという点が地方の女性流出にも影響する可能性があるというのは、新しい視点だったので非常に興味深く見ておりました。
 以上です。

○山田会長 ありがとうございます。
 最後は私ですが、もう皆さんがいろいろ言われたので、ほとんど一緒なのですけれども、やはり大企業中心、正社員中心、総合職中心なのではないかと思います。もちろんそちらも重要なのですけれども、例えば各企業で非正規社員の比率と非正規社員の中の女性雇用者比率等もデータとして出していただくとありがたいと思います。大崎委員が御自分で出していただいたデータをすごく興味深く拝見いたしました。
 あと、地方の企業にどうやってアプローチをするかということですけれども、もちろん中小企業庁というのもあるとは思いますが、中小企業団体へのアプローチはどの程度行われているのか。例えば私、ある地方の商工会の女性役員と話をしたとき、「山田さん、地方のオーナー企業はハラスメントなんか当たり前なのよ」みたいな話も聞きましたし、さらに私は何度か地方のJCに講演に行ったのですけれども、本当にJCは男の世界で、これからの地域社会のリーダーを担うはずの青年会議所がほとんど男性だというのはいかがなものかと少し考えるところがありましたので、そういう地方の中小企業団体、青年会議所等へのアプローチがそもそもあるのか、どこでするのかというのを教えていただければありがたいと思います。ありがとうございます。
 ほかに御質問はありますでしょうか。
 なければ、これまでの御質問、御意見等について、経済産業省、金融庁、内閣府の方からコメント、回答等がありましたらよろしくお願い申し上げます。

○井上大臣官房審議官 それでは、まず経済産業省から、幾つか御質問等を頂戴いたしましたので、できる限り御回答を申し上げたいと思います。
 山田座長、大崎委員からも、皆様からほぼ共通していただいたのが、大企業はいいのだけれども、中小企業、特に地方の中小企業へどういうふうにアプローチしていくのかという御指摘を頂戴したと思います。私どもも、この点につきましては大きな課題だと思っております。
 本日御紹介させていただいたダイバーシティ経営の診断手引書も、大企業も中小企業の皆様にも使っていただけるようにということで取り組んでいるのですけれども、そういった意味ではまだまだ中小企業へのアプローチは十分にできていないだろうと私どもも思っております。
 これは、WILの取組につきましても、これまでなでしこ銘柄の企業を中心に選定するということから、昨年度から新たに公募枠を設けて、今年度は5つの企業さんは中小企業から選定させていただいたのですけれども、私どもも徐々に中小企業へのアプローチを高めていこうとしています。
 でも、実は大企業の役員比率も今回の目標30%という観点から見ると結構厳しいといいますか、しっかり取り組まなければいけない課題であり、大企業も手を緩めてはいけないのですけれども、中小企業のほうにもどう拡大してくかという問題意識は私どもも持っておりますので、どういうことができるか、本日の御意見も踏まえまして、引き続き検討していきたいと思います。
 続きまして、徳倉委員からいただいた御指摘に対する回答です。なでしこ銘柄は御指摘のとおり平成24年度からやっておりますので10年くらい続けております。名前が「なでしこ」というのがよいのか等々も御意見としては承りましたが、せっかく徐々に認知度が高まっているということもあって取り組んでいらっしゃる企業もいらっしゃるものですから、私どももそこはいろいろな御意見を聞きながら進めていきたいと思います。
 ただ、中身をしっかり強化してくことが大事だろうと思っておりまして、そういった意味で、先ほどの説明と重複しますけれども、今年度から、これまでのなでしこ銘柄に加えて、女性活躍の大事なのは共働き・共育ての支援であるということで、実は今年度からなでしこ銘柄の要件として、女性活躍に加えて明示的に共働き・共育てのための環境整備をやっているかどうかも調査することとしており、基準を上げた形になっております。さらにそこの部分をクリアしている企業だけ取り出して、「Nextなでしこ共働き・共育て企業」を選定するということで、なでしこ銘柄の大きな枠組みは変わっていないのですけれども、中身はより充実したものにしていこうと思っております。
 ただ、まだまだ不十分な部分はあると思いますし、様々な御議論があると思いますので、そういう意味で率直に様々な御意見を伺いながら、私どもは検討していきたいと思っております。
 それと、山本委員だったと思いますけれども、よりインセンティブを、特に中小企業へのアプローチというところも含めまして、WILももっと範囲を拡大させたらどうかという意見があったかと思うのですけれども、中小企業のところで取り組もうとすると、中小企業は300万社くらいありますので、私どもは限界があるかなというところもあります。
 一方で、少しインセンティブを高めることができないかということで、現在、税制改正の要望中なのですけれども、もともと中小企業、大企業、両方とも、賃上げに積極的に取り組む企業さんについては法人税等々の税制の優遇措置を講じているのですけれども、来年度の税制改正に向けて経済産業省としての要望ですので、今後、与党も含めて税の議論がなされていくので、確たることは申し上げられませんが、私どもの要望としては、女性活躍に積極的に取り組んでいる企業については、さらに深掘りの税制優遇ができないかということを要望させていただいております。
 そういった意味で、インセンティブのところも、これは特に中小企業さんになってくると研修ももちろん大事だと思いますけれども、インセンティブというところも一つモチベーションになるかなと思いますので、そういうところも検討していきたいと思っているとこでございます。
 あと、小林委員からの御質問で、ダイバーシティ経営の診断シートを作ったのはいいのだけれども、どう使われているのか説明がなかったということで御指摘をいただきました。おっしゃるとおりでございます。私ども、実はこれをホームページに出しているのですけれども、どれくらい実際に企業さんが使ってくれていたかというところまで捕捉ができておりません。
 ただ、代替的な指標として診断シートのホームページのアクセス数をカウントしておりまして、2021年度に改訂版を出したのですけれども、その年に約2,500件のアクセスをいただいていて、2022年度は少し増えまして3,300件、このシートについてはアクセスがあったということでございます。
 まだまだ数は少ないと思いますし、アクセスだけで、本当に利用していただけたかどうかはまた別の問題かなと思いますので、こういったところの把握もしっかり引き続き行いながら、施策を打っただけではなくて、どう使われているかというところも、限界があるのですけれども、努力してまいりたいと思っております。
 質問に全部お答えできたかどうか自信がないのですけれども、取りあえず経産省から御説明は以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 新発田参事官、よろしくお願いいたします。

○新発田企画市場局参事官 私のほうからも、3点ほどコメントないし回答をさせていただきたいと思います。
 まずは、カバレッジというか、金融庁がどこまでできるのかということだと思うのですけれども、基本的に有価証券報告書を提出している企業ということで、その中で様々な企業をできる限り取り上げたいというところはあるのですけれども、地方での中小とか小規模ぐらいになってくるとなかなか手が届かないというのは御理解をいただきたいところがございます。
 その上で、特に大きい企業というか上場企業のほうに関して幾つか御指摘いただいておりますけれども、どこまでこういったものをハードローで強制していくのかみたいなところでございます。これも、全般的にコーポレートガバナンスの課題に共通するのですけれども、何か一定のルールをつくってしまうと、ともすれば最低基準のところをコンプライすればそれでいいやみたいな感じになってしまうところもありまして、例えば3割みたいなところを法定の基準にすると、本来は5割であっても6割であってもいいはずなのですけれども、3割以上には絶対行かないとか、そういうところもありますので、どういうふうに企業の行動を促していくのかというのは悩ましいなと思っております。
 そういう中で、今日御紹介させていただきました開示の好事例集につきまして、何か結果ということではなくて、まさにプロセスにきちんと着目をして、例えば社外だけを安直に任命するということではなくて、社内のタレントパイプライン、部長さんとか課長さんといったところも含めてどう人材の手当てをしているのかというような、ストーリーがきちんとあるような事例をなるべく開示の好事例として私たちも拾っていく必要があるのかなと、御意見を踏まえて理解をさせていただきました。
 最後に、中小企業のほうはなかなか得手ではないのですということを申し上げましたけれども、私は前職が地銀の担当だったものですから、まさに大崎委員から御指摘いただきましたような、地銀における人的資本経営の課題というところのレポートを出させていただきまして、そういう中で、まさに地域におけるリーディングカンパニーとしての地銀の在り方に対して先鞭をつけるような役割としての期待があるというのはいろいろな方からいただいております。
 今の私のキャパシティでやる話ではなくて、むしろ監督局とかそちらのほうの話にはなるのですけれども、何ができるのかということはよくよく考えていきたいと思いますし、例えば地銀における賃金格差というものの中で、その前提としてかなり強固な役割固定みたいなものがある、そういったものをきちんと分析をして、どこに課題があって、どこをどう直していくのか、そういうところをきちんと取り組むような地銀が出てきてほしいなと思っていますし、そういうのが出てくることで、周りの取引先の企業なり、ほかの地域の有力な企業にいろいろな波及が出るのではないかと思っていますので、この辺りは何ができるのかを引き続きよく勉強していきたいと思います。ありがとうございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 岡田局長、よろしいでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 男女局から少しお話を申し上げます。
 本日は、女性役員の比率についての御説明をさせていただきましたけれども、女性活躍ということでは、先生にこの夏前に見ていただきました女性は骨太の方針の中でも、いかに地方に波及させていくかということで幾つか盛り込ませていただいたところでございます。
 また、目標だけではなくて人材育成が大事だということで御指摘をいただいているところでありますけれども、内閣府におきまして、先ほど執行役員の調査の数字も出させていただきましたけれども、パイプラインの一つとして執行役員がどうなっているかということで、これは昨年から調査させていただきまして今回2回目でございます。私どもとして、見える化ということで情報をとにかく出していくということをさせていただきたいと思ってございます。
 女性役員の情報サイトというもので特化したページもつくらせていただいておりますけれども、業種別に見た役員への比率ランキングを公表させていただき、役員の登用に関する取組事例を集めてお知らせをさせていただいております。また、女性の人材情報を提供しますサイト、女性リーダー人材バンクなども運営させていただいております。
 こういった取組をさせていただきたいと思っておりますが、徳倉委員から、目標を出すだけではなくもう少し強めに言っていってもいいのではないかというような御指摘もあったかと思いますけれども、私どもが出させていただいた資料でございますが、女性役員の話は機関投資家の方々もかなり注目されているということで、市場からの評価も大きいのではないかと考えておりますので、そういうこともあって企業の方々が自主的に取り組んでいかれることになるのではないかと考えております。
 地方への展開ということでは、私どもがかなり前からつくらせていただいております男性リーダーの会というのがあって、女性活躍を進めていらっしゃる企業さんのトップにお集まりいただいている会でございますけれども、中央だけではなくて、それを地方でさせていただきまして、地方で役員登用も含む女性活躍をどうやって進めていくかということを都道府県の担当と男女局とで連携させていただいて進めておりますので、そういった好事例の横展開も進めていきたいと思っております。
 山本先生から、働き方も重要ではないかという御指摘をいただいております。確かに、例えば育児とか介護を両立されている女性役員とか、いろいろなロールモデルが出ていかないと、実際にはこれはなかなか難しいのではないかと思ってしまわれる方もいらっしゃるのではないかと思いますので、そういった企業での多様な人材が登用される環境づくりを推進していくということも今後も引き続き取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。

○山田会長 ありがとうございます。
 ほかになければ、時間になりましたので、意見交換を終了したいと思います。
 関係府省庁におかれましては、本日の議論も参考にしながら今後の取組について検討を深めていただければと思います。
 次回取り上げるテーマと出席省庁については、事務局において調整をお願いいたします。
 最後に、事務局からありますでしょうか。

○岡田男女共同参画局長 特にございません。
 本日もどうもありがとうございました。

○山田会長 ありがとうございます。
 それでは、本日の会議は以上となります。皆様、お疲れさまでした。ありがとうございます。