計画実行・監視専門調査会(第14回)議事録

  • 日時:令和4年4月19日(火) 14:00~16:00
  • 場所:オンライン会議システム(Zoomウェビナー)にて開催
  1. 開会
  2. 議題
    (1)男性の家庭・地域社会における活躍について
    (2)ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループの開催について
    (3)最近の動きについて
  3. 閉会

【配布資料】

資料1
男性の家庭・地域社会における活躍について(内閣府説明資料) [PDF形式:3,112KB]別ウインドウで開きます
資料2
仕事と子育て等の両立を阻害する慣行等調査の結果について(内閣府説明資料) [PDF形式:1,255KB]別ウインドウで開きます
資料3
計画実行・監視専門調査会運営規則の一部改正について(案) [PDF形式:91KB]別ウインドウで開きます
資料4
ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループの開催について(案) [PDF形式:128KB]別ウインドウで開きます
資料5
ジェンダー統計に関するニーズ調査について(内閣府説明資料) [PDF形式:574KB]別ウインドウで開きます
資料6
政治分野におけるハラスメント防止研修教材について(内閣府説明資料) [PDF形式:337KB]別ウインドウで開きます
資料7
男性の育児休暇やテレワークなど多様な働き方の定着促進について(厚生労働省説明資料) [PDF形式:2,108KB]別ウインドウで開きます
資料8
学校関連の活動・行事への住民の参画について(文部科学省説明資料) [PDF形式:1,226KB]別ウインドウで開きます
資料9
公共交通機関や公共施設の整備における配慮について(国土交通省説明資料) [PDF形式:1,033KB]別ウインドウで開きます
資料10
各種行政手続におけるオンライン化の推進(デジタル庁説明資料) [PDF形式:1,740KB]別ウインドウで開きます
資料11
テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会について(人事院配布資料) [PDF形式:330KB]別ウインドウで開きます
参考資料1
改正後の計画実行・監視専門調査会運営規則(案) [PDF形式:142KB]別ウインドウで開きます
参考資料2
政治分野におけるハラスメントの防止について(パンフレット) [PDF形式:1,573KB]別ウインドウで開きます
参考資料3
計画実行・監視専門調査会名簿 [PDF形式:107KB]別ウインドウで開きます
参考資料4
女性活躍・男女共同参画の重点方針2021 [PDF形式:1,504KB]別ウインドウで開きます
参考資料5
女性活躍・男女共同参画の現状と課題 [PDF形式:5,999KB]別ウインドウで開きます

【出席者】

会長   
佐藤 博樹  
中央大学大学院戦略経営研究科教授
委員   
石黒 不二代 
ネットイヤーグループ株式会社代表取締役社長兼CEO
同    
井上 久美枝 
日本労働組合総連合会総合政策推進局長
同    
大崎 麻子  
関西学院大学客員教授
同    
窪田 充見  
神戸大学大学院法学研究科教授
同    
佐々木 成江 
お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所特任教授
同    
治部 れんげ 
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授
同    
白波瀬 佐和子
東京大学大学院人文社会系研究科教授
同    
徳倉 康之  
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長
同    
内藤 佐和子 
徳島市長
同    
山口 慎太郎 
東京大学大学院経済学研究科教授
同    
山田 秀雄  
山田・尾﨑法律事務所代表弁護士
内閣府  
林 伴子   
男女共同参画局長
同    
吉住 啓作  
大臣官房審議官(男女共同参画局担当)
同    
杉田 和暁  
男女共同参画局総務課長
デジタル庁
湯本 博信  
戦略・組織グループ特命担当次長
文科省  
安彦 広斉  
総合教育政策局社会教育振興総括官
厚労省  
山田 雅彦  
雇用環境・均等局長
国交省  
加藤 進   
総合政策局次長

議事録

○佐藤会長 それでは、14時になりましたので、ただいまから第14回「計画実行・監視専門調査会」を始めさせていただきます。
 本調査会では、これまでに引き続き重点方針2022、いわゆる女性版骨太の方針に向けた議論を行っていきたいというように思います。
 今日、2つ大きな議題がありますけれども、まず最初に「男性の家庭・地域社会における活躍について」、皆さんと議論していきたいというように思います。
 最初に、内閣府の男女共同参画局長より資料1、資料2の説明をお願いいたします。

○林男女共同参画局長 それでは、画面を共有いたします。
 内閣府男女共同参画局長の林でございます。
 実は、私ども内閣府男女共同参画局の職員は、かつては女性ばかりでございました。しかし、この1年ほど、男性の職員を増やす努力をいたしまして、今ではこの局の職員は男女半々になっております。これは男性の視点も入れて共に議論しなくては真の男女共同参画は実現しないという強い思いからそのようにした次第であります。今回は男性の家庭・地域社会における活躍ということで、我が局の男性職員の総力を挙げて取り組んでもらいましたので、その資料を御紹介いたします。
 まず昨年11月に総理官邸で男女共同参画会議を行った際、岸田総理から男性の活躍の場を家庭や地域社会に広げていくことを一つの柱にするべしという指示がございました。今回はこれを受けた議論であります。
 まず男性の家事・育児への参画とその障壁です。
 家事に関する役割分担の希望を聞きますと、若い世代ほど配偶者と半分ずつ分担したいという希望が多く、特に20代、30代の男性では7割を超えております。男子も家庭科を学んだ世代であり、1990年代からの家庭科男女共修の教育の成果とも考えられます。
 ところが、現実には共働き世帯でも夫の家事・育児時間は極端に短く、妻が正社員で子供が小さくても夫の家事・育児時間は妻に比べて相当に短いという実態がございます。
 これを国際比較すると、日本の男性の労働時間は長い一方、家事・育児などの無償労働時間は女性に大きく偏っているのがお分かりいただけるかと思います。
 このように希望と現実が大きく乖離している背景には様々な要因が考えられますが、その一つは、父親が育児をしたくてもしにくいという環境があると思います。私どもは父親の育児参画を阻んでいる身近な問題について意見を募集してみました。そうすると、大変数多くの意見が寄せられました。
 例えば幼稚園、保育園などでは母親にしか連絡が来ない、お母さんに伝えてくださいと言われてしまうなど、父親のやる気がそがれるようなことがある。また、保護者会が平日午後に開催されるといったことが挙げられています。小学校ではPTAや授業参観は母親ばかりで、父親が行きづらいという雰囲気があるといった指摘もあります。
 また、少年野球では父親と母親の役割分担がなされている。
 あるいは駅やデパートなどで男性用トイレにおむつの交換台がない、また、トイレの個室で親が用を足している間に小さい子を座らせるベビーチェアというのがありますが、男性用トイレではないといった指摘があります。
 さらに、職場の上司、同僚の理解がない。
 自治体の乳幼児健診や両親学級などに父親が行きにくい雰囲気があるなどの指摘がございます。
 男性の育児参画を促すためには、こうした身近な慣行やしきたりを一つ一つ変えていくことが必要と考えられます。
 他方、コロナ下で子供を持つ男性の4割弱で育児・家事時間が増えたというデータがございます。この背景には、テレワークの普及もあると考えられます。全国では32%、東京23区に限ると55%がテレワークを活用しています。東京ではほぼ100%テレワークという人が16%、半分以上テレワークという人が15%に上っております。
 東京都の調査では、約半数の男性が平日、家で仕事以外に使える時間がコロナ前に比べて増えたという結果になっておりまして、特にテレワークを行っている人で顕著であります。コロナをきっかけに増えたテレワークをさらに普及させていくことも男性の家事・育児参画に資すると考えられます。
 また、男性の育児休業の取得率は上昇傾向にあります。民間企業と地方公務員は13%ですが、国家公務員は総理官邸のトップダウンの指示に加え、各省での様々な工夫もございまして、現在、半数を超えております。企業や行政の現場での取組を見ますと、100%取得を実現している職場も見られます。
 次に、男性の人生をめぐる大きな変化として、単身男性の増加が挙げられます。最新の国勢調査によりますと、未婚の男性が増えており、50歳時点で4分の1の男性が未婚となっております。離婚も増えておりまして、結婚件数の3分の1まで増加しています。このため、50歳時点で未婚の男性が5%未満だったという、いわゆる皆婚社会だった昭和の時代、例えば1985年から男性の人生の姿が激変しております。また、離婚も増えておりますから、50歳時点で配偶者のいない男性の割合はほぼ3割となっております。このため、男性の一人暮らしは現在、約1000万世帯と全国の世帯の約2割に上っております。
 他方、男性が親などの家族を介護するケースも増えております。このように息子が介護をしているというのが増えておりまして、義理の娘、いわゆるお嫁さんの介護というのが減っております。介護をしている男性の場合、9割近くが働いています。
 他方、高齢者の虐待事案を見ますと、70歳代後半から80歳代の女性が多く虐待されています。詳しく見ますと、息子から虐待されることが多く、典型的には50代の未婚の同居する息子から高齢の母親への虐待というケースが多く見られます。
 次に、最近注目されております孤独・孤立につきまして、男性の状況を見てみます。年齢別に見ますと男女ともに30代で孤立・孤独感を感じる人が多くなっております。配偶関係別では未婚、離別、死別が多くなっております。
 近所付き合いを見ますと、男性の単身世帯、一人暮らしでは「あいさつをする程度」という人が半数以上となっており、「つきあいはほとんどない」と回答する割合も13%とほかに比べて高くなっております。
 また、東京23区の孤独死を見ますと、男性が全体の約7割となっております。
 孤独感が原因で自殺する人も男性のほうが多くなっております。
 なお、全国の男女共同参画センターなどで男性相談を行っている地方自治体がございます。そうした地方自治体にアンケートを行いましたところ、相談内容として夫婦、子供、親子関係など家族の問題が多く、次に健康・メンタルヘルスの問題が多くなっております。
 以上をまとめますと、大きく3つの課題があると考えられます。
 まず一つは、男性の育休取得の促進や働き方の改革であります。テレワークの活用など、コロナ前の働き方に戻さないということが重要だと思います。また、国家公務員については、別途人事院の資料もお配りしておりますが、現在、人事院で研究会を立ち上げて検討しておりまして、健康管理の観点からも勤務間インターバル制度の導入などが求められていると思います。
 また、男性が育児をしたくてもしにくい環境を変える必要があると思います。公共施設の整備に加え、様々な慣行を見直したり、手続のオンライン化が重要だと思います。
 また、一人暮らしの男性が増えるなど、男性の人生の姿も変化、多様化しています。悩みを抱える人も増えていることが推測されます。一部の自治体で行われております男性相談窓口の整備、拡大、充実も必要と考えられます。
 なお、資料2のほうでございますが、先ほど御紹介した調査は男性の育児に限らず、幅広く仕事と子育て等の両立を阻害する慣行の調査として、私ども男女共同参画局で昨年末から今年1月にかけて行ったものでございます。特に幼稚園・保育園に関すること、外出先のことなど、大変数多くの困り事が寄せられております。
 まず幼稚園・保育園などでは、手続が手書きで何度も書くとか、オンラインでないので困るとか、また、おむつなどに一つ一つ記名をしなくてはいけない。また、使用済みおむつの毎日の持ち帰りや、毎週布団を持ち帰るなどの負担も指摘をされています。連絡帳が手書きであったり、お知らせが紙、連絡方法が電話のみなど旧態依然、昭和の時代と変わらずデジタル化されていないという指摘が多くされました。
 また、小学校も学用品の準備が手間だったり、給食当番のスモックや帽子を自宅で洗濯してアイロンがけをする、こういったこともまだやっているところがあります。
 また、PTA、保護者会が平日で対面ということで困るといった指摘もあります。
 通学時の見守り当番など、外注すべきものもあるのではないか。また、現金で集金というのは負担である、こういった指摘もございます。
 また、外出先ではエレベーターの数が少なくてベビーカーでの移動が困難といった指摘、歩道や何かが狭くて危ない。
 また、公共施設や商業施設の男性用トイレにおむつ替えやベビーチェアがないというのは先ほど申したとおりでございます。
 また、離乳食の手作り神話の問題や、女性がそもそも家事をやるものという意識の問題などが改めて指摘がされております。
 このように様々な身近な困り事について、私ども政府、関係省庁の取組はもちろんのことでございますが、それぞれの現場でも関係者が一つ一つ解決していくことが大事だと考えております。せっかく家事・育児の分担に関心を持つ若い世代が増えているわけですから、父親が育児に参加しやすい環境と雰囲気をつくっていくことが重要と考えております。
 私からは以上でございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。具体的にいろいろな場所で困られていることも調べられていて、どうもありがとうございます。
 それでは、次に、厚生労働省の山田雇用環境・均等局長から、資料7について御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

○山田雇用環境・均等局長 では、厚生労働省雇用環境・均等局長の山田です。
 資料7で男性の育児休暇、テレワークなど多様な働き方の定着促進について御説明申し上げます。
 まず男性の育児休業の促進についての説明から入ります。スライドの1ページ目から4ページ目ですが、1ページ目は男性の家事・育児時間に関する調査、先ほど林局長から説明いただいたものに近い内容ですけれども、日本の夫の家事・育児関連時間というのは1時間23分ということで、国際的に見ても低い水準になっています。
 一方で、中ほど、それから、右端のデータにあるとおり、夫の家事・育児時間が長いほど妻の継続就業率、第二子以降の出生割合も高くなるといった調査結果も出ていまして、そういう意味からも男性の育児参加の重要性というのは伺えます。
 2ページ目ですが、男性の育児休業取得率に関する現状を見ると、全体としては数字が上がっておりますけれども、女性と比べると依然として大きな開きがあります。
 それから、次の3ページ目ですけれども、育児のための休暇・休業を希望していた男性労働者のうち、育児休業の利用を希望していたにもかかわらず、それができなかったという割合、ここでいうと1番と2番ですが、合わせて4割弱ということで、男性についても取りたいという希望が十分にかなっていないという現状がございます。
 それから、4ページ目で、男性が育児休業を利用しなかった理由について見ると、収入を減らしたくなかったから、職場が育休を取得しづらい雰囲気、または上司、職場の理解がなかった、自分にしかできない仕事があったから等が多くなっております。
 そういったものに対応して今回というか昨年、育児・介護休業法の改正を行っておりまして、今年の4月から順次施行されることになります。施行の順番に御説明します。
 最初に、今月から施行されております育児休業しやすい環境整備のためのものですけれども、職場の雰囲気や制度を知らないということを理由に育児休業の申出をしないということを防ぐために、妊娠・出産等の申出を行った労働者に対して個別の制度周知、休業の意向の確認の措置を義務づける。それから、育児休業を取得しやすい雇用環境整備として研修の実施だとか相談体制の整備などのうち、いずれか一つの措置を義務づけるということにしております。
 この話も後で出てくる産後パパ育休の話に比べて改正内容として、いわゆる地味な内容なのですけれども、実際は、これは周知の仕方としては、これまでの労働行政の在り方としては割と新機軸の在り方でありまして、昨日、日経新聞がアンケートを取った結果が出ておりましたが、それも実は男性育休に最も効果があるやり方というのはこの項目だという結果になっております。
 それから、7ページ目ですけれども、本年10月から施行される産後パパ育休と呼ばれている制度について、まず対象期間と取得日数については、子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能。申出期限についても通常の育児休業制度は原則1か月前ですけれども、これについて2週間前まででオーケーというようにしています。
 分割取得に関しましては、現行制度では原則分割取得はできない形になっておりますけれども、産後パパ育休については分割して2回までで取得することが可能になっている状態であります。だから、産後パパ育休と併せて今回の改正で通常の育児休業も2回分割できる形にしたので、最大、1歳までの間に4回取得が可能という形になっております。
 それから、産後パパ育休期間中に関しては、休業中も就業可能としております。これについてはいろいろ御議論ありましたけれども、現行制度ではあらかじめ予定した就業を行うことはできないこととなっておりますが、育児休業を取得しなかった理由として業務が繁忙だとか、自分にしかできない仕事があっただとか先ほどアンケートでもお見せしたとおりの声が多かったこともあって、ここを柔軟にして、休業中でも労使協定を締結し、合意がなされた場合に限っては、あらかじめ予定した就業を可能とすることにしております。
 資料はつけておりませんが、昨今の中で結構重要な話として、この5番目の有期雇用労働者の育児・介護休業の取得要件の緩和であります。これまであった雇用された期間が1年間という要件を今回外しますので、実際、育児休業は非正規労働者が取れないという問題の一つが有期労働者に対する制約だったのですけれども、これについて要件を緩和します。
 実際、今、巷間言われているところと様子が違っているというものとして、企業とかで働いている人の中で週20時間未満しか働いてない人は全体の1割しかいません。そんな中で困っているというか育児休業を取れないとかという問題というのは、結構有期雇用労働者問題というのはあるということで、ここに着目して今回、産後パパ育休等と併せて要件緩和を行ったところであります。
 そのほか、従業員1,000人超の企業を対象として男性の育児休業の取得状況の公表の義務化を行ったり、くるみんの認定基準についても育児休業の公表の話を絡めたり、さらに特に今回の件で非常に大変になるということで、いろいろ御意見があった中小企業に対しては、11ページと12ページにあるような企業支援についても設けております。こういった対応によって男性の育児休業取得率に関して2025年までに30%とする目標を定めていて、改正法の施行を通じて男性の育児休業取得には努めてまいりたいと思います。
 私は昨年秋から今のポストに就いておりますけれども、結構こういったいろいろな法制度の改正とかを行うに当たっても、どうせ日本社会というのは変わりっこないとか、日本の男は駄目だとかといった結構冷笑する向きもありますけれども、今回の改正に関しては企業の人事の反応はかなり本気度が高くて、私自身は結構社会が変わる予感をしております。
 これもメディアの情報ですけれども、本日の読売新聞が、採用関係のアンケートを主要企業に取ったところ、働き方改革の企業のアピールポイントとして幾つかの長時間労働の是正だとかが挙がっておるのですが、断トツで多いのは子育て・育児支援、これが9割を超えた企業が、それが働き方改革のアピールポイントだということで、ほかのいろいろな項目に増して強く急に意識されているというところでございます。
 それから、もう一つの論点、男性の育児休業の話だけではなくてテレワークの話があります。ここにありますようにコロナを挟んで平成24年度に11.5%だったテレワーク導入企業の割合は令和2年度には47.5%、それから、テレワークを実際実施しているテレワーカーの割合というのは平成28年度7.7%から24.5%になっております。これというのはコロナが収まった後のポストコロナの時代においても新しい働き方として定着することがあってほしいですし、そもそもこれは時間や場所を有効に活用できる働き方であって、これは男性、女性ともですけれども、ワーク・ライフ・バランスの実現に資するものであると思っております。
 厚労省としてはテレワークに関するガイドラインというのを出しているのですけれども、これは令和3年の3月、コロナ禍でテレワークが急増していく中でガイドラインの改定を行っておりますが、以前はテレワークの機器を入れたりとか、それを使いこなしたりするというところに力点が置かれてきたのですが、ここまでテレワークが広がってくる中でポイントになっているのは実際の運用、さらにいえば人事労務管理とか雇用管理の在り方をどうしていくべきなのかということに世の中の関心も移っていって、それに対応して今回のようなテレワークガイドラインの改定を行っております。
 テレワークのワンストップのサポート事業ということで相談対応というのをしているのですが、以前は総務省と厚労省で縦割り的にやっていたのですが、これは今年度から一体的にやる形に変えております。あと助成金等での支援というのも引き続きしております。こういったものを支えに、よりよい形のテレワークというのが実現できるような方向にしていきたいと思っております。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 林局長の資料で男性の子育て参加がなかなか進んでいないということがありましたけれども、企業に雇用されている人については今回法改正があって、男性だけ取れる新しい産後パパ育休と、それから、従来の育休も残っているのね。その上で個別周知が入ったというのが結構大きな点で、従来だと例えば育児休業の給付金があるとか、あるいは社会保険料免除があるのは知らない人も結構まだ多いので、そういう意味ではもう少しこの法改正が実行に移されていくと変わっていく可能性はあるかと思います。どうもありがとうございました。
 文部科学省の安彦総合教育政策局の社会教育振興総括官から、資料8、御説明いただければと思います。

○安彦社会教育振興総括官 文部科学省の社会教育振興総括官をしております安彦と申します。
 私のほうから「学校関連の活動・行事への住民の参画について」ということで、資料に基づきまして御説明させていただきます。
 まず最初に、これまで指摘がございましたPTAの関係でございます。これはPTA団体における取組の事例ということでございますが、1つ目、これは高知県の幼稚園のPTAの取組でございます。お話があったようにPTA活動、かなりの部分が母親に依存しているようなところがあるわけですが、これは当然地域差があったり学校種によっても違いがあったりするわけですが、特に幼稚園の場合は女性のPTA会員の方が多いということで、そういったところから母親だけではなく父親も学ぶ機会をということで、これはお父さんの子育て講座というのを開始したという事例でございます。
 これは父親が参加しやすい日時にということで、この事例では金曜日の午後7時、19時から開催するというような形をアンケートで決めたと聞いておりますけれども、こういった形で子育てに関する知識を得るだけではなくて、父親同士の交流にもつながるということで、こういったことの取組の効果としまして、こういったつながりを持つことで小学校以降のPTA活動の参加というのも父親のほうも活発になるということで、こういった協力体制が形成されているということでございます。ちなみに、令和4年度のこのPTAのほうですが、会長と副会長に父親が就任したということを聞いておりますので、そういった形でも成果が出始めているということの取組でございます。
 2つ目、これは京都府の京丹後市立峰山小学校の取組でございますが、こちら、お父さん・お母さん授業ということで、お父さんとお母さんがそれぞれ、これは小さい子供の前で授業のような形で参画するということなのですけれども、これは実際皆様、PTAの狙いとか運営について情報共有しながら取り組んでいるわけですが、令和2年度はこういった事例、事業内容を書かせていただいておりますが、こういったものに取り組んでいるということでございます。こちらもいろいろな保護者の方、多様な分野で活躍されておりますし、それぞれ様々な仕事、背景がございますが、そういった方、ふだんと異なるような授業の雰囲気を子供たちが味わいながら取り組む、こういった取組を通してお父さんもお母さんもこういったPTA活動に取り組むということが進められているというものでございます。
 これはPTAのほうですけれども、次に御紹介させていただきたいのは、コミュニティ・スクールというものでございます。これは聞き慣れない方もいらっしゃるかと思うのですが、保護者だとか地域住民が学校運営に参画するということで学校運営協議会というものが正式な名称ですが、これをコミュニティ・スクールという形で呼んでおります。
 これは地域とも連携・協働しながら学校運営に取り組む学校のことでございまして、真ん中にコミュニティ・スクールの学校運営協議会があるわけですが、市町村の教育委員会のほうが実際に設置して委員を任命するわけですが、校長の意見を反映しながら人を人選しながら、校長が今度、学校運営の基本方針を説明して承認をいただいたりというような形で、かなり学校経営全般に対して協力していただくような組織的・継続的な関係というものでございます。
 これは当然、下のほうにありますけれども、コミュニティ・スクールのメリットとしまして、個々のつながりだけではなくて組織的に持続可能な形で地域と関わり合っていく、保護者とも関わり合っていくということが大事だろうというものでございます。
 また、目標とか課題、先ほど言ったように共有していただくというのがとても大事でございまして、そういうことによって関係者全員が当事者になるということで、例えば先ほど言ったような男女共同参画という視点がもし欠けているのであれば、そういったことをしっかりと目標とか課題として取り組むということがそういった課題解決につながっていくと考えております。
 また、これは当然いろいろな意見がありますので熟議という形で、地域全体でそういったことを話し合うということはとても大事にしておりまして、そういった形で様々な課題、男女共同参画という観点もそうですし、父親がなかなか参加しづらいだったり、参加しやすい日時にそういったPTA活動が参加、設定されないということも、では、どうやって解決するかというのをしっかり話し合って決めていく、そういったことが大事だということで、そういった活動の核になるものだと考えております。
 こちら、具体的にはこういった関係図になっておりまして、学校運営協議会というのはコミュニティ・スクールですけれども、右側のほうに地域学校協働本部というものがございまして、これはPTA活動もそうですけれども、社会教育の活動も含めて地域で様々な活動をするということ、これは真ん中に地域学校協働活動推進員という者がおりまして、ここがつないでいくというものでございまして、ここで一体的に推進していくことを目指しております。ですので、先ほど言ったコミュニティ・スクールがPTA活動も含めて様々な地域の課題、お父さんもお母さんも学校に参画しやすいような環境をつくるという意味では、ここが中心となって持続可能な形でやるというのが非常に効果的だろうと考えております。
 次が具体的な事例として、これは三鷹市での事例でございますけれども、三鷹市でもこういった学校運営協議会というのを全ての学校で持っているわけですが、この中でこういった取組がなされております。ここで特にお伝えしたい点でございますけれども、今後の方向性とありますが、昨今のコロナ禍の関係でリモート開催というのを試みているということでございますが、こちら、リモート開催で参加しやすくなるというようなことも聞いております。こういった参加しやすくなる環境というのはとても大事でございまして、この三鷹市は大体平日の夜にこういったことを今までリアルでも開催していたということですけれども、そういったリモートを活用することによってより参加しやすくなったということも聞いておりますので、こういった取組が進んでいくと男女それぞれ参画しやすくなるような環境がさらに深まるのではないかと思っております。
 ちなみに、三鷹市のほうでは、この学校運営協議会に参加している男女比率でございますけれども、女性割合51.8%、これは少し下がってきた数字でございますが、この背景としましては、PTA活動のほうに父親、お父さんの会、おやじの会と言われているような活動を通じてPTA活動にも父親が参加するようになってきたということで、そこからさらに発展して、こういった学校運営協議会のほうにも父親のほうも参加の比率が高まってきたので男女比率、女性比率が少し下がってきて51.8%になっているということで聞いております。こういった活動を通じまして保護者と教員とPTA活動もそうですけれども、皆さんが参画しやすいような学校活動、学校に関する活動というのを今後も進めていければと思っております。
 ちなみに、コミュニティ・スクールもまだ実際のできているのが3分の1にとどまっておりますので、これをできるだけ早急に100%に持っていくべく、文科省としても取組を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。学校運営に父親、男性も参加しやすいようなことも進んでいるということだと思います。
 それでは、国土交通省の加藤総合政策局次長から、資料9について御説明いただければと思います。よろしくお願いします。

○加藤総合政策局次長 国土交通省総合政策局次長の加藤でございます。聞こえていますでしょうか。
 私のほうからは「公共交通機関や公共施設の整備における配慮について」ということで、3点、御報告させていただきたいと思います。
 資料の2ページ目を開けていただけますでしょうか。
 1点目がトイレの関係です。特に男性が子育てに参画しやすくするための環境整備ということで、先ほども林局長からお話がありましたが、男子トイレにベビーチェアですとかおむつ交換台がないというようなお話もございました。私ども、こういったものについて車椅子の方々が使用されるトイレの機能分散、こういったことを通じて取組を後押ししていきたいというようにやってきているところでございます。
 これは機能分散、どういうことかと申しますと、もともとバリアフリーの流れの中で、車椅子の方々用のトイレというものの整備を進めてきていたのですが、何分、広さ、広いスペースを確保しているということもあって、様々な設備が併せてセットで整備されてきておりました。その結果、本来、やはり車椅子の方々が使用したいと思っても使用できないような場面というのも出てきたことを受けまして、車椅子の使用者用のトイレ、これが持っている機能をもっと分散させようではないかと、こういうことについて取り組んできておりまして、そういったことをガイドラインなどで明確化してきたところでございます。
 その後、令和2年におきまして共生社会におけるトイレの今後の在り方についてという考えを取りまとめまして、その中で今、申し上げた機能分散の話も改めて確認いたしました。そして、今後のトイレ整備に求められる基本的な内容ということで、機能分散の対象といたしまして、このイメージ例がありますけれども、オストメイト用の設備と並んで乳幼児連れの方用の設備、こういったものについても車椅子用のトイレから男女の一般トイレに整備を推進する、設置を推進していこうということを改めて確認いたしまして、令和2年度以降、公共交通機関の旅客施設あるいは建築物などのバリアフリー化のガイドラインにおきまして改めて考え方を明確にするとともに、例えば男性用便所にも乳幼児用の設備を設置した事例などを御紹介することによって、改めて今、申し上げたような考え方を施設設置の管理者等に周知を図ってきているところでございます。
 具体的に右下の写真のところに、一般用のトイレに乳幼児施設が設けられた事例ということで、例えば札幌の地下鉄の大通り駅ですとか、あるいは大阪の地下鉄の心斎橋、こういった多数のお客様が利用される駅の男性用のトイレでベビーベッドですとか、あるいはベビーチェアが整備されてきている、このような事例も出てきているところでございます。
 また、鉄道駅だけではなくて高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、こういったものもガイドラインの対象になっておりまして、東京の近辺で申し上げますと海老名のサービスエリアなどでも同様の取組が進められてきているところでございます。
 また、こういったことを後押しするために、私ども、バリアフリー化の改修のための国庫補助制度というものを設けておりまして、これを活用して乳幼児用設備の設置も含めたトイレの改修を行う場合には、この国庫補助を活用して支援を実施してきているところでございます。
 続きまして、2つ目ですが、公共交通機関の車両の関係でございます。特にベビーカーの利用環境を整備するということの御紹介でございます。この上の部分にフリースペースの設置促進ということで書いてございますけれども、公共交通機関におけるベビーカーの利用環境の改善、特に鉄道やバスの車内でもベビーカーを折り畳むことなく乗車できますよと、こういったことを後押しするために、フリースペースの設置というものを促進してきております。
 このフリースペースの設置の促進に当たっては、先ほども御紹介いたしました公共交通機関の旅客施設などの移動等円滑化整備ガイドライン、いわゆるバリアフリーのガイドラインにおいてその考え方を明確にしておりまして、具体的には上の箱の右下にありますようにフリースペースのところで、例えば床面ですとか、壁面に身体障害者マークと並んでベビーカーマークを表示することによって一般エリアと区別する。あるいは通勤型電車においては各車両に1か所ずつ、こういうフリースペースを設ける、こういったようなことをガイドラインでお示しして整備を促してきているところでございます。
 また、鉄道に関して申し上げると、最近、鉄道駅のバリアフリー料金という新たな料金制度を設けまして、バリアフリー化に取り組むということを前提として、そのために別途、通常の運賃料金とは別にバリアフリー料金というものを取ることができる、こういう制度をスタートさせております。こういったものを活用してフリースペースが整備された鉄道車両、こういったものの整備というものを後押ししていきたい、こんな環境を整えたところでございます。
 それから、最後に3つ目、キャンペーンの関係でございます。ハードの整備と並んで、やはり交通機関等の利用者の意識の改善という、あるいは理解と協力を図っていきたいということで、ベビーカー利用キャンペーンというものを実施しております。具体的には資料の下の部分ですけれども、公共交通機関、中でも鉄道やバスの車内でベビーカーを折り畳まずに乗車すること、こういったことについて周囲の利用者の方々の理解と協力を得るためにベビーカー利用キャンペーンというものを行っております。
 実は今年もこの5月1日から1か月間、このキャンペーンを実施することにしておりまして、このブルーでかかっている左下の2つ目の矢羽根ですけれども、鉄道駅ですとか商業施設でポスターの掲示、チラシの配布あるいは車内のデジタルサイネージですとか国交省のホームページやツイッター、政府広報の番組を通じた周知など、様々な媒体を活用してこのキャンペーンを発信しているところでございます。詳細につきましては今週金曜日に発表する予定にしておりますけれども、こういったキャンペーンを通じてベビーカーの方々、そして、それ以外のお客様の理解と協力を得るための取組というものを進めてまいりたいというように考えております。
 私からは以上でございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 それでは、最後になりましたが、デジタル庁、湯本次長から、資料10について御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○湯本次長 デジタル庁戦略・組織グループ次長の湯本でございます。聞こえているでしょうか。

○佐藤会長 聞こえています。よろしくお願いします。

○湯本次長 私のほうからは、各種行政手続におけるオンライン化の推進の一つといたしまして、子育てワンストップサービスにつきまして簡単に御説明したいと思います。
 デジタル庁におきましては、国民の子育ての負担軽減を図るといったような観点から、2019年に子育てワンストップサービスというものを開始しております。これは、これまで子育てをする御家庭におきましては、役所への手続を行う際に手続に必要な書類を確認したり、あるいは手続の申請を行う際には直接自治体を訪れる必要がありまして、これによって例えば自治体の窓口が開いている平日の日中といったような時間帯の制約の中では、事実上、男性が全て対応するというのは困難な面が多々あったところでございます。
 このような観点から、2019年、私どものほうでマイナンバーカードを活用した行政サービスをオンラインで実現するといったマイナポータル、このサービスにおきまして、子育ての関連手続について、サービスの検索、オンライン申請、それから、プッシュ型のお知らせ等を行える子育てワンストップサービスを開始したところでございます。このようなサービスを活用することで、先ほど申し上げたような仕事をしている男性であっても手続の概要の検索であったり、また、手続の申請を自宅等からオンラインで直接できるようになったということでございます。
 この普及状況についてでございますが、現在、サービスの検索といたしましては、既に1,500を超える自治体が対応済みでございます。また、オンライン申請のほうは約1,000の自治体が対応済みでございます。今後、この団体数をさらに拡大していくということをデジタル庁としても今、目指しているところでございます。
 また、プッシュ型のお知らせにつきましては、残念ながらこのような機能を活用して住民にお知らせしている自治体というのは限られているというのが実情でございますが、できる限り今後その拡大、働きかけを行っていきたいというように考えているところでございます。
 このような地方の行政手続のオンライン化につきましては、デジタル・ガバメント実行計画、令和2年12月25日に閣議決定をされたものに基づきまして進めているところでございます。こちらの中におきましては、取組の方針といたしまして、2022年度末を目指して原則、全地方公共団体で特に国民の利便性向上に資する手続について、マイナポータルからマイナンバーカードを用いてオンライン手続を可能とするというように記されているところでございます。この全体の方針に従いまして、国の支援策としましては、例えばデジタル庁主体におきましては、マイナポータルの全自治体接続環境の構築であったり、マイナポータルのUX・UIの改善、また、総務省におきましては、各自治体の基幹システムとのエンド・ツー・エンドの標準仕様書の提示や自治体内の接続に係る財政措置等を行うことで実際の施策の推進を進めているというようなところでございます。
 続きまして、このスライドをご覧いただければと思います。今、申し上げました手続の中で特に子育てに関する手続というのはどんなものがあるというものがこちらのほうの青い部分、15手続でございます。このような手続について地方自治体が優先的にオンラインを推進すべき手続として選定したものでございます。その他、介護関係や自動車保有関係についても合わせて合計31の手続を選定して書いてあるところでございます。
 次のスライドにつきましては、これは先ほど申し上げた方針に従いましてデジタル庁といたしましては、マイナポータルにLGWANと接続機能を実装して、全ての自治体においてマイナポータルから電子申請のデータをダウンロードできる環境を整備しているというところでございます。これによりまして、今まで個別に各団体で調達が必要だったものが一括して簡便なやり方で地方自治体のほうがオンライン申請の環境を整えることが可能となったというところでございます。
 また、もう一つ大きな取組といたしまして、電子申請に係る標準様式のプリセットによるサービス改善というのも行っているところでございます。これは各自治体においてオンライン申請を導入するに当たりまして、各自治体がオンライン申請を開始するための作業負担、こういったものを軽減するという観点から、子育て、それから、介護、被災者支援等の手続につきまして標準様式のプリセットを進めております。このような標準様式を活用することによって、各自治体におきましては、独自に申請様式を作成することなく電子申請サービスの提供が可能というような関係になっています。なお、各自治体におきましては、この標準様式に自ら項目を追加するとか適宜編集するといったような柔軟性を持っているというところでございます。
 以上、簡単でございますが、私からの説明は以上でございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 議題の(1)は男性の家庭・地域社会における活躍、参画についてということで、それを阻害するような制度、慣行、どんなものがあって、それをどう取り除いていくのかということが今日の議論していただきたいところです。関係するそれぞれの省から御説明いただきましたので、皆さんから御意見を伺いたいと思いますが、いつものように特定の方への御意見でも御質問はどなたへと言っていただければと思いますし、今日のテーマについての全体の質問、御意見であればそういうように言っていただければと思います。
 それでは、山田委員が15時に出なければいけないということですので、山田委員のほうから最初に御質問なり御意見があればお願いいたします。

○山田委員 すみません、先に退室するということで御指名いただきましてありがとうございました。
 内閣府の御説明はじめ各関係省庁の詳細かつ丁寧な御説明をいただき、大変参考になり、目からうろこという部分もたくさんございました。私は実務家で弁護士業務をしている関係で、特にこれは全体に対する印象になるのだと思いますが、全体観として男性の育児・家事参加に向けて諸制度の充実、インフラ整備というのは非常に整ってきたなということを感じました。
 とりわけ、こういった制度をつくることに加えて若手の世代の男性の意識が特に育児・家事に対する志向がかなり高まってきて、積極的にやりたいという人が増えてきたということは、これは昭和、平成と比べて大きな違いだろう。ただ、堅実問題としてはそれがなされていないというのが仕事でその時間を取られている。意識が改革されてきたにもかかわらず、その仕事に時間が取れていることは、これは言わば企業側の姿勢にもいろいろと問題があるだろう。
 それに対して、これは山田局長の御説明だったと思うのですが、ようやく企業が重い腰を上げてきて、企業が本気度を高めてきたということをおっしゃっていましたが、これは私、実際に様々な会社の仕事をしていて、国からの発信ということもあるし、それから、諸外国と比べて日本が非常にこの問題について遅れているということに対する危機意識が、その発信に対して企業が本気で腰を上げてきたという感触を持っています。そういった点では、せっかくいい制度、インフラ整備が行われてきたことに対して、これをどれだけ中身を充実したものにしていくかというのがこれからの課題だろうと思います。
 さらに、もう少し申し上げると、一方で、男性についても単身所帯が増えてきて、これは未婚、それから、離婚も含めると50代で30%、それから、いわゆるそれに伴って孤独感が増幅していって自殺とか孤独死が増えているというのは、これは実際に実務でも、また現実にプライベートの周りを見ていても孤独死といったのが非常に増えていて、言葉は適切かどうか分かりませんけれども、男性側も大分脆弱になっている部分があるなというようなことを感じていて、これについても相談窓口を作るというようなことも一つ重要なことかなと思っています。
 例えば私、実際に離婚事件などをたくさん扱っている経験からすると、離婚後は、女性はどちらかというと経済的な苦労というのは非常にメインなのですね。男性の場合は非常にメンタルがやられる場合がある。特に例えば最近、家事事件の中でも面会交流を求める調停は物すごく増えているのです。これはどちらかというと、親権は女性に行き、小さい子供に会えない男性側が面会交流を申し立てて、そういった事件もたくさん受任してお話を聞くのですが、かなり子供に会えないといったようなことで精神的にメンタルダウンしているという男性が増えている。
 それから、孤独であるということについて寂しいということを言う人が男性の場合、とても多いなという、これは印象ですけれども、ですから、女性に関していうと、やはり経済的な困窮ということが大きな課題で、男性に関していうと、そういった精神的なメンタルダウンの問題をどういうように取り扱っていくかという、私、実務レベルでよく考えていることなので、今日はそれを反映するようなデータをいただいたということで、大変参考になりました。全体に対する印象で申し訳ありませんが、ありがとうございました。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 この後、皆さんから御意見を伺ってですけれども、時間もちょうどそろそろ1時間ぐらいかなと。私のほうからちょっと。
 今、高齢者の孤独・孤立の話なのですけれども、客観的、これは孤独と孤立は分けなければいけなくて、客観的に高齢期になれば、例えば結婚して子供がいても子供が独立したりとか、夫婦結婚していてもどちらかが先に亡くなるわけですね。やはり1人になっていく。そういう意味では独居が増えていく。あるいは体力的にも低下し、なかなか外も出づらくなるので、やはり社会的な孤立というのは高齢者の場合、状況によってだんだん増えてくるのは間違いないのですよね。
 そういう中でいかに孤独感を持たないで済むか、これがすごく大事で、客観的に孤立の状況にあるのだけれども、孤独感を持たないで済むようなつながりを持てるかとか相談相手がいるかみたいなのがすごく大事で、この点、男性の場合は、やはり企業に勤めていて家の周辺にネットワークがない人がすごく多いので、ですから、企業から定年退職してしまうと地域につながりを持っていない人が多いので、女性以上に孤立する人が多くて孤独になっていくと思うので、そういう意味でやはり若いうちから、30代、40代、50代のうちから社会的なそういうネットワークをつくっておくということが実は男性、すごく大事なのかなと。孤立の状況にあっても孤独を感じないで生きていけるというのがすごく大事かなというようにデータを見ていて思いました。
 それでは、いつものとおり、ここですみません、中途半端ですけれども、5分ぐらい休憩して、3時からもう一度、皆さんに御質問を伺って、その後、今日、御報告いただいた方からまとめて回答なり感想をいただければと思いますので、ちょっと早いですが、3時ちょっと前まで休憩、3時からスタートしたいと思います。では、5分休憩です。よろしくお願いします。

○山田委員 お先に失礼いたします。ありがとうございました。

(休憩)

○佐藤会長 それでは、そろそろ再開ということで、御質問いただいて、その後、御回答なり御意見を伺うということがありますので、皆さんの御質問は3時半頃までで、その後、御説明いただくというような時間配分でできればというように思いますので、その辺、多少御配慮いただければというように思います。
 それでは、御意見なり御質問ある方、挙手、手を挙げていただければ指名しますので、どなたからでもよろしくお願いします。誰もいない。
 では、窪田委員、お願いします。

○窪田委員 窪田でございます。
 私もちょっと早めに45分ぐらいに失礼させていただかなければいけませんので、先に発言させていただければと思います。

○佐藤会長 どうぞ。

○窪田委員 一つは感想で、一つは質問なのですが、一つ、今日お話しいただいた内容は非常に面白かったですし、自分自身も男性としてこれから孤独な生活が待っているのかなとかいろいろ考えておりました。
 ただ、今日伺っていた話というのは、ひょっとするともっと深刻なのかなというように思いましたのは、例えば先ほど佐藤先生からお話もあったような形で、職場の人間関係しかない男性というのはその後、孤立していく、孤独になっていくということだったのですが、そこで男性の固有の問題とされているのは、ひょっとすると現在は女性の社会進出が十分に進んでおらず、女性は働いているといってもパートとか比較的柔軟に対応できる。これが本当にフルタイムで働くようになったら同じような問題が出てくるということなのだろうと思います。そうすると、物の考え方として、男性の固有の問題を今の女性の状況に寄せて解決するのではなくて、男女ともがフルタイムで社会進出して当たり前に働くようになったときにどういう構成が考えられるのかということなのだろうと思いました。
 その中で、オンラインでの働き方であるとか、デジタル関係でいろいろな申請を簡単にするというのはすごく大事なことであるのだろうと思いますけれども、コロナ後にそうしたものをどこまで生かしていけるのかというのが多分鍵になるのかなというように思いながら伺っておりました。
 以上、感想です。
 一つは質問なのですが、デジタル庁のほうからマイナポータルの普及状況についてのお話がありました。地方自治体に対する関係でこれだけの数の地方自治体でも採用してもらったりとかそういうお話はあったのですが、恐らくもう一つ非常に大事なのが、マイナンバーカードの普及というだけではなくて、マイナンバーカードを使ったマイナポータルが実際にどの程度利用されているのかということがあるのではないかというように思います。
 つまり、スマホなりを使ってああした仕組みというのをそんなに簡単に使える人がどのぐらいの割合でいるのかなと。子育て世代というのは比較的若いですから利用できるのかもしれませんが、実際にどの程度普及しているのか、利用者のほうの面から見たそうした状況について教えていただければと思いました。
 以上です。

○佐藤会長 では、後半の点について、湯本次長、後で可能な範囲でお答えいただければと思います。
 では、次に山口委員、お願いいたします。

○山口委員 ありがとうございます。
 各省庁の皆様、御発表ありがとうございました。いずれの省庁でも非常に有望な取組をしているというように感じました。非常に細かいように一見見えるかもしれないものもあると思うのですが、こうした取組が特に有効性があると思いますし、そうしたものの積み重ねが非常に重要だというように認識しております。
 全般的なコメントとしては、女性の社会、労働市場における活躍というのは男性の家庭進出と表裏一体だというように理解しています。やはり男性がもっと家のことをしないと女性の使える時間というのが増えていかないので、家庭外で活躍する機会というのがどうしても失われてしまう。こういった問題を個々の民間企業に取組を求めるのには限界があるというように感じています。どうしてかというと、自分の会社の男性を家庭に返したところで自分の会社の女性が働いてくれる、より活躍できるようになるわけではなくて、自分たちがコストを払って、ベネフィットは女性側の勤め先が享受するという形になるので、なかなか個々の民間セクターの取組には期待できないところがどうしても仕組み上あるというように認識していますが、それだけに政府が主導する形で全体を一遍に変えることで、全ての企業がメリットも同時に享受できるような形で政府のリーダーシップを発揮していくというのは非常に重要なポイントだというように理解しています。
 また、男性の育休は長期的に効果があるという実証研究結果も出ていますので、そこのところに特に重点的に力を入れていけばいいのかなというように感じました。また、内閣の御発表から、テレワークと男性の育児・家事について関係が出ていましたが、我々の研究チームでも因果関係があるとみなせるのではないかという結果を得ていますので、テレワーク推進は引き続き非常に重要だというように思っております。
 また、内閣府の発表から、幼稚園、保育園、こども園、小学校のほうに男女の役割意識について固定観念があるという御指摘がありましたし、幼稚園、保育園などでおむつの持ち帰りといったような形で子育てのハードル、どうしても上がってしまっているという御指摘も重要だと思いました。小さいこと、大きなコストがかかることではないのですが、これも気をつけていくと改善できて非常に大きな効果を出せると思いました。
 そこで、林局長に質問なのですが、ここで問題が分かったわけなのですが、これを実際にどういうように政策に反映させるのか。一部ではベストプラクティスと呼べるようなものが浮かび上がってくるかもしれないのだけれども、これを例えばガイドラインとして明示するなり、どういう方法で今後、具体的に変化を生み出していくのか、お聞かせいただけないでしょうか。
 また、関連して、文部科学省の安彦総括官からの御報告によると、幾つかのPTAではすばらしい取組がなされているということが分かりましたが、一方で、これは一部にすぎないのではないかと、特別うまくいっているところではないのかというような気も何となくしております。これをどういうように横展開するのか、他校に広めるかということについて、どういった御計画がおありなのか教えていただけないでしょうか。
 そして、最後に介護についてのコメントで、これについては男性に限らないと思うのですが、知識不足で必要な公的な支援を受けられていないというような認識を持っています。この辺を改善する取組はどういったものがあるのか、将来的に実行可能なのかということについてもどなたか御存じでしたらお答えいただければというように思います。
 以上です。ありがとうございます。

○佐藤会長 一番最後の点は、可能であれば山田雇用環境・均等局長、分かればということで、あと一番最初の点は、これまで企業は自社の女性社員の仕事と子育て両立、一生懸命やっても、その女性社員の夫が別の企業で長時間労働しているみたいなことがあって、今回は全ての企業が男女かかわらず働きかけなければいけなくなったので、そういう意味では山口委員が言われるように一歩前進かなというようには思っています。どうなっていくかはこれからですけれども、どうもありがとうございました。
 徳倉委員、お願いいたします。

○徳倉委員 各省庁の皆さん、ありがとうございました。
 我々はファザーリング・ジャパンといいまして、父親支援を10年以上やっておりまして、その中から共感することは非常にありましたし、今回の内閣府の調査も少し関わらせていただいていろいろコメントもさせていただいて非常に反映していただいていてありがとうございました。
 その中から、まず全体の総論としてなのですが、先ほど山口委員もおっしゃっていましたけれども、やはり政策でできることにどう落とし込んでいくかということが大切で、我々もふだんは、制度はあるが個々の風土がないですよねという表現でお話をしてきました。先ほどの山口委員のお話を借りると、上場している幾つかの企業では、自分たちの女性社員が妊娠・出産をこれから控えている場合、配偶者が自社の社員でなくとも土曜日、日曜日、研修で呼んで、そこで我々の研修を受けていただいて、そこで意識を変えていただいて、他社であってもそういうサポートして共働きをうまく回していくような家庭に変えていく。結果的にそうすることによって自社の女性社員のキャリアであったり、やはり中途で離職するのを非常に防いでいるという効果が実は出てきています。しかし、これは民間でできる最大限、限界の多分最もお金をかけてやっているケースだと思います。
 では、こういうものをどういうように政策で反映していくのかということを突き詰めて考えていくと、これまでのそれぞれの会議の中で出てきましたが、まずはやはり男女の賃金格差であったり地域背景での風土をどう変えていくか、地方行政との関わり、あとは慢性的な長時間労働をどう是正していくか、ここの3点に尽きていくと思います。ですから、今日御出席の省庁の皆さんを含めて内閣府はどういうようにしてそれぞれ個別に政策に落とし込んでいくかというグランドラインがぜひあれば、総論の中から個別の質問に移りますけれども、林局長にお一言いただければなというように思っております。
 続きまして、個別ですけれども、文部科学省の安彦さんにという形になりますが、私も小学校で6年間、PTAをずっとやりまして、長男が今、中学に進んだのですが、先週連絡があって、今度PTAに入ってくださいということで、急遽、明日の夕方に私、中学校に行くことになったのです。ただ、水曜日の夜、私、仕事があって行けないとなったのですけれども、やはりそこでちょっと調整をして行くようにしているのですが、ここはすごく難しいところが、教員の皆さんは教員の皆さんのやはり労働時間があって、保護者は保護者のやはり学校に関わるところというのは、いわゆるプライベートの時間にもちろんなりますが、そこの整合性というところが非常に矛盾した立ち位置にならざるを得ないところがあるのですね。では、その辺の立ち位置をどういうように文科省として地ならししていかないと、各学校の校長先生や教頭先生の判断だったりというところではなかなか対応し切れないところがあるので、やはりその地域の中の学校という位置づけ、もちろんあるのですけれども、その中で教員の皆さんの犠牲があってはいけないというように思いますので、その辺の方向性というものをもし今の段階であれば教えていただきたいなと思います。
 最後、デジタル庁の皆さんになりますけれども、実はまだ平成の最後の頃ですが、当時、担当が内閣官房だったのですが、子育てワンストップの委員を私、させていただいて、実はこの議論を相当させていただきました。マイナンバーカードをどう普及させるかというところと、どこまでデータを集めることができるのかと。当時、給付金なんかも個別の口座にひもづけることによって、もうそれは一括でお金を振り込むことができて、非常に自治体も楽だし個人もウィン・ウィンになるのではないかという議論までしたのですが、やはりいろいろな状況の中でそういうことができないということももちろんありました。
 しかしながら、やはりマイナンバーがあまりまだ普及がこれから進んでいくということがありますけれども、そこでも議論になったのですが、これから生まれてくる子供たちには半ば強制的に言うと批判もあるかもしれませんが、番号自体は付与されていくので、どんどん世代が変わっていったときに基本的にみんなが持っているものだよというぐらいまでの方向性を持って普及率を上げる議論をぜひしていただきたいなというように感じております。そういう議論ができないかどうかというところを含めて、もしお答えいただけるなら頂戴できればと思います。
 以上になります。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 最初のところは教員のワーク・ライフ・バランスもあるから、その辺の関係も考えながらということで、石黒委員、お願いいたします。

○石黒委員 4つありまして、各簡単にお話をします。
 1つは、最初、男性の育児休業のところなのですけれども、休業をしたいのだが、希望がかなわない。なぜならば収入減になるかもしれない、雰囲気が取りにくい雰囲気、また、上司の理解がない。これは実は根源的には女性も同じなのですよね。しかしながら、なぜ男性のみ育児休業がとりにくいのか、というと、雰囲気的には、女性は休んでいいでしょう、女性は育児休業をとっても仕方がないよね。収入減のほうは恐らく女性のほうが収入は少ないので、どちらかというと男性の収入減が困ります、というような本来は同じであるべきところが同じでないことが理由であると思われます。反対に言うと、これは女性が休んでいいというのは、もともと批判にあるように女性は休むから採用しにくい、という理由にもつながるわけです。
 今回、例えば会社側が男性の育児休業を推奨するというところまで、踏み込んでいるなとは思うのですが、結果的にはまだまだ根源的な、推奨があったとしても育児休業を取りにくいという現状をどう解消していけばいいのかという答えにはまだ行き着けていないと思います。どういう形で進めればもっと現実的になるのかというお考えをちょっとお聞かせ願いたいというのが1つです。
 2つ目は、今回の発表が、私自身も気づかないところをとても気づかせてくれました。例えば男性のお手洗いにおむつを替えるところがないとか、自分もそういうことを気づかなかったことを反省する次第です。国交省の方からのご発表でしたが、とても象徴的であり、男性のお手洗いにこれがあったらなるほどとみんな気づくと思うのですね。女性のお手洗いにこれがある数と同じ分だけ男性のお手洗いにこういうものを設置するのができないものでしょうか。予算の関係もあると思いますけれども、本来はそうあるべきだと思います。そういう形の政策でできないかどうかということをお聞かせ願いたいと思います。
 3つ目はデジタル庁です。いろいろな形でペーパーレスが進み、とにかく役所に行かなくていいというのは一つの大きな前進だと思い、これらは私自身も、森まさこ先生や平井大臣にお話ししたことがあります。働いている女性を煩わせる行政手続は本当に多く、私どもの会社でアンケートを取ってみたことがあり、それらの答えが、まさに網羅されていました。しかしながら、ご発表の中でも、なかったものもあり、それらについては、できない理由があると思います。例えば自治体にまたがっているとかというものはやりにくいと思います。
 一応、私どもがとったアンケートでの要望をあげておきます。平日に役所に行かなくてはいけないこと。複数の部署に行って同じ内容のことを記載しなければいけないこと。ここらは網羅されていると思います。
 これらに加えて、一つは、引っ越しです。それと、出生届です。これもオンラインでやってほしい。引っ越しもオンラインでやってほしい。児童扶養手当、1年に1回、申請し直さなくてはいけない。これは恐らくフルタイムで働いているか、働いていないかということが関係してくるかと思いますが、これらも見直していただきたい。
 あと医療証ですね。半年に1回、紙で送られてくるそうです。紙をなくすと申請にいかなくてはいけないそうです。
 最後は結婚で姓が変わる場合。銀行手続などの前に顔写真つきのIDが必要ということで、ということは免許の変更、パスポートの変更が必要になります。これは結婚で姓が変わる場合は、女性が往々にして姓が変わるので、女性に負担が多い手続となります。
 以上の中で既にできていること、できないものは、できていないものはなぜできないのか、そういうものが今後のシナリオの中に入れられてくるのかということをお聞かせ願いたいです。
 最後に、これらのことは国家公務員の方、特に男性が同じような形で見本を示していっていただきたいと思っています。事前説明会のときに伺ったのですけれども、これは私の解釈が違っているかもしれないのですが、国家公務員の方は残業規制がないということを聞きました。一般の職場であれば労働基準局管轄で残業規制があるのですが、一般の民間企業と同じような規制はありますでしょうか?国家公務員の働き方は、かなり加重がかかっているように見受けられますので、民間と同じような規制があるかどうかというのを教えていただきたいと思います。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 では、続いて、治部委員、お願いいたします。

○治部委員 ありがとうございます。
 私はもともと経済記者のキャリアが長かったので、今日のお話は非常に懐かしさとともに聞いておりました。手元に16年前、2006年に私が作った『日経ビジネスアソシエ』という雑誌があります。これは20代、30代のビジネスパーソン向けの雑誌なのですけれども、その7月18日号で自分で書いた書評なのですが、ビジネスマンの家事・育児参加を考える5冊といって本を紹介してあって、その実はトップに佐藤先生と武石恵美子さんが書いた男性の育児休業の中公新書の本があります。
 もうこの頃から議論はされておりましたし、今日、経産省の方がいらしているか分かりませんけれども、『経産省の山田課長補佐、ただいま育休中』という本が出て話題になったりしていた。つまり、この分野を長いことやってきた人間としては、こういった場で議論されるようになって結構感慨深いなと、日本もここまで変わってきたかなとも言えますし、まだこの話をしているのだなと両方とも言えるところでございます。
 ちなみに、この頃、16年前、何でこの話題を私が記者として扱ったかというと、ちょうど合計特殊出生率が過去最低を更新して1.25になったというニュースから入っています。その当時、今と変わってないなと思うのは、何か有名人の人が産まないのは女のわがままという発言をして、今だったら炎上だと思うのですけれども、そんなことも変わってきたかなというようなところであります。
 そういう中で全般的に大分よくなってきたかなというようには認識しておりますし、この16年間で私自身も2人子供を産み、公立の保育園でお世話になり、何とかかんとかフルタイムの仕事を続けてきましたので、私、別に日本が何もやってないとは思いませんし、結構いろいろよくやっているのですよね。日本の例えば保育園の在り方、公立保育園なんてというのはアメリカのワーキングマザーとかに話をしますとパラダイスと言われるように手厚いものであったりします。そういう前提でかなりいろいろ政府もやっていただいているという前提で、さらにもうひと押し、アクセルを踏むということで申し上げますと、やはり男性の育休というのは女性の社会進出、男女平等の非常に重要な要素で、これなくして女性の社会進出はないというようなことを思うからです。
 先ほど来、佐藤先生もおっしゃっていますけれども、企業の優良企業は女性をサポートしているのですが、配偶者が育休、家庭参加できないと全く女性の進出、活躍というのは進まないわけです。逆に言えば、男性を家庭参加させない企業というのは、その配偶者、女性の側の企業の制度にただ乗りしているという非常にアンフェアな構造がもともとあるということです。これをどう変えていくかというところがこの4月からの法律改正、非常に重要だなというように思っております。
 山田局長からお話もありました産後パパ育休、非常にすばらしいなというように思っています。私、今は大学教員をしておりまして、東京工業大学という理系の男子学生が8割を超えるところで教えています。ですが、今の若い世代というのはすごくライフとか個人の生活に関心が高くて、ライフプランを聞くと自分の私生活を優先したいということを言います。男性の育休を取った方に話をゲストスピーカーでしていただくと、非常に目を輝かせて聞きます。山口先生の御本ももちろん読ませてレポートを書いてもらっているのですけれども、すごくビビットな反応があります。
 こういう次世代に一体この制度が何をなし得るのかということを考えると、私は政府がなし得ることは一つだと思っています。情報公開です。せっかく法律ができましたので、意味があると言えそうな育休というのは、1週間とかだと意味がないので、やはり1か月以上かなというように思うのですけれども、1か月以上取得ができている企業の名前を政府のサイトで公開していただきたいのですね。私もよくこういったレクチャーをするたびに、どこがいい企業ですか、先生、こういうように企業のホームページには書いてあるけれども、本当ですかというようにいろいろな大学で聞かれます。
 一つ一つ言っていくわけにはいかないので、このページを見てというように一言学生に勧めたい。そうしたら、労働市場である程度ネゴシエーションパワーのある学生はそこから企業を選んでいきます。同じ業界であってもいい企業をそうやって選んでいくということで、やはり日本は資本主義の社会ですので、労働者の自発的な選択、そういったものによってよい企業がスクリーニングされていく。この仕組みをつくることこそが政府の仕事なのではないかなと思って、これをぜひお願いしたいですし、できればこういったことに予算措置をしていただきたいなというように思います。
 男性育休に絡んでは、ちょっと一つ心配な声というのもあります。これはせっかく制度が変わることで育休を取りたい男性の声が上がっていく。恐らくそれに対して抵抗を示すような残念な企業、雇用主もあるのではないかなと。労働専門の弁護士が心配しているのは、今後、パタニティーハラスメント、男性に対する嫌がらせ、いじめが増えるのではないかということを心配しています。この相談はやはり社内では報復が怖いですからできないです。といって、これを全部官で相談を請け負うのも大変だと思いますので、今日いらっしゃっているか分かりませんけれども、やはりこれは労働組合マターかなというように思いますので、例えば厚労省と連合さん等々で組みまして相談を受け付ける。実際、連合はマタニティーハラスメントという言葉を普及して、この問題のすごく解決に尽力していますので、こういった形で官民協力ができたらいいのではないかなというように思っております。
 それから、もう少し申し上げますが、テレワークも進んできて本当にこれはコロナの数少ない分産物ではないかなというように思うのですけれども、これも山田局長のお話がありましたように今後進めていくためには、恐らくこれは日本の働き方そのもの、女性に限らない働き方を変えていかなければいけないかなというように思っております。
 私、16年前、アメリカでキャリアカップルの調査をしたときに、ワーク・ライフ・バランスといいますと当時アメリカではフレキシブルワークの話になっていました。例えば大企業の部長職でもテレワークをしていて、月に1回、週に1回ぐらいしか出社しないということを当たり前にやっていたわけなのですけれども、これを今後日本で進めていこうとすると、恐らくもうジョブディスクリプションを明確にするということが必ずやハードルになってきます。もうこれは石黒さんには釈迦に説法ではないかなというように思うのですけれども、ですので、これまで日本の企業がなかなかできてこなかった、やはりジョブを明確に定義するということを今後やっていくことが男性にとっても女性にとっても働きやすくなってくるために重要かなと思います。
 よく日本でこの話をすると、いや、ジョブは書けないのだよというように言うのですが、私、今の職に就く直前7年間、自営業をやっていました。いろいろな組織といろいろな仕事をしてきたのですけれども、確かに日本の組織といろいろな助言の契約とかをすると、非常にざっくりとしているのですが、国際機関、EUとか国連機関とかと仕事をしますと、はっきりとアウトプットとそれに対する対価の値段ということが書いてあるので、少なくとも専門的な職についてはできないことはないというように思いますので、ここは時間がかかるかなとは思いますけれども、頑張ってやっていただきたい。これが多分ほかの日に議論されたと思いますが、同一価値労働同一賃金ということにつながってくるのではないかなというように思っております。
 最後にすみません。文部科学省の方にお願いをしたいのですけれども、林局長のほうからのお話の中で、呼びかけでお母さんという呼びかけが多いとか、プリントがお母さんに向けられて書かれているといったようなことがありました。これはやはり研修等々で徹底していただけたらなというように思います。もう既に結構先進的な学校ですと、お母さん、お父さんという呼び方はしなくなっています。いないようなお家もありますので、お家の方という言い方をしたりするので、やはりジェンダー中立な呼び方というものをぜひ文科省から徹底していただきたい。
 いいところも言いますと、例えば教育では教科書がかなりジェンダーニュートラルなイラストの描き方になってきておりますし、私も小学校の子供がいるのですけれども、算数の教科書を見ていますとイラストが男女半々になっている。その絵柄もすごくフェミニンな子も元気そうな子も、男の子で、にっこりした子も元気そうな子もいるということで、とても配慮されて私はすごくよく変わってきたなというように思いますので、そういうところをぜひ教育の現場のところまで徹底していただけたらなというように思います。
 すみません、最後に国交省の方のお話につきまして、トイレとかベビーカーの問題等々、すごく大事なので取り組んでいただいてありがたいなというように思っています。これでちょっと細かいことになるかもしれませんが、ベビーカーであるとか子供と一緒に乗り物に乗って移動するというのは、これは人間として当然の権利の行使でありますので、そこに対して意地悪を言ったり邪魔をしたりする人がもし仮にいるとしたら、それはその人が悪いので、理解を求めるというようなちょっと下手に出るのではなくて、もうそういう嫌がらせはするなと、やめろというようにぜひ言っていただけたらなというように思いました。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 では、あと佐々木委員で、まだ5人の方が発言されてないので、後ろのほう、1人2分ちょっとずつぐらいでやらないと全員回らないと思いますので、すみません、佐々木委員、よろしくお願いします。

○佐々木委員 よろしくお願いいたします。
 いろいろ資料をありがとうございました。私も石黒委員がおっしゃっていたように、イクメンの方が書かれた本を読んだときに悩みが完全にフルタイムで働いている女性と同じ問題が起きているということを感じました。あと治部委員のお話されたパタニティーハラスメントについても起きています。なぜハラスメントが起こるのかといったら、やはりこれはマイノリティーだからなのですね。マイノリティーだから、その人たちを無視しても会社は回っていってしまう。だから、ここを改善するためには、マイノリティーではなくす。30%、40%にしてしまえば、そこはもうマイノリティーではないので会社を変えざるを得ない。
 数というのは非常に大事で、さらにポイントとしては、長期の育休が重要で、短かったら対応できてしまうので長期で対応できないという、そういう状況をつくることで働き方や環境整備が整ってくると思います。育休の期間をちゃんと公表する、パーセンテージを公表するということをお願いします。こういうことが起これば男女だけではなく、事故とか病気の方とか、そういう方がまた社会に復帰しやすい世の中にもなっていくので、よろしくお願いします。
 また、役割分担というのが非常に問題で、どちらのキャリアを優先するかということが非常に考えるべきことかなというように思います。資料を共有させていただきますが、こちらは大学の研究なのですけれども、アメリカは日本より50年先を行っているのですが、にもかかわらず、女性のほうは両方のキャリアを重要視するという解答が多いのですが、男性のほうはそれが少なくて自分のキャリアを重要視するという方がやはり多い。両方のキャリアを重要視するという意識を担っていくのが重要なのかなというように思います。
 また、娘が小学校のときに先生が自分の妻のほうがお給料は高くて嫌だと言ったそうで、お給料が妻のほうが高いときに嫌だと思う男性というのは非常に多いような気がします。そこの意識改革も非常に重要かなというように思います。
 また、資料1で、半分ずつ分担という話がありましたけれども、ちょっと気になったのは、やはり自分のほうが配偶者より多く分担というのも男女差が非常に多いということ。女性のほうは自分が分担するほうを希望する。男性のほうは相手が分担するほうを希望するという割合が男女の差は非常に大きいなというのが気になりました。
 また、育休に関する制度のお願いなのですけれども、これは大学の中でも非常に問題になっていて、研究者は40歳ぐらいまで任期つきポスト2年とか3年とか短いポストで渡り歩くという職業になります。その場合、今までの1年以上勤務している者とか、あとその養育する子が1歳6か月に達するまでに雇用期間が満了するということを決められてしまうと、取れる人がすごい少なくなってしまうということが問題でした。これをもうなしにしている大学も幾つかあるのですけれども、本当に数か所しかないです。
 今回、事業主が引き続き雇用した1年以上である者という改正をしてくれたというのがすごくありがたいのですが、こちらの後ろのほうのさらにプラス1歳6か月まで、こちらのほうに関してはどうなっているのかなというのをちょっと知りたいです。
 また、育休の分割取得が2回までというのは非常に少なくて、名古屋大学ではやはりこれでは対応できない、女性研究者では対応できないということで回数を決めないというようになっています。今回、2回までと書かれてしまうとどうなってしまうのかなということがちょっと対応できなくなるのかなというのを教えていただければというように思います。
 最後になりますが、トイレなのですけれども、私が名古屋大学で研究棟を建てるときはやはり男性トイレにもベビーチェアを入れるということはやりましたが、ベビーチェアだけではなく数も意識してほしいです。トイレの数、男性の研究者が多いのでどうしても男性のトイレの数を増やそうとするのですけれども、それはやはりメッセージなので、将来半々にしたいのであれば、必ず数もそろえるべきだというように思います。男女比が異なっている、非常に極端に違うような職場でトイレの数というのも重要視して、ちゃんと調査に入れていただければなと思います。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 一番最後の点で、法律はミニマムなので、大学が別につくるのは全然問題ない。それは規制するのはできないので、問題ないです。
 内藤委員、どうぞ。

○内藤委員 御説明、いろいろとどうもありがとうございました。
 私からは2点、申し上げます。
 まず育児休業制度を利用しなかった理由というところで、収入を減らしたくなかったからというのが41.4%で一番大きいというのが気になっています。徳島市でいうと、やはり育休を取ると収入が7割ぐらいになったり、180日以上でいうと5割とかになってしまうので、年休と組み合わせて育休を取ったりとか、あと育児休業の年収のシミュレーションシートを先に配付して、これがこれぐらいになるよというのをきちんと言った上で、では、どれぐらいの収入になるかというのをきちんと明示してやっていくというので、できるだけ年休と育休、組み合わせて長い間取得してもらえるようにしているのですけれども、それも含めてほかの中小企業とかにももっと啓発をしていって、これから育児休業の取得のサポートを町としてやっていきたいなというように考えています。
 今、徳島市でもやはり年休を取る人というのが多いので、それだと育休を取っているというところのパーセンテージに反映されてない部分もありますので、今、実数を調べているところでして、中小企業も含めてそこの実務部分の調査というのをやろうとしています。
 あと2点目で、細かい話なのですけれども、例えばデジタル化がなかなか今、進んでいかないのであれば、やはり保護者の方からいろいろな手続で、全部手書きで何か面倒くさいみたいな声はたくさん今、上がってきています。すごい細かい話で言うと、例えばワクチン接種とかも小さいときであれば毎週のように全部手書きで住所書いて名前も書いて全部やらなければいけないのですけれども、それはどうにかならないかと言われて、やはり急にデジタル化というのはできないので、うちの場合で言うと住所とか名前とかもシールでもいいという形にしました。それをすることだけでもやはり保護者さんの負担軽減につながっていくので、そういう細かい話とかも含めてほかの自治体とかにも情報共有していって、細かく負担軽減をしていきたいというように思っています。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 内藤委員が言われたように育休を取ったときの所得、収入が減るという話なのだけれども、半年間は高額助成で66%で、高額給付で、その後、社会保険料免除があるのが知らない人が結構多くて、だから、事実上、85%ぐらいなのだよね。だから、それを厚労省は広報するようにしているのですけれども、なかなか社会保険料免除を併せてどのぐらい所得をカバーできるかというのが知られてないのはあるかなと思います。
 井上委員、お願いいたします。

○井上委員 ありがとうございます。
 各省の皆さんの大変貴重なデータをありがとうございました。
 連合も男性の家事・育児に関する調査を実施したときに、男性の4人に1人が勤め先には育児休業がないというように答えているのですね。そして、自身の勤め先で育児休業が取得しやすいかどうかという設問については、どちらかといえば取得しにくいと非常に取得しにくいを足すと60%あるのです。やはり職場の中でこれだけ男性が育児休業を取得しづらい環境にあるということで、この4月から周知も含めて育介法が改正されましたので、厚労省には職場における周知をぜひもっともっと積極的にやっていただいて、全ての働く人たちがこの制度を知るような対応をしていっていただきたいと思います。
 その同じ調査をしたときに未就学の子供がいる男女に仕事がある日にどんな家事をしているかということを聞いているのですが、男性の場合、一番多い回答が、ゴミを出す58%、以降、ゴミをまとめる41%、お風呂の掃除が34%となっています。女性の場合は全ての家事で80%以上あるのですが、朝食の用意、夕食の用意、洗濯物を回すとかが上位となっており、これだけやはり家事の分担が違っているのですね。
 また、連合総研が生活時間におけるカップル調査で、日本、アメリカ、フランス、韓国の生活時間を比較したときに、日本の男性の生活時間が非常に短いのですね。その結果として家事や育児にかける時間が少なくなっているのだと思いますので、やはり男性中心型労働慣行というか、長時間労働を是正して、ワーク・ライフ・バランスを進めていくことをやっていかなければいけないのではないかと思います。
 質問は、デジタル庁にまず1つ。子育てワンストップサービスの話がありました。先ほど、委員の方からもどれぐらい知られているのかとか使われているのかという話がありましたけれども、私もこれは初めて見たのですが、どれだけの方たちが使っているのか、普及率がどれぐらいなのかというのを教えていただきたいと思います。
 それから、国交省、トイレのところですけれども、資料の2ページ目に施設設置管理者等に周知とあるのですが、周知だけではこれは進んでいかないのではないかというように思うのですね。周知の上、国庫補助による支援の実施というように書いてあるのですけれども、実際に予算がどれぐらいついて確保されているのか、もし今日分かれば教えていただければと思います。
 以上です。

○佐藤会長 では、大崎委員、お願いいたします。

○大崎委員 ありがとうございます。
 御発表も本当にありがとうございました。大変参考になりました。
 1点、これは林局長にお伺いすればいいのでしょうか、介護のところで介護者、養護者による高齢者虐待のところで加害者、虐待者の男女別といいますか、誰が虐待しているのかというデータをお示しいただいて、そこで息子、夫が多い。つまり、男性が多いということが分かったのだと思いますけれども、その背景にどのようなことがあると考えられるのか。それから、こういったことを防いでいくためには、多分ジェンダー視点のあるサポートというものが必要になってくるのだと思うのですけれども、それを導き出す上でもやはりこういう男女間のギャップ、虐待者における男女間ギャップがあるのだとしたら、それをどのような要因があるかを分析するのが大事だと思うので、その辺り、どうご覧になっているか。
 以前、東日本大震災の被災地で、やはり大変高齢化が進んで、その中で男性の介護者がすごく増えた地域というのがございまして、その中に男性が介護者として結構孤立をしてしまって、そこにアウトリーチしていくのに行政もいろいろなやり方でやったのですけれども、そこで見えてきた、なぜ行政の支援につながらなかったのかというところで、男なのに介護をしている自分が恥ずかしいという声が非常に多かったのですね。なので、人に言えない。これは恥ずかしいから助けを求められないというようなこともございまして、そういう男性特有の状況、ジェンダーに起因する状況というのもあるかと思いますので、その辺り、お話を伺いたいと思いました。
 あともう一つは、いろいろな調査、男性の家事・育児参加に関してあると思うのですが、やはり都市部と地域、地方の地域ではかなりそれぞれの状況が違うのだと思うのですけれども、兵庫県豊岡市、今、市を挙げてジェンダーギャップの解消に取り組んでいますが、人口8万人の地方都市ですが、そこがまさに男女間でどういうように育児・家事を分担しているかというような生活時間調査を行いまして、予想どおり女性が男性の2倍以上時間を費やしているということで、その分担をよしとしているというように答えたのは男性が4割で、女性が2割なのですね。そこにギャップがあって、では、どうしてこういうような分担になったのかという答えで一番多かったのが何となくということなのです。
 なので、話合いをしてない、コミュニケーションしないで何となくそうなっているということなので、この辺りが内閣府も前に○○家の作戦会議みたいなのを作られてコミュニケーションシート、男女間でどういうように家事分担するかというような、そういうコミュニケーションツールというのがすごく重要なのだろうなというように思いました。なので、この男性育休を推進していくに当たっていろいろな手だてを取っていて、先ほど徳倉さんからは、ファザーリング・ジャパンも研修をしたりというようなことで民間としておやりになっていたりするのだと思うのですけれども、そういった機会を活用して、このコミュニケーションツール、男性育休をちゃんと企業がそこの企業の中で浸透させていく取組にどうこういうツールを活用して広めていけるかというのもちょっと考えたらいいのではないかなというように思いました。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 では、白波瀬委員、お願いします。

○白波瀬委員 よろしくお願いいたします。
 今日はすみません、カメラがあれで。もう皆さんからかなり熱い御意見がいっぱい出たのですけれども、一つやはり最初に窪田先生がおっしゃったところ、まさしく同感しております。時間につきましても父親のPTA参加、もう本当に痛いほど、これはもう少し遅かったら出られたのにというのがありました。ですから、それがお父さんのというところで逆に出てきたというのはよい傾向だというようには思うのですけれども、まさしくこれはお父さん、お母さんと非対称ではない。ただ、それぞれの背景にあるいわゆるアンコンシャスバイアスであり、想定が違っているので、これを加速度的にどう変えていこうかということだと思います。
 そういう意味で最初、佐藤先生からも男性の孤独感という話がありましたけれども、やはり自分の生活、これは人ごとではないのですが、8割、9割職場ですと人間関係、独特の人間関係でございます。ここの中で生き延びるということ、それが突然なくなった場合に孤独感というのは、それは多分あるだろうなと。地域との関係がなかったからという問題ではちょっとないかもしれないという気が少ししておりますので、そういう意味で現場である企業様からいろいろな制度を入れていかれるということは重要なのですけれども、それ以前の政府がもう少しリードを取ってという山口先生の議論について基本的な方向性、賛同するものであります。
 それで少し簡単な質問、3つぐらいあります。
 一つは、文科省様のほうに、コミュニティ・スクールをつくったというようにおっしゃっているのですけれども、ちょっとこれは制度をたくさんつくられるのはいいのですが、やはり行き着くところは実際にどれだけ機能するかということなので、学校というコミュニティーで機能してないからこれをつくるというところで本当によいのかというか、かえって大変になるのではないかなという気がしないでもないので、少しその現場感というのをお知らせいただきたいということです。
 それから、厚生労働省さんのほうにはテレワークというところで人材確保という言葉での支援というのがあります。ここでの人材確保、テレワーク、いろいろな意味で流れるとか連携という言葉が基本にあるかと思いますけれども、あえてここで人材確保という言葉を使われた中身、理由について確認させていただきたい。
 最後、やはりデジタル庁さんにつきましては、本当に進んだらいいと思います。どちらにしても縦割りになってしまっていて、そもそも論のマイナンバー制度がどこにいってしまったのかなというのか、このマイナンバー制度そのものがめちゃめちゃ縦割りなので、これは本当に実行をどうしたらいいのだろうというのを今、日本の少子化、高齢化という最大課題のところでぶち壊していただけるような圧力をちょっと何とか考えていただきたいなと思いますので、評価を含めまして実際どれだけの方々が使われているのかというのも含めて、少しこの辺りの周知、もう一歩というところでは何かやられているのか。
 以上です。ありがとうございます。

○佐藤会長 佐々木さん、ちょっとあるのね。短めで。

○佐々木委員 短めです。先ほどの佐藤先生のコメントなのですけれども、緩めるのは問題ないという。

○佐藤会長 緩めるではなくて上回る。

○佐々木委員 上回るのは問題ないということ。

○佐藤会長 労使で決めて、企業で決めるのは構わない。

○佐々木委員 それがなかなか大学によって足並みがそろいません。なしに完全にしてしまっている大学、東大、東北大、奈良先とかありますが、ほかが続かないのは、これは厚生労働省のリーフレットなのですけれども、満たすことが必要ですと書かれてしまっていて、これを書かれると何か満たさないといけないと普通の感覚では思ってしまうのではないかなと私は思うのですね。以下の要件を満たさなければいけない。だから、こういうリーフレットとかをちゃんともう少し分かりやすいように、知っている人はそれを緩めるのはいいというのは分かるかもしれないのですけれども、これを出されてしまうと難しいかなというように思います。
 すみません、以上です。

○佐藤会長 そこは確かに法律がミニマムなので、緩めるというか、それを上回る条件ね。上回る条件は別に構わないので、育児休業を長く取るとか、何回分割できるというのは企業、労使で決めれば構わない。ただ、それが分からないというのは、もしかすると佐々木さんが言われるとおりかも分からないので、どうもありがとうございました。大事な点かも分からない。
 それでは、ちょっと時間が限られていますけれども、林局長もありますので最後のほうに回っていただいて、では、山田局長のほうからお願いいたします。可能な範囲内で結構です。

○山田雇用環境・均等局長 かなりたくさんあったので早口でしゃべります。
 最初に、山口先生からあった介護休業の知識不足の問題ですけれども、これは介護休業制度を非常にうまく回している企業ですと、介護休業制度と介護保険制度の両方を会社のセミナーとかで話していたりする、それはちょっとヒントになるかなと思います。
 あと徳倉先生からあった話、いろいろな観点がありますけれども、私の考えは、男性育児休業するためには長時間労働の是正が必要ですが、一方でそれ以外の道はないと考えると何もかも動かなくなってしまうので、まずは男性育児休業を進めて男性で育児休業を取る人が増えることで長時間労働の是正の方向に向かうトリガーにしていくというように考える形で世の中を変えていくのはありだと思う。今は多分私は男性育児休業の話がすごくコアなものだと思っています。
 あと石黒先生から男女の役割分担意識と男性休業の話も同じで、やはり男性育児休業で男性はどんどん育児休業するようになることが男性の固定的な役割分担みたいなものを崩していく契機になると思うので、ここでもやはり男性育児休業はたいへん大事かなと思います。
 それから、治部先生の話ですけれども、実はちょっと男性の育児休業の大切さをるる説いているのは、今、少子化対策という話が改めて政府の大きな課題としてある中で、男性の育児休業の話を第一段階に置かないと、結果的に女性にもう少し頑張ってくれという話になりかねないので、ちょっとそこのところは少子化対策の話としても男性の育児休業を大事にしてほしいなと思います。
 あといろいろな女性活躍、両立支援の関係のものは、例えばうちの女活のデータベース、女性活躍のデータベースというのは、これは登録が義務になっていないのですが、女子学生たちが非常に確認するものになっており、登録する会社が増加しています。かえってこういうソフトアプローチのほうが企業はある意味腹落ちした形で進めていくことにつながるかなと思っています。
 治部委員が以前所属されていた日経ビジネスの最近の特集を見ていただくとわかりますけれども、1、2か月に1回、労働関係の特集をしています。これはある意味、経済社会、ビジネスの世界で非常に労働問題が重要に扱われているということの証左だと思いますので、ある意味、こういった時代の空気に乗っかるというのは大事かなと思っています。
 それから、ジョブ型雇用の話もちょっとされましたけれども、ジョブ型雇用が女性活躍の話でプラスに出るか、マイナスに出るのかというのが微妙なので、これは必ずしも一方的に悪いとか良いとか言うつもりもないですというところにとどめておきます。
 あと育児休業について、単に取っているか、取ってないかだけではなくて何日取っているかということが大事だというのが佐々木委員からありましたけれども、これは全くごもっともな話であります。恐らくこの10月に施行される産後パパ育休は劇的に状況の変化を起こすと私は思っていますので、それは多分取った、取らないという話だけではなくて、取る期間が今までとかなり不連続に上がることになると予想していますので、そういう何日取ったということも大事だというのはもっともだと思います。
 あと育児休業の有期雇用の前要件撤廃というのは先ほどもお話ししましたけれども、後要件について残しているのは、もともと育児休業は継続就業をするためのツールとして入れられているものなので、確かに細切れで雇用されている人の問題というのはあるのですが、企業に対して継続して雇用してもらうということで育児休業給付だとか出しているということがあるので、これは育児休業給付の考え方も根本的に変えるということであれば別なのですが、後要件はやはり譲れないところであります。
 それから、井上委員のところで周知義務が大事だということを言っていただきました。今回の育児・介護休業法のことをすごく分かっていただいている方は産後パパ育休よりも、むしろこの周知義務ということが大事だということを強調されています。私も、産後パパ育休同様、周知義務というのは非常に大事だと思っていますので、これはもう4月に施行がかかっていますけれども、ちゃんとやっていきたいと思っています。
 あと白波瀬委員からあったテレワークの人材確保の件は、これは女性活躍とか両立支援同様、企業が人を集めるためにテレワークをちゃんとやっていますということがアピールポイントになるという意味での人材確保ということであります。テレワークというのは最近、転勤の廃止とも関連づけて言われていますが、これも女性活躍につながる話です。企業がこういうところに対して力を入れてやっていただいているということで、それが人材確保のためであっても別に世の中がよくなればそれでいいと思います。
 以上です。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 後要件の件は、明確でなければ取れるのだよ。

○佐々木委員 そうです。ほかの大学もそこの明確ではないをうまく利用してなしにしているので。

○佐藤会長 だから、明確でない場合は取れるのね。

○佐々木委員 そうです。そういう形にして外してしまっている大学があります。

○佐藤会長 そこは分かりにくいけれども、そういうので取れる範囲は非常に広がったと理解していただいたほうがいいと思います。
 それでは、安彦統括官のほうからお願いします。

○安彦社会教育振興総括官 御質問ありがとうございます。
 まずPTA、事例を出していただいたような活動の横展開ということで御質問がありましたけれども、やはりこれは文科省としても大臣表彰をやったりという形で、あと全国大会だとか研修会の場で様々な事例紹介等をさせていただきますので、そういったものをどんどん積極的に展開していくということ。
 やはり先ほど言ったコミュニティ・スクール、こちらの機能が学校の負担になっているのではないかという御指摘もありましたけれども、むしろこういったところの取組は実は教員の負担をかなり軽くしているという実際の事例も出ていまして、つくるだけで形だけつくったらあまり機能しないのですが、しっかり機能すればそういった効果もあるということで、これは学校をよく変えていく非常にいいツールだと思っておりまして、ぜひともそれを地域の方々の積極的な参加を促しながら広めていきたいと思っております。
 その中に男女共同参画という意識をしっかりと定着させながら、今、3分の1しか普及してないところでございますので、これをそういった実質的な意味で普及させて100%を目指していった上で、そういった男女ともしっかりと学校に、子供たちに関わるという形を通して社会参画を促していきたい。これがいずれ社会教育のほうにつながっていって、今も学校教育と社会教育をつなぐ役割、私の立場なのですけれども、そこをつなぐことによって学校が終わった後の社会活動の中で子供に関わったり、地域活動に関わったりする形で生きがいをつくっていくというのは社会教育の大事な役割でございますので、孤独・孤立というような話もありますけれども、そういったことにも非常につながっていくものだと思っておりますので、このコミュニティ・スクールを中心に学校教育、社会教育を充実させていくというのがとても男女共同参画の視点でも大事だと思っております。
 また、先生の働き方改革ということで土曜日の活用なんかは、東京都さんなんかは積極的にやっておりまして、これは先生が。

○佐藤会長 何か音が聞こえなくなってしまったな。

○安彦社会教育振興総括官 すみません。土曜日の活用の件でございます。先生の負担軽減ということでございますけれども、東京都さんのように土曜日の活用という形で、これは平日と振り替えることによって日中、先生が勤務時間内に対応できるという工夫を東京都さんなんかはされていますので、そういった事例を展開していくということであったり、また、教員、基本的には残業がほとんどできないというか、実際8時間分の残業代しか出ないような勤務形態なのですが、そういった形で工夫することによってやる。土曜日をうまく使っていく。
 また、平日の活動でも夜、必ずしも先生が必要な活動ではない場合もありますので、そこを見極めて、無理に先生に参加させないというような形。また、関わり方はメールだとかいろいろな連絡を事後で非同期でやるということも、そういったICTもうまく活用しながらやっていくというのが大事なのではないかと思っておりますので、こういった様々ないい取組を横展開できるようにいろいろと工夫してまいりたいと思います。ありがとうございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 それでは、国交省の加藤次長からお願いいたします。

○加藤総合政策局次長 加藤でございます。
 まずトイレの関係でございますが、例えば建築物のガイドラインであります建築設計標準、これがバリアフリーのガイドラインなどを定めているのですが、ここにおきましては、便所のうち、1以上には乳幼児用設備を有する便房を1つ以上設けるとなっておりまして、この便所が男子用及び女子用の区別があるときはそれぞれに1以上設けなさい、こういうルールになっておりまして、女性だけでなく男性用のトイレについても設けるということを規定してございます。
 ただ一方で、内閣府の調査にありましたように男性用トイレにまだおむつ交換台やベビーチェアがないといった声も上げられておりますので、我々といたしましても今日御紹介させていただいたような駅の事例、こういった事例なども多数用意して改めて施設設置管理者等への啓発活動に取り組んでいきたいというように考えております。
 それから、ベビーカーの利用の関係でございますが、資料の一番最後にポスターの例、小さいですけれども、資料として掲載しております。ベビーカーを利用される方だけではなくて周囲の方に対する呼びかけということで、お互いにやはり思いやりの気持ちを持って御利用くださいということで、特に周囲の方に対してはベビーカーというのは折り畳まずに乗車することができるのですよということを改めて認識してもらう、知ってもらうためのポスターというものを用意しております。こういったことなどを通じてベビーカーの利用環境、利用しやすい環境というものをしっかり整備していきたいというように考えておりますので、どうか御理解のほど、よろしくお願いいたします。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 それでは、デジタル庁の湯本次長からお願いします。

○湯本次長 デジタル庁、湯本でございます。
 数多くの御意見、御質問いただき、誠にありがとうございます。簡潔に回答させていただきます。
 まず窪田委員や井上委員等から御質問というか御指摘ございましたマイナポータルの普及状況でございます。今、手元にある3月末の現在で1129万が一応フォルダーを実際に使っているというような状況です。ただ、実際の利用状況というのはなかなかまだまだこれからというところでございまして、ちょっと網羅的なデータはございませんが一例を挙げますと、昨年のデータになりますけれども、児童届の現況届については、全て対象は1000万ぐらいあるというように聞いていますが、そのうちマイナポータルを実際利用されたのは10万ぐらいだということで、まだまだ普及というのはこれからだというように思っております。
 また、このマイナポータルにも関係しますが、マイナンバーカード自体の普及というのも我々、大きな課題として掲げているところでございます。徳倉委員のほうから義務化みたいなお話もございましたが、私どものほうの重点計画のほうでは、令和4年度末までにマイナンバーカードがほぼ全国民に行き渡ることというのを政府の目標として掲げているところでございます。マイナポイントの第2弾もこれから始まりますし、様々な人が取られてマイナンバーカードの普及というものを目指していきたいと思っております。
 そのときに鍵になるのは、多くの委員の方からも御指摘ございましたが、やはりどれだけ使いやすくするかとか、実現可能な手続というのを増やしていくということだと思います。これにつきましては、行政の手続もさることながら、民間の連携というのも一層進めていく必要があるというように思っています。
 そんな中で石黒委員からも御指摘がございました幾つかの手続の電子化というのは本当に必要なことで、我々も数多くの方々から同様の御指摘をいただいているところでございます。そのうち引っ越しにつきましては、私ども、令和4年度末までに何とか実現するということで関係者と今、鋭意調整を進めているところで何とか実現にこぎ着けたいと思っています。
 その他、出生のものであるとか児童扶養手当等につきましては、やはり対面の原則であったり書類の真正性をどう確保するかみたいなみたいな問題が課題として所管の省庁からも指摘されてございまして、この点についても我々は、これはもう逆に推進する立場でございますので、何とか粘り強く調整をしていきたいというように思っています。
 そういった中で、白波瀬委員からも御指摘がありました縦割りの排除というのについては、まさにデジタル庁はそのためにできたと言っても過言ではございませんので、これはもう我々に対する叱咤激励というように受け止めて何とか頑張ってやっていきたいと思っていますので、今後も引き続き御指導のほど、よろしくお願いいたします。
 私のほうから以上でございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございます。
 林局長、どうしますか。ほかの省庁に出ていただくようにする、それとも林局長に話してもらうようにしますか。

○林男女共同参画局長 それでは、もうこのままお話をさせていただいてもよろしいでしょうか。

○佐藤会長 では、お願いします。内閣府。

○林男女共同参画局長 内閣府の男女共同参画局長でございます。
 まず石黒委員からお尋ねのありました国家公務員の残業規制でございますが、私ども、実は労働基準法の対象外なのでございますが、ただ、人事院規則で同様の残業規制がありまして、月45時間、年360時間の上限ということで、民間と同じになっております。ただ、罰則は民間と違ってないという、そういう形になっております。
 それから、大崎委員からお尋ねのありました高齢者虐待のお話ですが、やはり息子や夫などが多いということで、この背景にはジェンダー要因があるのではないかという御指摘、私もそうだと思います。また、男性の孤立ですとか相談のしにくさですとかアンコンシャスバイアス、こういったこともあると思います。全体としてやはり男性が介護を担うときに地域社会で孤立しないような様々なサポートが必要だと思います。そういう意味でも男性相談の窓口というのは大変大事ではないかと思っております。
 そして、3つ目、山口先生からございました様々な困り事、様々な課題、これをどうするのかということでございます。この様々な阻害要因については、制度もあるし、意識の問題もあるし、慣行の問題もあると思います。一般論としては、もういろいろな役所にまたがっていて、今日も国交省、文科省、厚労省、デジ庁とありますけれども、ほかにも様々な役所が関わっております。
 また、政策手段も一つは法規制とかガイドラインとか、あるいは地方自治体の通知といったような、こういったハードのものから、またインセンティブ、例えば補助金とか税とかこういうようなもの。
 それから、3つ目としては開示という形で企業に開示を求めることによってレピュテーションリスク。
 4つ目としてはベストプラクティスの横展開。
 そして、5つ目としては雰囲気づくり。
 いろいろな政策手段があると思います。これらの政策手段を組み合わせながら各省と議論をして、そして、盛り込めるものについては、女性版骨太の方針に盛り込むということで進めてまいりたいと思います。
 また、雰囲気づくりというのも実は結構大事なのではないかと思っております。今日からこども家庭庁の法案の審議が始まっております。これは「こどもまんなか」というのがスローガンでございます。先ほども野田聖子大臣と話していたのですが、やはり「こどもまんなか」という意識が足りないということも関わっているのではないかと思います。例えば先ほど御紹介した困り事の中に駅でエレベーターにベビーカーで乗ろうと思っても満員のエレベーターや電車に乗れなくて何回も見送るというお話がありました。本当に胸が詰まるような思いがいたします。「こどもまんなか」、「エレベーターでベビーカーまんなか」でないといけないと改めて思う次第でございます。
 また、男性育休はその企業には直接のメリットは感じられないかもしれないという話がございましたが、他方で、これは国家公務員での経験なのでございますが、国家公務員は現在、男性育休を51%の人が取っていまして、半分は1か月ぐらい取っていて、4分の1は1か月以上取っています。1か月以上取った職員が終わった後、私のところに挨拶に来たりするのですけれども、そうすると、非常にいい顔になって帰ってきます。リフレッシュされるということもありますし、また、地域社会を知るいい機会になっているのだと思います。それは国家公務員として視野が広がって、実は公務員としては大切な経験なのではないかと私は個人的には考えております。
 こういったことを企業のほうでも新しいビジネスチャンスを見つけるいい機会になるとか、生産性を上げて働くいい機会になるとか、そういった企業にとってのメリットにもなるのだということを言っていけるといいと思っているところでございます。ありがとうございました。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 まだまだあるかも分かりませんけれども、今日御説明いただいた各担当者の方、どうもありがとうございました。そうしましたら、ここで厚生労働省、文部科学省、国土交通省、デジタル庁の方、本当どうもありがとうございました。長くなりましてどうもすみませんでした。
 それでは、続きまして、議題(2)、ジェンダー統計、延びてしまいますけれども、すみません、委員の先生方、よろしくお願いいたします。「ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループの開催について」、内閣府の林局長から資料3と4で御説明いただきたいと思います。もう御予定ある方は出ていただくので構いませんので、その辺、よろしくお願いします。
 それでは、林局長、お願いします。

○林男女共同参画局長 それでは、資料を共有いたします。
 ワーキング・グループを設けられるよう、専門調査会の運営規則を改正させていただければと思います。その上で、ジェンダー統計の観点からの性別欄検討ワーキング・グループの開催について、ということで御了承いただければありがたく存じます。これは昨年の12月にいろいろな統計を取るときに性別欄をどうするのかと、男性、女性、そして、トランスジェンダーの方々への配慮などからどのような性別欄を設けるのが適切なのかという御議論をいただきました。これをより具体的に実務の面も含めて御議論いただこうということでございます。
 そして、このメンバーでございますが、専門調査会の委員の白波瀬先生に座長になっていただきまして、LGBTの当事者の方、また、統計の専門家、この分野の研究者の方、そして、企業、自治体の方々にお入りいただいてワーキング・グループで御議論をいただければと思っております。
 私からは以上でございます。

○佐藤会長 どうもありがとうございました。
 一つは、ワーキング・グループを設置するのだけれども、規則のルールができていなかったのでそれをつくって設置するということですので、御了解いただければと思います。よろしいですか。
 それでは、最後に、最近の動向ということで事務局から紹介がありますので、林局長のほうから資料5、資料6で御説明いただければと思います。

○林男女共同参画局長 それでは、失礼いたします。2つ御報告がございます。
 1つは、ジェンダー統計について、研究者や大学の教員の方々などにニーズをお聞きいたしました。そうしますと、やはり様々ニーズがあるということが分かりました。特に男女別にすべき、もしくは男女別に状況を把握するために改善すべきということで御意見をいただいているものは、労働・賃金関係、教育・文化・スポーツ・生活関係、人口・世帯関係、社会保障・衛生関係、企業・家計・経済関係、こういったところで多くなっております。
 また、男女別状況を把握するために改善すべきデータとして、具体的な統計調査の名前を挙げていただいております。この研究者の方々からのコメントは私どものほうで精査をいたしまして、所管する各省に伝えて改善をお願いしていきたいと思います。これが1点目でございます。
 そして、2点目ですが、政治分野におけるハラスメント防止研修の動画の教材を作りましたので御報告をしたいと思います。
 これは私どもの調査によれば、地方議員の方々がなかなか増えない、ひいては国会議員が増えていかないという問題意識から調査をしたところ、女性の57%がハラスメントを受けたということで、それが議員活動の障壁になっているという御指摘がありました。
 また、昨年6月にいわゆる候補者均等法が改正されまして内閣府を含む関係行政機関が取り組むということで、具体的にはセクハラやマタハラの発生の防止に資するための研修の実施に必要なことをするということが決められました。それでこれに基づきまして、私ども、検討会を立ち上げまして、具体的なハラスメント教材を作成いたしました。それがこちらでございます。具体的に地方議員の方々に見聞きした、あるいは実際経験したハラスメントの事例を募集しましたところ、1,300件以上寄せられまして、これらを整理して、具体的な研修教材にしたものでございます。
 実際にこのハラスメントを行った側にどういう意図だったのか、あるいは受けた側でどういう受け止めをしたのかといったことも含めてストーリー仕立てにして、ハラスメントの防止になるようにしたいということであります。これらを私ども、衆参の事務局、そして、都道府県議会、市町村の議会、地方議会の三議長会、地方公共団体に通知をいたしまして活用していただくようお願いをしたところでございます。実際に今も国会議員の方々からも、これを見たのでぜひそれぞれの党で活用したいというお話もいただいているところでございます。  私からは以上でございます。
 ちなみにユーチューブに載せておりますので、もしよろしければ30分ほどの動画でございますのでご覧いただければうれしく存じます。

○佐藤会長 今、局長の説明について、いかがでしょうか。いいですか。
 その前のジェンダー統計のほうは白波瀬委員に座長をやっていただくということで、結構大事な課題かなというように思います。
 いろいろなところで調査をやっていますので、基本的な方向性を示して、ここで決められないので、もちろん統計局の部分もあれば、あと各府省でやる部分もありますので、そこはそこで御検討いただくときに役に立つものをつくっていただくということなのだと思いますので。
 よろしいですか。今日、たくさん大事な意見が出て、私の運営がうまくいかなくてちょっと時間が長くなってしまいましたけれども、いいでしょうか。
 それでは、本日はここまでで、あさって、もう一回ありますので、お忙しいかと思いますけれども、また御参加いただければというように思います。どうもありがとうございました。