女子差別撤廃条約実施状況第4回報告(仮訳)

6. 第7条(b)

(1)売買春の現状

女性が政策・方針決定の場へ参画することは、民主主義の要請であるだけでなく、各種の政策に女性の関心が反映されるための必要条件でもある。しかしながら、我が国では、公的分野でも、私的分野でも、女性の政策・方針決定の場への参画は大変後れた状態であるとかねてから指摘されており、政府としても「男女共同参画の現状と施策」において、UNDP(国連開発計画)のHDI(人間開発指数、GDI(ジェンダー開発指数)、GEM(ジェンダー・エンパワーメント測定)を基に日本の現状を紹介している。それによると日本は、HDIが世界第7位(測定が可能であった175か国中)であるが、GEM(ジェンダー・エンパワーメント測定)では第34位(同94か国中)に後退することから、この現状をとらえて周知し、女性の政策・方針決定過程への参画を更に促すよう努力している。

1)女性国会議員

我が国の女性国会議員の割合は、増加傾向にあり、参議院では1989年7月以降10%を超えている。1998年3月時点での女性国会議員の数と国会議員全体に占める女性の割合は、衆議院24名、4.8%、参議院36名、14.3%、衆参合計で60名、8.0%となっている。しかし、国際的には低い水準にあり、女性候補者に係るクウォータ制の導入を検討している政党もある。

また、参議院では創設50周年記念事業の一環として、1997年10月4日、全国の女性有権者を対象に「女性国会」を開催した。1609名の応募者の中から抽選された252名の1日女性議員が、身近な問題から国政に至る諸問題について討議を行い、最後に女性国会宣言がまとめられた。

2)女性閣僚の就任

第3回報告書提出(1993年10月)以降、5名の女性の閣僚、7名の女性の政務次官が就任した。(1998年5月末日現在)

3)女性地方議会議員、首長等
(i)地方議会における女性議員の割合

地方議会における女性議員は、漸増しているものの、1996年12月現在、都道府県議会、市議会、町村議会及び特別区議会の全議員6万4,260名中、女性議員は2,849名で、その割合は4.4%(1992年12月現在3.3%)と依然として女性の参画が低い。

(ii)都道府県及び政令指定都市、市区町村における首長に占める女性

全国3,255の市区町村の首長については、市長1名、町長1名及び村長1名の計3名が在職している(1997年12月31日現在)。しかし、現在まで47都道府県及び12指定都市の首長はひとりも誕生していない。

(iii)都道府県の副知事及び指定都市の助役に占める女性

47都道府県の首長が任命する副知事については、1998年5月現在、女性が7名任命されている。また、12政令指定都市の助役については、1998年5月現在、女性が1名在職している。

4)司法における女性

女性初の最高裁判事が1名誕生した(1994年2月~1997年9月)。また1997年4月現在、6名の女性裁判所長が在職している。裁判官、検察官、司法試験合格者とも、近年、女性の割合が増えている。

5)女性国家公務員

第3回報告書で報告した通り、国家公務員(一般職)のうち、1989年度においてすべての職種について女性の受験の制限が撤廃された。毎年度、人事管理官会議の議決を経て総務庁長官が決定する「人事管理運営方針」において、時代の要請である社会の各分野における男女共同参画の推進に適切に対応した国家公務員の人事管理を推進する旨を定め、これを各省庁の人事管理における男女共同参画の推進のための取組の基本方針としている。女性管理職の割合は依然として低い状況にあるが、国家公務員全体及び管理職に占める女性の数、割合は引き続き増加している。

1997年7月には我が国で初めて、労働省において女性事務次官が誕生した。また、女性の文化庁長官(1994年7月25日~1996年1月19日)、社会保険庁長官(1994年9月1日~1996年7月1日)は既に誕生している。

6)女性地方公務員

地方公務員(全地方公共団体)に占める女性の数、割合は引き続き増加しており、また、管理職の女性職員(一般行政職)も、その数、割合も全体としては増加の傾向にある。

7)女性の警察官の積極的採用と職域の拡大

警察においては、複雑多様化する警察事象の中で、女性の警察官の積極的な採用とその職域の拡大を推進しているところである。

1994年度からは全ての都道府県警察で女性の警察官が誕生し、1997年4月1日現在、約7,800人が勤務している(前年比約630人増、1993年度比約2,400人増)。

活躍する分野も、次第に拡大され、交通指導取締り、少年補導、女子の留置、広報等のみならず、犯罪捜査、鑑識活動、情報分析、警衛、警護、警備等様々な分野に及んでいる。

特に、女性に対する性犯罪への対策においては、犯罪被害者の精神的負担の軽減等のために、捜査担当部門や交番、相談室等に女性の警察官を多数配置するなど、女性が主体的に活躍できる分野を拡大している。

また、1994年2月には、警視庁において初の女性警察署長が、1994年8月には滋賀県警察本部において初の女性課長が誕生するなど、女性の上級幹部の登用も進んでいる。

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