• 奥村 幸子 さん
• 自然科学研究機構国立天文台
• 助教授

• 電波天文学；天体から放射される電波を観測し、その天体の性質や起源を探る。最近は、専ら電波を分光（スペクトル分解）する観測装置の開発に従事。

はっきりと理工系分野を選択したのは、高校生の頃でしたが、きっかけは小・中学生の頃にありました。小学生の時に買ってもらった天体望遠鏡で月や惑星を観てそれに興味を覚えていました。中学３年の担任が理科の先生で、実験のレポートなどにいつも"正解"しか書かない私に、"どんな些細なことでも自分の目で見て、頭で考えたことを書いてみろ！"と言って、（試験の成績は良かったのですが）試験結果より悪い成績を付けられました。当時はその意味がよくわからず、納得していませんでしたが、後になって考えるとそのことが、"研究"を職業として選択する大きなきっかけになっていたように思います。今では先生に感謝しています。

研究の面白さは、なんといっても、今までわからなかったことが、自分の手（と頭？！）で解き明かされていくという所に尽きます。大学院生の頃は、興味のある問題を指導教官や研究グループで議論し、その中から"これは！"と思うものにアタックしました。（もちろん、今思えば、指導教官やグループの指導者の想定する範囲の問題を選んでいたのですが・・・。）スタッフになってからは、科学的な成果を支える観測装置の開発にテーマが移りましたが、やはり最終的な魅力は、新たな性能や工夫を備えた装置で、今までわからなかった謎が解き明かされる、というところにあります。

今は、理工系分野でも男女ともに、それぞれの特性を生かして仕事を進めることができる時代だと思います。ですから、とにかく目標を持って、元気と勇気で道を切り開きましょう！ただ、現実問題として、いろいろな人生の局面で壁（就職、結婚、子育てなど・・・）があるかもしれません。その時に、相談できる相手を出来るだけ増やしておきましょう。相手は、家族・友人・仕事仲間、どんな方面の方でもよいと思います。具体的に助けてくれなくても、あなたの悩みを聞いてくれるだけでよいと思います。一人で悩んで安易な結論に陥るのを防いでくれるはずです。さあ、出発しましょう！