先輩からのメッセージ

- NPO法人 日本女性技術者フォーラム
加藤 芽里 さん
自己紹介
小さい頃好きだったアニメキャラクターの白衣に憧れ,「化学」に興味を抱きました。数学や物理が得意ではなかったのですが、その憧れを胸に化学部へ入り、実験が好きになりました。そして理学部化学科へ入学。「化学」の学びを更に深めるため博士課程へ進学、学位を取得しました。その後、企業の半導体業務に従事し、10年間以上技術者(エンジニア)としてNAND型フラッシュメモリの開発に携わりました。今は、技術開発の企画を行う業務に従事しており、グローバルに活躍する技術者の育成や採用活動,半導体技術と社会を繋ぐための情報発信、技術開発でのイノベーション創出につながるリソースの管理業務に携わっています。ボランティアでJWEFの理事として活動しており,小中高大学生向けの理系選択/育成プログラム、女性エンジニア向けの様々なキャリア支援企画を実施しています。
理工学系分野を選択した時期・理由
英語が好きだった私は、小学生の時は「通訳」になる夢を抱いていました。そして中学生時代、数学や理科が得意ではありませんでした。そのため、高校 1 年生の進路選択では「文系」を選ぼうとしました。その時、技術者だった父から、「今文系を選んだら、ますます数学と理科が苦手になる」と忠告され、「理系」を選択。理系が苦手な私は受験でとても苦労しましたが、自分で決めた選択を後悔しないよう精一杯勉強しました。就職するにあたり、自分は何が「好き」なんだろう?と考え抜いた結果、英語と同じように、実験が好き。実験の何が好きなんだろう?と更に考え、自分は実験を通じて行う「ものづくり」が好きだと理解し、ものづくりの場である「製造業」への就職を決めました。
現在の仕事(研究)の魅力やおもしろさ
技術の企画という仕事は、技術と社会を繋ぐ仕事だと考えています。資格があるわけではありませんが、半導体の技術としては、物理/化学に基づく半導体デバイス/プロセスの基礎知識からメモリ/SSD等のコンピュータアーキテクチャに至る幅広い専門知識が求められます。また、企画という仕事には「課題解決力」「課題設定力」そして「人を巻き込む力」の3つが必要と考えています。 JWEFで理事としてボランティア活動をすることで、その企画力を活かしながら、会社だけでなく社会のより多くの方達と関わることができており、毎日とても楽しいです。
女子中高生・女子学生の皆さんへのメッセージ
理学/工学に対する進路選択と私が好きな「英語」、関係ないように思うかもしれませんが、世界最先端の研究や技術開発の情報は、多くの場合「英語」の論文や学会で発表されています。また、グローバルなビジネスの現場でも英語でのコミュニケーションは必要です。そして、時々「博士なのに研究しないのですか?」と問われることもありますが、博士とは「ある分野の専門家」だけを意味するのではないと私は考えています。博士の英訳が Doctor of Philosophyであることを鑑みると,森羅万象の原理・原則を見出すのが博士の魂。その「博士の魂」に恥じない仕事ができれば、キャリアの選択肢は無限にあると感じています。 キャリアに正解はありません。是非、自分の内なる声を大切に、自分らしいキャリアを見つけて下さい