職業能力開発総合大学校（以下「職業大」という。）は、厚生労働省が所管し、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する日本で唯一のものづくり分野の職業訓練指導員※の養成・研修等を行うことを目的に、国が設立した省庁大学校です。

「職業大」が実施している事業の１つとして、総合課程があります。総合課程では、ものづくり産業の中核である機械、電気、電子情報、建築の４専攻で構成されており、文部科学省の大学設置基準と同等の教育課程も学べるため、卒業後には「学士号」が授与されます。

※職業訓練指導員とは、公共職業能力開発施設などで職業に必要な技能及びこれに関する知識を付与するために職業訓練等を行う者です。

職業大の授業は実践的であることを旨としています。企業の生産現場を実際に近く再現。生きた体験のできる実習を通して職業能力が身に付けられます。職業大では約3,500 時間も実験・実習に費やして行います。コンピュータを用いたシミュレーションのみで授業を済ませたりせず、伝統的機器と最先端機器を駆使して、すべて基礎からものづくりのプロセスを実際に体験し、実践の知識や技能を養います。職業大で４年間しっかり学ぶことにより、高度な知識・技術・技能をトータルに習得した生産技術者、「プロセス・イノベーター」として世に出ることが可能です。

• 機械専攻
  機械工学全般の基礎を学び、そのうえで機械設計技術、加工技術、測定技術など、ものづくりに関する基盤技術を中心とし、NC工作機械、FAシステムやロボットに必須の計測・制御、自動技術などを習得します。
• 電気専攻
  電気回路技術をコアとして電子・情報・機械技術を包含した基礎を徹底的に学習します。そのうえで、代表的な技術分野である電気エネルギー変換、計測・制御、環境、生産現場に直接対応した分野の電気設備の設計・施工・管理、工場自動化、電動力応用、自然エネルギー利用を習得します。
• 電子情報専攻
  電子・情報・通信の各技術分野を学びます。電子技術分野では、電気回路、電子回路、計測工学、センサ工学、情報技術分野では、計算機工学、信号処理工学、ソフトウェア工学、および通信技術分野では、ネットワーク工学、通信工学など、一つの分野に偏ることなく、広い知識について実践的に習得します。
• 建築専攻
  建築計画・設計、建築構造、建築環境・設備、建築構法・材料・施工の各分野で、現代の建築におけるイノベーション技術とともに、我が国特有の伝統的な技能、例えばノミやカンナによる木造の仕口や継手の加工習得します。各専攻ともに小人数制で、豊富な実験・実習により実践的な能力を身につけます。

職業大女子の割合は年々増えています。男子が多いイメージがあるかもしれませんが、男子に負けず実験実習を行っており、在学している女子学生はみんな積極的に授業に取り組んでいます。また、ものづくりの現場では女性の技術者を求める声も多く聞かれます。

職業大は都心までアクセスしやすい立地ながら緑豊かなキャンパスとなっており、学ぶための環境が整っています。充実した環境で皆様が学べるよう、職員一同サポートしていきます。