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第1節 貧困等生活上の困難に直面する女性等への支援
ア 就業・生活の安定を通じた自立に向けた取組
男女の均等な機会及び待遇の確保の徹底、男女間賃金格差の解消、女性の就業継続や再就職の支援、女性に対する各種ハラスメントの防止、男女ともにライフステージに応じて、ワーク・ライフ・バランスを実現できる働き方の推進等に向けた取組を行う。【内閣府、厚生労働省】
男性に比べ女性の方が雇用者に占める非正規雇用労働者の割合が高いことが女性が貧困に陥りやすい背景の一つとなっていることから、公正な待遇が図られた多様な働き方の普及、同一企業・団体内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消等を推進する。【厚生労働省】
社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律(令和7年法律第74号)による中小企業等で働く短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大を着実に実施するとともに、更なる適用拡大の検討を進める。【厚生労働省】
生活困窮者の抱える課題は、経済的困窮を始めとして、就労、病気、住まいの不安定、家庭の課題、家計管理の課題、債務問題など多岐にわたり、かつこうした課題を複数抱えている場合もある。こうした生活困窮者のそれぞれの状況に応じて包括的な支援を行い、その自立を促進するため、生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)に基づく相談支援、就労支援、居住支援、家計改善支援等を行う。【厚生労働省】
令和6(2024)年4月に施行された女性支援新法を踏まえ、困難な問題を抱える女性に対して包括的な支援を実施できるよう、支援体制の強化、支援員の人材育成、民間団体と地方公共団体との協働の促進等の各種取組を行う。【厚生労働省】
男女共同参画センター等を拠点として、地方公共団体が実施する、様々な課題や困難を抱える女性に寄り添った相談支援や、男性の望まない孤独・孤立の解消等のための相談員の育成を含めた男性相談の取組など、地域女性活躍推進交付金により支援する。また、好事例の横展開を図り、相談支援の取組の充実等を促す。【内閣府】
令和10(2028)年10月の週所定労働時間10時間以上20時間未満の労働者への雇用保険適用拡大の施行に向けて着実に準備を進めるとともに必要な周知・広報等を実施する。【厚生労働省】
イ ひとり親家庭等の親子が安心して生活できる環境づくり
ひとり親家庭の実情に応じ、マザーズハローワーク、母子家庭等就業・自立支援センター等において、ひとり親を含む子育て女性等に対するきめ細かな就職支援を実施する。また、ひとり親家庭の親等の就労支援に資する職業訓練や各種雇用関係助成金の活用を推進する。さらに、就職に有利になる資格の取得や主体的な能力開発の取組を促進し、生活の安定を図るため、ひとり親家庭の親に対する給付金等により、ひとり親家庭の生活の安定に資する就業に向けた資格取得を促進する。加えて、企業に対して、ひとり親の優先的な雇用について協力を要請し、助成金を通じて企業の取組を支援するとともに、マザーズハローワーク等において、協力企業に関する情報を提供する。【こども家庭庁、厚生労働省】
ひとり親家庭等が安心して子育てをしながら生活できる環境を整備するため、以下の取組を含めた総合的な支援を展開する。【内閣府、こども家庭庁、厚生労働省、国土交通省】
- ひとり親世帯や住宅困窮度の高い子育て世帯の公営住宅に係る優先入居等、住宅セーフティネット制度による子育て世帯等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録促進、居住支援、住宅の改修や入居者負担の軽減、生活困窮者に対する家賃相当額や転居費用の支給、住居借り上げ資金の無利子での貸付け等を通じ、居住の安定を支援する。
- ひとり親家庭等のこどもに対し、学校や放課後児童クラブ等の終了後に生活習慣の習得・学習支援、軽食の提供等を行うことが可能な居場所づくりを推進する。
- 児童扶養手当の支給、母子父子寡婦福祉資金貸付金の貸付けにより経済的な支援を実施するとともに、引き続き支給要件の周知等を図る。
- デジタル化社会到来の中で、女性が経済的に自立できるよう、女性デジタル人材の育成など、多様な主体による連携体制の構築の下で地域の実情に応じて地方公共団体が行う取組を、地域女性活躍推進交付金により支援する。
ひとり親家庭を対象とした様々な支援情報を提供するため、ひとり親家庭等が活用できる支援施策や地方公共団体における取組状況、地域で活動しているひとり親家庭の支援団体等、利用できる支援等の情報を掲載したポータルサイト「ひとり親家庭の暮らし応援サイト『あなたの支え』」を運営し、ひとり親家庭が随時必要な情報を得られる環境を確保する。また、ひとり親家庭の相談窓口において、ひとり親家庭が直面する様々な課題や個別のニーズに対応するため、適切な支援メニューをワンストップで提供する体制を整備する。【こども家庭庁】
養育費の取決め等を促進するため、法定養育費はあくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものであり、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをすることが重要であることなどについて、動画やパンフレット等による効果的な周知・啓発を行う。養育費・親子交流相談支援センターや地方自治体における養育費の相談支援について、身近な地域での伴走型の支援、専門的な相談を更に充実・強化するとともに、離婚前後家庭支援事業において、弁護士等による支援を含めた離婚前からの支援の充実や、関係部署の連携強化を含めた地方自治体の先駆的な取組への支援を実施する。
「全国ひとり親世帯等調査」において、ひとり親家庭における養育費受領の実態を把握し、受領率向上に向けた取組につなげていく。
また、日本司法支援センター(法テラス)においては、資力の乏しい方でも民事裁判等手続を円滑に利用できるよう、無料の法律相談や弁護士費用等の立替えの支援(民事法律扶助制度)を行っているところ、令和6(2024)年4月1日から、養育費の請求を行うなどしたひとり親については、相手方から受け取った養育費を子のための資金として十分に確保できるように、立替金の償還免除要件を緩和するなど、その支援を拡充したものであり、これらの支援制度を適切に運用する。
養育費の確保を含む父母の離婚後の子の養育に係る制度及び支援施策の在り方等について、民法等の一部を改正する法律の施行後の各法律の施行の状況を踏まえた調査研究を実施するなどして検討を加える。また、法施行後の家事紛争に適切に対応するため、家庭裁判所の人的・物的体制の強化や専門性の向上に努めるよう要請する。また、関係機関と連携した上、家事事件に対応可能なADR事業者に関する情報を分かりやすく発信し、当事者が自分に合った紛争解決手続に容易にアクセスできるようにするとともに、ADR手続のオンライン化による全国対応を進めるなど、ADRの利便性向上と家事紛争の受入れ体制の充実を図る。【こども家庭庁、法務省】
家庭の経済状況等によってこどもの進学機会や学力・意欲の差が生じないように、以下の取組を推進する。【こども家庭庁、文部科学省、厚生労働省】
- 生活困窮世帯等に対する学習支援や進路選択に関する相談等の支援のほか、こどもや保護者の居場所づくりや生活に関する支援
- 学校におけるスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の配置の充実を図るとともに、地域全体でこどもの成長を支える地域学校協働活動を推進
- 高校中退を防止するため高等学校における指導・相談体制の充実を図るとともに、高校中退者等を対象とした学習相談及び学習支援を実施する地方公共団体等の取組の支援等
- 教育費に係る経済的負担の軽減
- ひとり親家庭等のこどもに対し、学校や放課後児童クラブの終了後に生活習慣の習得支援、大学等受験料の支援を含む学習支援等を行うことにより、進学に向けたチャレンジを後押し
生まれ育った環境によって、こどもの将来が左右されることのない社会の実現に向けて、社会全体でこどもの貧困対策を進めていく「こどもの未来応援国民運動」を展開する。【こども家庭庁】
ウ こども・若者の自立に向けた力を高める取組
社会人・職業人として自立できる人材を育成するため、キャリア教育・職業教育を体系的に充実する。進路や就職に関する指導も含め、男女ともに経済的に自立していくことの重要性について伝えるとともに、自らの学びのプロセスを記述し振り返ることができる教材「キャリア・パスポート」の効果的な活用等を通じて、女性が、長期的な視点に立って人生を展望し、働くことを位置付け、準備できるような教育を推進する。【文部科学省】
若者が充実した職業人生を歩んでいけるよう、就業等の実態を男女別等きめ細かく把握し、新規学校卒業者への支援、中途退学者や未就職卒業者への対応、フリーターを含む非正規雇用で働く若者への支援等を行う。【文部科学省、厚生労働省】
ニート、ひきこもり等、困難を有するこども・若者が、社会生活を円滑に営むことができるよう、子ども・若者総合相談センター、地域若者サポートステーション、ひきこもり地域支援センター等において、多様な主体間の連携により、複数の支援を組み合わせるなど、地域の実情に合った切れ目のない支援を行う。【こども家庭庁、文部科学省、厚生労働省、関係府省】
いわゆるヤングケアラーの問題は、表面化しにくい構造であること等を踏まえ、地方公共団体における実態把握、様々な支援に結び付けるコーディネーターの配置や支援窓口の設置等の支援策を推進する。また、ヤングケアラーについて理解を深めるため、必要な広報その他啓発活動を行う。【こども家庭庁】