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第2節 G7、G20、APEC、OECDにおける各種合意等への対応
G7、G20、APEC、OECDやその他のジェンダー分野の課題を扱う国際会議や多国間協議における首脳級・閣僚級のジェンダー平等に係る各種の国際合意や議論を、国内施策に適切に反映して実施するとともに、その進捗を把握し、施策の改善にいかしている。合意に至る議論の過程においては、我が国の経験や取組等に基づく情報発信及び共有により、政策決定及び取組方針に貢献している。
(G7)
- 令和6(2024)年6月にイタリアで開催されたG7プーリア・サミットの首脳コミュニケでは、ジェンダー平等についての独立したパラグラフに加え、気候変動、開発、地域情勢、移住、食料安全保障、デジタルとAI、労働と雇用といった幅広い文脈においてもジェンダー課題への対処の重要性が網羅的に記載された。ジェンダー平等並びにあらゆる多様性をもつ女性及び女児のエンパワーメントを達成し、全ての政策分野において一貫してジェンダー平等を主流化し続けるとのコミットメントを改めて表明し、ジェンダー主流化を深化させるため、国際金融機関とともに3年間にわたって少なくとも200億米ドル以上の投資を開放すると宣言した。
さらに、同年10月に男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が同国のマテーラで開催され、会合では、「ジェンダーに基づく暴力の根絶と被害者及び生存者への支援の強化」及び「女性と女児のエンパワーメント、国家のエンパワーメント:ジェンダー平等を推進するための共同の取組」をテーマにG7各国及びEUの担当閣僚等の間で議論が行われた。日本からは、内閣府からの代表者等が参加し、性犯罪・性暴力の対策、女性・平和・安全保障(WPS)及び女子中高生・女子学生の理工系分野への進路選択に係る我が国の取組を発信した。会議の成果として取りまとめられた共同声明では、あらゆる形態のジェンダーに基づく暴力を根絶するためにジェンダーに基づく固定観念、暴力や差別等が防止される環境を育むことや、女性の労働市場参画を阻害する男女間の雇用格差や男女間賃金格差等の解消及び女性と女児がSTEM教育やキャリアに従事することの促進等を行うことの重要性などが指摘された。
(G20)
- 令和6(2024)年10月にはG20ブラジル議長国下で、G20では4回目となる女性活躍担当大臣会合が同国のブラジリアで開催され、我が国からは駐ブラジル日本国特命全権大使が対面で出席し、ジェンダー平等は日本政府の重要かつ揺るぎない、確固たる方針であると強調し、経済分野における意思決定層への女性参画拡大やその実現のための官民連携の重要性について発信した。さらに同年11月のG20リオデジャネイロ・サミットで発出されたリオデジャネイロ首脳宣言では、ジェンダーに基づく暴力の終結、ケア労働におけるジェンダー平等、ジェンダーによる賃金格差の是正等の推進にG20諸国がコミットすることが再確認された。
(APEC)
- 令和6(2024)年5月にペルー(アレキパ)にて、APECにおいて初めてとなる貿易・女性担当大臣合同会合が開催され、貿易分野における女性の経済的エンパワーメントの推進について議論された。成果として、「2024年APEC貿易・女性担当大臣合同会合共同声明」が発出された。我が国からは、高村正大外務大臣政務官、石井拓経済産業大臣政務官及び内閣府からの代表者が参加し、議論を行った。また、女性と経済フォーラムが開催され、「女性と女児をSTEMに惹きつける」をテーマにAPEC域内での取組が共有された。我が国からは内閣府からの代表者等が対面で出席し、STEM分野での女性活躍の促進や、防災の意思決定過程や現場における女性の参画拡大について発信を行った。成果として「2024 APEC女性と経済フォーラム閣僚声明」が発出された。
(OECD)
- OECDにおいては、令和6(2024)年5月にOECD閣僚理事会が開催され、日本が議長国を務めた。「変化の流れの共創:持続可能で包摂的な成長に向けた客観的で高い信頼性に裏付けられたグローバルな議論の先導」をテーマに、議論が行われた。成果文書として採択された閣僚声明では、OECD各国がジェンダー平等に引き続きコミットすることが明記され、ジェンダー平等及びインクルージョンの主流化を継続し、男女別データを用いた信頼できる分析に基づく交差的アプローチをとることを奨励する旨が記載された。また、同年12月には第6回ジェンダー主流化作業部会がハイブリッド形式で開催され、各国の優先課題と取組が共有されたほか、ジェンダーに基づく暴力やジェンダー主流化の実例等について議論が行われた。【内閣府、外務省、経済産業省、関係省庁】
国際会議や多国間協議において合意文書にジェンダー平等と女性・女児のエンパワーメントに関する事項を盛り込むよう取り組むとともに、我が国が国際会議の議長国となる場合に、全ての大臣会合においてアジェンダとして取り上げるよう取り組んでいる。【外務省、関係府省】