第2分野 雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和

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第4節 非正規雇用労働者の待遇改善、正規雇用労働者への転換の支援

ア 非正規雇用労働者の待遇改善や正規雇用労働者への転換に向けた取組の推進

1 令和2(2020)年4月に施行された短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)及び改正された労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)の円滑な施行に取り組み、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を図っている。その施行状況等を踏まえ、令和7(2025)年2月から、労働政策審議会同一労働同一賃金部会において、必要な見直しについて議論を行っている。また、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」(令和4年10月28日閣議決定)及び「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和5年11月2日閣議決定)に基づき、労働基準監督署と都道府県労働局が連携し、同一労働同一賃金の遵守の徹底に向けた取組を行っている。【厚生労働省】

2 最低賃金については、令和6(2024)年度は全国加重平均で51円の引上げの1,055円となった。引き続き、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の周知などの価格転嫁の促進や、省力化投資などの生産性向上支援などに取り組みつつ、2020年代に全国平均1,500円という高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けている。【厚生労働省、経済産業省】

3 キャリアアップ助成金の活用促進等により非正規雇用労働者の正規雇用労働者への転換を推進している。【厚生労働省】

4 非正規雇用労働者の能力開発を図り、企業内でのキャリアアップ、企業の枠を超えたキャリアアップを推進している。また、キャリア形成・リスキリング推進事業等を通じてキャリアコンサルティング機会の充実に取り組んでいる。さらに、公的職業訓練について、地域における産業の動向やニーズを踏まえて訓練の内容を見直し、必要な訓練を実施している。【厚生労働省】

5 正規雇用労働者と短時間労働者・有期雇用労働者の均衡のとれた賃金決定を促進するため、47都道府県に設置している「働き方改革推進支援センター」において職務分析・職務評価の導入支援・普及促進を行っている。【厚生労働省】

イ 公正な処遇が図られた多様な働き方の普及・推進

1 有期契約労働者について、労働契約法(平成19年法律第128号)に規定されている無期労働契約への転換(無期転換ルール)等の更なる周知徹底を図っている。【厚生労働省】

2 派遣労働者について、労働者派遣法に基づき、派遣先に雇用される通常の労働者との不合理な待遇差の解消を図るとともに、正規雇用労働者化を含むキャリアアップの支援や派遣労働者に対する雇用安定措置等を通じた一層の雇用の安定と保護等を図っている。【厚生労働省】

3 非正規雇用労働者の産前産後休業、育児休業、産後パパ育休及び介護休業の法制度の内容について、非正規雇用労働者及び事業主に対する周知・徹底を行うとともに、利用環境の改善を図っている。【厚生労働省】

4 令和6(2024)年10月に、短時間労働者への被用者保険の適用に係る企業規模要件を101人以上から51人以上に引き下げた。【厚生労働省】

5 非正規雇用労働者の正規雇用労働者への転換等を促進するため、勤務地等が限定された「多様な正社員」制度の導入を支援している。【厚生労働省】

6 令和6(2024)年12月に国家公務員の育児休業等に関する法律の一部を改正する法律(令和6年法律第79号)が成立し、国の行政機関で働く職員(非常勤職員を含む。)の育児時間制度について、新たな選択肢(1年につき人事院規則で定める時間(10日相当)を超えない範囲内の形態)を追加するとともに、非常勤職員が養育する子の年齢を「小学校就学の始期に達するまで」に引き上げたほか、育児休業や介護休暇等の制度の周知・普及を図っている。

人事院では、令和3(2021)年度に措置された不妊治療のための休暇(出生サポート休暇)等を含めた両立支援制度が広く活用されるよう、職員向けのリーフレットや管理職向けの研修教材の提供等により周知啓発や各府省に対する支援・指導に取り組んだ。また、人事院では、令和6(2024)年12月に、子の看護休暇の対象となる子の範囲・取得事由の拡大、子の看護休暇等の対象となる非常勤職員の要件の緩和及び私傷病の休暇の有給化等をするための改正人事院規則等を公布・発出(令和7(2025)年4月施行)した。

総務省では、会計年度任用職員制度について、令和6(2024)年4月1日時点の施行状況に関する調査を実施し、その結果を踏まえ、同年12月に、常勤職員の給与が改定された場合における会計年度任用職員の給与については、改定の実施時期を含め、常勤職員の給与の改定に係る取扱いに準じて改定することを基本とし、適切に対処するなど、制度の適切な運用について助言を行った。地方公共団体で働く会計年度任用職員の休暇・休業については、国家公務員と同様の制度整備が行われ、職員への周知及び制度の活用が図られるよう、各地方公共団体の取組を促しており、各団体に対し必要な助言を行っている。(再掲)【内閣官房、総務省、(人事院)】