第4節 非正規雇用労働者の待遇改善、正規雇用労働者への転換の支援

本編 > 2 > 第2部 > I > 第2分野 > 第4節 非正規雇用労働者の待遇改善、正規雇用労働者への転換の支援

第4節 非正規雇用労働者の待遇改善、正規雇用労働者への転換の支援

ア 非正規雇用労働者の待遇改善や正規雇用労働者への転換に向けた取組の推進

1 令和2(2020)年4月に施行された短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)及び改正された労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)の円滑な施行に取り組み、同一企業・団体内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を図る。【厚生労働省】

2 地域別の最低賃金については、その引上げの環境整備を一層進めるためにも事業再構築・生産性向上に取り組む中小企業へのきめ細やかな支援や取引適正化等に取り組みつつ、景気や物価動向を踏まえ、地域間格差にも配慮しながら、できる限り早期に最低賃金の全国加重平均が1,000円以上となることを目指し、引き上げに取り組む。こうした考えのもと、最低賃金について、官民が協力して引上げを図るとともに、その引上げ額については、公労使三者構成の最低賃金審議会で、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮し、しっかり議論する。【厚生労働省、経済産業省】

3 キャリアアップ助成金の活用促進等により非正規雇用労働者の正規雇用労働者への転換等を推進する。【厚生労働省】

4 非正規雇用労働者の能力開発を図り、企業内でのキャリアアップ、企業の枠を超えたキャリアアップを推進する。また、キャリア形成サポートセンター事業等を通じてキャリアコンサルティング機会の充実に取り組む。さらに、公的職業訓練について、地域における産業の動向やニーズを踏まえて訓練の内容を見直し、必要な訓練を実施する。【厚生労働省】

5 正規雇用労働者と短時間労働者・有期雇用労働者の均衡のとれた賃金決定を促進するため、47都道府県に設置している「働き方改革推進支援センター」において職務分析・職務評価の導入支援・普及促進を図る。【厚生労働省】

イ 公正な処遇が図られた多様な働き方の普及・推進

1 有期契約労働者について、労働契約法(平成19年法律第128号)に規定されている無期労働契約への転換(無期転換ルール)等の更なる周知徹底を図る。【厚生労働省】

2 派遣労働者について、労働者派遣法に基づき、派遣先に雇用される通常の労働者との不合理な待遇差の解消を図るとともに、正規雇用労働者化を含むキャリアアップの支援や派遣労働者に対する雇用安定措置等を通じた一層の雇用の安定と保護等を図る。【厚生労働省】

3 非正規雇用労働者の産前産後休業、育児休業、産後パパ育休及び介護休業の法制度の内容について、非正規雇用労働者及び事業主に対する周知・徹底を行うとともに、利用環境を改善する。【厚生労働省】

4 令和4(2022)年10月及び令和6(2024)年10月に予定されている短時間労働者への被用者保険の適用拡大に向けて、準備・周知・広報を行う。【厚生労働省】

5 非正規雇用労働者の正規雇用労働者への転換等を促進するため、助成等により企業の取組を支援する。【厚生労働省】

6 行政機関で働く非常勤職員3について、育児休業や介護休暇等の制度の周知・普及を図るとともに、非常勤職員の制度の趣旨、勤務の内容に応じた処遇が確保されるよう、引き続き配慮や助言を行う。国の行政機関で働く非常勤職員の給与については、平成29(2017)年5月に、平成30(2018)年度以降、特別給(期末手当/勤勉手当)に相当する給与の支給を開始すること等について各府省等間で申し合わせており、着実に処遇改善が進んできているところであり、引き続き、本申合せに沿って、非常勤職員の処遇改善を進めていく。また、国の行政機関で働く非常勤職員の休暇・休業については、令和3(2021)年度に措置された不妊治療のための休暇(出生サポート休暇)等の新設、育児休業・介護休暇等の取得要件の緩和等について内容の周知を図る。

総務省では、「会計年度任用職員」制度の趣旨を踏まえ、勤務の内容に応じた処遇の確保を促進する。地方公共団体で働く会計年度任用職員の休暇・休業については、国家公務員と同様に、不妊治療のための休暇の新設や育児休業・介護休暇の取得要件の緩和等について職員に周知が行われ、制度の活用が図られるよう、総務省として、各地方公共団体の取組を促していく。【内閣官房、総務省、(人事院)】

3国の期間業務職員等や地方の会計年度任用職員をいう。