第4節 経済分野

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第4節 経済分野

ア 企業における女性の参画拡大

○ 女性の活躍状況の把握・分析、その結果を踏まえた目標設定、目標達成に向けた取組を内容とする事業主行動計画の策定、女性の活躍状況に関する情報公表等、女性活躍推進に向けて企業等が行う積極的改善措置(ポジティブ・アクション)等の取組を促進している。また、改正された女性活躍推進法に基づき、新たに義務付けられる取組内容について、あらゆる機会を通じて事業主に対し周知し、円滑な施行及び実効性の確保を図るとともに、新たに義務付けられる中小企業等に対して説明会への講師派遣や個別企業訪問により、女性活躍についての取組を支援した。【内閣府(男女共同参画局)、厚生労働省】

○ 女性活躍推進法に基づき、女性の活躍に関する状況把握・課題分析を行った上で、課題解決に適切な取組目標及び数値目標を盛り込んだ一般事業主行動計画を策定・公表して取組を行った結果、数値目標を達成した中小企業事業主に対して助成金を支給した。【厚生労働省】

○ 社会全体で、女性活躍の前提となるワーク・ライフ・バランス等の実現に向けた取組を進めるため、女性活躍推進法第24条及び「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針」(平成28年3月22日すべての女性が輝く社会づくり本部決定。以下「公共調達等取組指針」という。)に基づき、国及び独立行政法人等が、総合評価落札方式又は企画競争方式による調達を行うときは、女性活躍推進法、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)、青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和45年法律第98号)に基づく認定を取得する等したワーク・ライフ・バランス等推進企業を加点評価する取組を実施している。

内閣府では、毎年度、ワーク・ライフ・バランス等推進企業の加点評価を実施した調達の件数や金額等を調査し、公表している。令和3(2021)年度は初めて、国の各機関の個々の調達における加点の適用状況やワーク・ライフ・バランス等推進企業の落札状況等について大規模な実態調査を実施し、その結果を令和4(2022)年3月に男女共同参画会議の下に置かれた第13回計画実行・監視専門調査会へ報告した。また、本取組の実施状況や関係法令の改正を踏まえ、ワーク・ライフ・バランス等推進企業の受注機会の増大に向けて、「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する実施要領」(平成28年3月22日内閣府特命担当大臣(男女共同参画)決定。以下「公共調達等実施要領」という。)を改正し、国の各機関等に対し、本取組の全面的な実施や、加点割合の引上げ等、取組の更なる推進を要請した。さらに、努力義務となっている地方公共団体に対しても、国の取組に準じた施策の積極的な実施を要請した。【内閣府(男女共同参画局)、厚生労働省】

○ 金融庁では、企業における女性の活躍に関し、投資判断に有効な企業情報の開示を促進するため、有価証券報告書等において企業の判断で行う情報開示の好事例を取りまとめ、周知を行った。また、女性等の管理職への登用等における多様性の確保についての考え方と自主的かつ測定可能な目標を示すとともに、その状況を開示すべきとする内容を盛り込んだコーポレートガバナンス・コードの再改訂の公表を令和3(2021)年6月に行い、その内容に沿った取組を上場会社に促した。企業のガバナンスにおけるジェンダー平等の確保の重要性に鑑み、金融審議会において有価証券報告書等における開示の在り方を含め、コーポレートガバナンスの改善に向けてジェンダーの視点も踏まえた検討を行った。【金融庁】

○ 内閣府では、有価証券報告書に掲載された女性役員に係る情報の集計及び開示の取組を通じ、女性の活躍に積極的に取り組む企業が評価されるよう努めている。令和3(2021)年度は、新たに、業種別に企業ごとの女性役員割合の分布状況を取りまとめ、公表した。【内閣府(男女共同参画局)】

○ 女性役員の登用が進んでいない要因について調査を行うとともに、女性役員の社内登用促進のため、社内取締役に占める女性割合の高い企業に対し既存の人事慣行の見直し事例や人材育成等の取組事例の調査を行った。また、諸外国における企業役員等の女性比率の向上を目的としたクオータ制等の制度・施策等について、それらの導入経緯、内容等に関する調査を行った。【内閣府(男女共同参画局)】

○ 女性を始め多様な人材の能力を最大限発揮させるダイバーシティ経営の推進では、令和2(2020)年度に策定した中堅・中小企業向けの「ダイバーシティ経営診断シートや手引き2.0行動ガイドライン」などのツールの周知セミナー、ワークショップ等を計7回開催し、延べ240名を超える参加者に対して各ツールの目的・使用方法などの普及を行った。【経済産業省】

イ 女性の能力の開発・発揮のための支援

○ 「女性リーダー人材バンク」の管理運営を通じて、企業へ役員に登用可能な人材の情報を提供している。【内閣府(男女共同参画局)】

○ 「輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会」では、令和3(2021)年11月に野田聖子内閣府特命担当大臣(男女共同参画)出席の下、企業経営者や地方自治体の長等がオンライン上で一堂に会し意見交換を行うリーダーミーティングを開催した。また、令和4(2022)年1月、2月にはそれぞれ秋田県、愛知県にて地域シンポジウムを開催し、各地方における企業経営者等に対し、会への参加を呼び掛けた。その他、好事例を掲載した冊子を作成し、参加者の取組の共有や、会の周知に使用した。【内閣府(男女共同参画局)】

○ 女性活躍推進法に基づき、地域における女性の活躍を迅速かつ重点的に推進するため、地域の経済団体、金融機関、教育機関、NPO等などの多様な主体による連携体制の下、女性活躍推進法の一部改正に伴い、一般事業主行動計画の策定について新たに義務対象となる中小企業の計画策定への支援など、地方公共団体が地域の実情に応じて支援を行う取組を地域女性活躍推進交付金により支援した。【内閣府(男女共同参画局)】

ウ 女性起業家に対する支援等

○ 女性の起業を後押しするため、「女性、若者/シニア起業家支援資金」等による資金繰り支援を実施している。【経済産業省】

○ 女性の起業を後押しするため、各省関係者・自治体・女性起業家支援機関をメンバーとして令和2(2020)年に設立した「わたしの起業応援団」は、令和4(2022)年2月現在、260以上の機関が参画している。令和3(2021)年度は新たに、実際に起業を志す女性に対して、本ネットワーク会員のうち複数機関が連携して伴走支援を行う事業を実施した。女性起業家に対する多角的な支援を実施するとともに、支援提供機関にとっても、アドバイザーからの助言やハンズオン支援を通じた支援ノウハウの共有により、スキル向上、連携強化を図った。本事業により培われたノウハウ、スキーム、連携の在り方等を調査報告書として取りまとめ、本ネットワーク内で共有し、次年度以降に活用を予定している。令和4(2022)年2月には第2回関係者連絡会議を実施した。また、支援者の育成のための研修等も実施した。【内閣府(男女共同参画局)、経済産業省】

○ 女性も含めた後継者の事業承継を後押しし、中小企業・小規模事業者の事業統合・再編を促すため、予算・税制等を含めた総合的な支援策を推進している。【経済産業省】